浮世絵 Floating World 珠玉の斎藤コレクション 第2期(感想後編)【三菱一号館美術館】
今日は前回の記事に引き続き、三菱一号館美術館の「浮世絵 Floating World 珠玉の斎藤コレクション」(第2期)の後編をご紹介いたします。前編には混み具合なども記載しておりますので、前編を読まれていない方は前編から先にお読み頂けると嬉しいです。
前編はこちら

まずは概要のおさらいです。
【展覧名】
浮世絵 Floating World 珠玉の斎藤コレクション
第1期:浮世絵の黄金期 江戸のグラビア
第2期:北斎・広重の登場
第3期:うつりゆく江戸から東京
【公式サイト】
http://www.mimt.jp/ukiyoe/
【会場】三菱一号館美術館
【最寄】東京駅・二十橋前駅・有楽町・日比谷駅
【会期】
第1期:2013年06月22日(土)~07月15日(月・祝)
第2期:2013年07月17日(水)~08月11日(日)
第3期:2013年08月13日(火)~09月08日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日14時半頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
2期の前編では主に葛飾北斎の作品が展示されていましたが、後半は歌川広重や歌川国芳の作品などが展示されていました。後半も解説は少なめなので、参考記事などを参照して頂ければと思います。
<東海道五拾三次之内、旅立ち駿河へ>
こちらは有名な東海道五十三次が並ぶコーナーで、日本橋から駿河辺りまでの内容となっていました。
参考記事:
殿様も犬も旅した 広重・東海道五拾三次-保永堂版・隷書版を中心に- (サントリー美術館)
浮世絵入門 -広重《東海道五十三次》一挙公開- (山種美術館)
広重と北斎の東海道五十三次と浮世絵名品展 (うらわ美術館)
62-63 初代歌川広重 「東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景」「東海道五拾三次之内 日本橋」 ★こちらで観られます
これは東海道五十三次の出発地である日本橋を描いた作品で、2枚展示されています。作品番号62の方が早い摺りで、63は後に摺られたもので改変されています。まず62は日本橋を渡る大名行列と、手前に天秤を担ぐ魚商人たちが描かれています。一方、63は配置こそ62と同じものの、手前の人々が画面を埋め尽くすように描かれているのが大きな違いです。見比べてみると他にも様々な変更点が確認できるので、これは興味深い展示方法でした。
この辺にはロートレックなどフランスの版画などもありました。
71 初代歌川広重 「東海道五拾三次之内 平塚 縄手道」
両脇に田んぼ?がある道を描いた作品で、奥には山が描かれています。道にはこちらに向かって走ってくる飛脚と、奥の方へと荷物を担いで歩く人達が描かれていて、今まさにすれ違おうとしています。そんな光景をモチーフにした点が面白く、人々の営みが伝わってくるように感じました。
この辺には私の好きな雪の蒲原もありました。ちなみに蒲原には滅多に雪は降らないそうですw
<東海道五拾三次之内、尾張へ>
続いても東海道五十三次のコーナーです。次は尾張辺りまでの作品が展示されていました。
97 初代歌川広重 「東海道五拾三次之内 亀山 雪晴」
一面雪景色の山の斜面を描いた作品で、上の方には白らしき建物が見えています。全体的に斜めの構図となっているせいか広がりがあり、やや赤く染まる朝焼けが清々しい雰囲気です。山の中腹にいるのは大名行列かな。構図の大胆さが楽しめる1枚です。
このコーナーには傑作として名高い庄野白雨なども展示されていました。この辺で上階は終わりで、休憩所では版画制作の映像を流していました。
<東海道五拾三次之内、京都へ>
続いては終点の京都までのコーナーです。
103 初代歌川広重 「東海道五十三駅続画」
これは絵ではなく表紙で、大きく「廣重画 東海道五十三驛続画 保永堂」と書かれています。判も押されていて版元なども分かります。絵の作品はよく見ますが、表紙が展示されているのは珍しいかも。
この辺には京や大津などの作品がありました。
<広重の名所絵>
続いては歌川広重の東海道五十三次以外の名所絵のコーナーです。
124 初代歌川広重 「甲陽猿橋之図」
これは縦2枚続きの縦長の作品で、川の上の崖と崖の間にかかる橋が描かれています。そこに馬に乗った旅人が通っていて、橋の下には満月があり やや木に隠れた感じとなっています。また、橋の下には町並みも描かれていて、画面の構成が非常に面白く感じられました。
<美人東海道と役者東海道>
続いては東海道五十三次と美人絵や役者絵を組み合わせた作品のコーナーです。
108 渓斎英泉 「大磯駅 九」
大磯の宿場町を背景に、下半分にタライを使って水浴びしている半裸の女性が描かれた作品です。手をついて座り首の辺りを洗っている様子が艶かしい感じですが、健康的な色気のように思えました。
この辺には初代広重の3枚続きの風景画もありました。
117 三代目歌川豊国 「東海道五十三次の内 庄野 中野藤兵衛」
広重の庄野白雨を背景に役者が描かれた作品です。口を結んで手を広げ、凛々しい雰囲気の役者で、背景との関連は分かりませんが、東海道五十三次から20年経った頃に出た作品らしく、広重の衰えない人気を伺わせました。
141 三代目歌川豊国・初代歌川広重 「双筆七湯廻 塔の沢三代目岩井粂三郎」
これは広重の風景画を背景に歌川豊国(三代)の美人画が描かれた夢のコラボ作品で、箱根七湯のうち塔ノ沢が描かれています。キセルを持って布を頭に巻く美人(岩井粂三郎)が温泉宿と川を背景にしていて、着物の柄は井○井となっています。つまり「井○井」は「いわい」と読め、岩井粂三郎を表しているようでした。2人の豪華なコラボも面白いですが、そうした遊び心も楽しめる作品でした。
119 初代歌川広重 「月に雁」 ★こちらで観られます
これは切手で有名な「月に雁」で、大きく画面からはみ出さんほどの満月を背景に、下に向かって滑空する3羽の雁が描かれています。対角線上に連なり、空中で観てきたかのような構図に躍動感があります。絵の下の中央の辺りには馬の後ろ姿と鹿を組み合わせた印があり、馬鹿印となっていました。これは色合いも良かったです。
<国貞(三代豊国)>
続いては美人画で名を馳せた国貞(三代豊国)のコーナーです。
135 歌川国貞(三代目歌川豊国) 「当世 ちよのたのしみ」
軒先で柱にもたれかかって座り、左手で丸めた手紙を持って右手を頭に当てて考え事をしている美人を描いた作品です。ポーズは悩んでいるように見えますが、顔は楽しそうに見えるかな。この隣にはほとんど同じ構図で昼夜や着物の柄、背景の花などが変わった作品がありました。同じ構図でも要素が変わるとガラリと雰囲気が違うのが面白かったです。
<国芳>
最後は歌川国芳のコーナーです。奇想天外な作品が並んでいました。
参考記事
歌川国芳-奇と笑いの木版画 (府中市美術館))
破天荒の浮世絵師 歌川国芳 前期:豪傑なる武者と妖怪 (太田記念美術館))
破天荒の浮世絵師 歌川国芳 後期:遊び心と西洋の風 感想前編(太田記念美術館)
破天荒の浮世絵師 歌川国芳 後期:遊び心と西洋の風 感想後編(太田記念美術館)
奇想の絵師歌川国芳の門下展 (礫川浮世絵美術館)
没後150年 歌川国芳展 -幕末の奇才浮世絵師- 前期 感想前編(森アーツセンターギャラリー)
没後150年 歌川国芳展 -幕末の奇才浮世絵師- 前期 感想後編(森アーツセンターギャラリー)
没後150年 歌川国芳展 -幕末の奇才浮世絵師- 後期 感想前編(森アーツセンターギャラリー)
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浮世絵猫百景-国芳一門ネコづくし- 前期 感想前編(太田記念美術館)
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浮世絵猫百景-国芳一門ネコづくし- 後期 感想前編(太田記念美術館)
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はじまりは国芳 ~江戸スピリットのゆくえ~ (横浜美術館)
150 歌川国芳 「建久四年 源頼朝冨士牧狩之図」
3枚続きの作品で、富士山を背景に沢山の武者たちが集まり、右には馬に乗った頼朝らしき人物が描かれています。目を引くのは左のほうにいる大猪で、すごい勢いで飛び出してきていて周りには転げて助けを求めている人たちの姿もあります。画面の上には吹き飛ばされた人までいて、滑稽な感じが出ていました。国芳らしい生き生きとした作品です。
この近くには168「讃岐院眷属をして為朝をすくふ図」もありました。また、猫を役者に見立てた作品もあります。
171 歌川国芳 「浅茅原一ツ家之図」
これは3枚続きの作品で、中央に包丁を持った上半身裸の鬼婆、左にそれを止める娘、右には衝立の向こうに座っている女性の姿があります。これは確か、泊めた女性を襲おうとする鬼婆を娘が止めているシーンだったと記憶していますが、女性は観音の化身で背景にある糸巻きがまるで光背のようになっているのが面白いです。恐ろしげでありつつ機知に富んだ作品です。
ということで、観たことがある作品も多かったですが改めて浮世絵の凄さ・楽しさを実感できる内容となっていました。特に2期は冨嶽三十六景と東海道五十三次という有名作品が並んでいますので、浮世絵に詳しくない人にも入門として良いのではないかと思います。2期は残り僅かですが、気になる方は是非お早めにどうぞ。
参照記事:★この記事を参照している記事
前編はこちら

まずは概要のおさらいです。
【展覧名】
浮世絵 Floating World 珠玉の斎藤コレクション
第1期:浮世絵の黄金期 江戸のグラビア
第2期:北斎・広重の登場
第3期:うつりゆく江戸から東京
【公式サイト】
http://www.mimt.jp/ukiyoe/
【会場】三菱一号館美術館
【最寄】東京駅・二十橋前駅・有楽町・日比谷駅
【会期】
第1期:2013年06月22日(土)~07月15日(月・祝)
第2期:2013年07月17日(水)~08月11日(日)
第3期:2013年08月13日(火)~09月08日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日14時半頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
2期の前編では主に葛飾北斎の作品が展示されていましたが、後半は歌川広重や歌川国芳の作品などが展示されていました。後半も解説は少なめなので、参考記事などを参照して頂ければと思います。
<東海道五拾三次之内、旅立ち駿河へ>
こちらは有名な東海道五十三次が並ぶコーナーで、日本橋から駿河辺りまでの内容となっていました。
参考記事:
殿様も犬も旅した 広重・東海道五拾三次-保永堂版・隷書版を中心に- (サントリー美術館)
浮世絵入門 -広重《東海道五十三次》一挙公開- (山種美術館)
広重と北斎の東海道五十三次と浮世絵名品展 (うらわ美術館)
62-63 初代歌川広重 「東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景」「東海道五拾三次之内 日本橋」 ★こちらで観られます
これは東海道五十三次の出発地である日本橋を描いた作品で、2枚展示されています。作品番号62の方が早い摺りで、63は後に摺られたもので改変されています。まず62は日本橋を渡る大名行列と、手前に天秤を担ぐ魚商人たちが描かれています。一方、63は配置こそ62と同じものの、手前の人々が画面を埋め尽くすように描かれているのが大きな違いです。見比べてみると他にも様々な変更点が確認できるので、これは興味深い展示方法でした。
この辺にはロートレックなどフランスの版画などもありました。
71 初代歌川広重 「東海道五拾三次之内 平塚 縄手道」
両脇に田んぼ?がある道を描いた作品で、奥には山が描かれています。道にはこちらに向かって走ってくる飛脚と、奥の方へと荷物を担いで歩く人達が描かれていて、今まさにすれ違おうとしています。そんな光景をモチーフにした点が面白く、人々の営みが伝わってくるように感じました。
この辺には私の好きな雪の蒲原もありました。ちなみに蒲原には滅多に雪は降らないそうですw
<東海道五拾三次之内、尾張へ>
続いても東海道五十三次のコーナーです。次は尾張辺りまでの作品が展示されていました。
97 初代歌川広重 「東海道五拾三次之内 亀山 雪晴」
一面雪景色の山の斜面を描いた作品で、上の方には白らしき建物が見えています。全体的に斜めの構図となっているせいか広がりがあり、やや赤く染まる朝焼けが清々しい雰囲気です。山の中腹にいるのは大名行列かな。構図の大胆さが楽しめる1枚です。
このコーナーには傑作として名高い庄野白雨なども展示されていました。この辺で上階は終わりで、休憩所では版画制作の映像を流していました。
<東海道五拾三次之内、京都へ>
続いては終点の京都までのコーナーです。
103 初代歌川広重 「東海道五十三駅続画」
これは絵ではなく表紙で、大きく「廣重画 東海道五十三驛続画 保永堂」と書かれています。判も押されていて版元なども分かります。絵の作品はよく見ますが、表紙が展示されているのは珍しいかも。
この辺には京や大津などの作品がありました。
<広重の名所絵>
続いては歌川広重の東海道五十三次以外の名所絵のコーナーです。
124 初代歌川広重 「甲陽猿橋之図」
これは縦2枚続きの縦長の作品で、川の上の崖と崖の間にかかる橋が描かれています。そこに馬に乗った旅人が通っていて、橋の下には満月があり やや木に隠れた感じとなっています。また、橋の下には町並みも描かれていて、画面の構成が非常に面白く感じられました。
<美人東海道と役者東海道>
続いては東海道五十三次と美人絵や役者絵を組み合わせた作品のコーナーです。
108 渓斎英泉 「大磯駅 九」
大磯の宿場町を背景に、下半分にタライを使って水浴びしている半裸の女性が描かれた作品です。手をついて座り首の辺りを洗っている様子が艶かしい感じですが、健康的な色気のように思えました。
この辺には初代広重の3枚続きの風景画もありました。
117 三代目歌川豊国 「東海道五十三次の内 庄野 中野藤兵衛」
広重の庄野白雨を背景に役者が描かれた作品です。口を結んで手を広げ、凛々しい雰囲気の役者で、背景との関連は分かりませんが、東海道五十三次から20年経った頃に出た作品らしく、広重の衰えない人気を伺わせました。
141 三代目歌川豊国・初代歌川広重 「双筆七湯廻 塔の沢三代目岩井粂三郎」
これは広重の風景画を背景に歌川豊国(三代)の美人画が描かれた夢のコラボ作品で、箱根七湯のうち塔ノ沢が描かれています。キセルを持って布を頭に巻く美人(岩井粂三郎)が温泉宿と川を背景にしていて、着物の柄は井○井となっています。つまり「井○井」は「いわい」と読め、岩井粂三郎を表しているようでした。2人の豪華なコラボも面白いですが、そうした遊び心も楽しめる作品でした。
119 初代歌川広重 「月に雁」 ★こちらで観られます
これは切手で有名な「月に雁」で、大きく画面からはみ出さんほどの満月を背景に、下に向かって滑空する3羽の雁が描かれています。対角線上に連なり、空中で観てきたかのような構図に躍動感があります。絵の下の中央の辺りには馬の後ろ姿と鹿を組み合わせた印があり、馬鹿印となっていました。これは色合いも良かったです。
<国貞(三代豊国)>
続いては美人画で名を馳せた国貞(三代豊国)のコーナーです。
135 歌川国貞(三代目歌川豊国) 「当世 ちよのたのしみ」
軒先で柱にもたれかかって座り、左手で丸めた手紙を持って右手を頭に当てて考え事をしている美人を描いた作品です。ポーズは悩んでいるように見えますが、顔は楽しそうに見えるかな。この隣にはほとんど同じ構図で昼夜や着物の柄、背景の花などが変わった作品がありました。同じ構図でも要素が変わるとガラリと雰囲気が違うのが面白かったです。
<国芳>
最後は歌川国芳のコーナーです。奇想天外な作品が並んでいました。
参考記事
歌川国芳-奇と笑いの木版画 (府中市美術館))
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171 歌川国芳 「浅茅原一ツ家之図」
これは3枚続きの作品で、中央に包丁を持った上半身裸の鬼婆、左にそれを止める娘、右には衝立の向こうに座っている女性の姿があります。これは確か、泊めた女性を襲おうとする鬼婆を娘が止めているシーンだったと記憶していますが、女性は観音の化身で背景にある糸巻きがまるで光背のようになっているのが面白いです。恐ろしげでありつつ機知に富んだ作品です。
ということで、観たことがある作品も多かったですが改めて浮世絵の凄さ・楽しさを実感できる内容となっていました。特に2期は冨嶽三十六景と東海道五十三次という有名作品が並んでいますので、浮世絵に詳しくない人にも入門として良いのではないかと思います。2期は残り僅かですが、気になる方は是非お早めにどうぞ。
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ブダペスト国立工芸美術館名品展 ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ 【パナソニック汐留美術館】 (12/19)
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鈴木其一・夏秋渓流図屏風 【根津美術館】 (12/16)
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【根津美術館】の紅葉 2021年11月 (12/14)
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カフェラヴォワ 【新宿界隈のお店】 (12/12)
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川瀬巴水 旅と郷愁の風景 【SOMPO美術館】 (12/10)
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- ゆーき:イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜 ― モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン (感想後編)【三菱一号館美術館】 (12/09)
- 21世紀のxxx者:奇蹟の芸術都市バルセロナ (感想前編)【東京ステーションギャラリー】 (01/03)
- うさぴょん:キヨノサチコ絵本原画の世界 みんな大好き!ノンタン展 【松屋銀座】 (03/21)
- 21世紀のxxx者:川豊 【成田界隈のお店】 (03/04)
- 21世紀のxxx者:劇団四季 「MAMMA MIA!(マンマ・ミーア!)」 (03/04)
- 萌音:川豊 【成田界隈のお店】 (03/03)
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