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伊知地国夫「写真で楽しむ 科学のふしぎ」 【FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)】

前回ご紹介した展示を見た後ミッドタウンに移動して、通りに面しているFUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)で伊知地国夫「写真で楽しむ 科学のふしぎ」を観てきました。

P1120446.jpg

【展覧名】
 伊知地国夫「写真で楽しむ 科学のふしぎ」

【公式サイト】
 http://fujifilmsquare.jp/photosalon/tokyo/s1/13081601.html

【会場】FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)
【最寄】六本木駅/乃木坂駅


【会期】2013年8月16日(金)~8月29日(木)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間20分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日17時頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
空いていてゆっくり観ることができました。

さて、今回の展示は伊知地 国夫(いちじ くにお)氏という科学写真などを撮られている方の個展です。この方のことは初めて知ったのですが、科学写真というのは一体どんなものだろうか?と思いながら足を運んでみました。するとこれが思った以上に面白い写真ばかりで、驚きの多い内容となっていました。点数は少なめですがいくつかのコーナーに分かれていましたので、各コーナーごとに簡単にご紹介していこうと思います。(逆周りに見てしまったようですが、見た順にご紹介していきます。)


<顕微鏡>
こちらは顕微鏡でミクロの世界を撮った写真のコーナーです。養生テープや紙やすり、繊維、液晶パネルなどを超拡大した写真が並んでいるのですが、紙やすりはガラス質だったり意外な光景となっています。特に驚いたのがICチップの拡大写真で、拡大しても超細密で整然とした幾何学模様となっていて、タピストリーや都市の地図を観ているような感じでした。
他にも葉脈の拡大なども興味深く、葉脈は見ようによっては枝の伸び方と似ているかも…。普段よく知っている事物も拡大するとまったくの異世界のように見えるのが面白いです。逆に、ビタミンCの結晶(本来は無色だけど偏光板で黄色くしている)など形を考えたこともないような物を撮った写真などもありました。


<瞬間>
こちらにはボールを蹴る瞬間やミルクが跳ね返った瞬間などを撮った瞬間写真が並ぶコーナーです。ミルクを平らな面に垂らして跳ね返らせると、一瞬だけ王冠のような形となり、これは「ミルククラウン」と呼ばれる形状だそうです 1/200秒の写真を見ると球と三角が組み合わさって、まさに王冠といった感じの形となっていました。また、きのこのような形のミルクが跳ね返った写真(★こちらで観られます)もあり、普段見ているはずの牛乳にこういう性質があると知ることができて面白いです。
このコーナーでもう1つ特に気になったのが蚊取り線香の煙を撮ったもので、渦巻いて半透明になっていました。滑らかにくるっと巻かれているのですが、意外と渦の形は規則的に見えて、これが所謂フラクタルなのかな? 何故か非常に優美に感じられました。

他にもシャボン玉をダーツの矢で破裂させた瞬間の写真(飛び散るのではなく縮んで元のシャボン液になっていく様子)や、水風船が破裂する写真(慣性で破裂直後は風船の形を維持している)なども目を引きました。


<生物>
ここは生き物の拡大写真などがありました。アブの頭部の沢山の複眼や、ホタテの目など、これまた身近なようで滅多に観られない光景が写されていました。若干キモいのでここはさらっと流しましたw


<物理・化学>
ここには3種類の「モアレ」という現象の写真が並んでいました。このモアレとは、規則的に穴の空いた板を2枚重ねると起きるもので、重ねる角度によって浮かび上がる模様が異なって見えるようです。3枚を見比べてみると上の板がちょっと角度が変わっただけで六角形のような像が浮かんだり、花のようになっていたりと、変化が楽しめました。単純な仕掛けなのに浮かぶ模様は複雑で、非常に興味深い写真でした。


<光>
こちらはCDが虹色に光る写真などが展示されていました。(★こちらで観られます) CDの中心に蝋燭の炎を近づけるとその周りが虹のように輝いてみえるのですが、CDの600本も並ぶトラックに光が当たると光は「回折」という現象を起こすそうで、これによって虹色に光が分かれるようです。光には波の性質もあるのでこうした現象が起こるのだとか。神秘的な光景です。


ということで、小規模ながらも好奇心を喚起され非常にワクワクするような内容でした。たった2週間で終わってしまうのが何とも惜しい限り。ここは無料で見ることもできますので、気になる方は是非足を運んでみると楽しいかと思います。


 参照記事:★この記事を参照している記事

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