カイユボット展ー都市の印象派 (感想後編)【ブリヂストン美術館】
今日は前回の記事に引き続き、ブリヂストン美術館の「カイユボット展ー都市の印象派」の後編をご紹介いたします。前編には混み具合なども記載しておりますので、前編を読まれていない方は前編から先にお読み頂けると嬉しいです。
前編はこちら

まずは概要のおさらいです。
【展覧名】
カイユボット展ー都市の印象派
【公式サイト】
http://www.bridgestone-museum.gr.jp/exhibitions/
【会場】ブリヂストン美術館
【最寄】JR東京駅・銀座線京橋駅・日本橋駅・都営浅草線宝町駅
【会期】2013年10月10日(木)~12月29日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日13時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
前編では人物や室内画が主でしたが、後半は風景画や静物画が並んでいました。
<第3章 近代都市パリの風景>
1853年にナポレオン3世がパリを含むセーヌ県知事に任命したジョルジュ=ウジェーヌ・オスマン男爵は、狭い路地に建物が密集していたパリを一気に近代化させたそうで、カイユボットはこの都市改造で変貌著しい街を敏感に感じ取り描いていったようです。ここにはそうした変化の時代を感じさせるパリの風景を描いた作品が並んでいました。
21 ギュスターヴ・カイユボット 「ヨーロッパ橋」 ★こちらで観られます
これは鉄で出来たヨーロッパ橋の路上の風景を描いた作品で、斜め格子に組まれた主構を背景に欄干で頬杖をついている労働者風の男と、その脇の犬、向こうからはシルクハットの紳士と日傘をさしたドレスの女性が歩いてきます。また、奥の方には白い蒸気が上がっていて、これはサンラザール駅の汽車の蒸気のようです。非常に奥行きが感じられる構図で、対角線を意識したのは浮世絵に影響を受けたのではないかとのことです。また、沈んだ労働者と裕福なブルジョワ風の2人という組み合わせも時代を感じさせて面白かったです。1枚でこれだけ色々な要素が自然に描かれているとは…。これはかなり気に入る作品でした。
この近くには労働者を描いた習作や、ヴァリエーションとも言える作品なども並んでいました。
24 ギュスターヴ・カイユボット 「パリの通り、雨」
これはカイユボットの中でも有名な作品の習作で、完成作に比べると若干ラフ(完成作より印象派的な感じとも言えるかも)で描かれています。広い通りに傘をさした紳士と女性がこちらに向かってくる様子が描かれ、背景には新しくなったパリの街が描かれています。傘をさしているものの雨は実際には描かれておらず、解説によるとカイユボットは雨の大気ではなく人々の孤独や隔たりを表したかったのではないかとのことです。とは言え、洗練された街の雰囲気がよく出ていて、習作でも十分に楽しめました。この作品の完成作は大好きなので、久々にこれを観られたのは嬉しいです。
参考記事:【番外編 フランス旅行】 オランジュリー美術館とマルモッタン美術館
32 ギュスターヴ・カイユボット 「見下ろした大通り」
これは自宅から見下ろした通りを描いた作品で、ほぼ真上から見下ろすという斬新な構図で描かれています。歩道を行き交う人々や街路樹、道の馬車などが描かれ、窓から外の様子を観た時の光景がそのまま広がっているようでした。解説によると、こうした構図は後に写真家たちがこぞって取り入れたそうで、画家たちも写真の構図を取り入れるなどお互いに複雑に影響しあっていったようです。カイユボットには写真も撮る弟のマルシャルがいたので、お互いに影響しあうことがあったのかも? カイユボットはこうした構図の面白さが1つの特徴だと思います。
この近くには印象派展のカタログなどもありました。カイユボットは第2回以降、印象派展の開催に尽力しましたが第6回と第8回(最後)には出品せず、距離を置くようになったようです。その背景にはドガとの対立や印象派展の中の不協和音があったようです。
<第4章 イエール、ノルマンディー、プティ・ジュヌヴィリエ>
続いてはパリから離れた別荘付近の風景を描いた作品のコーナーです。カイユボットはパリ南東にあるイエールに夏の別荘を持っていたそうで、そこには広大なイギリス庭園があったようです。また、1880年代にはイエール川での舟遊びの趣味が高じてレガッタ競争に参加するために夏季をノルマンディーで過ごすようになりました。さらに、印象派展での活動に一区切りついた頃にはかつてモネが制作の地としたアルジャントゥイユの対岸にあたるプティ・ジュヌヴィリエに移住し、舟遊びやガーデニングに興じながら木の向くままに風景を描いたようです。カイユボットは初期には写実的で遠近感に重きを置いていましたが、この地ではモネの教えに導かれるように明るい色彩かつ荒く活気ある筆致で描かれているそうで、ここにはそうした作品が並んでいました。
35 ギュスターヴ・カイユボット 「ペリソワール」
これはオールを持って1人乗りのカヌー(ペリソワール)に乗り、こちらに向かってくる帽子の人物が描かれた作品で、周りにも同様のカヌーがいくつか描かれています。軽やかで明るいタッチで、水面にはオールが映り込み、波紋によってスイスイ進んでいる感じがします。緑の水に黄色い帽子など対比的な色使いのためか強い光が当たった感じが爽やかで、筆致はこれまでの作品よりも大胆に感じられました。
この隣にはシルクハットを被ってボートを漕ぐ人を正面から描いた作品もありました。「ペリソワール」もそうですが、船上からの光景という構図も面白いです。
参考記事:ワシントン・ナショナル・ギャラリー展 印象派・ポスト印象派 奇跡のコレクション 感想前編(国立新美術館)
(この展示では「スキフ(一人乗りカヌー)」というタイトルで展示されていました)
この近くにはイエールの自宅の菜園を描いたものもありました。今でもこの地に残っていて公園になっているようです。
49 ギュスターヴ・カイユボット 「ジュヌヴィリエの平野、黄色い畑」
これは区分けされた平原が広がっている風景を描いたもので、その色も黄色、オレンジ、緑といったように分かれています。奥には木々が並ぶ様子も描かれていて、平穏な雰囲気です。これは取り立てて面白い作品というわけでは無かったのですが、これまでと違って筆がかなり大胆で色合いも明るくなっているので、作風が一変したように感じられました。恐らくこれがモネからの影響じゃないかな。
44 ギュスターヴ・カイユボット 「サン=クレールからエトルタへの道を行くマグロワール親父」
これは坂道を登る帽子をかぶった青い服の男性を描いた作品です。男性はちょうど木陰に入っていて、日の当たる所に比べてだいぶ暗めに描かれているので、日向の陽光の強さが一層明るく感じられます。背景には海も見えていて爽やかな雰囲気がありました。
この作品の隣には同じ男性が林の中で横になっている作品もあり、この男性はこの地の庭師とのことです。そちらは奇妙な等身で描かれていて、それはそれで気になりましたw
この先の部屋にはマルシャルによるパリの写真が並んでいました。また、作品の描かれた場所の地図を見たり、タブレットで作品の解説を読んだりすることもできます。
53 ギュスターヴ・カイユボット 「セーヌのプティ・ブラ、アルジャントゥイユ近く」
これは川と木々を描いた作品で、これまでの画風から一転して大胆な点描(分割法)による技法が使われています。色も軽やかで、景色が水面に反射し移ろう感じがよく出ています。これも画風の変化に驚く作品でした。
58 ギュスターヴ・カイユボット 「セーヌ川に係留されたボート」
これは川に係留された船を描いた作品で、いずれも帆船らしく長いマストが立っています。そのいくつもの垂直の線がリズムを生んでいるように思えると共に、こちらも大胆なタッチで軽やかさがありました。川のゆらめきまでも感じられる作品です。
なお、プティ・ジュヌヴィリエは帆船の聖地だったらしく、カイユボット兄弟は舟遊びが大好きだったそうです。ギュスターヴ・カイユボットは船の設計をするほどのめり込んでいたようで、そうした写真も他の部屋に展示されていました。
この近くにはブリヂストン美術館の常設作品であるモネのアルジャントゥイユの地を描いた作品もならんでいました
<第5章 静物画>
続いては静物のコーナーです。カイユボットの静物は現代画家としての視点が見られるそうで、肉や果物は散策者が通りすがりに(店先で)目にした光景のように表されているそうです。また、花の静物を描くようになったのは1880年代前半で、この時期にプティ・ジュヌヴィリエでガーデニングに没頭していたらしく、その関心を見て取れるようです。ここにはそうした数点の静物画が並んでいました。
59 ギュスターヴ・カイユボット 「鶏と猟鳥の陳列」
これは吊るされた鳥や並べられた鳥などが描かれた作品で、背景は黒となっています。結構粗めの筆使いで描かれ、確かにお肉屋さんに並んだ鳥といった感じに見えるかな。解説によると、これらは「ジビエ」と呼ばれる狩りで捕らえた鳥獣らしく、こうした狩りの獲物を描いた静物は西洋絵画では昔からある主題です。とは言え、この整然とした感じは新しい表現に思えました。
61 ギュスターヴ・カイユボット 「キンレンカ」
これは薄いピンク~紫を背景に、明るい緑の葉と朱色の花のキンレンカが描かれた作品です。その色合いが鮮やかで、対比的な感じとなっています。背景も燃え立つような色で、可憐かつ装飾的な感じがありました。
この隣にはヒナギクを描いた4枚セットの作品もありました。
<第6章 マルシャル・カイユボットの写真>
最後は弟のマルシャルが撮ったアルジャントゥイユの川辺の写真などが並んでいました。マルシャルの写真も今回の展示を盛り上げる1つの要素と言えそうです。
その先はブリヂストン美術館の常設作品のコーナーで、古代のコレクションを含めると今回は3部屋だけとなっていました。
ということで、元々好きな画家だったこともあり非常に満足できる内容となっていました。特に室内画と風景画には独特の魅力があると思います。貴重な機会なので図録も買ってきました^^ 今季お勧めの展示です。
参照記事:★この記事を参照している記事
前編はこちら

まずは概要のおさらいです。
【展覧名】
カイユボット展ー都市の印象派
【公式サイト】
http://www.bridgestone-museum.gr.jp/exhibitions/
【会場】ブリヂストン美術館
【最寄】JR東京駅・銀座線京橋駅・日本橋駅・都営浅草線宝町駅
【会期】2013年10月10日(木)~12月29日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日13時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
前編では人物や室内画が主でしたが、後半は風景画や静物画が並んでいました。
<第3章 近代都市パリの風景>
1853年にナポレオン3世がパリを含むセーヌ県知事に任命したジョルジュ=ウジェーヌ・オスマン男爵は、狭い路地に建物が密集していたパリを一気に近代化させたそうで、カイユボットはこの都市改造で変貌著しい街を敏感に感じ取り描いていったようです。ここにはそうした変化の時代を感じさせるパリの風景を描いた作品が並んでいました。
21 ギュスターヴ・カイユボット 「ヨーロッパ橋」 ★こちらで観られます
これは鉄で出来たヨーロッパ橋の路上の風景を描いた作品で、斜め格子に組まれた主構を背景に欄干で頬杖をついている労働者風の男と、その脇の犬、向こうからはシルクハットの紳士と日傘をさしたドレスの女性が歩いてきます。また、奥の方には白い蒸気が上がっていて、これはサンラザール駅の汽車の蒸気のようです。非常に奥行きが感じられる構図で、対角線を意識したのは浮世絵に影響を受けたのではないかとのことです。また、沈んだ労働者と裕福なブルジョワ風の2人という組み合わせも時代を感じさせて面白かったです。1枚でこれだけ色々な要素が自然に描かれているとは…。これはかなり気に入る作品でした。
この近くには労働者を描いた習作や、ヴァリエーションとも言える作品なども並んでいました。
24 ギュスターヴ・カイユボット 「パリの通り、雨」
これはカイユボットの中でも有名な作品の習作で、完成作に比べると若干ラフ(完成作より印象派的な感じとも言えるかも)で描かれています。広い通りに傘をさした紳士と女性がこちらに向かってくる様子が描かれ、背景には新しくなったパリの街が描かれています。傘をさしているものの雨は実際には描かれておらず、解説によるとカイユボットは雨の大気ではなく人々の孤独や隔たりを表したかったのではないかとのことです。とは言え、洗練された街の雰囲気がよく出ていて、習作でも十分に楽しめました。この作品の完成作は大好きなので、久々にこれを観られたのは嬉しいです。
参考記事:【番外編 フランス旅行】 オランジュリー美術館とマルモッタン美術館
32 ギュスターヴ・カイユボット 「見下ろした大通り」
これは自宅から見下ろした通りを描いた作品で、ほぼ真上から見下ろすという斬新な構図で描かれています。歩道を行き交う人々や街路樹、道の馬車などが描かれ、窓から外の様子を観た時の光景がそのまま広がっているようでした。解説によると、こうした構図は後に写真家たちがこぞって取り入れたそうで、画家たちも写真の構図を取り入れるなどお互いに複雑に影響しあっていったようです。カイユボットには写真も撮る弟のマルシャルがいたので、お互いに影響しあうことがあったのかも? カイユボットはこうした構図の面白さが1つの特徴だと思います。
この近くには印象派展のカタログなどもありました。カイユボットは第2回以降、印象派展の開催に尽力しましたが第6回と第8回(最後)には出品せず、距離を置くようになったようです。その背景にはドガとの対立や印象派展の中の不協和音があったようです。
<第4章 イエール、ノルマンディー、プティ・ジュヌヴィリエ>
続いてはパリから離れた別荘付近の風景を描いた作品のコーナーです。カイユボットはパリ南東にあるイエールに夏の別荘を持っていたそうで、そこには広大なイギリス庭園があったようです。また、1880年代にはイエール川での舟遊びの趣味が高じてレガッタ競争に参加するために夏季をノルマンディーで過ごすようになりました。さらに、印象派展での活動に一区切りついた頃にはかつてモネが制作の地としたアルジャントゥイユの対岸にあたるプティ・ジュヌヴィリエに移住し、舟遊びやガーデニングに興じながら木の向くままに風景を描いたようです。カイユボットは初期には写実的で遠近感に重きを置いていましたが、この地ではモネの教えに導かれるように明るい色彩かつ荒く活気ある筆致で描かれているそうで、ここにはそうした作品が並んでいました。
35 ギュスターヴ・カイユボット 「ペリソワール」
これはオールを持って1人乗りのカヌー(ペリソワール)に乗り、こちらに向かってくる帽子の人物が描かれた作品で、周りにも同様のカヌーがいくつか描かれています。軽やかで明るいタッチで、水面にはオールが映り込み、波紋によってスイスイ進んでいる感じがします。緑の水に黄色い帽子など対比的な色使いのためか強い光が当たった感じが爽やかで、筆致はこれまでの作品よりも大胆に感じられました。
この隣にはシルクハットを被ってボートを漕ぐ人を正面から描いた作品もありました。「ペリソワール」もそうですが、船上からの光景という構図も面白いです。
参考記事:ワシントン・ナショナル・ギャラリー展 印象派・ポスト印象派 奇跡のコレクション 感想前編(国立新美術館)
(この展示では「スキフ(一人乗りカヌー)」というタイトルで展示されていました)
この近くにはイエールの自宅の菜園を描いたものもありました。今でもこの地に残っていて公園になっているようです。
49 ギュスターヴ・カイユボット 「ジュヌヴィリエの平野、黄色い畑」
これは区分けされた平原が広がっている風景を描いたもので、その色も黄色、オレンジ、緑といったように分かれています。奥には木々が並ぶ様子も描かれていて、平穏な雰囲気です。これは取り立てて面白い作品というわけでは無かったのですが、これまでと違って筆がかなり大胆で色合いも明るくなっているので、作風が一変したように感じられました。恐らくこれがモネからの影響じゃないかな。
44 ギュスターヴ・カイユボット 「サン=クレールからエトルタへの道を行くマグロワール親父」
これは坂道を登る帽子をかぶった青い服の男性を描いた作品です。男性はちょうど木陰に入っていて、日の当たる所に比べてだいぶ暗めに描かれているので、日向の陽光の強さが一層明るく感じられます。背景には海も見えていて爽やかな雰囲気がありました。
この作品の隣には同じ男性が林の中で横になっている作品もあり、この男性はこの地の庭師とのことです。そちらは奇妙な等身で描かれていて、それはそれで気になりましたw
この先の部屋にはマルシャルによるパリの写真が並んでいました。また、作品の描かれた場所の地図を見たり、タブレットで作品の解説を読んだりすることもできます。
53 ギュスターヴ・カイユボット 「セーヌのプティ・ブラ、アルジャントゥイユ近く」
これは川と木々を描いた作品で、これまでの画風から一転して大胆な点描(分割法)による技法が使われています。色も軽やかで、景色が水面に反射し移ろう感じがよく出ています。これも画風の変化に驚く作品でした。
58 ギュスターヴ・カイユボット 「セーヌ川に係留されたボート」
これは川に係留された船を描いた作品で、いずれも帆船らしく長いマストが立っています。そのいくつもの垂直の線がリズムを生んでいるように思えると共に、こちらも大胆なタッチで軽やかさがありました。川のゆらめきまでも感じられる作品です。
なお、プティ・ジュヌヴィリエは帆船の聖地だったらしく、カイユボット兄弟は舟遊びが大好きだったそうです。ギュスターヴ・カイユボットは船の設計をするほどのめり込んでいたようで、そうした写真も他の部屋に展示されていました。
この近くにはブリヂストン美術館の常設作品であるモネのアルジャントゥイユの地を描いた作品もならんでいました
<第5章 静物画>
続いては静物のコーナーです。カイユボットの静物は現代画家としての視点が見られるそうで、肉や果物は散策者が通りすがりに(店先で)目にした光景のように表されているそうです。また、花の静物を描くようになったのは1880年代前半で、この時期にプティ・ジュヌヴィリエでガーデニングに没頭していたらしく、その関心を見て取れるようです。ここにはそうした数点の静物画が並んでいました。
59 ギュスターヴ・カイユボット 「鶏と猟鳥の陳列」
これは吊るされた鳥や並べられた鳥などが描かれた作品で、背景は黒となっています。結構粗めの筆使いで描かれ、確かにお肉屋さんに並んだ鳥といった感じに見えるかな。解説によると、これらは「ジビエ」と呼ばれる狩りで捕らえた鳥獣らしく、こうした狩りの獲物を描いた静物は西洋絵画では昔からある主題です。とは言え、この整然とした感じは新しい表現に思えました。
61 ギュスターヴ・カイユボット 「キンレンカ」
これは薄いピンク~紫を背景に、明るい緑の葉と朱色の花のキンレンカが描かれた作品です。その色合いが鮮やかで、対比的な感じとなっています。背景も燃え立つような色で、可憐かつ装飾的な感じがありました。
この隣にはヒナギクを描いた4枚セットの作品もありました。
<第6章 マルシャル・カイユボットの写真>
最後は弟のマルシャルが撮ったアルジャントゥイユの川辺の写真などが並んでいました。マルシャルの写真も今回の展示を盛り上げる1つの要素と言えそうです。
その先はブリヂストン美術館の常設作品のコーナーで、古代のコレクションを含めると今回は3部屋だけとなっていました。
ということで、元々好きな画家だったこともあり非常に満足できる内容となっていました。特に室内画と風景画には独特の魅力があると思います。貴重な機会なので図録も買ってきました^^ 今季お勧めの展示です。
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