印象派を超えて-点描の画家たち (感想前編)【国立新美術館】
10日ほど前の土曜日に国立新美術館で「クレラー=ミュラー美術館所蔵作品を中心に 印象派を超えて―点描の画家たち ゴッホ、スーラからモンドリアンまで」を観てきました。点数も多く見どころが多かったので、前編・後編に分けてご紹介しようと思います。

【展覧名】
クレラー=ミュラー美術館所蔵作品を中心に
印象派を超えて-点描の画家たち
ゴッホ、スーラからモンドリアンまで
【公式サイト】
http://km2013.jp/
http://www.nact.jp/exhibition_special/2013/km2013/index.html
【会場】国立新美術館 企画展示室1E
【最寄】千代田線乃木坂駅/日比谷線・大江戸線 六本木駅
【会期】2013年10月4日(金)~12月23日(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日 時頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
まだ始まったばかりの時に行った為か、意外と空いていて自分のペースで鑑賞することができました。とは言え、大型展示は会期が進むほどに混んでくるものですので、今後は混むことも予想されます。足を運ばれる予定の方はお早めに観に行かれることをお勧めします。
さて、今回の展示は主に印象派以降の「点描」をテーマに、オランダのクレラー=ミュラー美術館の所蔵作品がその中心となっています。現在では新印象主義と呼ばれるスーラは、それまでの印象派が感覚的な筆触分割(パレットで色を混ぜずに画面に色を並べて筆のタッチを活かす表現)に飽きたらず、科学的な知識をもとに独自の点描技法を開拓しました。そして色彩を純色の小さな点に分解して描くスーラの点描技法は「分割主義」と呼ばれ、ヨーロッパ各地に瞬く間に広まって行きました。オランダからパリに出たゴッホも新印象主義に大きな着想を得た画家の1人で、今回の展覧会でもその影響が伺える作品が展示されています。展覧会は時代や地域などによって5つの章から成る構成となっていましたので、詳しくは各章ごとに気に入った作品を通してご紹介していこうと思います。
<1 印象派の筆触>
まずは新印象主義の前の印象派の時代のコーナーです。モネ、シスレー、ピサロらは点やコンマ状の細かいタッチで覆われた明るい色調の絵画を発表し、その筆跡を粗く残した画面とスケッチのような風合いは、滑らかな画肌で完成作を仕上げるという当時の模範からは大きく逸脱していました。彼らはパレットから黒を駆逐して純色に近い絵の具の断片を並べていき、この小さな点の集合は視覚混同の原理によって網膜上で混ざり合い、臨場感溢れた鮮やかな光の表現を実現しました。これは筆触分割と呼ばれる技法で、この後の新印象主義の発展へと繋がっていきます。ここにはそうした印象派の作品が並んでいました。
2 クロード・モネ 「サン=ジェルマンの森の中で」
紅葉した木々が並ぶ木のトンネルを描いた作品で、奥のほうが明るくなっています。手前の地面はやや高い位置となっているかな。様々な方向に筆跡が伸びているのが分かり、落ち葉や木々の葉っぱが色鮮やかに表現されています。全体的にぼんやりしていますが、緑、黄色、赤といった色の点の交わりが効果的に感じられました。
7 アルフレッド・シスレー 「モレのポプラ並木」
これは川沿いの背の高いポプラ並木を描いた作品で、その木の下には3人位の人の姿もあります。並木には左から木が当たり、影との対比でより強く光が感じられます。影も黒ではなく深い緑色などで表されていて、印象派らしい光の表現となっていました。のんびりした光景の作品です。
この近くにはピサロの作品などもありました。
<2 スーラとシニャック―分割主義の誕生と展開>
印象派のまとめ役で後に新印象主義の技法も取り入れたピサロは、仲間たちの反対を押し切り1886年の最後の印象派展にスーラとシニャックの作品を出品させ、その際にスーラの大作「グランド・ジャット島の日曜日の午後」が発表されました。スーラはドラクロワなどの過去の巨匠の絵画から学ぶだけでなく、最新の光学理論書を読み漁り色彩の研究に没頭していたようで、並置された色彩が交じり合って見える視覚混合や、お互いの色を引き立て合う補色の組み合わせ、色彩のコントラストやグラデーションの効果などを念頭に、小さな純色で画面を埋めていきました。そしてこの手法は「分割主義」と呼ばれ、批評家のフェネオンによって「新印象主義」と名付けられました。分割主義を熱心に学んだシニャックは1899年に「ウジェーヌ・ドラクロワから新印象主義まで」を刊行し、分割主義を理論的に体系づけたようで、やがてこの本は広く読み継がれ抽象絵画の創設にも大きな役割を果たしたようです。
スーラが31歳の若さで夭折するとシニャックは哀しみを癒やすように南仏へ向かい、この地の明るい陽光に触れて緻密な点描から色彩のコントラストを活かした大きなタッチへと画風を変えていきました。点描による視覚混合に代わり、明るい色彩の調和を目指したシニャックの試みは後にフォービズムの誕生も促したようです。ここにはそうした新印象主義の画家たちの作品が並んでいました。
18 ポール・シニャック 「ダイニングルーム 作品152」 ★こちらで観られます
瓶や壺が置かれた白いクロスの円卓と、そこでお茶かコーヒーを飲む女性(奥さん)と、葉巻を持って座っている初老の男性(夫)が描かれ、2人の間には立って給仕しているメイドの姿もあります。点描で描かれていて、点が小さいのでパッと観た時にスーラの作品かと思いましたが、スーラを真似して描いたシニャックの初期の代表作のようです。夫と妻はお互いに見向きもせず、置物のようにじっとしているように見えるかな。窓から差し込む光や影なども点描で表現され、オレンジと緑の点が隣り合っているなど、補色に近い色の組み合わせで表現しているようでした。これはかなり見応えのある作品で、点が見えなくなるくらい離れて観るとまた違って見えるのも面白かったです。
12 ジョルジュ・スーラ 「入江の一角、オンフルール港」
これは港に泊まる黒い船を描いた作品で、画面上部には横から突き出す船のマストらしきものも描かれていて、大胆な印象を受けます。どうもスーラらしくないと思ったら、この絵を描いているうちに船がいなくなってしまい未完に終わったようで、まだ下塗りの状態のようです。マストは青色になっていて、ここから色の組み合わせを考えて点描を施すらしくで、製作工程を伺わせる作品となっていました。これはこれで観た甲斐がある興味深い作品です。
14 ジョルジュ・スーラ 「グラヴリーヌの水路、海を臨む」 ★こちらで観られます
水路にヨットが何艘か浮かんでいる光景を描いた作品で、点描によって表現されています。水色、紫、緑など薄めの色合いが使われていて、繊細な色彩表現はスーラならではだと思います。解説によると、スーラは寒色と暖色を並べると静けさが生まれると考えていたらしく、この画面にも静けさが満ちていました。
ちなみにスーラはこの作品を描いた少し後に亡くなってしまったそうです。生きていれば絵画の歴史も変わっていたのかもしれません…。
21 ポール・シニャック 「マルセイユ港の入口」
港の入口に船が浮かんでいる様子が描かれた作品で、中心の奥に太陽があるのか夕日のようにグラデーションとなっています。まるでタイル画のように大きな点描となっているのが特徴で、青、ピンク、紫が多く、シニャックならではの色と表現となっています。幻想的でどこか郷愁を誘う雰囲気でした。
この近くには松岡美術館の所蔵品などもありました。たまに国内の作品も展示されています。また、少し先にはスーラとシニャックの白黒の素描作品もありました。白黒でも2人の作品と分かる特徴があるのが面白いです。
28 アンリ=エドモン・クロス 「サン・トロヴァーゾ橋(ヴェニス)」
これも大きめの点描で、ヴェネツィアの運河とその両岸の家や木々が描かれた作品です。ピンクや緑など色合いが強く、明るく軽やかな印象を受けます。解説によると、エドモン・クロスは南仏に居を構えたことがきっかけで、同じ南仏を拠点としたシニャックと親交を深め、分割主義の理論を学んだそうです。その為かシニャックとよく似た画風であるように思えました。
この近くには印象派のまとめ役でありながらスーラたちの技法を取り入れたピサロの作品などもありました。
31 マクシミリアン・リュス 「鋳鉄工場」
これは工場の中を描いた作品で、大きな容器とそれを持ち上げる人々、手前には鋳型に鉄を流し込む人など、鋳鉄工場の労働の様子が点描で表現されています。溶けた鉄が発する光なども点描で表現され、ピンクと水色が多用されているかな。上から鎖を引っ張る人と鉄を入れる人の姿勢から動きが感じられ、力強い印象を受けました。解説によると、この画家は政治に関わっていたらしく、こうした労働者の問題を取り上げた作品を描いていたようです。
続いてはナビ派のドニの作品が並んでいました。ドニは1891年頃に点描を試みていたようです。
33 モーリス・ドニ 「病院での夕暮れの祈り」
これは小さめの作品で、教会(病院内の教会?)の中で並んで祈る沢山のシスターたちが描かれています。点描というよりは色面による表現と言った感じですが、ドニは絵画は「ある一定の秩序のもとに集められた色彩による平面」であると言っていたそうで、色彩の分割や光の輝きの追求は分割主義の本質と言えるようです。画面上部の蝋燭の光が明るく、全体的に神秘的な雰囲気がありました。
近くには上野の西洋美術館の所蔵のドニなども並んでいました。2章の最後には映像コーナーがあり、分割主義や補色などの説明をしていました。
ということで、今日はこの辺にしておこうと思います。前半はシニャックやスーラの作品に特に目を見張るものがありました。後半はその後の分割主義の展開が分かる内容となっていましたので、次回はそれについてご紹介していこうと思います。
→ 後編はこちら
参照記事:★この記事を参照している記事

【展覧名】
クレラー=ミュラー美術館所蔵作品を中心に
印象派を超えて-点描の画家たち
ゴッホ、スーラからモンドリアンまで
【公式サイト】
http://km2013.jp/
http://www.nact.jp/exhibition_special/2013/km2013/index.html
【会場】国立新美術館 企画展示室1E
【最寄】千代田線乃木坂駅/日比谷線・大江戸線 六本木駅
【会期】2013年10月4日(金)~12月23日(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日 時頃です)】
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【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
まだ始まったばかりの時に行った為か、意外と空いていて自分のペースで鑑賞することができました。とは言え、大型展示は会期が進むほどに混んでくるものですので、今後は混むことも予想されます。足を運ばれる予定の方はお早めに観に行かれることをお勧めします。
さて、今回の展示は主に印象派以降の「点描」をテーマに、オランダのクレラー=ミュラー美術館の所蔵作品がその中心となっています。現在では新印象主義と呼ばれるスーラは、それまでの印象派が感覚的な筆触分割(パレットで色を混ぜずに画面に色を並べて筆のタッチを活かす表現)に飽きたらず、科学的な知識をもとに独自の点描技法を開拓しました。そして色彩を純色の小さな点に分解して描くスーラの点描技法は「分割主義」と呼ばれ、ヨーロッパ各地に瞬く間に広まって行きました。オランダからパリに出たゴッホも新印象主義に大きな着想を得た画家の1人で、今回の展覧会でもその影響が伺える作品が展示されています。展覧会は時代や地域などによって5つの章から成る構成となっていましたので、詳しくは各章ごとに気に入った作品を通してご紹介していこうと思います。
<1 印象派の筆触>
まずは新印象主義の前の印象派の時代のコーナーです。モネ、シスレー、ピサロらは点やコンマ状の細かいタッチで覆われた明るい色調の絵画を発表し、その筆跡を粗く残した画面とスケッチのような風合いは、滑らかな画肌で完成作を仕上げるという当時の模範からは大きく逸脱していました。彼らはパレットから黒を駆逐して純色に近い絵の具の断片を並べていき、この小さな点の集合は視覚混同の原理によって網膜上で混ざり合い、臨場感溢れた鮮やかな光の表現を実現しました。これは筆触分割と呼ばれる技法で、この後の新印象主義の発展へと繋がっていきます。ここにはそうした印象派の作品が並んでいました。
2 クロード・モネ 「サン=ジェルマンの森の中で」
紅葉した木々が並ぶ木のトンネルを描いた作品で、奥のほうが明るくなっています。手前の地面はやや高い位置となっているかな。様々な方向に筆跡が伸びているのが分かり、落ち葉や木々の葉っぱが色鮮やかに表現されています。全体的にぼんやりしていますが、緑、黄色、赤といった色の点の交わりが効果的に感じられました。
7 アルフレッド・シスレー 「モレのポプラ並木」
これは川沿いの背の高いポプラ並木を描いた作品で、その木の下には3人位の人の姿もあります。並木には左から木が当たり、影との対比でより強く光が感じられます。影も黒ではなく深い緑色などで表されていて、印象派らしい光の表現となっていました。のんびりした光景の作品です。
この近くにはピサロの作品などもありました。
<2 スーラとシニャック―分割主義の誕生と展開>
印象派のまとめ役で後に新印象主義の技法も取り入れたピサロは、仲間たちの反対を押し切り1886年の最後の印象派展にスーラとシニャックの作品を出品させ、その際にスーラの大作「グランド・ジャット島の日曜日の午後」が発表されました。スーラはドラクロワなどの過去の巨匠の絵画から学ぶだけでなく、最新の光学理論書を読み漁り色彩の研究に没頭していたようで、並置された色彩が交じり合って見える視覚混合や、お互いの色を引き立て合う補色の組み合わせ、色彩のコントラストやグラデーションの効果などを念頭に、小さな純色で画面を埋めていきました。そしてこの手法は「分割主義」と呼ばれ、批評家のフェネオンによって「新印象主義」と名付けられました。分割主義を熱心に学んだシニャックは1899年に「ウジェーヌ・ドラクロワから新印象主義まで」を刊行し、分割主義を理論的に体系づけたようで、やがてこの本は広く読み継がれ抽象絵画の創設にも大きな役割を果たしたようです。
スーラが31歳の若さで夭折するとシニャックは哀しみを癒やすように南仏へ向かい、この地の明るい陽光に触れて緻密な点描から色彩のコントラストを活かした大きなタッチへと画風を変えていきました。点描による視覚混合に代わり、明るい色彩の調和を目指したシニャックの試みは後にフォービズムの誕生も促したようです。ここにはそうした新印象主義の画家たちの作品が並んでいました。
18 ポール・シニャック 「ダイニングルーム 作品152」 ★こちらで観られます
瓶や壺が置かれた白いクロスの円卓と、そこでお茶かコーヒーを飲む女性(奥さん)と、葉巻を持って座っている初老の男性(夫)が描かれ、2人の間には立って給仕しているメイドの姿もあります。点描で描かれていて、点が小さいのでパッと観た時にスーラの作品かと思いましたが、スーラを真似して描いたシニャックの初期の代表作のようです。夫と妻はお互いに見向きもせず、置物のようにじっとしているように見えるかな。窓から差し込む光や影なども点描で表現され、オレンジと緑の点が隣り合っているなど、補色に近い色の組み合わせで表現しているようでした。これはかなり見応えのある作品で、点が見えなくなるくらい離れて観るとまた違って見えるのも面白かったです。
12 ジョルジュ・スーラ 「入江の一角、オンフルール港」
これは港に泊まる黒い船を描いた作品で、画面上部には横から突き出す船のマストらしきものも描かれていて、大胆な印象を受けます。どうもスーラらしくないと思ったら、この絵を描いているうちに船がいなくなってしまい未完に終わったようで、まだ下塗りの状態のようです。マストは青色になっていて、ここから色の組み合わせを考えて点描を施すらしくで、製作工程を伺わせる作品となっていました。これはこれで観た甲斐がある興味深い作品です。
14 ジョルジュ・スーラ 「グラヴリーヌの水路、海を臨む」 ★こちらで観られます
水路にヨットが何艘か浮かんでいる光景を描いた作品で、点描によって表現されています。水色、紫、緑など薄めの色合いが使われていて、繊細な色彩表現はスーラならではだと思います。解説によると、スーラは寒色と暖色を並べると静けさが生まれると考えていたらしく、この画面にも静けさが満ちていました。
ちなみにスーラはこの作品を描いた少し後に亡くなってしまったそうです。生きていれば絵画の歴史も変わっていたのかもしれません…。
21 ポール・シニャック 「マルセイユ港の入口」
港の入口に船が浮かんでいる様子が描かれた作品で、中心の奥に太陽があるのか夕日のようにグラデーションとなっています。まるでタイル画のように大きな点描となっているのが特徴で、青、ピンク、紫が多く、シニャックならではの色と表現となっています。幻想的でどこか郷愁を誘う雰囲気でした。
この近くには松岡美術館の所蔵品などもありました。たまに国内の作品も展示されています。また、少し先にはスーラとシニャックの白黒の素描作品もありました。白黒でも2人の作品と分かる特徴があるのが面白いです。
28 アンリ=エドモン・クロス 「サン・トロヴァーゾ橋(ヴェニス)」
これも大きめの点描で、ヴェネツィアの運河とその両岸の家や木々が描かれた作品です。ピンクや緑など色合いが強く、明るく軽やかな印象を受けます。解説によると、エドモン・クロスは南仏に居を構えたことがきっかけで、同じ南仏を拠点としたシニャックと親交を深め、分割主義の理論を学んだそうです。その為かシニャックとよく似た画風であるように思えました。
この近くには印象派のまとめ役でありながらスーラたちの技法を取り入れたピサロの作品などもありました。
31 マクシミリアン・リュス 「鋳鉄工場」
これは工場の中を描いた作品で、大きな容器とそれを持ち上げる人々、手前には鋳型に鉄を流し込む人など、鋳鉄工場の労働の様子が点描で表現されています。溶けた鉄が発する光なども点描で表現され、ピンクと水色が多用されているかな。上から鎖を引っ張る人と鉄を入れる人の姿勢から動きが感じられ、力強い印象を受けました。解説によると、この画家は政治に関わっていたらしく、こうした労働者の問題を取り上げた作品を描いていたようです。
続いてはナビ派のドニの作品が並んでいました。ドニは1891年頃に点描を試みていたようです。
33 モーリス・ドニ 「病院での夕暮れの祈り」
これは小さめの作品で、教会(病院内の教会?)の中で並んで祈る沢山のシスターたちが描かれています。点描というよりは色面による表現と言った感じですが、ドニは絵画は「ある一定の秩序のもとに集められた色彩による平面」であると言っていたそうで、色彩の分割や光の輝きの追求は分割主義の本質と言えるようです。画面上部の蝋燭の光が明るく、全体的に神秘的な雰囲気がありました。
近くには上野の西洋美術館の所蔵のドニなども並んでいました。2章の最後には映像コーナーがあり、分割主義や補色などの説明をしていました。
ということで、今日はこの辺にしておこうと思います。前半はシニャックやスーラの作品に特に目を見張るものがありました。後半はその後の分割主義の展開が分かる内容となっていましたので、次回はそれについてご紹介していこうと思います。
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