アンディ・ウォーホル展:永遠の15分 (感想前編)【森美術館】
10日ほど前の土曜日に、六本木の森美術館で「アンディ・ウォーホル展:永遠の15分」を観てきました。非常に点数が多く作風も多岐に渡っていましたので、前編・後編に分けてご紹介しようと思います。

【展覧名】
アンディ・ウォーホル展:永遠の15分
【公式サイト】
http://www.mori.art.museum/contents/andy_warhol/
【会場】森美術館
【最寄】六本木駅
【会期】2014年02月01日~05月06日
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日16時頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
大雪の日の次の日に行ったのですが、結構混んでいてあちこちで人だかりができる程でした。また、その次の週にも下階の展示を観に六本木ヒルズに行ったのですが、その日は晴れていたこともあり地上階のチケット売り場に行列ができていました。私は年間パスで素通りしたのでチケットの購入時間は分かりませんが、多分10分くらいは待つと思います。 展示品も多いので観に行く際には時間に余裕を持ったほうが良さそうです。
さて、今回の展示はアメリカンポップアートの代表的な作家であるアンディ・ウォーホルの個展となっています。アンディ・ウォーホルは元々は商業デザイナーで成功を収めていましたが、やがて絵画の世界でも認められ、時流にも合った世界的なアーティストとなっていきました。今回はその全貌を大規模に回顧するもので、展覧会はまず自画像のコーナーがあり、その後はだいたい年代ごとに章分けされていました。この記事でもその順にご紹介していこうと思うのですが、今回は会場には作品リストが無かったので、作品1点1点ではなく各章の大まかな流れを書いていきます。
参考リンク:作品リスト
<第1章 ポートレート アンディ・ウォーホルのポートレート ウォーホルとは何者なのか?>
まずはアンディ・ウォーホル自身のポートレートのコーナーです。アンディ・ウォーホルは1928年にピッツバーグに生まれ、両親はスロヴァキアからの移民だったそうです。その為、東方典礼カトリック教会の信者でありその信仰は後の作品でも伺い知ることができます。
この章では幼年期から晩年までのポートレートがあり、最初の入口にアンディ・ウォーホルの子供時代の写真や、自画像などがありました。東京の二重橋で撮った記念写真(20代後半)などもあり、日本との繋がりも感じさせます。アンディ・ウォーホルは幼い頃は体が弱く内向的だったそうですが、家族からは愛されていたそうで、こうした写真にもそれが表れているように思います。 また、ウォーホルは自分の容姿にコンプレックスを持っていたらしく、時代とともに外見が変わっていく様子も分かります。少年時代はアートを学び、1949年に故郷のカーネギー工科大学の絵画デザイン学科を卒業すると、1950年代の商業デザイナーとなり、その頃はニューヨークのクライアントを訪問していたこともあってスタイリッシュな服装をしていたようです。その次の1960年代になると美術や映画の業界に転身し、この頃は銀のかつらをつけて黒いサングラスを掛けたウォーホルのイメージそのものといった感じの格好です。その後活躍して有名になった1970年~80年代になると社交界の有名人と交流を持っていったようで、当時のローマ法王のヨハネ・パウロ2世に謁見している様子などもありました。また、1980年代に訪れた万里の長城や天安門を背景にした写真、女装した自画像、髪が逆立ったかつらなど幅広い活動や姿を観ることが出来ました。自分自身がモチーフであるかのようで、各年代の活動を一目で察することができるような作品が展示されていたと思います。
<第2章 1950S 1950年代:商業デザイナーとしての成功>
ウォーホルはカーネギー工科大学の絵画デザイン学科を卒業しニューヨークに移住すると、そこでファッション誌「グラマー」や「ヴォーグ」のイラストや様々な商品の広告を手がけて成功を収め、アートディレクターズクラブ賞など数多くの賞を受賞しました。婦人誌の広告のためのイラストシリーズなどドローイングでウォーホルが多用したのはブロッテド・ライン(シミつきの線)と呼ばれる技法で、これはペンで紙にイメージを描き、それに別の紙を押し当ててインクを転写する方法でした。これはインクのにじみで独特の線描を可能とし、アンディ・ウォーホルのトレードマーク的な描法となると共に、反復や転写による複製生産を可能にしたという点で、ウォーホルの制作の原点とも言えるようです。ニューヨークの画廊で発表する機会にも恵まれ、次の時代へと繋がっていきます。
ここには赤い靴を描いた広告イラストがあり、確かに線が独特でインクが垂れていたり途切れていたりして面白味があります。また「僕の庭の奥で」という作品集があり、妖精やキューピッドが描かれていました。他にもカクテル、ケーキ、猫、馬など様々なイラストがあり、一部はコラージュが使われているなど、手作り感がある作風となっているのが意外でした。また、ここにはウォーホルの代名詞とも言えるキャンベルスープ缶を描いた作品もあり、有名作への流れを予感させます。
ここには小部屋もあり、その中は素描が並んでいました。男性像や、ブロッテドラインと同じく多用したゴム印を使った作品などもあります。こうした複製的・反復的な手法がシルクスクリーンの作品に繋がって行くようです。他には靴を描いた作品やブロッテド・ラインで描いた静物などもありました。
<第3章 1960S 1960年代:「アーティスト」への転身>
アンディ・ウォーホルは1950年末から60年代はじめにかけて絵画制作に打ち込み、アーティストとして独自の表現を模索していきました。初期は荒々しい筆跡を残す絵画など試行錯誤していたようですが、一方で同時代に誕生したポップアートに同調し、コカ・コーラやテレビなどの商品や広告を主体とした作品を制作し始めました。そして1962年にキャンベル・スープ缶の絵画32点を出品した個展を開催し、これが画家としての実質デビューとなります。これらの主題は大量生産やメディアを通じた商品の広告、大衆の消費という当時のアメリカ社会が反映されたもので、時代に則したものと言えそうです。また、同年に写真をシルクスクリーンでカンヴァスに転写する技法を使い、新聞や雑誌などの既存のイメージや他者の写真を使った作品も制作し始めます。「ファクトリー」と称した自身のスタジオでカンヴァスにプリントを施していたらしく、「機械になりたい」といって同一のイメージを連続反復させアシスタントを雇って対策やシリーズ作品も作られていきました。そしてエルビス・プレスリーやマリリンモンロー、エリザベス・テイラーなどのスターの肖像画、自殺や自動車事故を主題とした「死と惨事」シリーズ、最も多く作られた「花」シリーズなどシルクスクリーンによってポップアーティストとしての地位を不動にしていきました。しかし、1966年のニューヨークの画廊での展覧会では「牛の壁紙」と「銀の雲」を発表して新たな展開を見せ、やがて絵画への興味を失っていきました。
参考記事:アメリカン・ポップ・アート展 感想後編(国立新美術館)
この章の最初にはキャンベルスープの缶、199ドルのテレビ、バスタブなどの日常品が描かれた作品が並んでいました。この辺はよく知られている作風かな。その先には死んだ胎児を逆さ吊りにしている医師の写真が反復している作品(死と惨事シリーズ)や、自殺の写真、人種暴動の写真、電気椅子の写真などの反復作品があり、悪趣味にも思えますがこれは覗き趣味的反応と暴力に対する鈍感さを表現しているようで、転写はどんどんぼやけて曖昧になっていました。
また、この近くにはケネディ大統領の妻ジャッキーの写真を使ったシリーズがあり、ケネディ暗殺前の笑顔と暗殺後の沈んだ顔が複数枚ずつ並んでいる作品となっていました。これは悲劇も繰り返し報道されると何も感じなくなっていくというのを表しているようで、悲喜が交錯しつつも反復によって意味が曖昧になっているような感じでした。
この近くにはエルビス・プレスリーのシルクスクリーン作品や、シドニー・ジャニス(画商)などがあり、有名なマリリン・モンローは5点並んでいました。これもマリリン・モンローの急死に衝撃を受けて制作されたもので、明るい色が使われているものもあれば、モノクロのものもあり様々です、見ていると人物像というよりはものやシンボルのように思えてきました。
その後にはキャンベルスープの缶を描いた作品が10点展示されていました。ほとんど一緒に見えますが味の違いで缶のラベルが違い、トマトやビーフ、ベジタブルなどがあります。まさに反復と言える作品で、大量生産されたものをモチーフに描くという発想がアメリカンポップアートならではだと思います。解説によると、アンディ・ウォーホルは20年間毎日キャンベルスープを飲んでいたらしく、相当に身近な存在だったのかもしれません。この辺りには花のシリーズの作品もあり、これも大きさや色を変えた反復となっていました。
そして奥の部屋には蛍光の黄色地に蛍光ピンクの牛の顔が繰り返し並んでいる壁紙があり、これが「牛の壁紙」でした。さらに奥の部屋には銀色の枕みたいな形の風船がフワフワ漂う「銀の雲」が展示されていて幻想的な光景となっています。この2つは個展で発表され絵画からそれ以外の表現に関心が移っていった頃のもので、当時としては蛍光色はかなり珍しく、全然知られていなかったため斬新で時代の先端を行くものだったようです。また、この頃はLSDによる幻覚をモチーフにしたサイケデリックな様式が美術や音楽に反映されていた時代だったそうで、この作品からもサイケな色合い/空間表現が見受けられました。ちなみに風船は実際に触れるので子供たちが嬉々として戯れていましたw
ということで、前半はまだアーティストになる前の商業デザイナー時代の作品などもあり、まさにアンディ・ウォーホルの原点から網羅しているような感じでした。後半はさらに活動を広げていった時代の作品が並んでいましたので、次回はそれについてご紹介しようと思います。
→ 後編はこちら
参照記事:★この記事を参照している記事

【展覧名】
アンディ・ウォーホル展:永遠の15分
【公式サイト】
http://www.mori.art.museum/contents/andy_warhol/
【会場】森美術館
【最寄】六本木駅
【会期】2014年02月01日~05月06日
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日16時頃です)】
混雑_①_2_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
大雪の日の次の日に行ったのですが、結構混んでいてあちこちで人だかりができる程でした。また、その次の週にも下階の展示を観に六本木ヒルズに行ったのですが、その日は晴れていたこともあり地上階のチケット売り場に行列ができていました。私は年間パスで素通りしたのでチケットの購入時間は分かりませんが、多分10分くらいは待つと思います。 展示品も多いので観に行く際には時間に余裕を持ったほうが良さそうです。
さて、今回の展示はアメリカンポップアートの代表的な作家であるアンディ・ウォーホルの個展となっています。アンディ・ウォーホルは元々は商業デザイナーで成功を収めていましたが、やがて絵画の世界でも認められ、時流にも合った世界的なアーティストとなっていきました。今回はその全貌を大規模に回顧するもので、展覧会はまず自画像のコーナーがあり、その後はだいたい年代ごとに章分けされていました。この記事でもその順にご紹介していこうと思うのですが、今回は会場には作品リストが無かったので、作品1点1点ではなく各章の大まかな流れを書いていきます。
参考リンク:作品リスト
<第1章 ポートレート アンディ・ウォーホルのポートレート ウォーホルとは何者なのか?>
まずはアンディ・ウォーホル自身のポートレートのコーナーです。アンディ・ウォーホルは1928年にピッツバーグに生まれ、両親はスロヴァキアからの移民だったそうです。その為、東方典礼カトリック教会の信者でありその信仰は後の作品でも伺い知ることができます。
この章では幼年期から晩年までのポートレートがあり、最初の入口にアンディ・ウォーホルの子供時代の写真や、自画像などがありました。東京の二重橋で撮った記念写真(20代後半)などもあり、日本との繋がりも感じさせます。アンディ・ウォーホルは幼い頃は体が弱く内向的だったそうですが、家族からは愛されていたそうで、こうした写真にもそれが表れているように思います。 また、ウォーホルは自分の容姿にコンプレックスを持っていたらしく、時代とともに外見が変わっていく様子も分かります。少年時代はアートを学び、1949年に故郷のカーネギー工科大学の絵画デザイン学科を卒業すると、1950年代の商業デザイナーとなり、その頃はニューヨークのクライアントを訪問していたこともあってスタイリッシュな服装をしていたようです。その次の1960年代になると美術や映画の業界に転身し、この頃は銀のかつらをつけて黒いサングラスを掛けたウォーホルのイメージそのものといった感じの格好です。その後活躍して有名になった1970年~80年代になると社交界の有名人と交流を持っていったようで、当時のローマ法王のヨハネ・パウロ2世に謁見している様子などもありました。また、1980年代に訪れた万里の長城や天安門を背景にした写真、女装した自画像、髪が逆立ったかつらなど幅広い活動や姿を観ることが出来ました。自分自身がモチーフであるかのようで、各年代の活動を一目で察することができるような作品が展示されていたと思います。
<第2章 1950S 1950年代:商業デザイナーとしての成功>
ウォーホルはカーネギー工科大学の絵画デザイン学科を卒業しニューヨークに移住すると、そこでファッション誌「グラマー」や「ヴォーグ」のイラストや様々な商品の広告を手がけて成功を収め、アートディレクターズクラブ賞など数多くの賞を受賞しました。婦人誌の広告のためのイラストシリーズなどドローイングでウォーホルが多用したのはブロッテド・ライン(シミつきの線)と呼ばれる技法で、これはペンで紙にイメージを描き、それに別の紙を押し当ててインクを転写する方法でした。これはインクのにじみで独特の線描を可能とし、アンディ・ウォーホルのトレードマーク的な描法となると共に、反復や転写による複製生産を可能にしたという点で、ウォーホルの制作の原点とも言えるようです。ニューヨークの画廊で発表する機会にも恵まれ、次の時代へと繋がっていきます。
ここには赤い靴を描いた広告イラストがあり、確かに線が独特でインクが垂れていたり途切れていたりして面白味があります。また「僕の庭の奥で」という作品集があり、妖精やキューピッドが描かれていました。他にもカクテル、ケーキ、猫、馬など様々なイラストがあり、一部はコラージュが使われているなど、手作り感がある作風となっているのが意外でした。また、ここにはウォーホルの代名詞とも言えるキャンベルスープ缶を描いた作品もあり、有名作への流れを予感させます。
ここには小部屋もあり、その中は素描が並んでいました。男性像や、ブロッテドラインと同じく多用したゴム印を使った作品などもあります。こうした複製的・反復的な手法がシルクスクリーンの作品に繋がって行くようです。他には靴を描いた作品やブロッテド・ラインで描いた静物などもありました。
<第3章 1960S 1960年代:「アーティスト」への転身>
アンディ・ウォーホルは1950年末から60年代はじめにかけて絵画制作に打ち込み、アーティストとして独自の表現を模索していきました。初期は荒々しい筆跡を残す絵画など試行錯誤していたようですが、一方で同時代に誕生したポップアートに同調し、コカ・コーラやテレビなどの商品や広告を主体とした作品を制作し始めました。そして1962年にキャンベル・スープ缶の絵画32点を出品した個展を開催し、これが画家としての実質デビューとなります。これらの主題は大量生産やメディアを通じた商品の広告、大衆の消費という当時のアメリカ社会が反映されたもので、時代に則したものと言えそうです。また、同年に写真をシルクスクリーンでカンヴァスに転写する技法を使い、新聞や雑誌などの既存のイメージや他者の写真を使った作品も制作し始めます。「ファクトリー」と称した自身のスタジオでカンヴァスにプリントを施していたらしく、「機械になりたい」といって同一のイメージを連続反復させアシスタントを雇って対策やシリーズ作品も作られていきました。そしてエルビス・プレスリーやマリリンモンロー、エリザベス・テイラーなどのスターの肖像画、自殺や自動車事故を主題とした「死と惨事」シリーズ、最も多く作られた「花」シリーズなどシルクスクリーンによってポップアーティストとしての地位を不動にしていきました。しかし、1966年のニューヨークの画廊での展覧会では「牛の壁紙」と「銀の雲」を発表して新たな展開を見せ、やがて絵画への興味を失っていきました。
参考記事:アメリカン・ポップ・アート展 感想後編(国立新美術館)
この章の最初にはキャンベルスープの缶、199ドルのテレビ、バスタブなどの日常品が描かれた作品が並んでいました。この辺はよく知られている作風かな。その先には死んだ胎児を逆さ吊りにしている医師の写真が反復している作品(死と惨事シリーズ)や、自殺の写真、人種暴動の写真、電気椅子の写真などの反復作品があり、悪趣味にも思えますがこれは覗き趣味的反応と暴力に対する鈍感さを表現しているようで、転写はどんどんぼやけて曖昧になっていました。
また、この近くにはケネディ大統領の妻ジャッキーの写真を使ったシリーズがあり、ケネディ暗殺前の笑顔と暗殺後の沈んだ顔が複数枚ずつ並んでいる作品となっていました。これは悲劇も繰り返し報道されると何も感じなくなっていくというのを表しているようで、悲喜が交錯しつつも反復によって意味が曖昧になっているような感じでした。
この近くにはエルビス・プレスリーのシルクスクリーン作品や、シドニー・ジャニス(画商)などがあり、有名なマリリン・モンローは5点並んでいました。これもマリリン・モンローの急死に衝撃を受けて制作されたもので、明るい色が使われているものもあれば、モノクロのものもあり様々です、見ていると人物像というよりはものやシンボルのように思えてきました。
その後にはキャンベルスープの缶を描いた作品が10点展示されていました。ほとんど一緒に見えますが味の違いで缶のラベルが違い、トマトやビーフ、ベジタブルなどがあります。まさに反復と言える作品で、大量生産されたものをモチーフに描くという発想がアメリカンポップアートならではだと思います。解説によると、アンディ・ウォーホルは20年間毎日キャンベルスープを飲んでいたらしく、相当に身近な存在だったのかもしれません。この辺りには花のシリーズの作品もあり、これも大きさや色を変えた反復となっていました。
そして奥の部屋には蛍光の黄色地に蛍光ピンクの牛の顔が繰り返し並んでいる壁紙があり、これが「牛の壁紙」でした。さらに奥の部屋には銀色の枕みたいな形の風船がフワフワ漂う「銀の雲」が展示されていて幻想的な光景となっています。この2つは個展で発表され絵画からそれ以外の表現に関心が移っていった頃のもので、当時としては蛍光色はかなり珍しく、全然知られていなかったため斬新で時代の先端を行くものだったようです。また、この頃はLSDによる幻覚をモチーフにしたサイケデリックな様式が美術や音楽に反映されていた時代だったそうで、この作品からもサイケな色合い/空間表現が見受けられました。ちなみに風船は実際に触れるので子供たちが嬉々として戯れていましたw
ということで、前半はまだアーティストになる前の商業デザイナー時代の作品などもあり、まさにアンディ・ウォーホルの原点から網羅しているような感じでした。後半はさらに活動を広げていった時代の作品が並んでいましたので、次回はそれについてご紹介しようと思います。
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