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スケーエン:デンマークの芸術家村 【国立西洋美術館】

この展示は5/2に前回ご紹介したシャセリオー展の後に観てきました。

DSC00567.jpg

【展覧名】
 日本・デンマーク外交関係樹立150周年記念
 スケーエン:デンマークの芸術家村

【公式サイト】
 http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2017skagen.html

【会場】国立西洋美術館 新館展示室
【最寄】上野駅

【会期】2017年2月10日(金)~5月28日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
新館の常設展示の場所を使って行われていました。シャセリオー展のチケットで見られます。

さて、今回のテーマである「スケーエン」とはデンマークのユトランド半島の最北端にある小さな漁村で、1870年代からそこに多くの画家や詩人、作曲家などが集まって芸術村の様相となっていたそうです。今回はそこから7人の作品59点(半分くらいは素描)が並び、それぞれ違った個性がありましたので画家ごとに簡単に書いておこうと思います。

<ミカエル・アンカー>
この画家の作品が最も多かったかな。写実的でありつつ労働者を現実的に捉えた絵が数点あり、いずれも骨太な印象でした。しかし一方では浜辺を散歩する貴婦人たちを描いていたりして、スケーエンの様々な面を見せてくれます。人物像の陰影などから当時の人々の生活感がにじみ出ていました。

<アンナ・アンカー>
この人はミカエル・アンカーの奥さんで、旦那さんが労働者をよく描いてたのに対して女性像が多かったようです。作風としては印象派的なところもありつつ、どこか象徴主義的な静けさと神秘性が漂う感じが好みでした。

<ヴィゴー・ヨハンセン>
この画家は1点のみでした。浜辺の労働者という主題はミカエル・アンカーと共通するものの、印象派からの影響が強そうな筆致となっていました。

<ホルガー・ドラックマン>
この画家も1点のみ。浜辺の風景を描いていて、大胆な筆使いで明るめの画面となっていました。色が淡くて遠目では水彩かと思った。

<ペーダー・セヴェリン・クロヤー>
この人の作品はどこか北欧独特の陰と神秘性を感じさせる画風でした。色使いは決して暗くなくむしろ光輝主義のような幻想的な明るさがあるのですが、夜や暗い室内を描いているのでそう思えるのかも。柔らかくも強い陰影が非常に目を引きました。

<マリー・クロヤー>
この人はペーダー・セヴェリン・クロヤーの奥さんらしく、1点のみでした。室内で刺繍をしている女性を描いた作品で、フェルメールのような静謐さと柔らかい光を感じさせました。

<カール・ロッカー>
この人は2点のみでしたが、いずれも風景画で郷愁を誘う夕景でした。印象派的な作風で色使いが特に素晴らしく、非常に好みでした。


ということで、知らなかった画家ばかりでしたが好みの作品が多かったので図録も買ってきました。
こういうまだ日本では知られていないけど実力のある画家たちの展示は本当に嬉しいものです。それぞれ個展をやってほしいw
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