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驚きの明治工藝 【川越市立美術館】

この展示は5/20に観てきました。前回ご紹介したヤオコー川越美術館から徒歩でハシゴしました(すぐ近く) 

DSC00823.jpg

【展覧名】
 驚きの明治工藝

【公式サイト】
 http://www.city.kawagoe.saitama.jp/artmuseum/tokubetutenji/toku-index.html

【会場】川越市立美術館
【最寄】本川越駅・川越市駅・川越駅

【会期】2017年4月22日(土)~6月11日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。
この展示は台湾在住の漢方薬剤師である宋培安(ソンペイアン)氏のコレクションを中心に明治から昭和初期頃までの工芸品を集めたもので、漆工、金工、陶磁、七宝、染織といった幅広いジャンルの品が並ぶ内容でした。条件付きで写真を撮ることもできましたので、気に入った作品の写真を使いながらご紹介しようと思います。

写真のルールはこんな感じ。
DSC00825.jpg

まず第一章は「写実の追求 -まるで本物のように-」ということで、リアルな品々が並んでいました。

田中宗義 「自在龍」
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これは世界最大の自在置物の龍。自在置物というのは可動する置物で、今で言うリボルテックです。首だけでなく指とかも動きそう。鱗も細かくて緻密な設計に驚きです。

この辺には蛇の自在置物もあり、それを動かしてる映像がありました。映像を観ると気味悪いほど蛇に見えますw

守由 「自在伊勢海老」
DSC00848.jpg
色がついてればエビそのものw 立派です。

宮本理三郎「柄杓蛙」
DSC00864.jpg
こちらは色も大きさもかなり本物っぽい。発想も面白い。

橋本市蔵「竹塗煙管筒」
DSC00870.jpg
これは一見すると竹ですが、実は紙と漆塗りで出来ています。斑点のところは黒い漆という徹底ぶり。

好山「自在トンボ」
DSC00888.jpg
これは少しアール・ヌーヴォー的な宝飾品みたいに見えるかな。他にもカマキリやセミなどもあり、いずれも驚くほど精緻です。

この近くには漆絵でも有名な柴田是真の作品などもありました。

続いて第二章は「技巧を凝らす -どこまでやるの、ここまでやるか-」ということで、技巧を駆使した作品が並んでいます。その背景には輸出や博覧会への出品があったようです。

米原雲海「無弦琴」
DSC00903.jpg
高村光雲の弟子の雲海。日本だけでなく西洋の技法も取り入れたようで、生き生きとしています。

三代清風与平「黄釉牡丹文壺」
DSC00944.jpg
焼き物もありました。黄色が柔らかくて非常に気品があります。牡丹の文様も優雅。

周山「薩摩焼竹図花瓶」
DSC00950.jpg
こちらは海外向けかな? 豪華さと静謐さが印象的。

濤川惣助「秋草鶏図花瓶」
DSC00955.jpg
明治期の七宝と言えば2人のナミカワ(並河靖之と濤川惣助)が有名。こちらは濤川惣助で、柔らかい表現が独特です。

海野勝珉「背負籠香炉」
DSC00978.jpg
中に香炉が入っている背負いかごのデザインが秀逸でした。

この近くには根付や蒔絵などもあり、いずれも驚かされるような技巧が見られます。

善拙「猫置物」
DSC01040.jpg
ちょっと悪そうな猫。ニヤッとしてるw

大島如雲「狸置物」
DSC01066.jpg
こちらは狸の和尚さんかな? とぼけた顔が可愛い。

最後は友禅で出来た絵などもありました。

ということで、タイトル通りの驚きだけでなく、面白さや可愛さなど様々な面を見せてくれる工芸品が並んでいました。
老若男女が楽しめる内容だと思いますので、川越観光に行く予定がある方はついでに足を運んでみるのも良いかと思います。

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