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【番外編】没後90年 萬鐵五郎展 YORUZU Tetsugoro 1885-1927【萬鉄五郎記念美術館】

岩手編は今回で最後です。先日ご紹介した岩手県立美術館での「没後90年 萬鐵五郎展」と共同開催された萬鉄五郎記念美術館の「没後90年 萬鐵五郎展 YORUZU Tetsugoro 1885-1927」も合わせて観てきました。この展示は既に終了しておりますが、神奈川に巡回しておりますのでご紹介しておこうと思います。

DSC01692.jpg

【展覧名】
 没後90年 萬鐵五郎展 YORUZU Tetsugoro 1885-1927
【公式サイト】
 https://www.city.hanamaki.iwate.jp/bunkasports/501/yorozutetsugoro/p007663.html

【会場】萬鉄五郎記念美術館
【最寄】土沢駅(岩手県花巻市)

【会期】2017年4月15日(土)~6月18日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
こちらは岩手県立美術館と共同開催となっていて、章立ても同じ構成となっていました。内容は油彩もありつつ、素描や日本画が多めとなっていて、特に南画風の日本画がメインと言えそうでした。萬鉄五郎はこの美術館の付近で生まれ育ち、一度帰郷して制作を手掛けたこともあり、この辺を描写した作品もあるので臨場感というか、ここで作品が生まれたのかという感慨深いものがあります。

まず、素描は割りとラフなものが多いですが、直接のインスピレーションを示すものとなっているので、独特の面白さがありました。若い頃の人体素描などは割りと硬めに思うのですが、晩年に向けて大胆で力強い線に変わっていっているのも油彩同様に思えます。そしてこの展示のメインは何と言っても日本画です。日本のフォーヴィスムを牽引した萬が日本画(水墨画)を描いていたというのもあまり知られていないと思いますが、元々は水彩などから始まり、晩年は南画研究を行っていたのでそれが如実にあらわれています。池大雅や与謝蕪村のような雰囲気もありながら、どこか禅画のような緩さもあって面白いです。また、確実に晩年の洋画での展開を伺わせるものとなっていて、大胆かつ強烈な線が駆け巡る様はまさに日本画版のフォーヴィスムといった感じでした。

この美術館には特別展の他に、萬鉄五郎の残した品々や簡単な変遷をたどるような展示が常設されているので、そちらも楽しむことができました。(ちなみにこの美術館は花巻にあるので、盛岡の岩手県立美術館とハシゴするのは車が無いとかなり厳しいところです。)

ということで、岩手県立美術館の展示と共に萬鉄五郎を詳しく知ることが出来る内容だったと思います。どちらかと言うと萬鉄五郎のことを元々知っている人向けの内容でしたがフォーヴやキュビスムといった洋画からの影響からだけでは語れない萬の魅力はここも源泉の1つのかな?と隠し味の正体を観たような展示でした。この記事を書いている時点で神奈川にも巡回しておりますので、萬鉄五郎が好きな方は是非どうぞ(神奈川の展示は岩手の2館分まとめるのかは不明です。) 

 巡回詳細:神奈川県立近代美術館(葉山館)
 2017年7月1日~2017年9月3日
 
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