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国立マルク・シャガール美術館  【南仏編 ニース】

今日も引き続き南仏編です。前回ご紹介したニースのマティス美術館に行った後、歩いて国立シャガール美術館に行ってきました。こちらの美術館はシャガールの創世記を題材にした大型作品群のコレクションで有名な美術館です。

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日本語公式サイト:http://jp.france.fr/ja/discover/30148



こちらの美術館も「ニース・ル・グラン・ツアー」という街を周回している2階建てバスで行くことができますが、マティス美術館から歩いて15分くらいなのでせっかくなので歩いて行きました。両脇に豪邸が立ち並ぶ閑静な地区にあります。

入口は結構分かりづらいですが看板があるので迷うことはありませんでした。大通りからちょっと入ったところにあります。
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こちらの建物でチケットを買いますが、美術館の本館は冒頭の写真の建物となります。この建物にはミュージアムショップなどもありました。(チケットは「リビエラパス」を使って交換することができます)

敷地内はオリーブの木なども生えている庭がありました。
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この写真の右奥辺りに写っているのはカフェです。時間の関係で寄りませんでしたが、この辺で食事ができるのはここくらいかも。

美術館本館の入口では音声ガイド機を借りることができます。国立美術館だけあって日本語の解説機もありました! しかもかなり詳細です。なお、音声ガイドは無料だったと思いますが、パスポートを預ける必要があります。

まず入口付近はこんな感じで彫刻作品が並んでいます。
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この美術館もフラッシュ無しなら撮影ができました。

これは石に彫った作品かな。
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抱き合う人たちが彫られていました。

これは恐らくキリストの十字架降下のシーン。
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シャガールはユダヤ人ですが、たまにキリスト教に関する作品もあります。(ガチガチのユダヤ教徒というわけでも無いようです)

奥の方の講堂にはステンドグラスがありました。
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講堂の中には入れなかったので遠目でしか観られませんでしたが、非常に美しい色彩となっていました。

一旦入口の方に戻って逆側に進むと、この美術館が誇る創世記に関する大型作品が並ぶ展示室があります。
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17点にのぼるこれらの大作がシャガール自身によって寄贈されたことによって、この美術館が建てられたそうです。シャガールはパリのイメージが強いですがニースにも晩年に20年くらい住んでいたので、この地が選ばれたようです。

こちらはアブラハムと3柱の天使たち。
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旅人を歓待した所、実はその正体は天使たち(一人は神?)で高齢のはずのアブラハム(99歳)とサラ(89歳)の夫妻に子供が授かると予言されたシーンです。強い色彩ですが、響き合っています。

こちらはアブラハムがモリヤの丘で息子イサクを生贄にしようとするシーン。
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せっかく生まれた一人息子を神に生贄として捧げるよう言われて命を絶とうとした瞬間、天使がそれを止めたという話です。大事な息子であっても神の言葉を果たそうとしたので、信仰の試練を乗り越えたと言えます。3色の色分けで劇的な雰囲気が出ていました。

こちらはヤコブの夢。
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アブラハムの孫のヤコブが観た、天使が天まで続くハシゴを登っているという夢です。1枚で複数の場面があって、寝ている赤い人がヤコブかな。右上の方に磔にされているキリストらしき姿があるのは、天と地を結ぶ存在としてキリストはヤコブの梯子と同様であるという話を表しているのかも。しかし梯子はシャガールの好きだったサーカスのもののようで楽しそうw

見る順番を間違った気がしますが、これは楽園とアダムとイブ(エバ)。
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後ろにいるのは知恵の実を食べるようにそそのかした蛇。1枚で複数の場面を物語っているようです。

一番奥にはソロモンの愛の部屋と呼ばれる六角形の部屋があり、「ソロモンの歌」を主題にした赤が印象的な作品群が並んでいます。
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これはシャガールらしいモチーフが並んでいる作品。
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花嫁と花婿、恐らく背景は故郷のヴィテブスクじゃないかな。色合いも相まって温かみを感じます。

幸せそうな表情を浮かべている裸婦。
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この辺から折り返しとなり出入口に向かって戻っていきます。

窓からは壁画が見えました。
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黄道十二宮のモチーフが円形に並んでいるようです。

最後は陶芸作品などやリトグラフが並んでいました。
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絵画がそのまま立体になったような感じかなw


ということで、国立美術館だけあって素晴らしいコレクションが並んでいました。特に赤い作品の並ぶ部屋が印象的で最大の見所と言えそうです。ニースには沢山の美術館がありますが、ここは特に見応えのある美術館です。

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