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アングラドン美術館 【南仏編 アヴィニョン】

今日も引き続き南仏編です。前回ご紹介したアルル等のゴッホゆかりの地を巡った日に、宿を取ったアヴィニョンにあるアングラドン美術館に行ってきました。たまたま開催されていたデュフィ展も観ることができました。

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 日本語公式サイト:http://angladon.com/japanese-version/



この美術館はオート・クチュールの開拓者でありパリの名コレクターであったジャック・ドゥーセ(1853-1929)の収集品を相続したアングラドン・デュブルジョー夫妻が開いた美術館です。コレクションはルネサンス期から近代に至るまで多岐に渡り、日本や中国の品などもあります。この美術館でもフラッシュ無しなら撮影することができましたので、写真と共にご紹介していこうと思います。

まず1階はエコール・ド・パリの頃の画家の作品がありました。こちらはピカソ
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近くにはピカソらが影響を受けたアフリカの彫刻などもあり、キュビスムへの転換が感覚で分かる展示になっていました。

モディリアーニもありました。
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この作品では目は普通に描かれていますが、モディリアーニもアフリカの彫刻からの影響を感じさせます。

こちらは藤田嗣治(レオナール・フジタ)
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平面的で壁画みたいで面白い。

少し進むと時代がちょっと戻ります。

こちらはセザンヌ
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セザンヌらしい立派な静物画で驚き。良いコレクションです。

こちらはゴッホ。この辺で観られるゴッホは実はこれだけらしいです。
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アルルの時代に描かれたものらしいのでアルピーユ鉄道かな? 今でもアルル近郊のひまわり畑を走る鉄道だと思いますが、爽やかな雰囲気です。

1階は他にもドガ、ドラン、ドーミエ、ルドン、ヴュイヤールなども1~2点くらいずつありました。数は多くないですが良いコレクションばかりです。

階段と2階の展示室。
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2階は一気に貴族の館っぽい雰囲気ですが、アングラドン夫妻は画家だったらしいです。展示物はルネサンスから近代まで幅広い感じです。(でも好みは近代なので近代中心にご紹介していきますw)

一見するとフランドル絵画のような主題ですが、マネの作品
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離れて観ると精密に見えますが、結構大胆な筆致なのが流石です。

この辺にあった古い絵は主に宗教画や肖像画でした。

こちらはポール・ヨウーヴェという動物画で名を馳せた画家の作品(1925年頃)
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虎の筋肉と尻尾に緊張感があって目を引きました。

1600年代半ば頃のオランダのハールレムの画家Frans de Hulst
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オランダのメイヘーレン辺りを描いた作品らしいですが、明暗の柔らかな表現が好み。

こちらは書斎かな?
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壁紙も含めて洒落た雰囲気。

こんな感じで、部屋と一体化するように展示されているのも魅力です。右の写真は日本の蒔絵。
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他にも日本や中国の陶器、江戸時代の絵(屏風を切り取ったようなの)もありました。

続いて3階はラッキーなことにデュフィ展が開催されていました。
 期間:2017/4/7~8/27
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1915年頃の各国の兵士たちを描いたもの。
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日本も真ん中にいますが、ここまで黄色くないだろw 背も低いし割とステレオタイプ。

これはポール・ポワレとのコラボの服飾デザイン
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他にも数点あり、デュフィならではの軽やかさと華やかな雰囲気がありました。

これは北フランスのサン=タドレッスの海を描いた作品。
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強い色彩が特に印象的でした。

デュフィがよく題材にした競馬場を描いた作品。
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賑わいと社交場の華やかさがよく出ています。グワッシュだと一層軽やか。

こちらもお得意の音楽を題材にした作品。
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勢いを感じる線がリズミカルで題材にぴったり。

こちらはニースの風景。
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今回の旅で観てきたばかりの風景なので、テンションがあがりました。

一番奥は超大作「電気の精」のリトグラフ
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これの本物はパリ市立近代美術館で観られます。
 参考記事:【番外編 フランス旅行】 パリ市立近代美術館


ということで、予想以上に素晴らしいコレクションと、デュフィの展示を観ることができて大満足でした。アヴィニョンはあまり広くないものの見どころが多い街ですが、もし訪れる機会があったらここも見逃せないと思います。


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