HOME   »  写真  »  世界遺産ポン・デュ・ガールとアヴィニョン近郊の村 【南仏編 アヴィニョン近郊】

世界遺産ポン・デュ・ガールとアヴィニョン近郊の村 【南仏編 アヴィニョン近郊】

前回に引き続き、南仏のアヴィニョン周辺についての記事です。今回は世界遺産の水道橋「ポン・デュ・ガール」とアヴィニョン周辺の美しい村々をご紹介しようと思います。

ポン・デュ・ガールには先日ご紹介したゴッホゆかりの地のオプショナルツアーで行きました。中々濃厚なツアーです。
 参考リンク:アヴィニョン発 ベストセラープロヴァンス ポン・デュ・ガールとゴッホゆかりの地(みゅうのツアー)


実際に周った順は無視して早速ポン・デュ・ガールからご紹介。
 ポン・デュ・ガール日本語サイト:http://jp.france.fr/ja/discover/35026



こちらはポン・デュ・ガールの入口。
DSC02251.jpg
多分、今回の旅行で一番チケット売り場が盛況で、駐車場も沢山の車がいましたが その訳はこの後すぐに分かりました。

遠くからでも分かるとてつもなくデカい水道橋。京都の南禅寺の水道橋の何十倍もデカいw
DSC02256.jpg
こちらはローマ時代(紀元前19年頃)に作られた橋で、ユゼスという湧き水の出る街からニーム(結構大きな街)まで続く水道の為に作られました。全長50kmもある水道なのに、高低差は12mしかないという驚きの精度となっていて、2000年も前のものとは信じられないほどです。中世の頃にはこんなものが人間に作られるわけがない!ということで、悪魔が作ったと信じられていたという話もあります。ローマの偉大さと中世の暗黒時代っぷりが伺えるエピソードです。

逆光だったので反対側からも撮影。写っている人たちと縮尺を比べると大きさが分かるかも。
DSC02275.jpg
単に機能だけではなく3層になっている美しさも見事としか言いようがない。これが出来た頃の日本は弥生時代です。

一番下の階層は実際に渡ることもできます。
DSC02281.jpg DSC02283.jpg
ここは川遊びの人たちが大勢来ていて、橋を観ながら泳いだりボートを漕いだりしていました。写真とは裏腹にラップを大音量で掛けてるパリピがいましたw しかしこれを観ながら水浴とは本当に贅沢。 またゆっくりと訪れて一日過ごしてみたい。

続いて、アヴィニョンの南、アルル近くのレ・ボー=ド=プロヴァンスをご紹介。これも同じツアーです。

プロヴァンス語で岩だらけという意味で、「ボーキサイト」は元々この辺で取れたのでその名前となったそうです。

村の入口はこんな感じ。
DSC02065.jpg
歩いても20~30分くらいで廻れる小さな村ですが、昔は周りの村を治める一大勢力の拠点だったようで、急な崖などもあって難攻不落の城があったようです。

街の中はこんな感じ。
DSC02076.jpg
白い石の建物が続きます。フランスには「美しい村」という制度があり、それに認定された村の1つです。

リアルにドラクエみたいな街並みが続きます。今は完全に観光地で、お土産物屋さんやカフェが沢山あり公衆トイレ等もあります。
DSC02081.jpg DSC02092.jpg
教会の中は厳かでステンドグラスもありました。

こちらは教会の辺りから観た光景。
DSC02093.jpg
本当に岩だらけの絶景でした。

続いてはアルル近郊フォンヴィエイユにあるドーデの風車をご紹介。

レ・ボーとアルルの中間くらいのところにあります。

こちらがドーデの風車。
DSC02129.jpg
何故この風車が有名かと言うと、ドーデの著作「風車小屋だより」という短編集の名前はこの風車にちなんでいる為です。私は事前に読んで行きましたが、この短編集の中には「アルルの女」という短い話があり、この話が後に戯曲化され、それに作曲家のビゼーが曲をつけました。
 参考リンク:風車小屋だより(amazon)

ビゼーの「アルルの女」はメヌエットを聴けばピンと来るかも。

戯曲の方は観たことないですが、小説の「アルルの女」はこんな清らかさも明るさも全くありませんw

そしてこれを聞いてハットリくんの音楽じゃん!と思った当時のファミコンキッズも多いはずw

こんな所まで来てハットリくんを思い出すとは…w

こちらは風車小屋からの眺め。現代の風車が見えますが、あの辺にゴッホも通ったひまわり畑があります。
DSC02127.jpg
風車があるのは風が強いためです。アヴィニョンに着いた時にかなりの強風が吹いていて驚きました。これは「ミストラル」と呼ばれる風で、遠くアルプス山脈からの吹き下ろしだそうです。

ここまではゴッホゆかりの地めぐりと合わせて日本語ツアーで観たところですが、ここから先は別の日に英語のオプショナルツアーで周ったところになります。大体はアヴィニョンの東の方向で、リュベロン地方自然公園の中の村です。

まずはソー村というところでラベンダー畑を観ました。
DSC03399.jpg
こちらは10分くらいしか滞在しませんでしたが、丁度見頃で非常に良い香りが漂っていました。この6月は南仏のあちこちでラベンダーを観ることができます。

続いてゴルドの村に行きました。

ここの歴史はちょっと複雑で説明しきれないのでwikipediaへのリンクを貼っておきます。
 参考リンク:ゴルドのwikipedia 

これがゴルド!
DSC03429.jpg
この光景を観るために多くの観光客が来ていました。

ゴルドの中に入ると、大規模な市場が開催されていました。
DSC03405.jpg
売っているものも様々で、食べ物もあれば名産品もあるという感じ。お土産にコットン製の鍋敷き(お店の人にフランス製を強調されたw)を買い、南仏名物のラタトゥイユも買って持ち帰りました。

村の中は結構細い路地ですが、ここも美しいところです。
DSC03414.jpg

何しろ山の上にある村なので、こうした光景を観ることができます。
DSC03417.jpg

最後に、ゴルドの東にあるルシヨンに寄りました。


今回の旅で最も美しかったのはこの村かも。
DSC03432.jpg
英語のガイドだったのでうろ覚えですが、この地で浮気関連の悲劇があったそうで、その血の色に染まってるみたいなことを言っていました。とは言えそれはお話の中のことで、実際には黄色顔料の原料となる「オークル」を含んだ丘の上にあるのでこうした色になっているようです。

異国情緒たっぷりで、とても美しい街並みです。
DSC03440.jpg DSC03447.jpg
ここも歩いても30分あれば十分でしたが、印象深かった…。街の中でラベンダーのアイスが売っていて、非常に美味しかったです。一緒に周ったカリフォルニアのご夫妻もめっちゃオススメしてくれましたw


ということで、アヴィニョン周辺には非常に美しい光景が広がっていました。この辺で最も大きな都市はマルセイユですが、観光の拠点としてはアヴィニョンかエクスが良いと思います。(オプショナルツアーの発着が充実しているし、城塞都市で雰囲気が良く治安も安心) 南仏に行くことがあれば、こうした村々に訪れることも検討してみるとよろしいかと。


フランス関連記事
 カーニュ・シュル・メール(2017年)
  ルノワール美術館 【南仏編 カーニュ・シュル・メール】
  グリマルディ城(地中海近代美術館) 【南仏編 カーニュ・シュル・メール】

 ニース(2017年)
  ニース美術館 【南仏編 ニース】
  マセナ美術館 【南仏編 ニース】
  マティス美術館 【南仏編 ニース】
  国立マルク・シャガール美術館  【南仏編 ニース】
  ニースの写真と案内 【南仏編 ニース】

 サン・レミ/アルル(2017年)
  ゴッホゆかりの地めぐり 【南仏編 サン・レミ/アルル】

 アヴィニョン(2017年)
  アングラドン美術館 【南仏編 アヴィニョン】
  世界遺産ポン・デュ・ガールとアヴィニョン近郊の村 【南仏編 アヴィニョン近郊】
  アヴィニョン教皇庁宮殿とサン・ベネゼ橋 【南仏編 アヴィニョン】
  プティ・パレ美術館 【南仏編 アヴィニョン】
  カルヴェ美術館 【南仏編 アヴィニョン】

 エクス(2017年)
  セザンヌゆかりの地めぐり 【南仏編 エクス】
  シスレー展 (コーモン芸術センター)【南仏編 エクス】
  グラネ美術館 本館 【南仏編 エクス】
  グラネ美術館 別館 【南仏編 エクス】

 マルセイユ(2017年)
  カンティーニ美術館 【南仏編 マルセイユ】
  マルセイユの写真と案内 【南仏編 マルセイユ】
  ル・コルビュジエ 「ラ・シテ・ラディユーズ(ユニテ・ダビタシオン)」 【南仏編 マルセイユ】

 パリと近郊(2012年)
  【番外編 フランス旅行】 オルセー美術館とセーヌ川
  【番外編 フランス旅行】 ルーヴル美術館
  【番外編 フランス旅行】 ポンピドゥー・センター(国立近代美術館)
  【番外編 フランス旅行】 パリ モンマルトル界隈
  【番外編 フランス旅行】 ジヴェルニー モネの家
  【番外編 フランス旅行】 ヴェルサイユ宮殿
  【番外編 フランス旅行】 バルビゾン村とフォンテーヌブロー宮殿
  【番外編 フランス旅行】 オランジュリー美術館とマルモッタン美術館
  【番外編 フランス旅行】 パリ市立プティ・パレ美術館
  【番外編 フランス旅行】 パリ市立近代美術館
  【番外編 フランス旅行】 パリ市街の写真


関連記事


記事が参考になったらブログランキングをポチポチっとお願いします(><) これがモチベーションの源です。

 

更新情報や美術関連の小ネタをtwitterで呟いています。
更新通知用twitter



Comment
Trackback
Trackback URL
Comment Form
管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

21世紀のxxx者

Author:21世紀のxxx者
 
多分、年に70~100回くらい美術館に行ってると思うのでブログにしました。写真も趣味なのでアップしていきます。

関東の方には休日のガイドやデートスポット探し、関東以外の方には東京観光のサイトとしてご覧頂ければと思います。

画像を大きめにしているので、解像度は1280×1024以上が推奨です。

↓ブログランキングです。ぽちっと押して頂けると嬉しいです。





【トラックバック・リンク】
基本的にどちらも大歓迎です。アダルトサイト・商材紹介のみのサイトの方はご遠慮ください。
※TB・コメントは公序良俗を判断した上で断り無く削除することがあります。
※相互リンクに関しては一定以上のお付き合いの上で判断させて頂いております。

【記事・画像について】
当ブログコンテンツからの転載は一切お断り致します。(RSSは問題ありません)

更新情報や美術関連の小ネタをtwitterで呟いています。
更新通知用twitter

展覧スケジュール
現時点で分かる限り、大きな展示のスケジュールを一覧にしました。

展展会年間スケジュール (1都3県)
検索フォーム
ブログ内検索です。
【○○美術館】 というように館名には【】をつけて検索するとみつかりやすいです。
全記事リスト
カテゴリ
リンク
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
メディア掲載
■2012/1/27
NHK BSプレミアム 熱中スタジアム「博物館ナイト」の収録に参加してきました
  → 詳細

■2011/11/21
海の見える杜美術館の公式紹介サイトに掲載されました
  → 詳細

■2011/9/29
「週刊文春 10月6日号」に掲載されました
  → 詳細

■2009/10/28
Yahoo!カテゴリーに登録されました
  → 絵画
  → 関東 > 絵画

記事の共有
この記事をツイートする
広告
美術鑑賞のお供
細かい美術品を見るのに非常に重宝しています。
愛機紹介
このブログの写真を撮ってます。上は気合入れてる時のカメラ、下は普段使いのカメラです。
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
44位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
デザイン・アート
4位
アクセスランキングを見る>>
twitter
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

※できるだけコメント欄にお願い致します。(管理人だけに表示機能を活用ください) メールは法人の方で、会社・部署・ドメインなどを確認できる場合のみ返信致します。