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グラネ美術館 本館 【南仏編 エクス】

今日も引き続き南仏のエクス・アン・プロヴァンスについてです。前回ご紹介したコーモン芸術センターに行った後、歩いて10分くらいのところにあるグラネ美術館にも行ってきました。この美術館は本館と別館があり、まずは本館に行きました。

 日本語公式サイト:http://jp.france.fr/ja/discover/30155




エクス・アン・プロヴァンス出身の画家と言えば真っ先に名前が挙がるのがポール・セザンヌですが、新古典主義の画家フランソワ・マリウス・グラネもこの街出身で、その名を冠した美術館となっています。収集品はかなり幅広く点数も多かったので観るのに結構時間がかかりました。
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フラッシュ無しなら撮影できましたので、写真を使ってご紹介しようと思います。(実際に見た順ではなく、なるべく時系列順に順序を変えています)

こちらはルネサンス以降の絵画などのコーナー。
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思った以上に広くて沢山の作品が並びます。

ドミニコ・フェッティ(1600年頃のイタリアのバロックの画家)の作品
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骸骨を持つ聖女と言えばマグダラのマリアです。物思いに耽って改悛しているところかな。

こちらはジャン=バティスト・ヴァン=ローという1700年頃の地元エクス・アン・プロヴァンス出身の画家の作品。
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羽が生えてるのはキューピッドと思われるので、女性は母のビーナスかな。男性はマーキュリーっぽく見えますがフランス語なので詳細不明。

この辺の遺跡の出土品なんかも展示されていました。
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続いて新古典主義などのコーナー
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中央にあるでっかい絵にご注目。

こちらがフランソワ・マリウス・グラネの作品。
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何かの儀礼っぽい感じ。服装から察するに枢機卿など高位の聖職者かな。思ったより粗目だけど穏やかな筆致に思えました。

そして何とドミニク・アングルの作品もありました。「ユピテルとティティス」
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この写真だとサイズが分かりづらいですが先程の大きな絵です。非常に滑らかな表現で艷やかさがあります。こんな傑作を観られるとは予想外で驚きました。

こちらは一気に時代が進んでセザンヌのコーナー。
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8点あるそうですが、割と貸出中のが多かったかな。写真が飾られているのが貸出中の絵です。

これはセザンヌ風に描かれていますが、モーリス・ドニによる作品。
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セザンヌを描いた作品かな。作風までよく似せてますw

これはFélix Nicolas FRILLIEという1800年代半ばの画家の作品をセザンヌが模写したもの。
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どっちがどっちか分からないくらいセザンヌの画風じゃないw 確か右がセザンヌです。

こちらはセザンヌお馴染みのモチーフの水浴図
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左端の男性や右側の女性、木の葉っぱの無い部分などが三角形を描いているように思えます。

少し進むと近代絵画のコーナーとなっていました。

こちらはフェルナン・レジェ。
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レジェらしい作風かな。レジェも南仏にゆかりのある画家です。

こちらはピエト・モンドリアン。
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抽象まであるとは驚きの幅広さです。

こちらはジョルジョ・モランディ。
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モランディらしい白っぽい色合いの静物。かなり好みです。

こちらはジャン・フォートリエ。
DSC03851.jpg
タシスム(染み)と呼ばれるアンフォルメルの一種で何を描いてるのか分からない抽象的な絵ですが、この色合が好みでした。

その先はジャコメッティの部屋となっていました。
DSC03855.jpg
この記事を書いている時点で東京でジャコメッティ展をやってるので、ちょっとリンクした気分。
 参考記事:ジャコメッティ展 (国立新美術館)

貴重なジャコメッティの油彩や素描などもありました。
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こちらはピエール・アレシンスキー。
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昨年、bunkamuraで個展をやっていたのを思い出しました。かなり自由奔放です。

最後に彫刻のコーナー。
DSC03721.jpg

ちょっとどちらも作者が分かりませんが、躍動感あふれる作品。
DSC03731.jpg DSC03733.jpg
ここは彫刻もどれもレベルが高い…

行った時間が遅かったので誰もいませんでしたが、中庭にはこんな風に休めるところもありました。
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ということで、期待以上に素晴らしいコレクションの美術館でした。しかし実はこれだけではなくグラネ美術館には別館もあります。私はここに閉館ギリギリまでいたのですが、次の日でも同じチケットで別館も観ることができました。次回はエクス・アン・プロヴァンスの最終回でグラネ美術館の別館をご紹介しようと思います。

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