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オープン・スペース 2017 未来の再創造 【NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)】

前回ご紹介した東京オペラシティアートギャラリーの展示を観た後、同じ建物内にあるNTTインターコミュニケーション・センター(ICC)で「オープン・スペース 2017 未来の再創造」を観てきました。

DSC05320.jpg

【展覧名】
 オープン・スペース 2017 未来の再創造

【公式サイト】
 http://www.ntticc.or.jp/ja/exhibitions/2017/open-space-2017-re-envisioning-the-future/

【会場】NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)
【最寄】初台駅

【会期】2017年5月27日~2018年3月11日
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
お盆前の土曜日に行ったのですが、子供向けの企画展も行われていることもあり予想以上にお客さんがいました。とは言え、夕方になると家族客が一気にいなくなって快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は毎年模様替えを行っているICCの常設で、3月まで長い会期で行われているものです。科学技術を使った体験型の作品ばかりで、子供が科学に興味を持つきっかけとなりそうなものが多いので家族連れが多いのも納得です(私も子供の頃から地元のこういう施設に入り浸ってましたw) 今回はいくつか異なる会期の企画展も同時に行われていましたので、それぞれ分けてご紹介しようとと思います。

<オープン・スペース 2017 未来の再創造>
まずはタイトルにもなっている常設についてです。中は写真が撮れるところと撮れないところがありましたので、撮れたところは写真を使ってご紹介しようと思います。

緒方壽人(Takram)「Oto-megane」 ★公式サイト
まず入り口に謎の白いモニタが3つあります。
DSC05359.jpg
これは裸眼では何も見えません。何やら楽器の音のようなものは聞こえます

実はこれは偏光レンズを使って観ると映像が観られます。
DSC05362.jpg
この虫眼鏡みたいなのが備え付けてあります。ディスプレイにあるフィルムと虫眼鏡は同じ性質のフィルムで、2枚が揃うと観られる仕組みのようです。

こんな感じの映像でした。
DSC05360.jpg
カメラにも写るのがちょっと意外。


カイル・マクドナルド「群衆を書き尽くす」 ★公式サイト
これは監視カメラに映ったロンドンの映像を観て、そこに映った人や物を選択してコメント(タグ)を付けて投稿するような作品。この人は何してるとか、この車はどうだとか、今まで書き込まれたタグが画面のあちこちに表示されます。私もいくつかタグ付けしてみましたが、英語のタグなどもあって投稿しているのはここだけでないのかも。フランスの作家,ジョルジュ・ペレックの『パリのひとつの場所を書き尽くす試み』という作品にちなんでいるとのことですが、監視社会への警鐘のように思えました。


徳井直生+堂園翔矢(Qosmo)「The Latent Future-潜在する未来」 ★公式サイト
こちらは今話題のAIを使った作品で、現在流れているネットの情報から、「ありえる/ありえた」かもしれないニュースが生成されるものです。私はデータサイエンティストの領域の仕事をしているのでこれは中々興味の湧くものでした。恐らくテキストマイニングして重回帰分析や主成分分析のような処理をしているのだと思いますが、出て来る結果よりも似た情報を3Dで銀河のように可視化している方が面白かったです。(ユークリッド距離を3次元的に表してるのかな?)


nor 「herering」 ★公式サイト
こちらは壁に向かって動くと、自分の動きが光と音によって表されるインタラクティブな作品。動きによって音楽的な感じになったりして、ちょっとしたテクノみたいw これは子供にも大人気でした。

三原聡一郎 「  鈴」 ★公式サイト
こちらは写真を撮ることができました。不規則に鈴がなる謎の作品。
DSC05323.jpg
実はこれ、ガイガーカウンターとなっているようで、放射線を検出すると鳴るようです。連打されるとちょっと怖いかもw 自然界にも割と放射線がありますが、普段見えないし感じないのでこうして可視化されるのが面白いです。

他にも色々とありましたが、割愛。(公式サイトでもそれらの概要を観ることができます。)勿論、無音室やジャグラーといった不動の常設作品も健在です。


<リサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICC>
続いてはNTT研究所の取り組みを紹介するコーナーについてです。
 公式サイト:http://www.ntticc.or.jp/ja/exhibitions/2017/research-complex-ntt-r-and-d/

こちらは未来予想をしているコーナー。
DSC05326.jpg DSC05327.jpg
未来の体は貸し借りできるようになる といった予想などが書かれていました。攻殻機動隊の世界みたいになりそうw

こちらは振動を伝える電話。
DSC05329.jpg DSC05330.jpg
2人1組の体験型で、お互いが押した擬音が体のセンサーに反応して伝わるというものでした。ここは混んでたので人がやってるのだけ観てきましたw


<エマージェンシーズ!031>
こちらの内容は、この記事を書いた時点で既に終了してしまっていますが、写真がとれました。

 公式サイト:http://www.ntticc.or.jp/ja/exhibitions/2017/emergencies-031-gushiken-yusuke/
 期間:2017年5月27日~8月13日

具志堅裕介 「ミキキキキミミ」
DSC05336.jpg
これはヘッドフォンを付けて画面に出てくる文字を観ていると、だんだんその文字が聞こえている音の擬音に思えて来るというものです。結構単純なのは確かにそう思えるのですが、この写真くらい長いと作者との主観の相違が大きいかもw とは言え発想が面白い作品でした。


<ICC キッズ・プログラム 2017 オトノバ 音を体感するまなび場>
こちらは子供向けの音を体感する企画展となっていました。夏休み期間限定となります。

DSC05338.jpg

 公式サイト:http://www.ntticc.or.jp/ja/exhibitions/2017/icc-kids-program-2017-oto-no-ba-sound-digging-with-the-senses/
 期間:2017年7月15日~8月31日

会場はこんな感じで、すべて体験できます。
DSC05339.jpg
この部屋は撮影可能でした。

和田永 「ストライプト・セッションズ(ボーダーシャツァイザー)」 ★公式サイト
DSC05340.jpg
これはストライプの服を身に着けて体験する作品。

体験方法はこんな感じ。
DSC05341.jpg
きゅ~~~という音がするのが、近づいたり動いたりすると野太くなったり高くなったりします。ラジオの局あわせしてるような感じかなw 分かりやすくて面白いです。


スズキユウリ 「響き花の植物園」 ★公式サイト
DSC05342.jpg
これは体験してもよくわからなかったのですが、ラッパの口みたいなのがパイプを通っていて、そのパイプを通して伝わる音の違いを感じるという意図のようでした。


パフューマリー・オルガンせいさくプロジェクト 「パフューマリー・オルガン」 ★公式サイト
DSC05345.jpg
こちらは手前のオルガンを弾くと、それに呼応して各音に対応した小瓶の蓋があいて香りが漂うというもの。

こんな感じで小瓶がセットされています。
DSC05347.jpg
どれも良い香り。

音階と香りの対応はこんな感じ。
DSC05348.jpg
自分で弾いた曲がどんな香りか試すことができます。ごく一部の人しか持たない「共感覚」を体験できた気分ですw

金箱淳一 「タッチ・ザ・サウンド・ピクニック」 ★公式サイト
DSC05354.jpg
これは音を遮断し、手に持った音を振動に変える装置を持って音を感じるというもの。割と色んな震え方をしていて、ヘッドフォンを外すと何がどういう震え方をするかちょっと分かるかも。

金箱淳一 「ラタタップ」 ★公式サイト
DSC05356.jpg
これはエリア内で楽器を使って大きな音を立てると、地面に音のキャラクターが出て来るというもの。より大きな音をたてるとデカイ玉のようなキャラクターも出てきました。この部屋で子どもたちが一番夢中だったのはこれかも。



ということで、多種多様な作品を楽しむことができました。とかくアートは歴史や文化など文系的な要素が多いですが、こうした理系的アートも知的好奇心を刺激してくれて面白いと思います。 いくつかは夏限定の企画ですので、気になる方はお早めにどうぞ。
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