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佳人礼讃-うるわしの姿を描く- 【ホテルオークラ アスコットホール】

お盆休み期間の平日に、ホテルオークラの地下にあるアスコットホールで、「佳人礼讃-うるわしの姿を描く-」を観てきました。

DSC05378.jpg

【展覧名】
 秘蔵の名品 アートコレクション展
 佳人礼讃-うるわしの姿を描く-

【公式サイト】
 http://www.hotelokura.co.jp/tokyo/events/art/

【会場】ホテルオークラ アスコットホール
【最寄】六本木一丁目/溜池山王/神谷町

【会期】2017年7月31日 (月) ~ 8月24日 (木)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
それほど混むこともなく、自分のペースで観ることができました。

さて、この展示は毎年この時期に行われているチャリティイベントで、今年は「佳人礼讃」というタイトルで9割くらいは美人画が占める内容となっていました。作品同士に特に繋がりがあるわけではなく単純に美人画を愛でるという分かりやすい内容で、3つのテーマで章分けされていましたので、各章ごとに簡単にご紹介しようと思います。

<第1章 肖像画のまなざし>
まず最初の章は洋画のコーナーで、多くは日本の近代画家によるものでした。最初にギョーム・セニャックによる写実的かつ明るい画風のミューズの肖像があり、瑞々しい印象を受けます。また、モディリアーニやキスリングといった有名画家の美人像も近くにあり、美人と一口に言ってもそれぞれ個性的な表現を楽しむことができます。
その後は黒田清輝や岡田三郎助といった白馬会の作品が並んでいます。黒田清輝の門下の画家達の作品は黒田清輝そっくりの画風でちょっと可笑しいくらい似ていました。 また、その先には小倉遊亀や東郷青児などの作品もあり、特に小倉遊亀の「若いひと」がこの章でも特に気に入りました。

<第2章 美人画にみるうるわしき佇まい>
続いては日本画のコーナーで、ここが一番充実しているかもしれません。上村松園5点、鏑木清方8点(清方は3章にもあります)、伊東深水3点、伊藤小坡2点といった感じで、明治以降の美人画の名手たちの共演となっています。やはり一番人気は上村松園かな。多くの人が集まって感嘆の声をあげていました。ここでちょっと面白かったのが伊東深水で、初期作品の「香衣」という作品がありました。妖艶なまでに白い肌をした女性が座っている様子が描かれていて、よく観る伊東深水の画風よりもリアルな細密描写となっています。これはこれでもっと多くの作品を観たいと思わせる画風でした。

<第3章 人物像の魅力に出会う>
最後は物語中の人物像や風俗画といった、人物の背景を感じさせる作品が並ぶコーナーで、日本画と洋画が並んでいました。まずは鏑木清方による雨月物語の一連のストーリーを8枚で表した作品があり、この展覧会でも見どころと言えそうです。宿を貸した美女と侍女が実は蛇の化身という妖しい話にぴったりの妖艶な雰囲気が出ていました。また、鏑木清方は他にも金色夜叉の舞台の看板用の作品などもあり、当時の人気作を題材にした作品も手がけていた様子が分かります。
この辺にはこの展覧会で唯一の風景画とも言えそうな洛中洛外図などもありました。

最後の部屋は再び洋画です。ラファエル前派のジョン・エヴァレット・ミレイや、エコール・ド・パリの藤田嗣治、マルク・シャガール、マリー・ローランサンなど豪華な面子が並びます。日本からも小磯良平の踊り子を描いた作品や多田北鳥によるキリンビールのポスターなど、様々な作品が並んでいました。


ということで、今年も充実の内容となっていました。毎年観てるので割と知っている作品も多かったですが、傑作も多く含まれていると思います。美人画という分かりやすい内容ですので、幅広い人が楽しめる内容だと思います。

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