関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

日光東照宮 【日光編】

前回に引き続き日光編です。今日は日光の象徴とも言える東照宮についてです。日光東照宮に行くのは小学生の修学旅行以来で、流石に当時の様子は覚えていませんが、今年の春に4年に及ぶ平成の大修理が完了したというニュースを聞いて早速観に行ってきました。ちょうど先週の土曜日に「美の巨人」でも陽明門を紹介していたので、それで見聞きした内容も併せて書いていこうと思います。

 公式サイト:http://www.toshogu.jp/

まず簡単に東照宮についてですが、よく知られているように東照宮は東照大権現として神格化された徳川家康を祀る神社のことで、この日光東照宮の他に久能山東照宮や上野東照宮などもあります。徳川家康が亡くなった際、最初は故郷の久能山に葬られたのですが、翌年に日光へと改葬されることになりました。
建立を進言したのは南光坊天海、命じたのは徳川家光で、日光の地を選んだのにはいくつか理由があるようで、
 ・久能山と日光を直線で結ぶと富士山があり「不死」の意味を持つ。
 ・日光は江戸城から真北にあたり、北極星は密教で宇宙を司る星である。
 ・源義朝による日光山造営以来、日光は東国の宗教的権威だった
といったことがあげられるようです。また、家康は遺言で自分の死後は小さいお堂に祀れと言っていたようですが、それに反して豪華絢爛な建物にしたのにも意味があるようで、
 ・平和な時代の訪れを広く知らしめるため
 ・家光は生まれながらの将軍であったので平和を愛する将軍であるというイメージ戦略
ということがあげられるようです。東照宮は現在の金額で2000億かけて作られたというのだから、大々的な公共事業の側面もあったのかも。

と、予習はこれくらいにして、ここからは撮ってきた写真と共にご紹介して参ります。

まずは東照宮の前にある参道。
DSC_0086_enc.jpg DSC_0091_enc.jpg
鳥居の前の階段は上より下のほうが幅が広く、遠近法を強調しているそうです。それほど大きな違いではないので気づく人は少ないと思いますが、西洋の技法が用いられているのが興味深いです。

鳥居をくぐると五重塔があります。
DSC_0095_enc.jpg
神社なの?寺なの?どっちなの?と言いたくなるところですが、山王一実神道という神仏習合の神社となっています。

この写真の左下あたりに写っているところでチケットを買います。
DSC_0100_enc.jpg
チケットは2つ種類があって宝物館入館券とのセット券というのもあるのですが今回は時間も無いので東照宮だけ観てきました。

こちらは門をくぐってすぐの所にある中神庫
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こちらも門のすぐ近くにある神厩舎
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馬を扱う役人の詰め所などがある建物です。そしてこの神厩舎には非常に有名な彫刻が施されています。

こちらは神厩舎の彫刻のアップ。リニューアルされた三猿です。
DSC_0113_enc.jpg
見ざる言わざる聞かざる の三位一体のように言われていますが、実はすぐ隣の枠には他の猿も並んでいるのは知りませんでした。

こちらは神厩舎の正面にある上神庫
DSC_0119_enc.jpg
上の彫刻が気になりました。

上神庫の彫刻部分のアップ。
DSC_0120_enc.jpg
象などが彫刻されていて可愛い。

こちらは手を清める水盤舎
DSC_0123_enc.jpg
めっちゃ豪華で綺羅びやかになっていましたw

そしてこれが復元された東照宮でも最も有名な陽明門。一日中観ていても飽きないことから日暮御門とも呼ばれます。昔は陽明門から先は特別な身分の人しか入れなかったそうです。
DSC_0129_enc.jpg
柱などが白いのが神々しい。実は元々 徳川家光の頃は茶色だったそうですが、14代の徳川家茂の時代に最も神聖な色の白に塗り替えられたのだとか。また、この陽明門には西洋の黄金比が使われているそうで、庇までと屋根までが1:1.618の割合になっているようです。

彫刻部分のアップ。龍も似ているようでそれぞれ異なる形をしています。
DSC_0133_enc.jpg
これらは当時の色で復元されているそうで、生彩色という金箔を貼った上に極彩色を塗る技法が使われています。金箔は15万枚も使われたというのだから驚き。また、ここには写っていないですが、唐子や麒麟(徳のある王の時代に現れる)やといった彫刻なども施されていて、それは平和な時代の訪れを表現しているようです。

両脇には神像がありました。
DSC_0132_enc.jpg
虎に乗ってるのかな?

こちらは門の近くの回廊部分
DSC_0183_enc.jpg
見事な彫刻がズラッと並んでいます。

陽明門の裏側。
DSC_0175_enc.jpg
こうして観ると、やりすぎな感じもしますw 1933年にナチスを逃れて来日したドイツの建築家ブルーノ・タウトは東照宮を観て「キッチュ」と酷評したのも頷けるような。とは言え、とにかく豪華で緻密という分かりやすい美意識の方が権威付けしやすいのは古今東西同じでしょう。

陽明門をくぐると唐門があります。こちらも豪華
DSC_0134_enc.jpg
2017年8月時点ではまだ一部で改修工事を行っているようでした。

そして、いよいよ徳川家康のお墓に向かう途中に、有名な眠り猫の下を通過します。

こちらが左甚五郎の作と伝わる眠り猫。当時の色になって鮮やかに蘇りました。
DSC_0146_enc.jpg
眠り猫も平和の象徴としての意味が込められています。あまりにも上手くできた彫刻だったため、命が宿り夜な夜な抜け出して悪さをしたので目を閉じた眠り猫に改変したという伝説があります。

ここからお墓までは行列が出来ていました。お盆に行ったせいか大人気です。

長い階段を登ると、一番奥に奥宮御宝塔(御墓所)があります。
DSC_0155_enc.jpg
元々は木で出来ていたのが石造になり、5代将軍綱吉の頃に現在と同じ唐銅製になったそうです。昔はここに来ることが出来た人はほんの一握りだったようです。


ということで、新しくなった東照宮を堪能してきました。豪華絢爛でまさに徳川の威光の権化とも言える建物で、ちょっとゴテゴテした印象もありますが堂々たる風格を漂わせていました。世界遺産のためか外国人にも人気のスポットで混雑していますが、日本人なら一度は訪れておきたい所だと思います。


おまけ:
東照宮の参道に入る前にある輪王寺は改修工事でしたが、参拝できるようでした。
DSC_0082_enc.jpg
建物をすっぽり覆っているのが凄いw
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