日本の家 1945年以降の建築と暮らし(感想前編) 【東京国立近代美術館】
先週の土曜日に、東京国立近代美術館の本館で「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」を観てきました。非常に濃密な展示で点数も多かったので、久々に前編・後編に分けてご紹介していこうと思います。

【展覧名】
日本の家 1945年以降の建築と暮らし
【公式サイト】
http://www.momat.go.jp/am/exhibition/the-japanese-house/
【会場】東京国立近代美術館
【最寄】竹橋駅
【会期】2017年7月19日(水)~10月29日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
予想以上に混んでいて、場所によっては人だかりが出来るくらいでした。建築展でこれだけ混んでるのは中々無かったのでちょっと驚き。
さて、この展示はタイトルの通り1945年からの戦後の日本の住宅をテーマにしています。2016年末からローマやロンドンを巡回してきて好評だったらしく、満を持しての祖国日本への凱旋となっているようです。今年の春(当ブログ休止中)にパナソニック汐留ミュージアムで「日本、家の列島 ―フランス人建築家が驚くニッポンの住宅デザイン―」という展示もあり、そちらもフランスなど海外を巡回して好評だったらしいので、割と日本の住宅は熱い視線を集めているのかもしれません。
会場には図面だけでなく、現地の写真や映像と共に模型が置かれ、実物大の平屋の再現までありました。構成は13章にも渡り、丹下健三や前川國男といった著名な建築家を始め、現在活躍している建築家まで様々なコンセプトの家が紹介されていました。なお、この展示は4章以降で撮影することもできましたので、4章からは写真を使ってご紹介していこうと思います。
<1.日本的なるもの>
まず最初は「日本的なもの」とは何かといった感じのテーマで、丹下健三やアントニン・レーモンドによる自邸、生田勉による家屋などの図面や写真が並んでいました。この章で面白いのはやはり丹下健三の自宅で、高床式でありながら日本っぽい雰囲気もありつつ、ル・コルビュジエからの影響を感じさせました。また、アントニン・レーモンドの自宅は天井の高い平屋で、だだっ広い部屋がある家です。障子とか使ってたみたいだし、かなり和風。アントニン・レーモンドは西洋の押し付けではなく日本ならでは建築を模作していたので、和洋折衷のような設計がユニークです。
参考記事:アントニン・レーモンド 「旧イタリア大使館別荘」 【日光編】
<2.プロトタイプと大量生産>
こちらは難波和彦の「箱の家」や、映像で前川國男や丹下健三の作品を紹介していました。現在も銀座にある中銀カプセルタワーはこれまでも何度かご紹介してきましたが、映像でビルの入口から実際に住宅を利用している様子まで観られたのは貴重な機会でした。作っている様子なども映されていたので何度も観てしまったw
参考記事:メタボリズムの未来都市展 (森美術館)
以前、中銀カプセルタワービルを撮ってきた写真です。新橋付近にあります。

北浦和の埼玉県立近代美術館の公園に1つ置かれていて、中をみることもできます

中はこんな感じ。

コンセプトは非常にワクワクしますが、インフラ関連が交換できないのが今となってはネックかも。最新技術で同じコンセプトの企画があれば面白いだろうに。
<3.土のようなコンクリート>
ここはコンクリートという素材についてのコーナーで、コンクリートは天然素材である的な解説がありました。ちょっとここは記憶が薄いのですが、コンクリを使った住宅の写真や模型があったと思います。
<4.住宅は芸術である>
ここからは撮影できたので写真を使っていこうと思います。この章のタイトルは建築家の篠原一男によるものらしく、日本住宅におけるアーツ・アンド・クラフツ運動のような考えだったようです。
篠原一男「白い家」

非常に洒落たデザイン。天井が高いからそう思うのかな? 冷暖房効率が悪そうですが…w
こちらは外観。

この辺では篠原一男の奥さんのインタビューもあり、住み心地や篠原一男の印象などを話していました。
大辻清司「住まいができたら」

こちらも幾何学的な美しさのある家ですが、他の写真を観ると斜めの柱とかあって独特の構造でした。
<5.閉鎖から解放へ>
ここは1970年~80年代半ばの伊藤豊雄と坂本一成という2人の建築家の仕事が紹介されていました。まずは閉鎖的な建物を作り、その後自己批判して倉庫のような(記号的な)建物を作ります。そしてさらに自己批判して柱を立てて屋根をつけるという開放的な建物を作ったそうです。
坂本一成「坂田山附の家」

三角屋根が特徴の家。2階はワンルームのようになっているそうです。結構住みやすそうに思います。
坂本一成

2種類の屋根がある家。確かに倉庫っぽい感じがしないでもないw 中は予想以上に明るいのかも。
坂本一成「House F」

こちらが開放的になった家。テントみたいw かなり開放的です。
模型もありました。

流石にテント風のは一部みたいですが、開放感溢れる設計ですね。
伊東豊雄「シルバーハット」

ここまで来るとビニールハウスみたいに見えるw お茶したら楽しそうな空間。
<6.遊戯性>
続いては1970年代に続々と生まれた変わった家のコーナー。背景には学生運動の失敗や東京五輪が国家の祝祭になってしまったといった現実を踏まえ、夢は夢として現実と距離をとって自律した家を作ろうという考えや、機能主義への反発などがあったようです。
柄沢祐輔「s-house」

前面ガラス張りで互い違いに階段で区切られている家。これも実際に建てられている写真があり、この模型同様に外から丸見えでしたw デザイン的には面白いですが、驚きです。
藤本壮介「House N」

何と3重の入れ子構造になっている家。2つ目と3つ目の間は庭になっているのだとか。
毛鋼毅曠「反住器」

これは何のオブジェだろう…と思ったら家の模型でした。作品名から既に住宅であることを否定しているようなw
実際に建てられている写真。

模型以上にオブジェ感があるかもw これは未来感が凄い。
山下和正「顔の家」

その名の通り、顔に見える家。鼻の部分は換気になっているようです。ちょっとロボットみたいで可愛い。
ちょっと長くなったので、今日はここまでにしておこうと思います。非常に興味深い名建築や、これは何だ!?と驚くような建築まで様々なものが紹介されているので、それほど建物が好きという人でなくても楽しめる内容だと思います。実際に住んでいる人は大変そうなのもあって、想像してみるのも楽しいですw 後半もさらに驚くべき住宅が沢山ありましたので、次回はそれをご紹介しようと思います。
後編はこちら

【展覧名】
日本の家 1945年以降の建築と暮らし
【公式サイト】
http://www.momat.go.jp/am/exhibition/the-japanese-house/
【会場】東京国立近代美術館
【最寄】竹橋駅
【会期】2017年7月19日(水)~10月29日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
予想以上に混んでいて、場所によっては人だかりが出来るくらいでした。建築展でこれだけ混んでるのは中々無かったのでちょっと驚き。
さて、この展示はタイトルの通り1945年からの戦後の日本の住宅をテーマにしています。2016年末からローマやロンドンを巡回してきて好評だったらしく、満を持しての祖国日本への凱旋となっているようです。今年の春(当ブログ休止中)にパナソニック汐留ミュージアムで「日本、家の列島 ―フランス人建築家が驚くニッポンの住宅デザイン―」という展示もあり、そちらもフランスなど海外を巡回して好評だったらしいので、割と日本の住宅は熱い視線を集めているのかもしれません。
会場には図面だけでなく、現地の写真や映像と共に模型が置かれ、実物大の平屋の再現までありました。構成は13章にも渡り、丹下健三や前川國男といった著名な建築家を始め、現在活躍している建築家まで様々なコンセプトの家が紹介されていました。なお、この展示は4章以降で撮影することもできましたので、4章からは写真を使ってご紹介していこうと思います。
<1.日本的なるもの>
まず最初は「日本的なもの」とは何かといった感じのテーマで、丹下健三やアントニン・レーモンドによる自邸、生田勉による家屋などの図面や写真が並んでいました。この章で面白いのはやはり丹下健三の自宅で、高床式でありながら日本っぽい雰囲気もありつつ、ル・コルビュジエからの影響を感じさせました。また、アントニン・レーモンドの自宅は天井の高い平屋で、だだっ広い部屋がある家です。障子とか使ってたみたいだし、かなり和風。アントニン・レーモンドは西洋の押し付けではなく日本ならでは建築を模作していたので、和洋折衷のような設計がユニークです。
参考記事:アントニン・レーモンド 「旧イタリア大使館別荘」 【日光編】
<2.プロトタイプと大量生産>
こちらは難波和彦の「箱の家」や、映像で前川國男や丹下健三の作品を紹介していました。現在も銀座にある中銀カプセルタワーはこれまでも何度かご紹介してきましたが、映像でビルの入口から実際に住宅を利用している様子まで観られたのは貴重な機会でした。作っている様子なども映されていたので何度も観てしまったw
参考記事:メタボリズムの未来都市展 (森美術館)
以前、中銀カプセルタワービルを撮ってきた写真です。新橋付近にあります。

北浦和の埼玉県立近代美術館の公園に1つ置かれていて、中をみることもできます

中はこんな感じ。

コンセプトは非常にワクワクしますが、インフラ関連が交換できないのが今となってはネックかも。最新技術で同じコンセプトの企画があれば面白いだろうに。
<3.土のようなコンクリート>
ここはコンクリートという素材についてのコーナーで、コンクリートは天然素材である的な解説がありました。ちょっとここは記憶が薄いのですが、コンクリを使った住宅の写真や模型があったと思います。
<4.住宅は芸術である>
ここからは撮影できたので写真を使っていこうと思います。この章のタイトルは建築家の篠原一男によるものらしく、日本住宅におけるアーツ・アンド・クラフツ運動のような考えだったようです。
篠原一男「白い家」

非常に洒落たデザイン。天井が高いからそう思うのかな? 冷暖房効率が悪そうですが…w
こちらは外観。

この辺では篠原一男の奥さんのインタビューもあり、住み心地や篠原一男の印象などを話していました。
大辻清司「住まいができたら」

こちらも幾何学的な美しさのある家ですが、他の写真を観ると斜めの柱とかあって独特の構造でした。
<5.閉鎖から解放へ>
ここは1970年~80年代半ばの伊藤豊雄と坂本一成という2人の建築家の仕事が紹介されていました。まずは閉鎖的な建物を作り、その後自己批判して倉庫のような(記号的な)建物を作ります。そしてさらに自己批判して柱を立てて屋根をつけるという開放的な建物を作ったそうです。
坂本一成「坂田山附の家」

三角屋根が特徴の家。2階はワンルームのようになっているそうです。結構住みやすそうに思います。
坂本一成

2種類の屋根がある家。確かに倉庫っぽい感じがしないでもないw 中は予想以上に明るいのかも。
坂本一成「House F」

こちらが開放的になった家。テントみたいw かなり開放的です。
模型もありました。

流石にテント風のは一部みたいですが、開放感溢れる設計ですね。
伊東豊雄「シルバーハット」

ここまで来るとビニールハウスみたいに見えるw お茶したら楽しそうな空間。
<6.遊戯性>
続いては1970年代に続々と生まれた変わった家のコーナー。背景には学生運動の失敗や東京五輪が国家の祝祭になってしまったといった現実を踏まえ、夢は夢として現実と距離をとって自律した家を作ろうという考えや、機能主義への反発などがあったようです。
柄沢祐輔「s-house」

前面ガラス張りで互い違いに階段で区切られている家。これも実際に建てられている写真があり、この模型同様に外から丸見えでしたw デザイン的には面白いですが、驚きです。
藤本壮介「House N」

何と3重の入れ子構造になっている家。2つ目と3つ目の間は庭になっているのだとか。
毛鋼毅曠「反住器」

これは何のオブジェだろう…と思ったら家の模型でした。作品名から既に住宅であることを否定しているようなw
実際に建てられている写真。

模型以上にオブジェ感があるかもw これは未来感が凄い。
山下和正「顔の家」

その名の通り、顔に見える家。鼻の部分は換気になっているようです。ちょっとロボットみたいで可愛い。
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後編はこちら
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