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Musubu―本とアート : 東京―カリフォルニア―うらわ 【うらわ美術館】

先週の土曜日に うらわ美術館でコレクション交流展「Musubu―本とアート : 東京―カリフォルニア―うらわ」を観てきました。この記事を書いている時点で残り1日となってしまいましたが、面白い内容でしたのでご紹介しておこうと思います。

DSC08513.jpg DSC08514.jpg

【展覧名】
 コレクション交流展「Musubu―本とアート : 東京―カリフォルニア―うらわ」

【公式サイト】
 http://www.city.saitama.jp/urawa-art-museum/exhibition/whatson/exhibition/p055525.html

【会場】うらわ美術館
【最寄】浦和駅

【会期】2017年9月12日(火)~9月24日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。無料で観られたのも嬉しい。

さて、この展示はうらわ美術館が得意とする本に関する展示で、カルフォルニアと東京で活動するブックアーティストの作品を紹介する内容となっています。54点ほどあり、中には古い作品もありますが大半はここ数年以内に作られたものとなっていました。気になったものを一言くらいずつメモを取ったので、簡単にいくつか作品をご紹介しようと思います。

藤井敬子「アリス・B・トラクスの料理本」
これは今回のポスターにもなっている緑色の幾何学模様の本です。何処と無く草や竹林を想像するような見た目ですが、料理本のようです。非常に洗練されたデザインが好みだけど、内容伝わるかな?w

中尾あむ「きものの着付け」
こちらはジグザグに重ねて折った(つづら折り)折本で結構小さめです。中身を観るとタイトル通りの着物の着付けをイラストで描いていて、それが可愛らしい雰囲気で好み。普通の本よりもつづら折りの方が広げっぱなしにしやすいので、着付けをしながら観るにはこっちのほうが便利そうでした。

中野裕子「水茎の跡は」
こちらは2つのピラミッドを底同士でくっつけたような、菱形の容器に見える本です。どうやって中身を読むのか、先端の部分はページになっているのか、まったく想像も出来ない形でした。

佐藤真紀「半衿刺繍型紙帖」
こちらはA3くらいある大きな折本です。草花文が表されていて、タイトルから察するに刺繍の型に使うのかな? 洒脱な印象を受けるデザインが好みでした。

田口洋子「<ヨーロッパ>切手コレクション」
こちらはタイトル通りに様々な切手が並んでいる折本。切手の絵柄や色合いも洒落ていますが、本自体も仔牛の革が使われているなど豪華な印象を受けました。この展覧会で最も自分の部屋に欲しいと思ったのはこれかなw

津村明子「本所七不思議」
こちらはお菓子の箱のように見えましたが、中に小さな折本がいくつか入っていました。また、作品リストの素材欄に豆とか種とか書いてあるのが気になりましたw

ALEEXSNDER Jody「Boro Vessel:Topsy Turvy,Inside Out」
これは布で出来た本で、上記のポスターにも載っています。幾何学的なテキスタイルのような感じで、本の形はしているものの読本という訳では無さそうでしたが、発想が面白い作品です。

KOKIN Lisa「Lost in Translation」
これはフランス語の辞書のページを古新聞のように折ったものを幾つも作り、それを紐で連ねてオブジェのようにしたものです。紐を解かないと読めないし、もはや本ではありませんw しかし見た目は洒落たアクセサリーのようで面白さがありました。

KIRING Bryan「Moveable Diorama Box Book」
これは本というか箱のような形で、横から中を覗くと海に浮かぶヨットが観られるようになっていました。飛び出す絵本の要領で遠近法のようになっているのが面白く、まさに持ち運びできるジオラマといった感じです。

MUNSON Howard「The Artist's Reunion」
これは飛び出す絵本のような感じのアコーディオン型で、ピエロたちが沢山出て来る本です。かなり凝った作りになっていて見応えがあるので飾る用なのかも。

WILKES Kenneth「IN-BETWEEN」
これは六曲一隻の屏風のような形の本です。そこに抽象的な人物像が描かれていて、日本的な媒体に西洋的な雰囲気の絵となっているのが面白かったです。

ウィリアム・モリス/エドワード・バーン=ジョーンズ「ジェフリー・チョーサー作品集」
これは美術好きの間では有名かも。出版史上最も美しいと言われている豪華本で、アーツ・アンド・クラフツを提唱したウィリアム・モリスとラファエル前派に深く関わったエドワード・バーン=ジョーンズによるものです。(上記のポスターにも載っています) 装飾性が高く、様式化された草花紋で囲われた中に洗練されたフォントで書かれた文字や、神話的な挿絵など、非常に完成度の高い本となっています

リチャード・アヴェドン他 「コンヴェックス・ミラー(凸面鏡)の自画像」
こちらはレコードのような円形に自画像や文字が描かれています。これも本というよりはレコードにしか思えませんが、発想の自由さが面白かったです。


ということで、一言に本と言っても色々な形があって楽しめました。昨今は電子書籍が徐々に盛り上がってきていますが、本とは何か?と挑戦する作品や装丁の美しさ・面白さを再認識できる内容だと思います。(今回挙げたものはamazonで探しても出てこないものばかりです) もう会期がほとんど残っていませんが、ブックアートが好きな方向けの展示だと思います。

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