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そこまでやるか 壮大なプロジェクト展 【21_21 DESIGN SIGHT】

10日程前の土曜日の夕方に、ミッドタウン裏手の21_21 DESIGN SIGHTで「そこまでやるか 壮大なプロジェクト」を観てきました。

DSC08374.jpg

【展覧名】
 そこまでやるか 壮大なプロジェクト展

【公式サイト】
 http://www.2121designsight.jp/program/grand_projects/

【会場】21_21 DESIGN SIGHT
【最寄】六本木駅・乃木坂駅

【会期】2017年6月23日~10月1日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
それほど混んでいた訳では無かったのですが、体験型作品のヌーメン/フォー・ユースの「テープトウキョウ2」の整理券が配布終了していました。当記事でもこの作品を紹介しますが、これを体験したい方は早めの時間帯に訪れることをお勧めします。

さて、今回の展示は「壮大なプロジェクト」を主題にしていて、一体何のこっちゃ?と思ったら世界各地で制作された大規模なアート作品についてプロジェクト概要や模型、映像などを使って展示するという内容でした。この展示では会場内で撮影することもできましたので、詳しくは写真を使ってご紹介していこうと思います。


展示冒頭にあった今回の展示品のキャッチコピー。
DSC08375.jpg
これを観ても何のこっちゃ状態でしたw しかし展示を見終わってからこれを見ると確かにその通りだったと感心するばかりでした。

クリストとジャンヌ=クロード「フローティング・ピアーズ」イタリア、イゼオ湖 湖面を渡る100,000平方メートルの布
DSC08386.jpg
まず最初に驚くのがこの作品。これは当時の様子を振り返りながら作者にインタビューする映像だったのですが、湖面に何千人も歩ける道を作った作品です。2016年6月18日から16日間だけイタリアのイゼオ湖というところに、合計10万平方メートル、長さ3kmにも及ぶ黄色い布でできた浮橋(島と岸を結んでいる)を作ったそうですが、ただ呆然とするほど壮大な光景が映し出されていました。映像では適切な場所を確保するのに苦労した話や、密かに準備を進めて実験する様子なども映っていて、もはやアートというよりは大プロジェクトのプロマネの苦労話みたいな感じでしたw これは本当に驚くので日本でもやって欲しいw

クリストとジャンヌ=クロード「マスタバ」アラブ首長国連邦のプロジェクト
DSC08394.jpg
こちらは恐らくまだ実現していないようですが、アラブ首長国連邦にどでかいピラミッドみたいな建物を41万個のドラム缶で作ろうとしている作品。高さは150mとなる見込みで、建設方法は日本の法政大学の案を採用しようと考えているようです。レールを使って引き上げるみたいな感じで作るのだとか。こんな馬鹿でかいものが出来たらちょっと見てみたいw

ヌーメン/フォー・ユースの「テープトウキョウ2」 テープ21,120mの床
DSC08422.jpg
こちらはテープで出来た遊具みたいな作品で、整理券を貰えれば中に入ることができます。こちらは21kmにも及ぶテープを使用しているらしく、触ってみても割と頑丈に出来ていました。それに意識が行ってしまいますが、不思議な形をしているのも面白かったです。


磯崎新・アニッシュ・カプーア「ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ」 500人が入れる風船
DSC08426.jpg
こちらは高さ18m、幅29m、長さ36mにも及ぶ風船を使ったコンサートホールの設計図。これは東日本大震災の際に、被災地でのコンサート会場として使われたそうです。

こちらは模型。
DSC08437.jpg
小さいと確かに風船っぽい感じがします。有機的なデザインも好み。

そして何とこちらの作品はこの展示の会場近くのミッドタウン裏手に再現されています。
DSC08436.jpg
期間:2017年9月19日~10月4日 ちょうど六本木アートナイトの時期にも重なるので、何か開催されるのかな?

こちらがその様子。
DSC08496.jpg
作っている時に近くを通った際、何だこれは??と思っていたのですが、コンサートホールです。確かに中に500人くらいなら入りそう。

浅井祐介「土の旅」 連続製作時間96時間
DSC08446.jpg
こちらは巨大な絵画作品。マスキングテープや土を用いて描いているそうで、土は様々な場所から50種類も運ばれてきたようです。離れているとよくわからないのですが、近づいてみると確かにかなり細かく描いてあります。即興で描いているようですが、この大きさを作るのはかなり大変そう。

メイキングの映像もありました。
DSC08456.jpg
これはまだ最初のほうですが、足場を組んだり脚立に立っていたりと大きい作品ならではの苦労が伺えます。

ダニ・カラヴァン「大都市軸」 長さ3200mの彫刻
DSC08461.jpg
これは長さ3.2km、最大幅150mに渡り12の建物などが合わさった彫刻?です。真ん中にある橋みたいなのだけでなく展望塔やピラミッドみたいなものもあるようで、遊歩道にはルーブル美術館でピラミッドを作る際に剥がされた敷石も使われているそうです。これもスケールに驚かされました。

ダニ・カラヴァン「ネゲヴ記念碑」
DSC08469.jpg
これはイスラエル独立戦争で功績をあげたネゲヴ連隊を記念して作られた建物のような作品の模型で、実際は塔の部分が20mくらいあります。これも映像がありましたが、公園のように人が立ち入れるようになっているようです。大都市軸に比べると小さめですが、この形がそのまま建物になっていて割と危険な感じな点も含めて驚きです。

ジョルジュ・ルース「トウキョウ2017」 重なる1°の奇跡=ある一点のみ完全な姿を現す作品
DSC08410.jpg
こちらはそんなに大きくないのですが、ある一点から見ると完全な円に見えるという作品。上記の写真がその一点から撮影したもの。

ちょっとでも異なる角度になるとこうなります。
DSC08416_20170926215736ecd.jpg
横から見るとこれが円になるとは思えないかも。分かりやすい面白さで人気の撮影スポットになっていました。

地下の展示室は以上で、一旦会場を出て隣のギャラリー3にもう1つ作品があります。

西野達「カプセルホテル21」 実現不可能性99%
DSC08483.jpg
意外な所にカプセルホテルが出来ていましたw 会場内にトイレやシャワーもあるそうです。

勿論、中に入って体験することもできます。
DSC08485.jpg
割と広くて快適でしたw 


ということで、「そこまでやるか」というタイトル通りの内容で驚きの連続でした。特に浮橋の映像は凄かった…。世の中にはこんなことを真剣にやっている人がいると思うと、まだまだ人生は楽しめるのだなと感心してしまいます。もうすぐ会期末となりますので、気になる方はお早めにどうぞ。

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