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描かれた女たち 女性像に表された現実と夢 【中村屋サロン美術館】

前回ご紹介した展示を観た後、新宿アルタの近くにある中村屋サロン美術館で「描かれた女たち 女性像に表された現実と夢」を観てきました。

DSC08545.jpg

【展覧名】
 描かれた女たち 女性像に表された現実と夢

【公式サイト】
 https://www.nakamuraya.co.jp/museum/exhibitions/index.html#index12

【会場】中村屋サロン美術館
【最寄】新宿駅

【会期】2017年9月9日(土)~12月10日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間20分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は明治時代から現代までの日本洋画の女性像を並べるもので、2年ほど前から昨年にかけて笠間日動美術館や八王子市夢美術館で行われていた展示と同じタイトルになっています。大半は笠間日動美術館の所蔵品で、展示構成も当時の展示と同じですが、ここでは30点程度と作品数が絞られていて、ダイジェスト版のような感じになっていました。特にメモなどを取っていませんが、章立てに従って簡単に展示の様子をご紹介しようと思います。
 参考リンク:
  笠間日動美術館での開催概要(2015年)
  八王子市夢美術館での開催概要(2016年)


<1.女性像にみるフォルム>
まず最初は裸婦を描いた作品のコーナーです。日本では近代になって初めて人体、特に裸婦が美しいものであると認識され積極的に描かれるようになりました。ここで展示されていたので最も古いのは岸田劉生の大正時代の作品なので割と日本でも裸婦の認知が進んだ後の作品が中心かな。安井曾太郎や岡田三郎助といった巨匠の作品もあれば、熊谷守一のような個性派もあります。また、最近の作品もあって、今回のポスターにもなっている鴨居玲や、細密な写実を得意とする森本草介など、時代も作風も様々です。ここで特に私が気に入ったのは岡田三郎助かな。横向きで物想いする女性が神話的な雰囲気で清廉な印象を受けました。
 森本草介の参考記事:ホキ美術館開館記念特別展 感想前編(ホキ美術館)

<2.女性像にみる現実>
続いてはモデルになった女性や画家の現実を描くというのがテーマの章です。こちらは着衣の人物像が中心で、藤島武二や岸田劉生、里見勝蔵、中村彝など有名画家の作品もある一方で、半数くらいはつい最近の画家となっています。藤島武二、中村彝、戸張孤雁の3点はこの美術館の所蔵品らしく、特別出品という扱いになっています。ここで目を引いたのは岸田劉生の「麗子十六歳之像」で、よく見る少女時代の麗子に比べるとやや大人びた雰囲気に成長していました。写実的でデューラーからの影響も感じるかな。

<3.女性像にみる夢>
最後は現実の逆で、女性像を想像で描いたり、理想や希望を盛り込んで描いたりした作品が並ぶコーナーです。こちらも新旧半々という感じですが、いずれも強烈な個性を放つ作品が多かったように思います。特に絹谷幸二の「愛うつろい」という顔が多重に重なった強い色彩の作品はインパクト大で非常に目立っていました。他にも三岸節子の色彩感覚豊かな作品などは好みでした。


ということで、少数でしたが粒ぞろいの内容となっていました。東京から笠間日動まで行こうとすると結構大変なので、新宿駅前で気軽に観られるのは有り難いことです。会期も長めですので、新宿に行った際にでもさらっと寄ってみるのも良いかと思います。
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