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草間彌生 My Soul Forever展 【フォーエバー現代美術館 祇園京都】(京都編)

今日も引き続き京都編です。建仁寺のすぐ近くに今年の6月にオープンしたフォーエバー現代美術館祇園京都で、オープニング記念の「草間彌生 My Soul Forever展」を観てきました。

DSC09948.jpg DSC09947.jpg

【展覧名】
 フォーエバー現代美術館コレクション展 草間彌生 My Soul Forever展

【公式サイト】
 http://www.fmoca.jp/display/index.html

【会場】フォーエバー現代美術館 祇園京都
【最寄】祇園四条駅

【会期】2017/06/10(土)~2018/02/25(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間45分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
団体客が一気に押し寄せるなどして混む時もありましたが、概ね快適に鑑賞することができました。タクシーの運転手さんも知らなかったし、まだそれほど世間に知られていないのかもしれません。

こちらが入口。
DSC09946.jpg
場所としては建仁寺のすぐ近くで、場外馬券売り場の隣となっています。

さて、この美術館は今年の6月10日にオープンしたばかりの美術館で、「都をどり」の会場である祇園甲部歌舞練場内にある「八坂倶楽部」という有形文化財の建物の中にできました。元々この美術館は秋田市に2006年にオープンしたそうで、惇慧会という秋田の医療法人が母体となっています。そのコレクションは現在の館長の父親が40年ほどまでに医療現場にアートを導入したいという思いから始まったそうで、今では800点を超える作品があり、そのうち草間彌生 氏が400点程度、ヨーゼフ・ボイスが80点となっていてこの2人に特に力を入れた品揃えとなっているようです。今回はそんな中から草間彌生 氏の82点の作品が初期から展示されていました。4つの部屋で4章構成となっていましたので、簡単に各章ごとの様子をご紹介していこうと思います。


<第1部 初期作品群>
まずは初期の作品のコーナー。草間彌生 氏は京都市立美術工芸学校で日本画を学び卒業した後、第2回想像美術展で日本画「残夢」が入賞し、1952年には初個展が開催されるなど早くから活動していたようです。ここには1950年~1952年頃に描かれた作品が並んでいました。この部屋は撮影可能となっていたのでいくつか写真を使っていこうと思います。

まず最初にあった作品がこちらの「黄樹」 これは1992年の作品ですが、ダイジェスト的に冒頭に展示されています。
DSC09954.jpg
この写真では小さすぎて見えませんが、うねった木の根みたいな中にも水玉がびっしり描かれていますw まさに草間彌生 氏の作風を象徴するような作品で、外にあったカボチャと共にこの美術館の代表コレクションのような存在かも。この写真を観ても分かると思いますが、この美術館は全部屋和室となっていて、靴を脱いで鑑賞することになります。畳の上で観る現代アートなんて洒落た発想が気に入りました。

こちらはこの章に沿った初期の水彩作品。
DSC09970.jpg DSC09973.jpg
クレーや瑛九などに通じる抽象性のある作風で、早くも水玉らしきモチーフです。

この部屋には草間彌生直筆の手紙などもありました。

<第2部 ニューヨーク時代~帰国>
ここは10点くらいで、1958年~1973年のニューヨーク時代の作品は1点だけでした。それ以外は主に1980年頃のアクリル画で、お馴染みの黄色いカボチャを描いた作品やぶどう、鳥、葉っぱなどをモチーフにしていました。もうこの頃にはよく知られる草間彌生の反復を多用した作風が形作られていたようです。
ニューヨーク時代の草間彌生については以前に詳細に書いているので下記の記事をご参照ください。
 参考記事:草間彌生 ボディ・フェスティバル in 60's 展 (ワタリウム美術館)

<第3部 中期の作品群>
ここは20点近くあり、主に2000年前後のシルクスクリーンとエッチングの作品が並んでいました。シルクスクリーンの作品はひび割れた感じの背景の部分にラメが入っていて、キラキラ光るのが多かったかな。モチーフもカボチャや花といった植物だけでなく、ハイヒールやドレス、帽子など女性的なモチーフもあり面白いです。シルクスクリーンは同じ描写で色違いのものがあるので、色の取り合わせの違いを楽しむことができます。また、ここの部屋には「雑草」という一際大きな作品があり、異様な生命感がありました。
 参考記事:草間彌生 永遠の永遠の永遠 (埼玉県立近代美術館)

<第4部 様々なモチーフと「私の魂を乗せてゆくボート」>
ここは2階の大広間で、展示品の半分はここにあります。ここもシルクスクリーンとエッチングが中心ですが、非常に様々なモチーフが並んでいて、魚、カタツムリ、蝶、花、帽子、カボチャなどがあります。これらも背景にラメが入り水玉模様が描き込まれていて、カラーバリエーションが楽しめる感じになっています。同じモチーフでもちょっとずつ違ったりするので、見比べてみるのも良いかも。

そしてここには舞台の上に「私の魂を乗せてゆくボート」という作品があり、これだけは撮影可能となっていました。
DSC09984.jpg
この突起は恐らく男根がモチーフで、恐怖の対象だったもので埋め尽くすというのは水玉と同じようなアプローチかな。以前にも似た作品を観た覚えがあります。

と、これで展示については終わりです。版画やシルクスクリーンのコレクションが多めでしたが、草間彌生 氏ならではの作品ばかりで満足できました。解説は少なめなので草間彌生のことをあまり知らない人にはよく分からないところもあるかもしれませんが、作品自体に魅力がある人なので、感覚だけでも楽しめると思います。 なお、この展示が終わっても草間彌生作品は常設されるそうです(どういう作品が常設になるかは分かりませんが)

そしてこの美術館には庭園というもう1つ大きな魅力があります。
庭園を2階から観るとこんな感じ。
DSC09981.jpg
これぞ日本庭園!って感じw

1階には縁側もあって、外に出るのが億劫な日はここでゆっくり観るのも良いかも。
DSC00026.jpg
ここにサンダルと傘があって、靴を取りに戻らなくても庭に出られます。

こちらが庭に出て撮った写真。
DSC00043.jpg
紅葉は期待できるのか分かりませんが、周りに沢山の建物がある祇園とは思えないくらい緑豊かです。

そしてもう1つの魅力がこの美術館の建物そのもの。
DSC00047.jpg
大正2年に建てられた伝統的日本建築の有形文化財です。美術館の公式サイトには数年間の期間限定で借りてる旨が書いてあるので、長い間ずっと美術館として使う訳ではないのかも。


ということで、庭園と建物も楽しんできました。今年の春に国立新美術館での草間彌生展の人気ぶりから察するに、これから益々人気が出そうな美術館です。この後、美術館内のカフェにも行きましたので、次回はそれをご紹介しようと思います。

おまけ:
隣には「都をどり」の祇園甲部歌舞練場(私が行った時は休館中でした)、向かいには伝統芸能を公演している弥栄会館ギオンコーナーなどもあります。元々その為の場所なんですね。
DSC00069.jpg

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