関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

オルビス30周年記念「ケの美」展 【ポーラミュージアム アネックス POLA MUSEUM ANNEX】

先週の土曜日に、銀座のポーラミュージアム アネックスで、オルビス30周年記念「ケの美」展 を観てきました。この展示は既に終了していますが、撮影可能でしたので、写真を使ってご紹介しておこうと思います。

DSC05274.jpg

【展覧名】
 オルビス30周年記念「ケの美」展 

【公式サイト】
 http://www.po-holdings.co.jp/m-annex/exhibition/archive/detail_201711.html

【会場】ポーラミュージアム アネックス POLA MUSEUM ANNEX
【最寄】銀座駅

【会期】2017年11月17日(金)~12月24日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
結構お客さんがいましたが、快適に鑑賞することができました。

さて、今回の展示は「ケ」の美ということで、著名人14名による日常で使用する品々が並ぶ内容となっています。「ケ」は「ハレとケ」の晴れじゃない日のことで、要するに日常ということです。(3つ目にケガレという概念を追加すべきという意見もあります) この概念がいつからあるのか分かりませんが、調べてみると柳田國男が見出したとされていますが、実際にはもっと前の江戸時代よりも前からある概念のようです。美術館では圧倒的にハレの日をテーマにした作品が多いですが、今回はあえてケの日をテーマにしていて、どこかほっとするような品々が並んでいました。冒頭に書いたようにこの展示は撮影可能でしたので、詳しくは写真を使ってご紹介していこうとおもいます。

<小川 糸(おがわ いと)/ 作家>
「鉄瓶とミトン」
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このミトンはラトビアのもので、ラトビアでは結婚式の引き出物として贈られるくらいミトンは特別なものなのだとか。一方の鉄瓶は25年使っているそうで、年季が入っていますが優美な印象を受けました。


<塩川 いづみ(しおかわ いづみ)/ イラストレーター>
「クマのポーチ」
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可愛いクマのポーチ。こちらも結構な年季の入り方ですが中学生の頃から使っているそうです。ハレの日だけでなくケの日も人生を共にしている品って特別な愛着があるだろうと想像に難くありません。

塩川氏の他の日常の品々の写真。
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素朴だけどどこか懐かしいような品々です。


<小山 薫堂(こやま くんどう)/ 放送作家・脚本家>
中川周士 「狐桶」
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これはハレの日に使うものじゃないのかってくらい洗練されたデザインですw 日常にこういう洒落た品があると楽しそう。祇園の芸妓さんに「ものを丁寧に扱うと、その人の動作が優雅にみえる」と言われたそうで、繊細な桶だけに大事に扱うようになり、お湯を大切に思えるようになったそうです。


展示室の奥には「みんなのケ」というコーナーがありました。
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手前のつまみとボタンで映像が変わります。

こちらがつまみとボタン。
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朝食・場所・漢字のうち1つのボタンを押すと、つまみに応じた年代の「ケ」の写真が映るという仕組みです。

こちらは三十代くらいの朝食
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正直、あまり他の年代と違いがない気がしますw 場所のボタンが最も年代差があったように思いました。

<土井 善晴(どい よしはる)/ 料理研究家>
「一汁一菜のひとそろい。」
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料理研究家らしく料理の原点と言えそうな一揃え。しみじみとした幸せが重要だという考えは今回の出品者たちの共通点と言えそうですが、これは特にそれを感じさせてくれるかな。

土井氏のその他の日常の品々の写真。
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何か変わった具材が入っているようにも思えますw

<原田 郁子(はらだ いくこ)/ 「クラムボン」ミュージシャン>
「イヤフォン」
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こちらはミュージシャンらしい音楽関係の品。補聴器屋さんに自分の耳の形に合わせて作ってもらったらしく、何処に行く時も持っていくそうです。私も仕事中に常に音楽を聴いていますが、音楽だけでなく耳栓代わりにも使えるし、自分の世界に没頭できるのはイヤフォンの素晴らしいところじゃないかな。

こちらは原田氏の他の日常の品々。
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やはり音楽関係の品が多いようです。ラジカセとかレコードとか懐かしいw

<松場 登美(まつば とみ)/ 「群言堂」代表・デザイナー>
「モノの一生を全うする」
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松場氏は物を大事にする方のようで、お裁縫でボロを他の品々に再生させたりされるようです。江戸時代の人なんかは皆そうだったと聞いたことがあるので、日本人らしい感性かも。最近は使い捨てが多い世の中ですが、こういう感性を大事にしたいものです。

<皆川 明(みながわ あきら)/ 「ミナ ペルホネン」代表・デザイナー>
「朝ケ」
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皆川氏はケの美とは「足るの美」と捉えているらしく、必要十分な品が潔い佇まいや精神的な美意識へと繋がると考えているようです。やはり食事、特に朝食はケの最たるものなのかも。

<柳家 花緑(やなぎや かろく)/ 落語家>
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こちらは受話器でシンクロニシティをテーマにした噺を聞く作品。知り合いの人のことを考えていたら、その人のプロダクトに出会った とか、それほど大した偶然という程でもない出来事でも、特別な経験ことだと思えばハレとなる といった内容を話していました。仏教の悟りにも通じるような噺で、結局幸せは心の持ちようといった感じでしょうか。

<横尾 香央留(よこお かおる)/ 手芸家>
「急須のボッチ」
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この佇まいが平凡だけど日常を感じさせて、親近感が湧きます。


ということで、ハレの日だけでなくケの日にも美や楽しみがあるという考えが面白い展示でした。今年は「インスタ映え」という言葉が流行ったように特別な体験への憧れというのは誰もが持っていると思いますが、日常の中に美を見つけられる人の方が幸せなのかもしれません。身近な品の並ぶ展示でしたが、ちょっと哲学的な意義のある内容だったと思います。
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