関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

マリメッコ・スピリッツ ― パーヴォ・ハロネン / マイヤ・ロウエカリ / アイノ=マイヤ・メッツォラ 【ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)】

今日は写真多めです。昨年末の仕事納めの帰り(平日昼)に銀座のギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)で、「ギンザ・グラフィック・ギャラリー第363回企画展 マリメッコ・スピリッツ ― パーヴォ・ハロネン / マイヤ・ロウエカリ / アイノ=マイヤ・メッツォラ」を観てきました。この展示は撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介しようと思います。

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【展覧名】
 ギンザ・グラフィック・ギャラリー第363回企画展
 マリメッコ・スピリッツ ― パーヴォ・ハロネン / マイヤ・ロウエカリ / アイノ=マイヤ・メッツォラ

【公式サイト】
 http://www.dnp.co.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=1&seq=00000715
 https://www.marimekko-spirit.com/

【会場】ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)
【最寄】銀座駅

【会期】2017年11月15日(水)~2018年01月13日(土)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
平日昼間でしたが結構混んでいて、狭い所では混み合った感じもありました。しかし地下の広い所ではそれほどでもなく、比較的快適に鑑賞することができました。

さて、今回は最近盛り上がっているマリメッコに関する展示です。昨年はbunkamuraのマリメッコ展(ブログ休止中のため記事なし)を始め、フィンランド・デザイン展などでマリメッコを観る機会がありましたが、更に年末から今年の頭にかけてマリメッコの展示が2つ開催されています。1つはこの展示で、もう1つは次回ご紹介の予定です。 この展示は現代のマリメッコを支える3人のデザイナーに焦点を当てるもので、代表作と日本を題材とした作品という構成となっていました。冒頭に書いたようにこの展示は撮影可能となっておりましたので、詳しくは写真を使ってご紹介しようと思います。
 参考記事:フィンランド・デザイン展 (府中市美術館)


<1階>
まずは入口のある1階の展示で、3人の代表作が並ぶコーナーです。
簡単にマリメッコについて要約すると、マリメッコは1951年にアルミ・ラティアとその夫によって生み出されたデザインブランドで、才能あるデザイナーを発掘し発展してきました。マリメッコは自由に創作できる環境をデザイナー達に用意し、制作されたパターンに名前をつけて作家の創造性を大事にする文化があるそうで、非常に先進的かつ伸びやかな色彩感覚の作品が多いのが特徴と言えそうです。今回の3人もいずれも個性的でありながら、根っこの部分ではマリメッコという1つのブランドを感じさせるデザインが並んでいました。

<マイヤ・ロウエカリ>
最初に観たのはマイヤ・ロウエカリの作品。1982年生まれの女性デザイナーで、ヘルシンキ芸術大学時代にマリメッコのデザインコンペで優勝した実力の持ち主です。明るくグラフィカルなデザインが特徴らしく、これぞマリメッコといった印象を受ける作品が多いように思います。

マイヤ・ロウエカリ 「シィルトラプータルハ 市民菜園」
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色鮮やかで華やかな印象がある一方、黒い輪郭線が力強い生命力を感じさせます。これは絵画としても素晴らしい作品。

マイヤ・ロウエカリ 「カスヴ」
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こちらは色彩が抑えてあり輪郭線もないので、先程に比べると落ち着いた印象ですがそれでも華やかさがあります。マリメッコの代表的なモチーフであるユニッコ(ケシ)らしきものも描かれていました。

マイヤ・ロウエカリ 左:「カスヴ アイデアラフ」 右:「ヴェルイェクセト アイデアラフ」
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デザインのラフも展示されているのが今回の展示の素晴らしいところです。色が無くてもその形だけでも楽しめるデザインです。


<アイノ=マイヤ・メッツォラ>
続いてはアイノ=マイヤ・メッツォラ。1983年生まれの女性デザイナーで、やはりヘルシンキ芸術大学を卒業しマリメッコのデザインコンペで選ばれた経歴の持ち主です。水彩やフェルトペン、グアッシュなど多彩な画材を使い幅広いデザインを生み出しているそうで、今回の展示では滲みを使った作品が多かったように思います。

アイノ=マイヤ・メッツォラ 「ユハンヌスタイカ 夏至の魔法」
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水彩の滲みが絶妙で、デフォルメの仕方も含めて日本の琳派に通じるものを感じます。色彩感覚も非常に素晴らしいです。

アイノ=マイヤ・メッツォラ 「シトルーナプー レモンツリー」
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こちらは補色関係の色が並んで目に鮮やかな作品。観ているだけで楽しくなるような生き生きとした色使いです。よく見ると同じパターンの連続ですが、そうと感じさせません。

アイノ=マイヤ・メッツォラ 「シトルーナプー アイデアラフ」
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こちらはアイデアラフ。完成作に比べると密集具合が違ったり、黄色の割合が少なかったりしますが概ね方向性は同じかな。


<パーヴォ・ハロネン>
もう1人はパーヴォ・ハロネン。1974年生まれの女性デザイナーで、2011年からマリメッコの生地デザインを手がけヘルシンキを拠点に活動しているそうです。自然からのインスピレーションを有機的な抽象パターンに転換するのが得意なデザイナーとのことで、まさにその通りの作品が並んでいます。

パーヴォ・ハロネン 「トルスタイ 木曜日」
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曲線中心の輪郭線を使い、優美な印象を受けるデザイン。色も統一感があって落ち着いた雰囲気です。これもパターンを感じさせない複雑さでした。

パーヴォ・ハロネン 「トルスタイ 原画」
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こちらは原画。ほぼ完成作に近いかな。こっちの色も好みです。

パーヴォ・ハロネン 「ルースルオホ スカビオサ(植物)」
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ただの黒丸のように見えるけど、手描き感に温もりが感じられます。これは植物を元に抽象パターンにしたのかな?


<地下>
続いては地下の展示です。地下は主に日本を題材にした作品が並んでいました。

まずは階段を降りた所に小部屋のようになった所。
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先程のパーヴォ・ハロネンのテキスタイルを使ったドレスやマイヤ・ロウエカリのティーセット、アイノ=マイヤ・メッツォラのお皿などがありました。特にお皿が欲しいw ファッションやアクセサリー、室内装飾など幅広いところにデザインが使われています。

こちらは地下のメインの部屋の展示風景
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ここには3人が日本からインスピレーションを得て作成したシリーズが並んでいました。

アイノ=マイヤ・メッツォラ 「苔寺(コケデラ)」
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アイノは京都の西芳寺から大きな影響を受けて、コケデラという名前のデザインを作りました。割と渋い色合いで扇状に連なっているように見えます。
 参考記事:鈴虫寺と嵐の嵐山 (京都編)

こちらはコケデラのアイデアラフ
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むしろこっちのストレートな色のほうが好きですw モコモコした如何にも苔といった感じで可愛らしいw

こちらはアイノが住むヘルシンキの海防要塞(スオメンリンナ)で撮った写真。
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新作のデザインの為に自宅周辺の苔も調査したようです。かなり研究熱心。

マイヤ・ロウエカリ 左:「キルシカンクッカサデ 桜の花の雨」 右:「キルシカンクッカサデ アイデアラフ」
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マイヤは日本の街並みを題材にしたようです。ポップで洒落た印象を受けます。若い作家らしい瑞々しい感性ですね。

こちらはマイヤ・ロウエカリの普段使いの文具類とアイデアノート
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マイヤは身近に自分の子供がいる環境で制作することが多いようで、息子さんの絵もこの中に混じっていますw 童心を持った子供がいるからデザインもワクワクするような楽しさがあるのかも。

パーヴォ・ハロネン 左:「アウレオリ 光の輪」 右:同左アップ写真
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パーヴォは葛飾北斎や円山応挙、宮﨑駿など様々な日本文化からインスパイヤされたそうで、これは切り絵の技法を使って染め抜きしています。一見すると黄色っぽいテキスタイルですが、近くでみるとかなり精緻なデザインです。

こちらは「アウレオリ 光の輪」の制作過程の展示。
DSC05747.jpg
もの凄く大変そうw この流れるような有機的な感じが持ち味と言えそうです。


ということで、3人とも非常に個性的で素晴らしいデザインばかりでした。ご紹介したのは一部で、点数も結構多くてボリューム感があり、しかも無料で観られるのだから見逃せない機会ではないかと思います。もう会期末となってきましたので気になる方はお早めにどうぞ。デザイン好きにお勧めの展示です。

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