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クラフトNEXT-第57回日本クラフト展 【東京ミッドタウン・デザインハブ】

今回は写真多めです。ついこの間の成人の日の祝日に六本木の東京ミッドタウン・デザインハブで「クラフトNEXT-第57回日本クラフト展」を観てきました。色々ネタが溜まっていますが、この展示は会期が短いので早めにご紹介しておこうと思います。この展示は撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介しようと思います。

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【展覧名】
東京ミッドタウン・デザインハブ 特別展
-クラフトNEXT-第57回日本クラフト展 

【公式サイト】
 http://designhub.jp/exhibitions/3387/

【会場】東京ミッドタウン・デザインハブ
【最寄】六本木駅

【会期】2018年1月6日 (土) ~ 1月14日 (日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間40分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は1960年から開催されている工芸品の公募展で、今年で57回目という伝統ある展示です。この展示は大きく分けて日本クラフトデザイン協会の会員の作品と公募の作品があり、様々なジャンルの工芸品が800点程度並んでいました。かなり点数があったもののほんの一部しかご紹介できませんが、気に入った作品を写真と共にご紹介しようと思います。なお、解説などは受賞作品にしか無いので大半は私の感想のみとなります。
 ※掲載して欲しくない作品がございましたらコメントやメールフォーム等でお申し付けください。

中井善子 「ブルーライトA」「ブルーライトB」
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模様と色合いが美しいライト。幾何学的でリズム感があるのが好みでした。

成田幸子 「麻糸の照明1」「麻糸の照明2」
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麻糸で出来た和風カバーのライト。大事なものを包んでいるようで気品がありました。

ケストラー・ベルンド 「レースライト」
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球体のカバーのライト。見た目も素晴らしいですが、非常に緻密で技術の高さが伺えました。

望月ゆかり 「万年筆式具蒔絵棚」
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こちらは招待審査員賞 秋元雄史賞という賞を受賞した作品。何と作者は学生さんなのだとか。現代の万年筆やセロテープホルダーの為に蒔絵棚を作る発想も面白いですが、この完成度の高さに驚きました。日本の工芸の未来は明るいですね。

隗楠 「朝顔の形」
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こちらも学生賞を受賞した学生さんの作品。朝顔を象っているようですが、直線や綺麗な曲線にモダンなデザインセンスを感じました。

CHUNG Wen-ting 「恋果物語」 
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こちらは優秀賞。作者名の漢字がJISで書けなかったのですが中華圏の方かな? 色彩と模様のデフォルメ具合が軽やかさのある洒落た雰囲気で好みでした。

熊谷綾乃 「セリペロネ」
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こちらは招待審査員賞 須藤玲子賞という賞の受賞作品。花をイメージした刺繍作品。右はアップしたものですが、かなり細かい編み込みでした。

和山忠吉 「地産地消テーブル」
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東北3県の形をしたテーブル。県によって色が違っているのも面白い発想でした。

小黒三郎 「円びな七段飾り」
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丸っこい積み木のような雛飾り。ポップで可愛らしいけど、転がっていかないか気になるw

桂川美帆 「PLEASE -love me-」「PLEASE -don't leave me-」
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こちらは絹の掛け物。非常に目を引く色使いと たらし込みのような模様が何処と無く琳派のようで好みでした。

宮坂美穂 「Cache-Cache」
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これは何と猫用の2段ベッド! 猫ちぐらを2段ベッドにする発想が面白いです。ここで猫が寝るのを想像してニヤニヤしながら観ていましたw

江田由美子 「ハンドバッグ」「クラッチバッグ」
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こちらは木製のバッグ。バッグを木で作るという発想がよく出てくるものだと驚かされます。しかも非常に洒落た色合いなのも素晴らしかったです。

山下哲(木の歯車工房) 「赤とんぼ-はねやすめ・ホバリング-」
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こちらは奨励賞の受賞作品。ハンドルを回すとトンボが羽ばたいて飛び立ち、回し続けると竿の先でしばらく休むという動きをします。単に羽ばたき続けるのではなく、あえて動かないところもある点がトンボらしさを表現しているように思いました。

たまたま作者の方に話を伺うことができたのですが、この方は他にも木製の歯車作品を多く作られているようで、更に驚きの作品があるようです。youtubeで観ると驚くと思います。

海外の人によくパクられて勝手に商品化されたこともあるのだとか。出来が良すぎる故の悩みですね。

鄭 継深「色織りの器」
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色と模様が美しいガラス器。これだけ複雑な模様を綺麗に作るのはかなり技術が要るのではないかと思います。モダンな感性も見事。

小山恵美 「クロムピンク線条文鉢」
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落ち着いた桜色の鉢。この色だけで華やいだ気分になれそう。線条も美しい。

この近くにはガラス工芸などもありました。ちょっと選びきれないくらい面白い作品があります。

東沙津香 「かものはしの靴べら」
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カモノハシの尻尾が靴べらになっている作品!w これも発想が面白く、何だか飛び出してきたようなポーズが悪戯っぽくて可愛かったです。

田羅義史 「剥製鞄」
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こちらはカブトガニの形の鞄!w 実際にどうやって携帯するのか観てみたいですが、革の光沢がカブトガニっぽさを出してるのも絶妙です。

松野加奈 「おせちパズル」
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こちらは木と漆でできた玩具。今の時期にぴったりで、伊達巻とかかまぼこあたりは本物と間違えそうw どうやって遊ぶパズルなのか知りたかったです。

宇佐美亮 「朽葉Ⅰ~Ⅴ」
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まるで蒔絵の絵の中から飛び出てきたような指輪。どうやって指に嵌めるのか気になりました

顧真源 「動物の模様絵-"キモカワ"シリーズ」
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こちらは学生さんの作品で、奨励賞を受賞したテキスタイル。気持ち悪い+可愛いを合わせたキモカワの生き物(蛙、モグラ、コウモリ)をモチーフにしています。右の写真はコウモリのアップ。確かにキモカワだw 離れてみるとモダンな柄に見えるのも良かったです。

奥のほうには布を使った作品がありました。
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ということで、非常にハイレベルな展示となっていました。工芸的な技術の高さに加えて発想の豊かさが面白かったです。会期が短いのが難点ですが、これだけの内容を無料で観られますので六本木に行く用事がある方は寄って観るのもよろしいかと思います。 工芸好きにお勧めの展示です。

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