和モダンの世界 近代の輸出工芸 ~金子皓彦コレクションを中心に~ 【たばこと塩の博物館】
2週間程前の土曜日に東京スカイツリーの近くにある たばこと塩の博物館で「和モダンの世界 近代の輸出工芸 ~金子皓彦コレクションを中心に~」を観てきました。この展示は既に終了していますが、参考になる内容でしたのでご紹介しておこうと思います。

【展覧名】
和モダンの世界 近代の輸出工芸 ~金子皓彦コレクションを中心に~
【公式サイト】
https://www.jti.co.jp/Culture/museum/exhibition/2017/1711nov/index.html
【会場】たばこと塩の博物館
【最寄】とうきょうスカイツリー駅
【会期】2017年11月3日(金・祝)~2018年1月8日(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
次の日が最終日だったこともあって結構混んでいました。
さて、この展示は「和モダン」ということで和をベースに洋を折衷したような作品が並びますが、和モダンと聞いてイメージするものというよりは明治期に輸出用として作られた工芸品を集めた内容となっていました。以前にも似た展示を観た記憶があるので、この博物館が得意とする内容なのかもしれません。 大部屋に所狭しと200点ほどジャンルごとに並んでいましたので、簡単に各ジャンルで気に入った作品などをご紹介しておこうと思います。(なお、冒頭にも書いたようにこの展覧会は既に終了しております)
参考記事:華麗なる日本の輸出工芸 ~世界を驚かせた精美の技~ (たばこと塩の博物館)
<海を渡った日本の木工品 寄木細工と木象嵌>
まずは寄木細工のコーナーです。寄木細工は徳川家光の頃に賤機山麓に浅間神社を造営するにあたって全国から集めた職人が造営後もその地に残って基とある技術を創り上げたそうです。またこの時に漆職人たちによって様々な気を寄せ集めて漆で仕上げる寄木塗りが寄木細工の始まりとなりました。その後、江戸時代後期に駿河から箱根に伝えられて発展し、現在でも箱根の伝統工芸となっています。
展覧会に入ると今回のポスターにもなっている全面に寄木が使われたライティングビューロー(大型の机)がありました。草花文の彫刻も施され かなり緻密で圧倒されます。寄木の複雑さも見事で複雑に組合ながら幾何学的な模様等を作っていました。近くには同様の机やチェステーブル、ネストテーブルなどもありチェステーブルは蝶番で開くとテーブルにもなるように作られていました。
そしてしばらく進むと26種類もの文様を寄木で表した飾り棚もありました。これは模様自体の工夫も面白く高い技術と共にデザイン的な美しさも楽しめました。他にも洋風のレターボックスを寄木でモザイク模様のように作った作品や、お馴染みの寄木細工のからくり箱、寄木の材質を使ってレンガのような風合いを出した家型の箪笥、木目を水面の波紋に見立てた「笹に雀図四脚盆」というお盆などもあり、遊び心も素晴らしい作品が多かったです。
そしてもう1つこのコーナーで面白かったのが、寄木細工の濃淡を用いて絵画作品でした。普通の絵かと思うくらい繊細な濃淡で役者絵を描いていて、これもかなりの驚きでした。
<ジャポニスムと日本の輸出陶磁器>
続いては輸出用の陶磁器のコーナーです。陶磁器の輸出に関しては、1867年に開催されたパリ万博で江戸幕府・佐賀藩・薩摩藩が陶磁器を出品すると人気となり、特に金襴手の薩摩焼は高い評価を受けたそうです。その後、明治期にはヨーロッパでジャポニスムというムーブメントが起きるなど、日本の陶磁器は益々人気になって行きました。(明治政府も殖産興業と貿易拡大に力を入れていたので陶磁器は盛んに輸出されたようです。)
1876年のフィラデルフィアの万国博覧会では九谷・有田・淡路・伊勢・京都・瀬戸・美濃・横浜・東京などから陶磁器が出品されていたらしく、東京にまで輸出用の陶磁器生産をする窯があったのだとか。
ここは点数はそれほど多くなかったのですが、薩摩焼や九谷焼、有田焼などの陶磁器が並んでいました。製法は日本でも形はコーヒーポッドやコーヒーセットとなっていて、海外向けというのがよくわかります。横浜焼という横浜産の陶磁器もあり、人物や花卉を絵付けしたカップとソーサーが並んでいました。海外向けの豪華な陶磁器はちょっと趣味じゃないのもあるけど、いかにも外国人が好みそうな感じでした。
<外国人を魅了した日本の輸出漆器>
続いては漆器のコーナー。漆器は江戸時代初期にはオランダ東インド会社との交易で西洋に渡り高い評価を受けていました。イギリスでは漆器のことをジャパンと呼ぶほど驚きを持って受け入れられていたようです。明治維新後は駿河と会津で外国人向けに意匠化された漆器が実用と鑑賞を兼ねて大量に作られ横浜から欧米へと輸出されていったようです。
まずここには黒漆に金蒔絵の衝立がありました。鷹が爪で猿を握っている様子が描かれ、猿の苦悶の表情が恐ろしげです。鷹は力強く雄々しい雰囲気で、威厳を感じさせる衝立となっていました。他にも碁盤や手提げ弁当箱、箪笥、長手箱など様々な品が並びます。ここで面白かったのが黒漆と金の装飾で作られたキリストの磔刑像の十字架で、キリスト自体は銀で作られています。他にも赤漆でできたIHS(イエズス会)のマーク入りの書見台や蝋燭台など、漆器で作る発想が無い品々まであって驚きました。これも海外向けというのがよく分かる品々です。
<麦わら細工の輝き>
続いては麦わら細工のコーナーです。麦わら細工は大麦などの藁をそのまま使ったり染色して使ったりする工芸で、立体的に編んで動物や人物像など様々なものを表現します。また、乾燥させた藁を切り開いて幾何学模様を構成し、模様を組み合わせて文字や花、風景、人物などの文様に切り抜いて箱などに張る「張り細工」という技法もあるようです。
麦わら細工は東京の大森や兵庫の城崎などが産地だったようですが、大森での生産は絶えてしまったようです。海外との関わりについては古くはシーボルトが帰国の際に持ち帰ったそうで、明治期にはパリ万博で高い評価を得るなど、外国から注目された日本の伝統工芸の1つだったようです。
ここは主に箱型の作品が並び、見た目は寄木細工に似ています。藁とは思えないような品ばかりで、筋目が有るのでかろうじて藁と分かる程度かな。シガレットケースやボンボン入れ、郵便配達人の図像のある葉書切手箱、小さい箪笥、髪結い道具箱などが並び、今回の展示では主に張り細工の作品が中心となっていました。あまり馴染みはありませんが、城崎の作品ばかりだったので城崎の麦わら細工のレベルの高さが伺えるようでした。
<貝細工の輝き>
続いては貝細工のコーナー。貝細工というと螺鈿が思い浮かびますが、ここには螺鈿の他に貝殻を使った作品などもありました。螺鈿は昔から作られて日本工芸の代表みたいなものですが、貝細工は江戸後期に菊人形のように貝で人物や花鳥を象った細工が作られるようになったそうで、見世物やおみやげとして人々に親しまれたそうです。
ここで目を引いたのは紫色に輝く貝を使った孔雀の作品です。孔雀の羽根1枚1枚を貝で表現していて、その色合いと形の活かし方が面白いです。身体も貝で出来ていて貝細工となっています。他にも茶色っぽい模様の貝で作った鳥などもあり、色の選び方が絶妙です。色だけでなく帆船を表した作品では貝の形が生かされていて、アイディアが光る作品ばかりでした。
<芝山細工と横浜芝山漆器>
続いては芝山細工のコーナー。芝山細工は貝や珊瑚、象牙、鼈甲などを用いて文様を表して漆面に象嵌するもので、中には蒔絵や螺鈿を施すものもあるようです。元は1770年頃に上総国芝山村で考案されたもので、江戸時代には大名家や富裕層で好評を得ていました。それが開港期になると外国人から高い評価を受けて売れるようになり、横浜へと大量に職人が移っていきました。そこで作られた横浜芝山漆器は家具だけでなく飾額や写真帖など様々な品が作られ隆盛を誇っていたようですが、関東大震災や横浜大空襲といった歴史によって衰退し、現在では伝統が絶えようとしているようです。
ここもそれ程点数は無かったのですが、白蝶貝と獣骨を使って花と蝶を象ったお盆などが目を引きました。虹色に鈍く光る様子が幻想的で、蝶の図様にピッタリです。 他にも額縁の花飾りが立体的に表された飾額などもあり、獣の骨などを使っているようですがかなり精緻に作られていました。 とは言え、中にはちょっと日本が誇張された感のある品もあったかなw 輸出用に作られた作品は多かれ少なかれそんな雰囲気があったりします。
<そのほかの日本の輸出工芸>
最後はそれ以外の様々な工芸品のコーナー。やはりパリ万博などが契機となり輸出された品が並びます。ここには七宝や象牙の牙彫、ガラス絵などがありました。また、出入口付近には「生人形」というリアルな人形も数体あり、驚きました。特に二代山本福松による「羅生門」という人形は肌の色や髪の毛は人間そのものといった感じで、目にも輝きがあります。私は人形が苦手でちょっと怖いですが、技術の高さに感心させられました。
ということで、輸出向けの工芸品が中心となっていました。派手好きの外国人の為かちょっとゴテゴテした感じのものもありましたが、明治期の日本の工芸のレベルが恐ろしく高かったのがよく分かる内容です。特に寄木細工のコーナーが面白くて、机などは圧巻で見応えがありました。中には観た覚えがある品があったように思いますので、いずれまた観られる機会があるかもしれません。記憶にとどめておきたい展示でした。
おまけ:
この日、本当はスカイツリーと すみだ水族館に行こうと思っていたのですが、かなり混んでいたので諦めましたw

新しくなった たばこと塩の博物館は東京スカイツリーから徒歩10分以内にあるので、混んでいたらこちらに足を運ぶのもよろしいかと思います。なお、このブログではこの美術館が移設されてから初めてのご紹介となりますが、美術館自体については次回にご紹介しようと思います。


【展覧名】
和モダンの世界 近代の輸出工芸 ~金子皓彦コレクションを中心に~
【公式サイト】
https://www.jti.co.jp/Culture/museum/exhibition/2017/1711nov/index.html
【会場】たばこと塩の博物館
【最寄】とうきょうスカイツリー駅
【会期】2017年11月3日(金・祝)~2018年1月8日(月・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
次の日が最終日だったこともあって結構混んでいました。
さて、この展示は「和モダン」ということで和をベースに洋を折衷したような作品が並びますが、和モダンと聞いてイメージするものというよりは明治期に輸出用として作られた工芸品を集めた内容となっていました。以前にも似た展示を観た記憶があるので、この博物館が得意とする内容なのかもしれません。 大部屋に所狭しと200点ほどジャンルごとに並んでいましたので、簡単に各ジャンルで気に入った作品などをご紹介しておこうと思います。(なお、冒頭にも書いたようにこの展覧会は既に終了しております)
参考記事:華麗なる日本の輸出工芸 ~世界を驚かせた精美の技~ (たばこと塩の博物館)
<海を渡った日本の木工品 寄木細工と木象嵌>
まずは寄木細工のコーナーです。寄木細工は徳川家光の頃に賤機山麓に浅間神社を造営するにあたって全国から集めた職人が造営後もその地に残って基とある技術を創り上げたそうです。またこの時に漆職人たちによって様々な気を寄せ集めて漆で仕上げる寄木塗りが寄木細工の始まりとなりました。その後、江戸時代後期に駿河から箱根に伝えられて発展し、現在でも箱根の伝統工芸となっています。
展覧会に入ると今回のポスターにもなっている全面に寄木が使われたライティングビューロー(大型の机)がありました。草花文の彫刻も施され かなり緻密で圧倒されます。寄木の複雑さも見事で複雑に組合ながら幾何学的な模様等を作っていました。近くには同様の机やチェステーブル、ネストテーブルなどもありチェステーブルは蝶番で開くとテーブルにもなるように作られていました。
そしてしばらく進むと26種類もの文様を寄木で表した飾り棚もありました。これは模様自体の工夫も面白く高い技術と共にデザイン的な美しさも楽しめました。他にも洋風のレターボックスを寄木でモザイク模様のように作った作品や、お馴染みの寄木細工のからくり箱、寄木の材質を使ってレンガのような風合いを出した家型の箪笥、木目を水面の波紋に見立てた「笹に雀図四脚盆」というお盆などもあり、遊び心も素晴らしい作品が多かったです。
そしてもう1つこのコーナーで面白かったのが、寄木細工の濃淡を用いて絵画作品でした。普通の絵かと思うくらい繊細な濃淡で役者絵を描いていて、これもかなりの驚きでした。
<ジャポニスムと日本の輸出陶磁器>
続いては輸出用の陶磁器のコーナーです。陶磁器の輸出に関しては、1867年に開催されたパリ万博で江戸幕府・佐賀藩・薩摩藩が陶磁器を出品すると人気となり、特に金襴手の薩摩焼は高い評価を受けたそうです。その後、明治期にはヨーロッパでジャポニスムというムーブメントが起きるなど、日本の陶磁器は益々人気になって行きました。(明治政府も殖産興業と貿易拡大に力を入れていたので陶磁器は盛んに輸出されたようです。)
1876年のフィラデルフィアの万国博覧会では九谷・有田・淡路・伊勢・京都・瀬戸・美濃・横浜・東京などから陶磁器が出品されていたらしく、東京にまで輸出用の陶磁器生産をする窯があったのだとか。
ここは点数はそれほど多くなかったのですが、薩摩焼や九谷焼、有田焼などの陶磁器が並んでいました。製法は日本でも形はコーヒーポッドやコーヒーセットとなっていて、海外向けというのがよくわかります。横浜焼という横浜産の陶磁器もあり、人物や花卉を絵付けしたカップとソーサーが並んでいました。海外向けの豪華な陶磁器はちょっと趣味じゃないのもあるけど、いかにも外国人が好みそうな感じでした。
<外国人を魅了した日本の輸出漆器>
続いては漆器のコーナー。漆器は江戸時代初期にはオランダ東インド会社との交易で西洋に渡り高い評価を受けていました。イギリスでは漆器のことをジャパンと呼ぶほど驚きを持って受け入れられていたようです。明治維新後は駿河と会津で外国人向けに意匠化された漆器が実用と鑑賞を兼ねて大量に作られ横浜から欧米へと輸出されていったようです。
まずここには黒漆に金蒔絵の衝立がありました。鷹が爪で猿を握っている様子が描かれ、猿の苦悶の表情が恐ろしげです。鷹は力強く雄々しい雰囲気で、威厳を感じさせる衝立となっていました。他にも碁盤や手提げ弁当箱、箪笥、長手箱など様々な品が並びます。ここで面白かったのが黒漆と金の装飾で作られたキリストの磔刑像の十字架で、キリスト自体は銀で作られています。他にも赤漆でできたIHS(イエズス会)のマーク入りの書見台や蝋燭台など、漆器で作る発想が無い品々まであって驚きました。これも海外向けというのがよく分かる品々です。
<麦わら細工の輝き>
続いては麦わら細工のコーナーです。麦わら細工は大麦などの藁をそのまま使ったり染色して使ったりする工芸で、立体的に編んで動物や人物像など様々なものを表現します。また、乾燥させた藁を切り開いて幾何学模様を構成し、模様を組み合わせて文字や花、風景、人物などの文様に切り抜いて箱などに張る「張り細工」という技法もあるようです。
麦わら細工は東京の大森や兵庫の城崎などが産地だったようですが、大森での生産は絶えてしまったようです。海外との関わりについては古くはシーボルトが帰国の際に持ち帰ったそうで、明治期にはパリ万博で高い評価を得るなど、外国から注目された日本の伝統工芸の1つだったようです。
ここは主に箱型の作品が並び、見た目は寄木細工に似ています。藁とは思えないような品ばかりで、筋目が有るのでかろうじて藁と分かる程度かな。シガレットケースやボンボン入れ、郵便配達人の図像のある葉書切手箱、小さい箪笥、髪結い道具箱などが並び、今回の展示では主に張り細工の作品が中心となっていました。あまり馴染みはありませんが、城崎の作品ばかりだったので城崎の麦わら細工のレベルの高さが伺えるようでした。
<貝細工の輝き>
続いては貝細工のコーナー。貝細工というと螺鈿が思い浮かびますが、ここには螺鈿の他に貝殻を使った作品などもありました。螺鈿は昔から作られて日本工芸の代表みたいなものですが、貝細工は江戸後期に菊人形のように貝で人物や花鳥を象った細工が作られるようになったそうで、見世物やおみやげとして人々に親しまれたそうです。
ここで目を引いたのは紫色に輝く貝を使った孔雀の作品です。孔雀の羽根1枚1枚を貝で表現していて、その色合いと形の活かし方が面白いです。身体も貝で出来ていて貝細工となっています。他にも茶色っぽい模様の貝で作った鳥などもあり、色の選び方が絶妙です。色だけでなく帆船を表した作品では貝の形が生かされていて、アイディアが光る作品ばかりでした。
<芝山細工と横浜芝山漆器>
続いては芝山細工のコーナー。芝山細工は貝や珊瑚、象牙、鼈甲などを用いて文様を表して漆面に象嵌するもので、中には蒔絵や螺鈿を施すものもあるようです。元は1770年頃に上総国芝山村で考案されたもので、江戸時代には大名家や富裕層で好評を得ていました。それが開港期になると外国人から高い評価を受けて売れるようになり、横浜へと大量に職人が移っていきました。そこで作られた横浜芝山漆器は家具だけでなく飾額や写真帖など様々な品が作られ隆盛を誇っていたようですが、関東大震災や横浜大空襲といった歴史によって衰退し、現在では伝統が絶えようとしているようです。
ここもそれ程点数は無かったのですが、白蝶貝と獣骨を使って花と蝶を象ったお盆などが目を引きました。虹色に鈍く光る様子が幻想的で、蝶の図様にピッタリです。 他にも額縁の花飾りが立体的に表された飾額などもあり、獣の骨などを使っているようですがかなり精緻に作られていました。 とは言え、中にはちょっと日本が誇張された感のある品もあったかなw 輸出用に作られた作品は多かれ少なかれそんな雰囲気があったりします。
<そのほかの日本の輸出工芸>
最後はそれ以外の様々な工芸品のコーナー。やはりパリ万博などが契機となり輸出された品が並びます。ここには七宝や象牙の牙彫、ガラス絵などがありました。また、出入口付近には「生人形」というリアルな人形も数体あり、驚きました。特に二代山本福松による「羅生門」という人形は肌の色や髪の毛は人間そのものといった感じで、目にも輝きがあります。私は人形が苦手でちょっと怖いですが、技術の高さに感心させられました。
ということで、輸出向けの工芸品が中心となっていました。派手好きの外国人の為かちょっとゴテゴテした感じのものもありましたが、明治期の日本の工芸のレベルが恐ろしく高かったのがよく分かる内容です。特に寄木細工のコーナーが面白くて、机などは圧巻で見応えがありました。中には観た覚えがある品があったように思いますので、いずれまた観られる機会があるかもしれません。記憶にとどめておきたい展示でした。
おまけ:
この日、本当はスカイツリーと すみだ水族館に行こうと思っていたのですが、かなり混んでいたので諦めましたw

新しくなった たばこと塩の博物館は東京スカイツリーから徒歩10分以内にあるので、混んでいたらこちらに足を運ぶのもよろしいかと思います。なお、このブログではこの美術館が移設されてから初めてのご紹介となりますが、美術館自体については次回にご紹介しようと思います。
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