アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝 【東京国立博物館 表慶館】
今回は写真多めです。日付が変わって昨日になりましたが土曜日の夕方に東京国立博物館の表慶館で「アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝」を観てきました。この展示は撮影可能となっていましたので写真を使ってご紹介しようと思います。

【展覧名】
アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝
【公式サイト】
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1886
【会場】東京国立博物館 表慶館
【最寄】上野駅
【会期】2018年1月23日(火) ~3月18日(日)
→ 2018年1月23日(火)~5月13日(日) ※会期延長されました
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。
さて、この展示はアラビア半島の文化や考古学的な品々を紹介する内容で、400点にも及ぶ幅広い展示品の中にはサウジアラビアの国王の所蔵品なんかも含まれています。常設と同じチケットで観られるので仁和寺展のチケットでも観ることができます。さらに冒頭に書いたように撮影可能となっていましたので、撮ってきた写真を使ってご紹介しようと思います。
<第1章 人類、アジアへの道>
まずは人類がアラビア半島に進出してきた頃からのコーナーです。今でこそアラビア半島は砂漠のイメージですが、かつては湿潤な気候で緑の大地が広がっていたようです。人類もアフリカを出てアジアの方に進む際にこのアラビアに到達し、約9000年前には新石器時代となり農耕・牧畜をして定住生活をしていたようです。ここにはそうした原初の品々が並んでいました。
「ゾウの下顎骨」(タイマー 数万年前)

昔はアラビア半島にも象が住んでいたようです。今とは気候が違っていたのが一目で分かる品と言えそうです。
「猟犬」(マカル 新石器時代・前6500年頃)

犬を象った石像? かなりシンプルですが、犬っぽさがあります。この頃には既に犬を連れてたのでしょうか。
この近くには新石器時代の矢じりなども並んでいました。この辺の文化はどこも同じように見えます。
「人形石柱」(カルヤト・アルカァファ 前3500~前2500年)

こちらは表慶館の入口にあった3体の像のうちの1体。むしろ現代アートのようなシンプルさで面白い単純化です。
<第2章 文明に出会う道>
続いては文明が出来た頃のコーナーです。アラビア半島の歴史は交易路と共に始まったそうで、前2500年頃にはメソポタミア文明とインダス文明を結ぶ海上交易の道として物資の中継交易として反映したそうです。
「祈る男」(タールート島 前2900~前2600年)

胸に手を当てて祈っている男の姿。目鼻が大きくて印象的な顔立ちです。解説によるとこの顔立ちとポースはシュメール美術の影響を受けているそうで、像の大きさと服装はアラビア湾岸独自のものなのだとか。なお、タールート島というのは海洋交易の拠点として栄えたようです。
「アスファルトが付着した土器」(アイン・アッサイフ 前2900~前2600年)

アスファルトは昔から各文明で接着剤のように使われているのは知っていたけど、こんな大胆に使ってるとは驚きましたw 防水などにも使われる素材として交易されたようです。
「石製容器」(前2500~前2000年)

これは生命や豊穣の象徴としてのナツメヤシの文様。非常に緻密な線描となっていて左右対象となっていうのも高い技術を伺わせました。
<第3章 香料の道>
続いては香料とアラビア半島についてのコーナーです。アラビア半島の南西部では乳香や没薬などの樹脂香料が産出されたそうで、こうした香料は宗教儀式や薬品などに用いられ、中近東や地中海世界各地で珍重されたようです。その為、香料の産地である南アラビアは「幸福のアラビア」とも呼ばれたそうで、アレクサンドロス大王やローマ皇帝も香料産地の支配を夢見たものの、成就することはなかったそうです。その後、前1000年頃になるとラクダが運搬に使われるようになり香料の隊商交易が活発になると、内陸の交易都市は目覚ましい発展を遂げたようです。ここにはそうした香料貿易で繁栄した都市の出土品が並んでいました。
「奉献台」(カルヤト・アルファーウ 前4世紀頃)
「香炉」(カルヤト・アルファーウ 前3~後3世紀頃)

何やら文字の刻まれた奉献台と香炉。手前には乳香と没薬が展示されています。この香料でこの地域は潤ったんですね。今も昔もアラビア半島は特産品の恩恵が大きいのかも。
「男性頭部」(タイマー 前4~前2世紀頃)

非常に大きな目と深い顔立ちの頭部像。顎は細いしイケメンだったのかもw ちなみに産出地のタイマーは香料で栄えバビロニアに強く影響を受けた街だそうです。
「男性像」(ウラー 前4~前3世紀頃)

この展示ではいくつか驚く作品がありましたがこの部屋の像はそのうちの1つ。ダーダーン王国の王族たちの像とも考えられているそうで、その大きさと隆々とした力強さが非常に目立っていました。なお、先程のタイマーとウラーは対立関係で戦争もあったそうです。
1階は一旦この部屋までで、2階へと続きます。
これらはカルヤト・アルファーウという町のフレスコ画

塔のようなものが描かれていて、当時の文化レベルの高さが伺えます。
この辺りにはローマなどからの影響を感じさせる品も並んでいます。
「ヒトコブラクダ」(カルヤト・アルファーウ 前2~後2世紀頃/前3~後3世紀頃)

それぞれ青銅製と土製のラクダの像。ちょっと写実性は高くないと思いますが日本の土偶にも似た素朴な味わいがありました。とは言えこの頃既に青製の品があるのは流石です。
「ガラス壺」(カルヤト・アルファーウ 前1~後1世紀頃)

マーブル模様のガラス壺。かなり小さめで高い技術で作られていると想像できます。何度かこれに似た品を見た覚えもあるかな。アラビア(メソポタミア)はガラスの生まれ故郷でもあります。
参考記事:雲母 Kira 平山郁夫とシルクロードのガラス 【平山郁夫シルクロード美術館】 (山梨 北杜編)
「椅子の脚」(カルヤト・アルファーウ 1世紀頃)

椅子の脚がサンダルを履いた人の脚になっている面白い意匠の作品。こういうユーモアって2000年も前からあるんですねw
「男性頭部」(カルヤト・アルファーウ 前1~後2世紀頃)

ギリシャ・ローマ風の彫像で、今は頭だけですが元々は等身大だったと考えられるようです。むしろピカソの古典主義への回帰の頃の人物像みたいに見えましたw
「男性頭部」(ナジュラーン 1~3世紀)

こちらはアラバスター(石)製の頭部。文字っぽいところは古代南アラビア文字で男性の名前が刻まれているようです。目をつぶってるけど葬送用でしょうか??
「ライオン」(ナジュラーン 2世紀)

こちらは青銅製のライオン。たてがみの部分や目の中が無いのは失われたのかな?
こちらもライオン像の一部。

鋭い爪がついていてリアル。 当時は相当にリアルな像だったんでしょうね。
「葬送用マスク」(テル・アッザーイル 1世紀頃)

金製のデスマスク! 眉毛がつながって単純化された顔立ちをしていますが金で出来ているので支配者層のものでしょうね。中々穏やかな顔をしていました。
この近くには金を使った装飾品なども並んでいました。
こちらは墓碑や碑文などが並んだ一角。

どれも全然違う文字に見えるw どうやら古代のアラビア半島は各地に様々な文字文化があったようです。
<第4章 巡礼の道>
続いてはイスラームとなった時代のコーナーです。マッカ(メッカ)巡礼はイスラームの義務の1つであるため、2大聖都マッカとマディーナは巡礼月となると様々な地域から巡礼者がやってきたようです。その為、宿泊施設や巡礼路の整備が進み商業路としても機能したようです。ここにはそうしたイスラームに関する作品が並んでいました。
「ラスター彩鉢」(ラバザ 9世紀)

こちらはそれほど色が変わりませんが、ラスター彩の鉢も観ることができました。花の形みたいな形状も面白い品でした。
「彩色坏」(ラバザ 9世紀)

どこか日本の茶の湯にでも使われそうな親近感を覚えましたw 形といい色といい何か共通するものを感じます。
「星型ランプ」(マーブヤート 8~10世紀)

星なのかヒトデなのか分かりませんが、面白い形の容器。油を注いでランプにしたのでしょうか。
こちらは墓碑がずらりと並ぶコーナー。

イスラームとなってからはアラビア文字が公式な文字となって広まったこともあり、ここにあった墓碑も似た文字が並んでいました(読めませんがw) 一部は絵と一体化するように書かれているのが見事です。
2階はこの辺りまでで、再び1階へ。
「預言者モスク、シリア扉のカーテン」(マディーナ)

こちらは実物を観ると大きさに圧倒されるカーテン。草花文や文字が流麗で、青字に金が映えます。これはこの展示の大きな見どころと言えそうです。
「カァバ神殿の扉」(マッカ オスマン朝時代1635~1636)

1930年代まで使われたという重厚感のある扉。これも実物は中々に歴史の重みを感じさせてくれます。
この辺には豪華なクルアーン(コーラン)などもありました。
<第5章 王国への道>
最後は現在のサウジアラビアに繋がるサウード家についてのコーナー。歴史は結構複雑で3度の征服で現在に至るようですが割愛。建国の歩みとアラブの生活が紹介されていました。
「コーヒーポット」(リヤド 19世紀)

非常に優美な形をしたコーヒーポット。煮出した後にカルダモンなどで香りづけするようです。コーヒー好きとしては飲んでみたいなあ。
この近くにはライフルや短銃、儀式用短剣、大砲の玉なんかも展示されていました。
ということで、日本では馴染みの薄いアラビア半島の古代史から現代史まで一気に俯瞰できるような内容となっていました。特に大型作品には驚かされたし、見るからに貴重な品も多々あります。これを別料金なしで観られるというのは非常に得した気分です。これから仁和寺展などに行かれる方は、こちらも寄ってみると新しい発見が多いと思います。

【展覧名】
アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝
【公式サイト】
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1886
【会場】東京国立博物館 表慶館
【最寄】上野駅
【会期】
→ 2018年1月23日(火)~5月13日(日) ※会期延長されました
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。
さて、この展示はアラビア半島の文化や考古学的な品々を紹介する内容で、400点にも及ぶ幅広い展示品の中にはサウジアラビアの国王の所蔵品なんかも含まれています。常設と同じチケットで観られるので仁和寺展のチケットでも観ることができます。さらに冒頭に書いたように撮影可能となっていましたので、撮ってきた写真を使ってご紹介しようと思います。
<第1章 人類、アジアへの道>
まずは人類がアラビア半島に進出してきた頃からのコーナーです。今でこそアラビア半島は砂漠のイメージですが、かつては湿潤な気候で緑の大地が広がっていたようです。人類もアフリカを出てアジアの方に進む際にこのアラビアに到達し、約9000年前には新石器時代となり農耕・牧畜をして定住生活をしていたようです。ここにはそうした原初の品々が並んでいました。
「ゾウの下顎骨」(タイマー 数万年前)

昔はアラビア半島にも象が住んでいたようです。今とは気候が違っていたのが一目で分かる品と言えそうです。
「猟犬」(マカル 新石器時代・前6500年頃)

犬を象った石像? かなりシンプルですが、犬っぽさがあります。この頃には既に犬を連れてたのでしょうか。
この近くには新石器時代の矢じりなども並んでいました。この辺の文化はどこも同じように見えます。
「人形石柱」(カルヤト・アルカァファ 前3500~前2500年)

こちらは表慶館の入口にあった3体の像のうちの1体。むしろ現代アートのようなシンプルさで面白い単純化です。
<第2章 文明に出会う道>
続いては文明が出来た頃のコーナーです。アラビア半島の歴史は交易路と共に始まったそうで、前2500年頃にはメソポタミア文明とインダス文明を結ぶ海上交易の道として物資の中継交易として反映したそうです。
「祈る男」(タールート島 前2900~前2600年)

胸に手を当てて祈っている男の姿。目鼻が大きくて印象的な顔立ちです。解説によるとこの顔立ちとポースはシュメール美術の影響を受けているそうで、像の大きさと服装はアラビア湾岸独自のものなのだとか。なお、タールート島というのは海洋交易の拠点として栄えたようです。
「アスファルトが付着した土器」(アイン・アッサイフ 前2900~前2600年)

アスファルトは昔から各文明で接着剤のように使われているのは知っていたけど、こんな大胆に使ってるとは驚きましたw 防水などにも使われる素材として交易されたようです。
「石製容器」(前2500~前2000年)

これは生命や豊穣の象徴としてのナツメヤシの文様。非常に緻密な線描となっていて左右対象となっていうのも高い技術を伺わせました。
<第3章 香料の道>
続いては香料とアラビア半島についてのコーナーです。アラビア半島の南西部では乳香や没薬などの樹脂香料が産出されたそうで、こうした香料は宗教儀式や薬品などに用いられ、中近東や地中海世界各地で珍重されたようです。その為、香料の産地である南アラビアは「幸福のアラビア」とも呼ばれたそうで、アレクサンドロス大王やローマ皇帝も香料産地の支配を夢見たものの、成就することはなかったそうです。その後、前1000年頃になるとラクダが運搬に使われるようになり香料の隊商交易が活発になると、内陸の交易都市は目覚ましい発展を遂げたようです。ここにはそうした香料貿易で繁栄した都市の出土品が並んでいました。
「奉献台」(カルヤト・アルファーウ 前4世紀頃)
「香炉」(カルヤト・アルファーウ 前3~後3世紀頃)

何やら文字の刻まれた奉献台と香炉。手前には乳香と没薬が展示されています。この香料でこの地域は潤ったんですね。今も昔もアラビア半島は特産品の恩恵が大きいのかも。
「男性頭部」(タイマー 前4~前2世紀頃)

非常に大きな目と深い顔立ちの頭部像。顎は細いしイケメンだったのかもw ちなみに産出地のタイマーは香料で栄えバビロニアに強く影響を受けた街だそうです。
「男性像」(ウラー 前4~前3世紀頃)

この展示ではいくつか驚く作品がありましたがこの部屋の像はそのうちの1つ。ダーダーン王国の王族たちの像とも考えられているそうで、その大きさと隆々とした力強さが非常に目立っていました。なお、先程のタイマーとウラーは対立関係で戦争もあったそうです。
1階は一旦この部屋までで、2階へと続きます。
これらはカルヤト・アルファーウという町のフレスコ画

塔のようなものが描かれていて、当時の文化レベルの高さが伺えます。
この辺りにはローマなどからの影響を感じさせる品も並んでいます。
「ヒトコブラクダ」(カルヤト・アルファーウ 前2~後2世紀頃/前3~後3世紀頃)

それぞれ青銅製と土製のラクダの像。ちょっと写実性は高くないと思いますが日本の土偶にも似た素朴な味わいがありました。とは言えこの頃既に青製の品があるのは流石です。
「ガラス壺」(カルヤト・アルファーウ 前1~後1世紀頃)

マーブル模様のガラス壺。かなり小さめで高い技術で作られていると想像できます。何度かこれに似た品を見た覚えもあるかな。アラビア(メソポタミア)はガラスの生まれ故郷でもあります。
参考記事:雲母 Kira 平山郁夫とシルクロードのガラス 【平山郁夫シルクロード美術館】 (山梨 北杜編)
「椅子の脚」(カルヤト・アルファーウ 1世紀頃)

椅子の脚がサンダルを履いた人の脚になっている面白い意匠の作品。こういうユーモアって2000年も前からあるんですねw
「男性頭部」(カルヤト・アルファーウ 前1~後2世紀頃)

ギリシャ・ローマ風の彫像で、今は頭だけですが元々は等身大だったと考えられるようです。むしろピカソの古典主義への回帰の頃の人物像みたいに見えましたw
「男性頭部」(ナジュラーン 1~3世紀)

こちらはアラバスター(石)製の頭部。文字っぽいところは古代南アラビア文字で男性の名前が刻まれているようです。目をつぶってるけど葬送用でしょうか??
「ライオン」(ナジュラーン 2世紀)

こちらは青銅製のライオン。たてがみの部分や目の中が無いのは失われたのかな?
こちらもライオン像の一部。

鋭い爪がついていてリアル。 当時は相当にリアルな像だったんでしょうね。
「葬送用マスク」(テル・アッザーイル 1世紀頃)

金製のデスマスク! 眉毛がつながって単純化された顔立ちをしていますが金で出来ているので支配者層のものでしょうね。中々穏やかな顔をしていました。
この近くには金を使った装飾品なども並んでいました。
こちらは墓碑や碑文などが並んだ一角。

どれも全然違う文字に見えるw どうやら古代のアラビア半島は各地に様々な文字文化があったようです。
<第4章 巡礼の道>
続いてはイスラームとなった時代のコーナーです。マッカ(メッカ)巡礼はイスラームの義務の1つであるため、2大聖都マッカとマディーナは巡礼月となると様々な地域から巡礼者がやってきたようです。その為、宿泊施設や巡礼路の整備が進み商業路としても機能したようです。ここにはそうしたイスラームに関する作品が並んでいました。
「ラスター彩鉢」(ラバザ 9世紀)

こちらはそれほど色が変わりませんが、ラスター彩の鉢も観ることができました。花の形みたいな形状も面白い品でした。
「彩色坏」(ラバザ 9世紀)

どこか日本の茶の湯にでも使われそうな親近感を覚えましたw 形といい色といい何か共通するものを感じます。
「星型ランプ」(マーブヤート 8~10世紀)

星なのかヒトデなのか分かりませんが、面白い形の容器。油を注いでランプにしたのでしょうか。
こちらは墓碑がずらりと並ぶコーナー。

イスラームとなってからはアラビア文字が公式な文字となって広まったこともあり、ここにあった墓碑も似た文字が並んでいました(読めませんがw) 一部は絵と一体化するように書かれているのが見事です。
2階はこの辺りまでで、再び1階へ。
「預言者モスク、シリア扉のカーテン」(マディーナ)

こちらは実物を観ると大きさに圧倒されるカーテン。草花文や文字が流麗で、青字に金が映えます。これはこの展示の大きな見どころと言えそうです。
「カァバ神殿の扉」(マッカ オスマン朝時代1635~1636)

1930年代まで使われたという重厚感のある扉。これも実物は中々に歴史の重みを感じさせてくれます。
この辺には豪華なクルアーン(コーラン)などもありました。
<第5章 王国への道>
最後は現在のサウジアラビアに繋がるサウード家についてのコーナー。歴史は結構複雑で3度の征服で現在に至るようですが割愛。建国の歩みとアラブの生活が紹介されていました。
「コーヒーポット」(リヤド 19世紀)

非常に優美な形をしたコーヒーポット。煮出した後にカルダモンなどで香りづけするようです。コーヒー好きとしては飲んでみたいなあ。
この近くにはライフルや短銃、儀式用短剣、大砲の玉なんかも展示されていました。
ということで、日本では馴染みの薄いアラビア半島の古代史から現代史まで一気に俯瞰できるような内容となっていました。特に大型作品には驚かされたし、見るからに貴重な品も多々あります。これを別料金なしで観られるというのは非常に得した気分です。これから仁和寺展などに行かれる方は、こちらも寄ってみると新しい発見が多いと思います。
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