関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

東京国立博物館の案内 【2018年02月】

今回も写真多めです。前回ご紹介した東京国立博物館 表慶館の展示を観た後、本館で常設を観てきました。写真も撮ってきましたのでそれをいくつかご紹介しようと思います。

 ※ここの常設はルールさえ守れば写真が撮れます。(撮影禁止の作品もあります)
 ※当サイトからの転載は画像・文章ともに一切禁止させていただいております。


つい先月に「博物館に初もうで」で観た内容と変わっていないものが多かったですが、以前に掲載していない作品をご紹介していこうと思います。今回は18時過ぎに行ったこともあって空いていて快適でした。

平櫛田中 「森の仙人」
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平櫛田中が再興院展に出品した作品。インドの聖者が「森の書」というバラモン教の文献を読んでいる姿だそうです。真剣な面持ちで知的な印象を受けました。流石の逸品。

十二代沈寿官 「色絵金襴手花卉文大瓶」
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1893年のシカゴ・コロンブス世界博覧会に出品された薩摩焼。金襴手様式の豪華な色絵ですが、気品のある細やかな文様が見事。左右で対になっているのも調和が取れていました。

濤川惣助 「七宝富嶽図額」
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反射が多くてすみません。こちらもシカゴ・コロンブス世界博覧会への出品作。七宝で作られているとは思えないくらい細やかな表現です。シカゴでは絵画として展示されたそうですが、見事過ぎて単なる絵画ではないことに気づかない観客も多いのではw

安田靫彦 「五合庵の春」
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ちょっと分かりづらいですが、中央下のあたりに庵が描かれ中に良寛さんがいます。家の前には子供もいて、良寛さんの人柄が伝わってきそうです。これは良寛の故郷を描いたそうで、安田靫彦は実際にこの地を訪れたのだとか。

高橋由一 「大久保甲東像」
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幕末の薩摩藩士で明治時代に政治家として活躍した人物の肖像。本格的な西洋絵画をいち早く習得した高橋由一らしい作風です。一見するとヨーロッパの貴族の肖像みたいな感じ。表情も生き生きしていました。

歌川豊国 「炬燵美人図」
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肉筆の美人図。こたつに入って読み物をする何気ない光景なのに色っぽい雰囲気があります。こたつの上には丸まった猫もいます。

歌川広重 「東都名所・金龍山雪景」
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金龍山というのは浅草寺のことです。2週間程前に東京では10cmを超える積雪がありましたが、歌川広重の頃にもこんなに降っていたようです。こんな雪なのに傘をさした人や参拝客で凄い賑わいで、静かな光景と対照的なのが面白かったです。

歌川広重 「井の頭の池弁財天の社雪の景」
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こちらは井の頭公園にある弁財天の雪景色。しんしんと雪が降り積もる情感溢れる光景です。手前の笠の人や足跡がとても良いアクセント。

月岡芳年 「雪月花の内・雪 尾上梅幸の岩倉の宗玄」
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歌舞伎の演目を描いた役者絵。雪景色を背景に鋭い目つきと独特の髪型が印象的。爪も長いしちょっと妖怪みたいに見えるけど、妖しい魅力がありました。

伝 聖武天皇 「賢愚経(大聖武)」
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今回の国宝室はこちらの作品。聖武天皇が賢人と愚者の説話を集めた「賢愚経」を写経したと伝わる品です。達筆すぎて本当に天皇が書いたの??と穿った勘ぐりをしてしまいますが、北魏時代の書体に似ているので帰化人による書写という説もあるようです。いずれにしても端正かつ力強い書で国宝に相応しい名品でした。

「図像抄」
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仁和寺展でこれと似た白描図を観たので気になりました。これも仏画や儀式の解説的な図像でしょうか??
 参考記事:仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ― 感想前編(東京国立博物館 平成館)

「男神坐像」
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こちらは大将軍神という平安京を護る方位神の像。ヒノキの一材で作られているそうで、着衣には朱彩も残っているようです。仏像とはまた違う神像独特の形式で、特に表情に威厳と精神性が感じられました。かなり見事な神像だと思います。

伝 本阿弥光悦 「左義長蒔絵硯箱」
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左義長というのは宮中に伝わる火祭りのことだそうで、扇子や短冊、古書などを提げて焼いたそうです。この蒔絵にも逆さになった扇や黒くなった扇らしきものも表されているのが分かるかな。翼を広げた鶴の姿や内側の花など華麗なモチーフもあって雅な雰囲気がありました。

近くには同じく伝 本阿弥光悦の「芦舟蒔絵硯箱」も展示されていました。

三浦助一・三浦弥之助 「模造 小桜黄返威鎧」
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こちらは山梨県甲州市の菅田天神社にある鎧の模造だそうで、父子によって作られたものです。模造であっても非常に端正で煌びやかで素晴らしい出来栄えでした。

銘 備前国包平 「太刀 古備前包平(名物 大包平)」
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刃文が見事な国宝の太刀。間近で観るとその大きさと共に凛としたオーラを感じます。

銘 大和則長 「太刀 尻懸」
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こちらの刃文は真っ直ぐな直刃で刃文の部分が細いのが特徴かな。天皇になる前の東宮時代の大正天皇に献上された品だそうです。

今回は刀剣の揃えが良くて、国宝の「短刀 相州行光」や「相州正宗」なども展示されていました。

伊能忠敬 「九州沿海図(小図)」
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こちらは伊能忠敬による九州の地図。見慣れない地形に見えるのは南北が逆転していたり欠けている部分がある為のようです。流石に現在ほどの精度ではないですが、歩いて測量したとは思えないほどの完成度です。

今回は北方領土の地図なんかも展示されていました。

横山松三郎 「興福寺南円堂」
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こちらは1872年(明治5年)に撮られた興福寺南円堂。現在の南円堂と見比べても同じように見えます。この辺はこうした明治時代の写真が並び、当時の様子を伝える貴重な資料となっていました。
 参考記事:阿修羅 天平乾漆群像展 【興福寺仮講堂】(奈良編)


ということで、今回も充実のコレクションとなっていました。特に浮世絵は雪景色の多い季節にあった展示で面白かったと思います。仁和寺展などに行かれる際には常設も是非チェックしてみてください。


 参考記事:
   東京国立博物館の案内 【建物編】
   東京国立博物館の案内 【常設・仏教編】
   東京国立博物館の案内 【常設・美術編】
   東京国立博物館の案内 【2009年08月】
   東京国立博物館の案内 【2009年10月】
   東京国立博物館の案内 【2009年11月】
   東京国立博物館の案内 【秋の庭園解放】
   東京国立博物館の案内 【2009年12月】
   東京国立博物館の案内 【2009年12月】 その2
   東京国立博物館の案内 【2010年02月】
   東京国立博物館の案内 【2010年06月】
   東京国立博物館の案内 【2010年11月】
   博物館に初もうで (東京国立博物館 本館)
   本館リニューアル記念 特別公開 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館の案内 【2011年02月】
   東京国立博物館の案内 【2011年07月】
   東京国立博物館の案内 【2011年11月】
   博物館に初もうで 2012年 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館140周年 新年特別公開 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館の案内 【2012年03月】
   東京国立博物館の案内 【秋の庭園解放 2012】
   東京国立博物館の案内 【2012年11月】
   博物館に初もうで 2013年 (東京国立博物館 本館)
   東洋館リニューアルオープン (東京国立博物館 東洋館)
   東京国立博物館の案内 【2013年04月】
   東京国立博物館 平成25年度 秋の特別公開 (東京国立博物館)
   東京国立博物館の案内 【2013年12月】
   博物館に初もうで 2014年 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館の案内 【2017年08月】
   東京国立博物館の案内 【2017年09月】
   マジカル・アジア(前編)【東京国立博物館 東洋館】
   マジカル・アジア(後編)【東京国立博物館 東洋館】
   博物館に初もうで 2018年 犬と迎える新年 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館の案内 【法隆寺宝物館 2018年01月】
   東京国立博物館の案内 【2018年02月】
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■2011/9/29
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