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グレース・タン「Materials & Methods」 【ポーラミュージアム アネックス POLA MUSEUM ANNEX】

2週間ほど前に銀座界隈をめぐった際に、ポーラミュージアム アネックスで「グレース・タン Materials & Methods」という展示を観てきました。この展示は既に終わっていますが、撮影可能だったので写真を使ってご紹介しておこうと思います。

DSC01404_20180227234811bbd.jpg

【展覧名】
 グレース・タン「Materials & Methods」

【公式サイト】
 http://www.po-holdings.co.jp/m-annex/exhibition/archive/detail_201801.html

【会場】ポーラミュージアム アネックス POLA MUSEUM ANNEX
【最寄】銀座駅

【会期】2018年1月19日(金)~2月18日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間20分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この展示はマレーシア生まれのシンガポールの女性アーティストであるグレース・タン氏の個展となっています。この規模の展示は日本初ということで私も知らなかったのですが、この展示では初期から最新までの代表作35点が並んでいました。前述したように撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

展覧会の中にはこんな感じで小部屋がありました。
DSC01348_201802272348585e7.jpg
マテリアルラボと書いてありますが、確かに実験室みたいな感じ。

こちらは地層のように様々な素材が積み重なっている作品。
DSC01353.jpg
解説によると地球上の素材・顔料と構造方法を探る作品とのことですが、ちょっとその意味が理解できなかったかなw しかし1つの要素を反復するという手法はこの後の作品とも共通しているように思います。

こちらはタグやピンを重ねて作った作品。
DSC01345_20180227234857058.jpg
これだけ観ると単に沢山のタグを並べたように見えますが、この状態を観た上でこの先の作品を観ると一層楽しめます。

こちらが先程と同じタグを使って作られた作品。
DSC01357.jpg
まるで菊などの花束のように見えます。既製品の無機物が有機的に見えるのが非常に面白い。

近くで観るとこんな感じ。
DSC01358.jpg
やっぱりタグとピンですw 花のように見えるところも先程の素材を上手く組み合わせて作っているのが分かります。

こちらは無数のプリーツ(ひだ)のあるドレス。
DSC01401.jpg
華やかな見た目もさることながら、これはフィボナッチ数列の概念を元にしているようです。フィボナッチ数列はいわゆる黄金比であり自然の中にも観られる不思議な配列なので、無意識に美しさを感じるのかも。

こちらは非常に見事な円形の幾何学模様を織り込んだもの。
DSC01359_20180227234904aa3.jpg
2次元を3次元にする発想や、幾何学的な美しさが面白いです。

こちらも球体をパターンで作った作品。
DSC01362.jpg
よく見ると6角形を組み合わせています。6角形も自然の中に現れる形で、ハニカム構造と呼ばれ強度の高い構造として有名です。それが数学的な美しさをもって球体になっているのが面白い。

こちらは双曲幾何学という形を作品にしたもの。
DSC01380_20180227234907595.jpg
自然界ではウミウシやレタス、サンゴ礁などが双曲幾何学の形をしているようです。緑色なのはレタスっぽいかもw プリーツを使う辺りにはこの作家の個性も感じられます。

こちらは様々なプリーツが組み合わさってごっちゃになったような作品。
DSC01385.jpg
これは秩序と無秩序のバランスを表現しているようです。確かに個々のプリーツは秩序があるけど全体的には無秩序に見えるw


ということで、繰り返しや幾何学性を用いた作風が特徴のアーティストでした。黄金比と呼ばれるフィボナッチ数列なんかは元々アートと親和性が高い為か、絶妙なバランスで面白かったです。「美」の正体は自然の中にある数学的な調和を無意識に求めているのものなのかも?と思わせ、数列を読み解けば美を要素分解できるのではないか等と考えながら観ていました。
もう終わってしまいましたが、今後も活躍が期待されるアーティストなので、また見る機会を楽しみにしたいと思います。
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