関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

写真都市展 -ウィリアム・クラインと22世紀を生きる写真家たち- 【21_21 DESIGN SIGHT】

今日は写真多めです。前回ご紹介した21_21 DESIGN SIGHTの小展示を観た後、ギャラリー1・2で「写真都市展 -ウィリアム・クラインと22世紀を生きる写真家たち-」も観てきました。この展示は撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

DSC01665.jpg

【展覧名】
 写真都市展 -ウィリアム・クラインと22世紀を生きる写真家たち-

【公式サイト】
 http://www.2121designsight.jp/program/new_planet_photo_city/

【会場】21_21 DESIGN SIGHT
【最寄】六本木駅・乃木坂駅

【会期】2018年2月23日(金)~ 6月10日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
結構お客さんは多かったですが、鑑賞スペースが広いこともあって快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は20世紀を代表する写真家ウィリアム・クラインと現代の日本・アジアの写真家の展示となっていて、タイトルの通り次の世紀を見越したような斬新な写真が並んでいます。

まずウィリアム・クラインについてですが、写真家の顔以外にも画家や映画制作者としても活躍していたようで、短期間ながらフェルナン・レジェにも学んでいたようです。写真については正式な教育を受けていなかったようで、その作品は当初 祖国アメリカでは暴力的とさえ思われて歓迎はされていなかったそうです。しかしフランスでナダール賞を受賞するなど海外からは評価されたようで、やがて世界の大都市をテーマとした作品がベストセラーになっていったようです。この展示では前半にウィリアム・クライン関連の作品があり、後半はアジアの写真家たちの作品が並んでいました。詳しくは気に入った作品の写真を使ってご紹介していこうと思います。
 参考記事:Chic and Luxury -モードの時代-写真展 (ポーラミュージアム アネックス POLA MUSEUM ANNEX)

こちらがウィリアム・クラインの作品。
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都市のリアルを映し出すような感じでしょうか。眼差し印象的が印象的です。

こちらはぽっちゃりが進んだ御婦人たちの入浴でしょうか。
DSC01754.jpg
周りに赤・青・黄で枠を囲うように幾何学的かつ大胆なペインティングが施されているようでした。実験的で力強さがあります。

ウィリアム・クライン+TAKCOM
DSC01771.jpg
こちらはウィリアム・クラインの写真を使ってインスタレーションにした作品。先程の色をつけた写真を模した映像もありました。今の時代でも革新的な印象を受けます。

こんな感じで壁中に様々な写真が映し出されていきます。
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こちらの写真などは群衆のエネルギーが伝わってきそうな躍動感がありました。

ウィリアム・クライン関連の作品はそれほど多くなく、この後はその精神を受け継いでいるような現代の斬新な作品が続きます。

安田佐智種 「Aerial」
DSC01774.jpg
この方の作品は以前観た覚えがあります(アートフェアだったかな) ビルがまるでハリネズミのように見える独特な作風で、都市を独特な視点で観ている点はウィリアム・クラインとの共通点があるように思えました。

安田佐智種 「みち(未知の地)」
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こちらはかなりの大型作品で、東日本大震災の被災地で撮ってきたもののようです。所々欠けてる所もあって被災の痛みが感じられるようでした。

沈 昭良 「STAGE#7」
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この方は台湾の写真家で、台湾の名物の大型トラックステージを撮った写真が多く並んでいました。ポツンと明るいステージが浮かび上がる様子がどこかシュール。

沈 昭良 「STAGE#2」
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こちらもトラックステージの写真。道を塞ぐように展開されていますw こんな都市もあるんですね。アジア圏ならではの生命感があるように思います。

多和田有希 「Birth day」
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最早これが写真なのか絵画なのか分かりませんが、抽象的な作品で驚きました。

これは3層くらいのガラスに重ねているようで立体感があります。
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離れて観ると遠近感が生まれて独特の面白さがありました。

多和田有希 「Untitled」
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こちらも写真だけど写真を超えているような作品。東京から光が吹き上がるようなダイナミズムを感じました。

勝又公仁彦 「Panning of Days -Syncretism/Palimpseste- "5 Days"」
DSC01837.jpg DSC01839_20180315234521490.jpg
こちらは長時間露光して撮っているようで、光が重なり合って時間経過を閉じ込めたような写真。都市の慌ただしさを感じさせると共に不思議と温かみを感じました。都市の色々な側面が凝縮されているように思います。

勝又公仁彦 「Skyline"100600"」
DSC01842.jpg
こちらは打って変わって静かなモノトーンの世界。離れた高台から撮っているようですが、空が大きく取られていることもあって都市が小さく見えます。蜃気楼みたいでちょっと儚さも感じました。

須藤絢乃 「面影 Autoscopy」
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こちらは一見すると普通のポートレートですが、多国籍な人々をデジタル合成しているようです。ちょっと輪郭がダブって見えるのはそのためです。

そのうちの1枚をアップで撮ったもの。
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これだと分かりづらいですが所々にラメみたいなのが入っていてキラキラした感じがありました。外国人に見えるけどどこにもいなそうな顔立ち。

西野壮平 「Diorama Map」
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こちらは何枚もの写真を組み合わせて架空の視点からの都市の地図を作ったもの。かなり精密で空から撮ったものかと思いました。真実を写す写真ですが、繋ぎ合わすと架空のものも作れるという発想が面白いです。

石川直樹+森永泰弘 「Shishmaref, Alaska」
DSC01893.jpg
この2人の作品は寒そうな街の写真が多かったのですが、これは中々インパクトがありました。シロクマも敷物みたいにするんでしょうか。色々な文化がありますね。

石川直樹+森永泰弘 「Antarctica」
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これは南極を撮ったものだったと思います。酷く寒そうですが星マークはクリスマスの飾りなのかな? ちょっと詳細が知りたかった1枚。

この辺には壁面一杯に水島貴大 氏の作品が展示されていましたが撮影禁止でした。

通路には朴ミナ 氏の作品が並んでいました。
DSC01907.jpg
アクアリウムに来たみたいな雰囲気が出てるかな?w 実際、この場所はそんな空間となっていて、水の音なんかも聞こえます。

朴ミナ 「ブルーの形態」
DSC01910.jpg
青が綺麗で、人々が大きな水槽の前で興奮している光景のようです。水族館のワクワク感と神秘性がよく現れているように思いました。

藤原聡志 「Scanning #1」
DSC01912.jpg
こちらは中庭にあった作品。ちょっと分かりづらいですが、老人の横顔が表されていました。これも意図が難しいのでもうちょっと詳細が知りたかったw


ということで、写真であっても写真という固定観念を壊すような次世代を感じさせる作品ばかり並んだ展示でした。いずれの作家も個性豊かで、オリジナリティ溢れる作風だったので満足できました。会期は長めですので、六本木(特に国立新美術館やサントリー美術館)に行く機会がある方は、ここも一緒に訪れてみるのもよろしいのではないかと思います。

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