ベルギー王立美術館コレクション『ベルギー近代絵画のあゆみ』 【損保ジャパン東郷青児美術館】
この前、Bunkamuraでベルギー幻想美術館を観てきたのですが、ベルギー美術にも興味がわいてきたので、同じくベルギーがタイトルに入っている、ベルギー王立美術館コレクション『ベルギー近代絵画のあゆみ』も観に行ってきました。

【展覧名】
ベルギー王立美術館コレクション『ベルギー近代絵画のあゆみ』
【公式サイト】
http://www.sompo-japan.co.jp/museum/exevit/index.html
http://info.yomiuri.co.jp/event/01001/200904038395-1.htm
【会場】損保ジャパン東郷青児美術館
(東京会場は損保ジャパン東郷青児美術館ですが、既に色々と巡回してきたみたいです。)
【最寄】新宿駅
【会期】2009年9月12日(土)~11月29日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
※写真はコンパクトデジカメで撮影しました。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間45分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日15時頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
この展示は「ベルギーの歩み」ということで、ベルギーの画家の絵も多いのですが普通にフランスの絵などもあって、「ベルギー王立美術館コレクション」という面も確かに要素としてありました。一応、歴史順に並んでいたので今回も章ごとに気に入った作品をご紹介。
<第1章 バルビゾン派からテルヴューレン派へ:印象派の起源>
ベルギー展にきてバルビゾン派からスタートするとは思いもしませんでしたが、この辺は西洋絵画では重要な流れなので、自然と歴史を辿ると行き着くんでしょうね。
ジャン=バティスト=カミーユ・コロー 「セーヴルの高地、囲いのある牧草地」
高台の農地で牛と人がのんびりしている絵です。タイトル通り牧草地に囲いがあるのですが、ちょっと狭いw 背景には見晴らしの良い風景が広がり爽やかな感じでした。
コローはこれ以外にも「ファンプー沼の想い出、夜明け」という沼の周りの絵がありましたが、コロー展とかで観た絵に似てました。思い出シリーズかな。
イッポリート・ブーランジェ 「ディナンの眺め」
川の風景を描いています。川には島のようなような力強い岩山が描かれています。筆は細かいけれど、大きく取った空や岩山から雄大な感じがしました。
イッポリート・ブーランジェ 「聖ユベールのミサ」
教会とそこに集まる人々を描いた絵で、左のほうには湖も描かれています。しかし、教会はや人々は主役ではないようで、人々の顔は簡略化されていました。この絵の主役は「秋」の風景そのものという解説があり、なるほどと思いました。
カミーユ・ヴァン・カンプ 「フォンテーヌブローの森、カバの岩」
バルビゾン村のはずれにあるフォンテーヌブローの中の風景で、岩を描いています。カバの形ってことかな? 謎ですw 岩の上には赤い苔みたいなのが乗ってました。自然を愛している姿勢が伝わってきました。
テオドール・ルソー 「森のはずれ」
茜色に染まる空と、右に暗い森を描いています。森は神聖な感じで、暗いけれども細かく力強く描かれていました。自然への敬意を感じる作品でした。
<第2章 ベルギーのレアリスムから印象派へ>
このコーナーもヨーロッパ絵画の歴史みたいなコーナー名ですが、この前bunkamuraで観た、クノップフやロップスの絵もあって楽しめました。
アルフレッド・ステヴァンス 「外出の身支度」
室内で和傘?を持ったブルジョワ風の若い女性。白や水色の衣装と、ピンクの傘が優美さを増しているようでした。ちょっと傘が小さめで可愛いかも。
アンリ・ド・ブラーケレール 「アントウェルペンの水場の内部」
フランドル絵画からの影響を受けている作品のようで、細かく写実的に部屋の中と廊下が描かれています。左側の壁は金唐革かな?見事な装飾です。奥の廊下からは間接光が差し込んでいて光の表現も素晴らしかったです。
フェルナン・クノップフ 「フォッセ、モミの木の林」
幻想美術展のクノップフの作品にも神秘と静けさがありましたが、この作品も不思議な静けさがあります。林を描いた絵で、奥へと規則的に並んでいる木々が回廊の柱のように思えます。木の葉っぱは天井のようです。自然と奥へ奥へと目が行き、おぼろげな色彩もあって森の奥に吸い込まれていきそうな、妖しい幻想がありました。
ギュスターヴ・クールベ 「鹿の隠れ場所、プレジール=フォンテーヌの小川」
これはオルセー美術館にある大画面の作品を自ら縮小版として描いたものらしいです。この絵は彼の生まれ故郷オルナンの近くの風景で、小川のそばに3~4頭くらいの鹿が描かれています。周りのうっそうとた森が静かな雰囲気で、影の表現が美しい作品でした。 このコーナーの冒頭ではクールベが、羽根の生えた天使なんて観たことが無いと言って自然の風景を描いたという説明もありましたが、大画面の作品は神話や宗教画のみに許されていたのに風景画を描いたというクールベの革新性を説明していました。
フェリシアン・ロップス 「浜辺」
幻想美術展ではエロくて退廃的な印象を受けたロップスですが、こんな絵も描いていたんだ!?って思うような明るく光に満ちた作品でした。砂浜と人々がのんびりしている様子を描いていて、開放感がありました。 この作品は画家自身が自分の喜びのために描いたもので、人前には展示されなかったのだとか。 それで画風が違うんでしょうね。
<第3章 フランスの印象派と純粋な色彩>
このコーナーも印象派ぽい作品が多かったですが、ベルギー独自の路線を感じる作品もありました。
ギヨーム・ヴォーゲルス 「雪の夜」
この画家は40歳までは塗装工とかをしていたそうです。この絵は、ピンクと灰色が空を多い、雪道の白と相まって幻想的な絵でした。光が主体になっていて、輪郭がぼやけていますが、印象派とは違って、明るさよりも暗いベルギーの空を表現したかったらしいです。
アンナ・ボック 「ブルターニュの海岸」
モネの海岸の絵に似てるようなw 断崖絶壁の海岸を描いていて、硬そうな岩に光が当たっているのを感じる絵でした。
ジェニー・モンティニー 「冬の下校」
この作品は結構気に入りました。というかこの展覧会で収穫だったのが「光輝主義(リュミニスム)」という一派なのですが、この画家もその1人のようです。 沢山の子供が戯れている絵で、夕陽に近い空と子供の長い影が郷愁を誘います。子供の顔は簡略化されていて、筆の運びが早そうでした。
ジェームズ・アンソール 「バラの花」 ★こちらで観られます
今回のポスターの絵です。
アンソールも幻想美術展で観ましたが、その時はグロいイメージを受けましたw しかし、これまたアンソールのイメージが変わりそうな1枚で、 数々のバラが花瓶に入っている静物です。まるで夢の中のような神秘性を感じます。離れてみると優雅に見えますが、近くで観ると独特のタッチで異才を感じる気がしました。(そういう風に観ているからかもしれませんがw)
<第4章 ベルギーにおける新印象派>
ベルギーには「20人会」という芸術団体があったようで、そのメンバーによってスーラの「グランド・ジャット島の日曜日の午後」など新印象派の手法をベルギーに紹介されたようです。それによってブリュッセルは新印象派の中心地となっていったという説明もありました。
参考:スーラの「グランド・ジャット島の日曜日の午後」のwiki
テオフィル・ファン・レイセルベルヘ 「散歩」 ★こちらで観られます
大き目の点描で描かれている作品です。右を向いた4人の女性が描かれ、青みがかった白のドレスと背景の海の色が呼応するようで、爽やかな印象を受けました。
<第5章 光と親密さ>
このコーナーは結構気に入る作品がありました。エミール・クラウスら光輝主義(リュミニスム)は印象派とは違い、光の中で存在感を増すような表現を模索していたという説明がありましたが、その通りの絵が多かったです。
エミール・クラウス 「ロンドンの眺め、冬」
川を描いた作品。絵自体が輝いているんじゃないか!?ってくらい白く明るい光を感じます。薄い白みがあって、さらに水面の反射の光が強く描かれていました。神秘的です。
アルベルト・バールツン 「ゲントの夜」
運河のような川を描いています。所々にある灯が水面に映り、縦長の光の帯を作っていました。静けさを感じます。
ジョルジュ・ボイス 「夜明けの運河を進む平底船」
淡いオレンジに輝く空と、それを反射する川が描かれています。川には船がいて、周りには2羽の鳥が滑空している様子が描かれています。 光によって船の存在感が強まっていました。光輝主義はかなり好みかもw
アンリ・ル・シダネル 「黄昏の白い庭」
タイトルとちがって白くないですw むしろ全体的に緑です。長方形の庭が描かれ、淡い色使いの作品になっています。時間が止まったかのような雰囲気でした。
<第6章 フォーヴィスム>
前述の20人会は解散し、変わりに自由美学というのが設立されたそうで、フランスなどの新しい芸術のあらゆるものをベルギーに紹介していったそうです。その中には当然フォーヴィスムもあったようで、ベルギーでは「ブラバントフォーヴィスム」というフランドル絵画の影響を残した独自の発展を遂げたという説明がありました。
リク・ワウテルス 「鏡をみる青衣の夫人」
鏡に向かった女性を描いた絵です。 塗り残しの下地が見えて、絵は幾何学的な感じもするのでフォーヴというよりセザンヌの影響を感じます。色彩はフォーヴっぽい鮮やかさがあったかな。
ジャン・ヴァンデン・エコー 「庭にて」
これってフォーヴィスム? 印象派っぽいw 庭でくつろぐ女性と子供を描いています。光をさらに強調した感じでした。 隣に飾ってあった同じ画家のレモンの絵は全く画風が違って、濃くてべったりした感じの画風でした。
ピエール・ボナール 「逆行の中の裸婦」 ★こちらで観られます
ってかボナール??フランスだしナビ派じゃん?? と思いましたがあんまコーナーのことは気にしないことにしましたw 室内に裸婦の絵で、窓から差し込む光の中に立っていて、胸を張りピンとしていて存在感が凄いです。構図や部屋の内装も計算されている感じでした。これは素直にいい絵です。
ってことで、ベルギー独自の路線だけってわけではなかったですが、光輝主義のように面白い絵もあったので結構面白かったです。bunkamuraの展覧とセットで観るとより楽しめそうです。

【展覧名】
ベルギー王立美術館コレクション『ベルギー近代絵画のあゆみ』
【公式サイト】
http://www.sompo-japan.co.jp/museum/exevit/index.html
http://info.yomiuri.co.jp/event/01001/200904038395-1.htm
【会場】損保ジャパン東郷青児美術館
(東京会場は損保ジャパン東郷青児美術館ですが、既に色々と巡回してきたみたいです。)
【最寄】新宿駅
【会期】2009年9月12日(土)~11月29日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
※写真はコンパクトデジカメで撮影しました。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間45分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日15時頃です)】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
この展示は「ベルギーの歩み」ということで、ベルギーの画家の絵も多いのですが普通にフランスの絵などもあって、「ベルギー王立美術館コレクション」という面も確かに要素としてありました。一応、歴史順に並んでいたので今回も章ごとに気に入った作品をご紹介。
<第1章 バルビゾン派からテルヴューレン派へ:印象派の起源>
ベルギー展にきてバルビゾン派からスタートするとは思いもしませんでしたが、この辺は西洋絵画では重要な流れなので、自然と歴史を辿ると行き着くんでしょうね。
ジャン=バティスト=カミーユ・コロー 「セーヴルの高地、囲いのある牧草地」
高台の農地で牛と人がのんびりしている絵です。タイトル通り牧草地に囲いがあるのですが、ちょっと狭いw 背景には見晴らしの良い風景が広がり爽やかな感じでした。
コローはこれ以外にも「ファンプー沼の想い出、夜明け」という沼の周りの絵がありましたが、コロー展とかで観た絵に似てました。思い出シリーズかな。
イッポリート・ブーランジェ 「ディナンの眺め」
川の風景を描いています。川には島のようなような力強い岩山が描かれています。筆は細かいけれど、大きく取った空や岩山から雄大な感じがしました。
イッポリート・ブーランジェ 「聖ユベールのミサ」
教会とそこに集まる人々を描いた絵で、左のほうには湖も描かれています。しかし、教会はや人々は主役ではないようで、人々の顔は簡略化されていました。この絵の主役は「秋」の風景そのものという解説があり、なるほどと思いました。
カミーユ・ヴァン・カンプ 「フォンテーヌブローの森、カバの岩」
バルビゾン村のはずれにあるフォンテーヌブローの中の風景で、岩を描いています。カバの形ってことかな? 謎ですw 岩の上には赤い苔みたいなのが乗ってました。自然を愛している姿勢が伝わってきました。
テオドール・ルソー 「森のはずれ」
茜色に染まる空と、右に暗い森を描いています。森は神聖な感じで、暗いけれども細かく力強く描かれていました。自然への敬意を感じる作品でした。
<第2章 ベルギーのレアリスムから印象派へ>
このコーナーもヨーロッパ絵画の歴史みたいなコーナー名ですが、この前bunkamuraで観た、クノップフやロップスの絵もあって楽しめました。
アルフレッド・ステヴァンス 「外出の身支度」
室内で和傘?を持ったブルジョワ風の若い女性。白や水色の衣装と、ピンクの傘が優美さを増しているようでした。ちょっと傘が小さめで可愛いかも。
アンリ・ド・ブラーケレール 「アントウェルペンの水場の内部」
フランドル絵画からの影響を受けている作品のようで、細かく写実的に部屋の中と廊下が描かれています。左側の壁は金唐革かな?見事な装飾です。奥の廊下からは間接光が差し込んでいて光の表現も素晴らしかったです。
フェルナン・クノップフ 「フォッセ、モミの木の林」
幻想美術展のクノップフの作品にも神秘と静けさがありましたが、この作品も不思議な静けさがあります。林を描いた絵で、奥へと規則的に並んでいる木々が回廊の柱のように思えます。木の葉っぱは天井のようです。自然と奥へ奥へと目が行き、おぼろげな色彩もあって森の奥に吸い込まれていきそうな、妖しい幻想がありました。
ギュスターヴ・クールベ 「鹿の隠れ場所、プレジール=フォンテーヌの小川」
これはオルセー美術館にある大画面の作品を自ら縮小版として描いたものらしいです。この絵は彼の生まれ故郷オルナンの近くの風景で、小川のそばに3~4頭くらいの鹿が描かれています。周りのうっそうとた森が静かな雰囲気で、影の表現が美しい作品でした。 このコーナーの冒頭ではクールベが、羽根の生えた天使なんて観たことが無いと言って自然の風景を描いたという説明もありましたが、大画面の作品は神話や宗教画のみに許されていたのに風景画を描いたというクールベの革新性を説明していました。
フェリシアン・ロップス 「浜辺」
幻想美術展ではエロくて退廃的な印象を受けたロップスですが、こんな絵も描いていたんだ!?って思うような明るく光に満ちた作品でした。砂浜と人々がのんびりしている様子を描いていて、開放感がありました。 この作品は画家自身が自分の喜びのために描いたもので、人前には展示されなかったのだとか。 それで画風が違うんでしょうね。
<第3章 フランスの印象派と純粋な色彩>
このコーナーも印象派ぽい作品が多かったですが、ベルギー独自の路線を感じる作品もありました。
ギヨーム・ヴォーゲルス 「雪の夜」
この画家は40歳までは塗装工とかをしていたそうです。この絵は、ピンクと灰色が空を多い、雪道の白と相まって幻想的な絵でした。光が主体になっていて、輪郭がぼやけていますが、印象派とは違って、明るさよりも暗いベルギーの空を表現したかったらしいです。
アンナ・ボック 「ブルターニュの海岸」
モネの海岸の絵に似てるようなw 断崖絶壁の海岸を描いていて、硬そうな岩に光が当たっているのを感じる絵でした。
ジェニー・モンティニー 「冬の下校」
この作品は結構気に入りました。というかこの展覧会で収穫だったのが「光輝主義(リュミニスム)」という一派なのですが、この画家もその1人のようです。 沢山の子供が戯れている絵で、夕陽に近い空と子供の長い影が郷愁を誘います。子供の顔は簡略化されていて、筆の運びが早そうでした。
ジェームズ・アンソール 「バラの花」 ★こちらで観られます
今回のポスターの絵です。
アンソールも幻想美術展で観ましたが、その時はグロいイメージを受けましたw しかし、これまたアンソールのイメージが変わりそうな1枚で、 数々のバラが花瓶に入っている静物です。まるで夢の中のような神秘性を感じます。離れてみると優雅に見えますが、近くで観ると独特のタッチで異才を感じる気がしました。(そういう風に観ているからかもしれませんがw)
<第4章 ベルギーにおける新印象派>
ベルギーには「20人会」という芸術団体があったようで、そのメンバーによってスーラの「グランド・ジャット島の日曜日の午後」など新印象派の手法をベルギーに紹介されたようです。それによってブリュッセルは新印象派の中心地となっていったという説明もありました。
参考:スーラの「グランド・ジャット島の日曜日の午後」のwiki
テオフィル・ファン・レイセルベルヘ 「散歩」 ★こちらで観られます
大き目の点描で描かれている作品です。右を向いた4人の女性が描かれ、青みがかった白のドレスと背景の海の色が呼応するようで、爽やかな印象を受けました。
<第5章 光と親密さ>
このコーナーは結構気に入る作品がありました。エミール・クラウスら光輝主義(リュミニスム)は印象派とは違い、光の中で存在感を増すような表現を模索していたという説明がありましたが、その通りの絵が多かったです。
エミール・クラウス 「ロンドンの眺め、冬」
川を描いた作品。絵自体が輝いているんじゃないか!?ってくらい白く明るい光を感じます。薄い白みがあって、さらに水面の反射の光が強く描かれていました。神秘的です。
アルベルト・バールツン 「ゲントの夜」
運河のような川を描いています。所々にある灯が水面に映り、縦長の光の帯を作っていました。静けさを感じます。
ジョルジュ・ボイス 「夜明けの運河を進む平底船」
淡いオレンジに輝く空と、それを反射する川が描かれています。川には船がいて、周りには2羽の鳥が滑空している様子が描かれています。 光によって船の存在感が強まっていました。光輝主義はかなり好みかもw
アンリ・ル・シダネル 「黄昏の白い庭」
タイトルとちがって白くないですw むしろ全体的に緑です。長方形の庭が描かれ、淡い色使いの作品になっています。時間が止まったかのような雰囲気でした。
<第6章 フォーヴィスム>
前述の20人会は解散し、変わりに自由美学というのが設立されたそうで、フランスなどの新しい芸術のあらゆるものをベルギーに紹介していったそうです。その中には当然フォーヴィスムもあったようで、ベルギーでは「ブラバントフォーヴィスム」というフランドル絵画の影響を残した独自の発展を遂げたという説明がありました。
リク・ワウテルス 「鏡をみる青衣の夫人」
鏡に向かった女性を描いた絵です。 塗り残しの下地が見えて、絵は幾何学的な感じもするのでフォーヴというよりセザンヌの影響を感じます。色彩はフォーヴっぽい鮮やかさがあったかな。
ジャン・ヴァンデン・エコー 「庭にて」
これってフォーヴィスム? 印象派っぽいw 庭でくつろぐ女性と子供を描いています。光をさらに強調した感じでした。 隣に飾ってあった同じ画家のレモンの絵は全く画風が違って、濃くてべったりした感じの画風でした。
ピエール・ボナール 「逆行の中の裸婦」 ★こちらで観られます
ってかボナール??フランスだしナビ派じゃん?? と思いましたがあんまコーナーのことは気にしないことにしましたw 室内に裸婦の絵で、窓から差し込む光の中に立っていて、胸を張りピンとしていて存在感が凄いです。構図や部屋の内装も計算されている感じでした。これは素直にいい絵です。
ってことで、ベルギー独自の路線だけってわけではなかったですが、光輝主義のように面白い絵もあったので結構面白かったです。bunkamuraの展覧とセットで観るとより楽しめそうです。
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ベルギー王立美術館コレクション「ベルギー近代絵画のあゆみ」展に行って来ました。
【特別展】ベルギー王立美術館コレクション「ベルギー近代絵画のあゆみ」
9月12日(土)~11月29日(日)
展覧会が始まり間もなく伺ったに
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多分、年に70~100回くらい美術館に行ってると思うのでブログにしました。写真も趣味なのでアップしていきます。
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