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Re 又造 MATAZO KAYAMA|加山又造アート展 【EBiS303 イベントホール】

今日は写真多めです。先週の日曜日に恵比寿のEBiS303 イベントホールで「Re 又造 MATAZO KAYAMA|加山又造アート展」を観てきました。この展示は撮影可能(スマートフォンのみ可能)となっていましたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

DSC04719.jpg DSC04718.jpg

【展覧名】
 Re 又造 MATAZO KAYAMA|加山又造アート展

【公式サイト】
 https://rematazo.tokyo/

【会場】EBiS303 イベントホール
【最寄】恵比寿駅

【会期】2018年4月11日(水)~ 5月5日(土・祝)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間20分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は日本画の伝統に基づき革新をもたらした加山又造に関する内容となっています。しかし代表作を集めた個展というよりは、加山又造の作品を再解釈するような作品が多めで、実物よりも映像やインスタレーションが多く並んでいたように思います。詳しくは写真と共にご紹介していこうと思います。

こちらは倣北宋寒林雪山
20180422 152415
幽玄な雰囲気の出た作品ですが、マスキングやエアブラシを使った斬新な技法が使われています。

こちらは部分のアップ
20180422 152439
まるで龍の爪のような木々がうねるようで迫力がありました。

こちらは「狐」
20180422 152629
何かを警戒するような仕草で、筋肉にも緊張感がありました。

こちらは「猫」
20180422 152745
画面外に何か気になるものがあるのかな? 絵の外にも広がりを感じる面白いポーズです。

こちらは「おぼろ」 陶板の作品で、G7伊勢志摩サミットの首脳本会議場の前に飾られたそうです。
20180422 152556
周りは花びらが降るような演出となっていました。手前には花びらも転がっているというこだわりも。

こちらは雑誌「新潮」の表紙の原画
20180422 152827
この辺は琳派風に見えるかな。加山又造は中央公論の表紙なども手がけていて、いずれも季節感があります。
 参考記事:戦後日本画の山脈 第一回 (成川美術館)箱根編

こちらの表紙。
20180422 152907
この千鳥は「千羽鶴」でも観覚えがあるかな。デザイン化された花や波などが非常に雅な雰囲気です。
 参考記事:東京国立近代美術館の案内 (2013年09月)

こちらは「若い白い馬」
20180422 152928
1950年頃の作品。どこかキュビスム的な雰囲気もあって西洋画の研究の成果が見て取れます。

こちらは「月と縞馬」 ちょっと鑑賞者が映り込んじゃってますが…w
20180422 153011
こちらは1954年の作品で、やはりキュビスムやシュルレアリスムに影響を受けていたのが分かります。非常に斬新! 足の部分とか8本どころじゃないw

こちらは「夏の海・冬の濤」より「夏の海」
20180422 153045
琳派とキュビスムが融合したような勢いある波が見事。動きを感じます。

この辺には山種美術館の華扇屏風の複製などもありました。ここから先は複製が多くなってきます。

こちらは「黒い鳥」
20180422 153342
加山又造の作品にはよくカラスが出てくるイメージがあります。これは暗い中でぼんやり浮かぶように展示していて、たまにチカチカ光る演出をしていました。

この辺にはブリューゲル絵画を思わせる東京近代美術館所蔵の「冬」を元に、カラスたちを動かしたような映像もありました。
 参考記事:東京国立近代美術館の案内 (2010年12月)

こちらは「火の島」の複製
20180422 153548
この作品は盟友の横山操に「君の作品は内向的だ」と指摘され横山操の「炎炎桜島」に影響を受けて描いたそうです。こちらは複製ですが、強い色彩でほとばしるようなエネルギーが表現されています。

こちらは「黄山雲海」
20180422 153716
これも先程の作品と同じようにエアブラシを使ってるんじゃないかな。湿気を感じる画面に牧谿からの影響も感じます。

こちらは「春秋波濤」を元にした作品。
20180422 153916
3層になっていて、層と層の間を通ることもできます。でもこの作品は大好きなので久々に本物を観たかったw 記念撮影に良い場所かな。

こちらは「風」 これは本物だったか複製だったか忘れましたw
20180422 154412 20180422 154423
羽が半透明に見えるのは細い線が密集しているからで、近くで観ると非常に細かく描かれているのが分かります。

最後の方の大広間では天龍寺の「雲龍図」(左)と身延山久遠寺の「墨龍」(右)の再現がありました。
20180422 160022 20180422 160036
これは流石に普通の展覧会では観られない品なので、ありがたいかもw いずれも加山又造がすべての技術をつぎ込んだ傑作です。

この部屋の映像ではその制作の様子なども流しています。
20180422 155618
エアブラシをかけるなんて日本画の常識をぶち破る革新ですね。

こちらは「黒い薔薇の裸婦」を元にした映像作品。
20180422 160126
女性たちがたまに動く映像となっていました。これも本物自体がすごく面白い作品なので、逆にストレスが溜まるw 本物が観たいんじゃ!w
 参考記事:東京国立近代美術館の案内 (2011年12月)


ということで、加山又造の作品を元にした映像やインスタレーションが中心と言った感じでした。色々頑張っているのだとは思いますが、本物が少なく重要な傑作は複製だったりするので入場料2000円というのは高すぎる気もします。 面白くなかった訳ではないのですが、加山又造の作品が大好きなだけにちょっと物足りないかったというのが正直なところです。別にエンタメを求めているわけじゃないんだけどなあ
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