関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

【府中市美術館】の常設 (2018年06月)

前回ご紹介した府中市美術館の特別展を観た後、常設展も観てきました。今回は「江戸時代から現代まで 時代を映すイメージの旅」という内容となっていました。

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【展覧名】
 江戸時代から現代まで 時代を映すイメージの旅
 小特集 版画で描かれた都市の風景

【公式サイト】
 https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/jyosetu/ichiran/h30.html

【会場】府中市美術館
【最寄】京王線府中駅

【会期】2018年5月19日(土)~9月2日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間40分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、今回の常設は「江戸時代から現代まで 時代を映すイメージの旅」ということで、江戸から現代まで様々な作品が並んでいました。油彩と木版が中心かな。見覚えのある作品も多いですが、気に入った作品をいくつかご紹介していこうと思います。
 参考記事:
  府中市美術館の常設 (2012年04月)
  府中市美術館の常設 (2011年10月)
  府中市美術館の常設 (2011年03月)
  府中市美術館の常設 (2010年10月)

亜欧堂田善 「甲州猿橋之眺望」
こちらは久々に観た気がします。有名な猿橋を描いた作品で、段々に板を繋げて緩い弧を描くような構造となっています。江戸時代の作品ですが洋画風となっていて、遠近感も使われています。富士山の頭らしきものも描かれていて名所的な感じになっていました。しかしこの絵は実際の光景とは違っているようなので、想像で描いているのかも。

五百城文哉 「小金井の桜」
こちらは橋の上を日傘を指して歩く着物の女性たちが描かれ、右の方には茶屋らしき店もあります。店前で腰掛けて寛いでいる様子がのんびりしていて、うっすらと桜も咲いて春のお花見のようです。伸びやかで当時の様子が伝わってくる作品でした。

近くには吉田博の大型作品もありました。

中西利雄 「競馬場」
こちらは競馬場の建物を描いた水彩です。手前に白い柵の道が描かれていて、軽やかな色彩と構図が面白く建物も瀟洒な雰囲気です。競馬場のある府中に相応しいコレクションかな。これもだいぶ久々に観られて満足でした。

この少し先には松本竣介の素晴らしい小品もありました。

椿貞雄 「晴子像」
こちらは真正面を向いたオカッパの女の子を描いた作品です。赤い服を着て頬と唇も赤く染まっていて、大きな瞳と真っ黒な髪と対照的な色使いとなっています。可愛らしいけど無表情なのがやや怖いw 主題や画風に先生だった岸田劉生に似たもの(ちょっとルオーにも通じる感じもあるかも)を感じますが、独自の路線で力強い印象の作品となっていました。

藤野龍 「競馬」
奥に茶色い馬、手前に白い馬に乗った白い服の騎手が描かれた作品です。共に併せ馬の状態で野原を走っている様子で、足が閉じてちょうど馬が宙に浮いているように見える姿勢となっています。躍動感と疾走感溢れる画面で、ざらついたマチエールと大胆な筆致となっていました。大型で見栄えのする作品です。

瑛九 「真昼」
青・黄色・緑・オレンジ・赤などの長方形や多角形みたいなものが無数に並んだ抽象画です。それでも一定のパターンのようになっていて、模様のようにも見えるかな。何故か中央から外に向かって伸びていくような流れを感じられるのも面白い作品でした。
 参考記事;
  生誕100年記念 瑛九展 (埼玉県立近代美術館)
  生誕100年記念 瑛九展-夢に託して (うらわ美術館)

赤瀬川原平 「千円札印刷作品1・2・3・4」
こちらは昔の聖徳太子の千円札を実物大にコピーした作品で、個展の案内に使われたものです。そんなことして良いの?って感じですが、勿論駄目で捕まりましたw 通貨及証券模造取締法違反に問われ1965年に起訴され、裁判では美術界が一丸となって弁護しましたが有罪となったそうです。そりゃ見るからにこれはアウトだろ…と思うこと請け合いですw レディ・メイドはあまり感心しませんが、これは美術とは何か?という線引について美術界にも司法界にもインパクトを残した作品です。
 参考記事:モダンアート再訪ーダリ、ウォーホルから草間彌生まで 福岡市美術館コレクション展 (埼玉県立近代美術館)

この辺は大型の抽象画などが並んでいました。

[小特集 版画で描かれた都市の風景]
こちらの特集では版画作品で都市生活の様子を紹介していました。

小林清親 「お茶の水螢」
暗い闇夜の中に明かりの灯った屋形船が浮かび、周りは暗い木々が鬱蒼としています。しかし、所々にホタルの群れが光っていて、非常に叙情的な光景となっていました。昔は御茶ノ水にもホタルがいたのかな? 浮世絵とはまた違った情趣溢れる版画です。

竹田源太郎 「新宿駅」
こちらはカラーの版画で1971年頃の新宿駅前を描いた作品です。人でごった返していて、車も渋滞しているのは今と変わらないかも。全体的にデフォルメされているのですが、人の喧騒がよく伝わってきて建物は遠くが霞んでいるなど、写実的な要素もあります。この隣には同じ作者の「階段」という作品もあり そちらも面白い作品だったのでもっと作品を観たくなる作家でした。

この後、牛島憲之の常設も見ました。こちらはそれほどいつもと変わっていない気がしますが、今回は「人工物のある風景」というサブタイトルで、建物などがモチーフになっている作品が並んでいました。こちらもいい作品が多いので見ごたえがあります。


ということで、今回も常設も楽しんできました。ここは特別展だけでなく常設も地域ならではの独自性があって面白いので、特別展を観る際には是非セットで訪れておきたいところです。

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