美しの和紙-天平の昔から未来へ- 【サントリー美術館】
前の記事がフジフイルムの記事だったので、同じミッドタウン内にあるサントリー美術館の「美しの和紙-天平の昔から未来へ-」も合わせてご紹介します。
会期中に6回の展示替えがあるようですが、私が行ったのは4番目の会期でした。そしていつものように年間館員証(レギュラー)を使って入りました。(参考:年間館員証について)

【展覧名】
「美しの和紙-天平の昔から未来へ-」
【公式サイト】
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/09vol05/index.html
【会場】サントリー美術館
【最寄】六本木駅/乃木坂駅
【会期】2009年9月19日(土)~11月3日(火・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間15分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日17時半頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
美術展というよりは博物展といった感じだったかな?というのが率直な感想で、ミーハーな私が心底感動するような作品は特に無かったのですが、今後の美術鑑賞に役立ちそうな情報が多い展示でした。空いていて静かに鑑賞できたのも好印象です。メモを取ってきたので、いくつか簡単にご紹介します。
<第1章 和紙の成り立ちと展開>
このコーナーはその名の通り、かなり古い時代の和紙を使った書が多かったかな。
「東大寺修二会(お水取り)椿の造り花」 ★こちらで観られます
これは入口に飾られていた、現代の作品です。 有名な東大寺のお水取りの儀式に備えられる和紙の造花で、修行の一環として僧侶達が作ったものらしいです。色鮮やかで可憐な椿の様子が伝わるような造花でした。隣には薬師寺の造花もありました。本物のようによくできていました。
「筑前国嶋郡川辺里戸籍断簡 」
正倉院に伝わる飛鳥時代の戸籍。当時の戸籍は3つ同じものを作って、30年たつと廃棄していたそうですが、この頃紙は貴重なものであったので、裏紙として使用され裏には何か別のことが書かれていました。戸籍とか裏紙とか、妙に現実味がありますw
「紫紙金字金光明最勝王経巻第三」
茶色っぽい和紙に金の字で国分寺に納めるお経が書かれていました。見事な字で、厳格な感じでした。
「絵因果経巻第二上(六十二行)」
上下2段になっている巻物です。下の段には釈迦の一生を書いたお経が書かれ、上の段にはそれをイラストにした挿絵があります。絵巻物の原型らしいです。1000年以上前のものですが、保存状態が良くて赤い服を着た人たちが特に鮮やかに描かれていました。和紙だからこその保存状態なのだとか。
「紺紙金銀字交書経賢劫経 巻7・巻8」
行ごと交互に金字と銀字が使われている写経です。さらに1行17文字で統一されているうえ非常に美しい字なので整然としています。巻頭には仏達が座している様子がやはり金と銀で描かれていました。1度も間違えないで描いたのかな?? 脅威です。今年の3月に世田谷美術館で「平泉~みちのくの浄土展」で観たお経もこんな感じだった記憶が…。
「法華経法師功徳品(久能寺経)」
金箔が貼りつくされた感じのお経。細かい絵が描かれていて、絢爛な感じでした。
<第2章 祈りの造形>
このコーナーは古今の品々が並び、神仏への祈りに使われた和紙が紹介されていました。
「春日若宮おん祭田楽座御幣(金剛御幣)」
突如置いてある全長3mにもなる大きな御幣(ごへい) 御幣というのは神主さんが持ってる、棒の先にジグザグの紙がついているあれです。これは黒い漆の棒(柱みたいですがw)に緑や紫の折り紙のようなものが釣り下がっていました。御幣はこうした白以外もあるそうです。とにかく大きくてどう使うのか疑問でした。
「石清水八幡宮 供花神饌」
紙でできた木、花、鳥、動物などの模型。色鮮やかで柔らか味のある模型で、優美な感じでした。特に紅葉や竹の作品が好みだったかな。
「散華(額入り)」
金の散華。散華(さんげ)というのは仏を迎えるために場を清めるために使うもので、元々は蓮の葉っぱを使っていたようです。水車や朝顔、鳳凰など細かく美しい絵が描かれていました。水車には絵に合わせて穴が開いていました。投げて使うのに芸が細かい!
「東大寺修二会(お水取り)紙衣」
これも東大寺のお水取りで使われるもので、紙でつくられた着物です。厚手の和紙をコンニャク糊で練って作るらしいです。軽くて肌触りは布みたいな感じと説明がありました。服まで作れるのは和紙ならではなのでは??
<第3章 和紙の伝統を繋ぐひとびと>
このコーナーは和紙を作る人や技術にスポットを当てたコーナーでした。博物館っぽさが一番強いコーナーかも。
「百工比照(紙類)」
百工=工芸全般、比照=比べる という意味で、様々な和紙の見本が一気に並んでいました。全部開くと317種類もあるそうです。これは貴重な資料として使われていたそうで、一言で和紙といってもかなり種類があるのが一目瞭然でした。
「職人尽図屏風」
六曲四隻の屏風。1つずつに様々な職人(仏師や鎧職人などなど)が描かれていました。紙職人も真ん中くらいにいたかな。昔から職人が和紙などの文化を守り伝えてきた証拠みたいな作品でした。
「職人尽図絵巻」
水平に道が描かれ、そこを往来する人々(天秤を担いでいる人や、秤をもっている人など様々)が描かれています。奥には刀屋と造り花の店がかかれていました。造り花は普通に街で売られていたものなんですね。昔から愛されている様子がよくわかりました。
「石州半紙漉き具(漉き桁・漉き簀)」
紙をすく道具です。2つの取っ手が付いた木枠で縦50cm×横1.5mくらいかな(だいぶ怪しい目算ですw) かなり大きな面積で、これを揺らして紙を均一に仕上げるのは相当神経を使いそうでした。
国東治兵衛著 請中庵丹羽桃渓谷画 「紙漉重宝記」
紙すきの様子を絵と解説で事細かに書いた本です。江戸時代には紙の需要も増えて、大量生産する必要があったらしく、こうした詳細なマニュアルがその生産に寄与したようです。1つの動作にも色々と解説があってかなり実用的な本のようでした。
イサム・ノグチ 「2mのあかり」
このイサム・ノグチの作品は結構好きな感じです(今までの流れから唐突な感じですがw) 直径2mの提灯のような本体を3m四方の木枠で囲っています。シンプルながらもセンスの良さを感じる作品でした。どうやらこの作品には平和への祈りが込められているようです。
このイサム・ノグチの作品から3Fだったのですが、この作品を観た後、次の部屋に行く通路にはふすまの下張りの工程がわかる模型が展示されていました。また、壁も和紙で覆われていて間接的な光が降り注いでいました。
<第4章 暮らしを彩る和紙の世界>
このコーナーは和紙が生活に溶け込んでいた様子を伝えるコーナーで、江戸時代の風習は何でも和紙が絡んでる勢いでしたw
英一蝶 「吉原風俗図巻」
遊郭を描いた作品です。普通に英一蝶らしい素晴らしい絵なのですが、和紙をテーマに解説されていました。模様入りの襖や灯り障子が描かれていて、障子にはその向こうで宴会をしている人たちの影が映っていました。行灯などにも和紙が使われている様子がわかりました。昔はどこもかしこも和紙が使われていたんですね。
「箱提灯」
普通の提灯かなw この辺りには提灯の他に紙の服なんかもありました。 提灯は室町時代に中国から伝わったそうです。提灯がいつどこから伝わったのかとかそんなこと考えたこともなかったので1つ賢くなれたw
小林清親 「隅田川夜」
これも和紙と関係あるのかな? 夜の隅田川で佇む男女が描かれた絵です。男女の姿は影絵のようで、川の向こう岸の光は川に反射し縦に伸びています。この人の作風は「光線画」という手法らしく、淡い色彩の中で光、影、水などの 描写が繊細で癒される感じでした。
歌川広重 「即興かげぼうし尽」
今年の夏に開催されたbunkamuraの騙し絵展にもあったような影絵の指南書です。2つの影絵が紹介されていて、お釜と、吊り下げられた魚の影絵でした。障子に映った影と実際の格好がならんでいるのが可笑しくて面白いです。障子という和紙があってこその影絵なんですね。
「紙布羽織」
細くひも状に練って糸にした和紙を使って織った羽織です。軽くて丈夫で汗の吸収が良いので、夏服として着ていたようです。しかも洗ってもOKということで相当便利そう。しっかりと模様も入っていて実用的なだけでなくデザイン的でした。近くには小袖もあったかな。そんなに便利なら現代でもみんな着ればいいのにw
「葵鬘薔薇蒔絵結び文形文箱」
これも和紙と関係があるのかわかりませんでしたが、変わった形の蒔絵です。幾何学的な形で香合とか多かったかな。バラが描かれていて華やかでした。
「扇面流し図屏風」
川に豪華な扇を流している様子を描いた屏風。金地で、流れるような舞飛ぶような扇が華やかな雰囲気でした。
「雛形天の橋立」
現代で言えば通販カタログのような小袖の見本本を「雛形」といいますが、この展覧でも小袖と共に6冊ほど雛形もありました。 雛形には色はついてないのですが、これを観て当時の女性達は心ときめかせていたんでしょうね。
歌川広重・三代歌川豊国 「6双筆七湯廻 塔之沢」
浮世絵の描かれた団扇です。非常に明るく鮮やかに描かれていて、右半分にはキセルを持った美女、左半分には箱根塔之沢の湯治場が描かれていました。かなり好みでレプリカが欲しかったw
この展覧の一番最後に、触っても良い手漉きの和紙がテーブルをぐるりと囲っていました。色んな和紙があるのはこの展覧会でもわかったつもりでしたが、実施に触ってみると厚手のものから薄手のもの、つるつるしたものやザラザラしたものまで質感が違い、用途も千差万別のようでした。
ということで、和紙のことが色々わかる展覧でした。若干、何でもありだった気もしますが、日本の文化、特に美術において重要な役割を担う和紙を知る事ができたのは貴重な経験かなと思います。
会期中に6回の展示替えがあるようですが、私が行ったのは4番目の会期でした。そしていつものように年間館員証(レギュラー)を使って入りました。(参考:年間館員証について)

【展覧名】
「美しの和紙-天平の昔から未来へ-」
【公式サイト】
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/09vol05/index.html
【会場】サントリー美術館
【最寄】六本木駅/乃木坂駅
【会期】2009年9月19日(土)~11月3日(火・祝)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間15分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日17時半頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
美術展というよりは博物展といった感じだったかな?というのが率直な感想で、ミーハーな私が心底感動するような作品は特に無かったのですが、今後の美術鑑賞に役立ちそうな情報が多い展示でした。空いていて静かに鑑賞できたのも好印象です。メモを取ってきたので、いくつか簡単にご紹介します。
<第1章 和紙の成り立ちと展開>
このコーナーはその名の通り、かなり古い時代の和紙を使った書が多かったかな。
「東大寺修二会(お水取り)椿の造り花」 ★こちらで観られます
これは入口に飾られていた、現代の作品です。 有名な東大寺のお水取りの儀式に備えられる和紙の造花で、修行の一環として僧侶達が作ったものらしいです。色鮮やかで可憐な椿の様子が伝わるような造花でした。隣には薬師寺の造花もありました。本物のようによくできていました。
「筑前国嶋郡川辺里戸籍断簡 」
正倉院に伝わる飛鳥時代の戸籍。当時の戸籍は3つ同じものを作って、30年たつと廃棄していたそうですが、この頃紙は貴重なものであったので、裏紙として使用され裏には何か別のことが書かれていました。戸籍とか裏紙とか、妙に現実味がありますw
「紫紙金字金光明最勝王経巻第三」
茶色っぽい和紙に金の字で国分寺に納めるお経が書かれていました。見事な字で、厳格な感じでした。
「絵因果経巻第二上(六十二行)」
上下2段になっている巻物です。下の段には釈迦の一生を書いたお経が書かれ、上の段にはそれをイラストにした挿絵があります。絵巻物の原型らしいです。1000年以上前のものですが、保存状態が良くて赤い服を着た人たちが特に鮮やかに描かれていました。和紙だからこその保存状態なのだとか。
「紺紙金銀字交書経賢劫経 巻7・巻8」
行ごと交互に金字と銀字が使われている写経です。さらに1行17文字で統一されているうえ非常に美しい字なので整然としています。巻頭には仏達が座している様子がやはり金と銀で描かれていました。1度も間違えないで描いたのかな?? 脅威です。今年の3月に世田谷美術館で「平泉~みちのくの浄土展」で観たお経もこんな感じだった記憶が…。
「法華経法師功徳品(久能寺経)」
金箔が貼りつくされた感じのお経。細かい絵が描かれていて、絢爛な感じでした。
<第2章 祈りの造形>
このコーナーは古今の品々が並び、神仏への祈りに使われた和紙が紹介されていました。
「春日若宮おん祭田楽座御幣(金剛御幣)」
突如置いてある全長3mにもなる大きな御幣(ごへい) 御幣というのは神主さんが持ってる、棒の先にジグザグの紙がついているあれです。これは黒い漆の棒(柱みたいですがw)に緑や紫の折り紙のようなものが釣り下がっていました。御幣はこうした白以外もあるそうです。とにかく大きくてどう使うのか疑問でした。
「石清水八幡宮 供花神饌」
紙でできた木、花、鳥、動物などの模型。色鮮やかで柔らか味のある模型で、優美な感じでした。特に紅葉や竹の作品が好みだったかな。
「散華(額入り)」
金の散華。散華(さんげ)というのは仏を迎えるために場を清めるために使うもので、元々は蓮の葉っぱを使っていたようです。水車や朝顔、鳳凰など細かく美しい絵が描かれていました。水車には絵に合わせて穴が開いていました。投げて使うのに芸が細かい!
「東大寺修二会(お水取り)紙衣」
これも東大寺のお水取りで使われるもので、紙でつくられた着物です。厚手の和紙をコンニャク糊で練って作るらしいです。軽くて肌触りは布みたいな感じと説明がありました。服まで作れるのは和紙ならではなのでは??
<第3章 和紙の伝統を繋ぐひとびと>
このコーナーは和紙を作る人や技術にスポットを当てたコーナーでした。博物館っぽさが一番強いコーナーかも。
「百工比照(紙類)」
百工=工芸全般、比照=比べる という意味で、様々な和紙の見本が一気に並んでいました。全部開くと317種類もあるそうです。これは貴重な資料として使われていたそうで、一言で和紙といってもかなり種類があるのが一目瞭然でした。
「職人尽図屏風」
六曲四隻の屏風。1つずつに様々な職人(仏師や鎧職人などなど)が描かれていました。紙職人も真ん中くらいにいたかな。昔から職人が和紙などの文化を守り伝えてきた証拠みたいな作品でした。
「職人尽図絵巻」
水平に道が描かれ、そこを往来する人々(天秤を担いでいる人や、秤をもっている人など様々)が描かれています。奥には刀屋と造り花の店がかかれていました。造り花は普通に街で売られていたものなんですね。昔から愛されている様子がよくわかりました。
「石州半紙漉き具(漉き桁・漉き簀)」
紙をすく道具です。2つの取っ手が付いた木枠で縦50cm×横1.5mくらいかな(だいぶ怪しい目算ですw) かなり大きな面積で、これを揺らして紙を均一に仕上げるのは相当神経を使いそうでした。
国東治兵衛著 請中庵丹羽桃渓谷画 「紙漉重宝記」
紙すきの様子を絵と解説で事細かに書いた本です。江戸時代には紙の需要も増えて、大量生産する必要があったらしく、こうした詳細なマニュアルがその生産に寄与したようです。1つの動作にも色々と解説があってかなり実用的な本のようでした。
イサム・ノグチ 「2mのあかり」
このイサム・ノグチの作品は結構好きな感じです(今までの流れから唐突な感じですがw) 直径2mの提灯のような本体を3m四方の木枠で囲っています。シンプルながらもセンスの良さを感じる作品でした。どうやらこの作品には平和への祈りが込められているようです。
このイサム・ノグチの作品から3Fだったのですが、この作品を観た後、次の部屋に行く通路にはふすまの下張りの工程がわかる模型が展示されていました。また、壁も和紙で覆われていて間接的な光が降り注いでいました。
<第4章 暮らしを彩る和紙の世界>
このコーナーは和紙が生活に溶け込んでいた様子を伝えるコーナーで、江戸時代の風習は何でも和紙が絡んでる勢いでしたw
英一蝶 「吉原風俗図巻」
遊郭を描いた作品です。普通に英一蝶らしい素晴らしい絵なのですが、和紙をテーマに解説されていました。模様入りの襖や灯り障子が描かれていて、障子にはその向こうで宴会をしている人たちの影が映っていました。行灯などにも和紙が使われている様子がわかりました。昔はどこもかしこも和紙が使われていたんですね。
「箱提灯」
普通の提灯かなw この辺りには提灯の他に紙の服なんかもありました。 提灯は室町時代に中国から伝わったそうです。提灯がいつどこから伝わったのかとかそんなこと考えたこともなかったので1つ賢くなれたw
小林清親 「隅田川夜」
これも和紙と関係あるのかな? 夜の隅田川で佇む男女が描かれた絵です。男女の姿は影絵のようで、川の向こう岸の光は川に反射し縦に伸びています。この人の作風は「光線画」という手法らしく、淡い色彩の中で光、影、水などの 描写が繊細で癒される感じでした。
歌川広重 「即興かげぼうし尽」
今年の夏に開催されたbunkamuraの騙し絵展にもあったような影絵の指南書です。2つの影絵が紹介されていて、お釜と、吊り下げられた魚の影絵でした。障子に映った影と実際の格好がならんでいるのが可笑しくて面白いです。障子という和紙があってこその影絵なんですね。
「紙布羽織」
細くひも状に練って糸にした和紙を使って織った羽織です。軽くて丈夫で汗の吸収が良いので、夏服として着ていたようです。しかも洗ってもOKということで相当便利そう。しっかりと模様も入っていて実用的なだけでなくデザイン的でした。近くには小袖もあったかな。そんなに便利なら現代でもみんな着ればいいのにw
「葵鬘薔薇蒔絵結び文形文箱」
これも和紙と関係があるのかわかりませんでしたが、変わった形の蒔絵です。幾何学的な形で香合とか多かったかな。バラが描かれていて華やかでした。
「扇面流し図屏風」
川に豪華な扇を流している様子を描いた屏風。金地で、流れるような舞飛ぶような扇が華やかな雰囲気でした。
「雛形天の橋立」
現代で言えば通販カタログのような小袖の見本本を「雛形」といいますが、この展覧でも小袖と共に6冊ほど雛形もありました。 雛形には色はついてないのですが、これを観て当時の女性達は心ときめかせていたんでしょうね。
歌川広重・三代歌川豊国 「6双筆七湯廻 塔之沢」
浮世絵の描かれた団扇です。非常に明るく鮮やかに描かれていて、右半分にはキセルを持った美女、左半分には箱根塔之沢の湯治場が描かれていました。かなり好みでレプリカが欲しかったw
この展覧の一番最後に、触っても良い手漉きの和紙がテーブルをぐるりと囲っていました。色んな和紙があるのはこの展覧会でもわかったつもりでしたが、実施に触ってみると厚手のものから薄手のもの、つるつるしたものやザラザラしたものまで質感が違い、用途も千差万別のようでした。
ということで、和紙のことが色々わかる展覧でした。若干、何でもありだった気もしますが、日本の文化、特に美術において重要な役割を担う和紙を知る事ができたのは貴重な経験かなと思います。
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この展覧会をかなり前から楽しみにしていたのに...
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多分、年に70~100回くらい美術館に行ってると思うのでブログにしました。写真も趣味なのでアップしていきます。
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