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写真ほど素敵な商売はない!「言葉を超えた写真家 富山治夫 『現代語感』」 【FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)】

10日ほど前の日曜日に六本木のミッドタウン内にあるFUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)で写真歴史博物館 企画写真展 写真ほど素敵な商売はない! 「言葉を超えた写真家 富山治夫 『現代語感』」を観てきました。

DSC03267.jpg

【展覧名】
 写真歴史博物館 企画写真展
 写真ほど素敵な商売はない! 「言葉を超えた写真家 富山治夫 『現代語感』」

【公式サイト】
 http://fujifilmsquare.jp/detail/18080104.html

【会場】FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)
【最寄】六本木駅/乃木坂駅

【会期】2018年8月1日(水)~10月31日(水)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間15分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_②_3_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
空いていて快適に観ることが出来ました。

さて、この展示は富山治夫という1960年代に活躍した写真家の個展となっています。タイトルにもなっている『現代語感』は『朝日ジャーナル』誌で富山治夫が連載していたシリーズで、「過密」をテーマにしたものだったらしく、今回の展示でもそのような作品が何点かあります。連載のエッセイには後のノーベル賞作家の大江健三郎なども寄稿していたようで、飛躍的な高度経済成長時代への風刺なども込められているようです。今回はそうした『現代語感』の中から、1998年に自選して制作したオリジナル・プリントが並んでいました。25点程度なので点数は少なめですが、面白い写真ばかりでしたので、気に入った作品をいくつかご紹介していこうと思います。


富山治夫 「過密」 ★こちらで観られます
こちらは今回のポスターにもなっている作品です。路面電車の駅にぎっしりと沢山の人たちが並んでいて、まさに過密状態となっています。高度経済成長時代の猛烈さ・過酷さを感じると共に、周りの道路は空いているのがシュールな雰囲気にも思えました。服装や町並みも時代を感じさせます。

富山治夫 「同居」
こちらは様々な種類の犬が室内に10匹くらいいて、2話にも3~4匹程度いるのが写っています。部屋でメガネのお婆さんが面倒を観ていますが、ちょっと犬たちに圧倒されるようなw やんちゃな犬たちで収集つかないような光景となっていました。完全に犬屋敷ですw

富山治夫 「愁訴」
こちらは街角の占い師が沢山並ぶ様子が写っていて、手前の老人に手相を観てもらう女性が目を引きます。上目遣いでじっと伺っているのですが、やや恨みがましい目がちょっと怖いw 暗い顔ですがるような負のオーラに満ちていました。ひと目で状況が分かる写真で、確かに言葉を超えています。

富山治夫 「連帯」
こちらはお堀に架かる橋の欄干に等間隔に並ぶ10組くらいのカップルを撮った写真です。多分、有名なデートスポットなのだろうと思いますがお互いに干渉しないように同じくらいの距離を暗黙の了解で開けているのが面白いです。抱き合ったりキスしたり、2人の世界に浸っているようで周りに気遣っているようでもある奇妙な一体感・連帯感がありました。

富山治夫 「東大」
こちらは3つの窓からヘルメットをかぶった人たちが外を観ている様子が撮られた写真です。どうやら学生運動の時の東大のようで、ガラスは破れてカーテンも破れ落ちるなど廃墟みたいな雰囲気でした。最高学府が暴力で荒らされるような時代の空気が感じられました。

富山治夫 「交通戦争」
こちらは片側4車線の幅の広い道路を撮ったもので、信号待ちの車でぎっしり渋滞しています。中央辺りには横断歩道があり、そこにも狭い歩道に大勢の人が行列しているなど正に交通戦争さながらの様相となっていました。今ではあまり聞かなくなったワードですが、昔は深刻な社会問題だったんですね。ちょうど今のアジア諸国を観ているような…。 同じタイトルで顎に器具を付けて体を伸ばす治療?をしている写真もあり、事故も多かったのだろうと思わせました。

富山治夫 「誕生」 ★こちらで観られます
こちらは15人くらいの赤ちゃんたちが畳に雑魚寝している様子が撮られた写真です。くっついたり蹴りが入っていたり、めちゃくちゃに並んでいて泣いている子もいます。扱いが雑な気がしますが、今よりも子どもたちが沢山いる時代のエネルギーのようなものを感じました。良くも悪くも緩い時代ですねw

富山治夫 「許容」 ★こちらで観られます
こちらは満員電車を頭の上から撮った写真で、水晶玉か魚眼のように円形状に歪んでいます。スーツ姿の男性で隙間なく埋まっていて、非常に苦しそう…。1人だけ上を観ていてカメラに気づいたのかな? 心なしか恨めしそうな顔に見えます。 許容というタイトルですが、こんな過密は私には許容できないですw


ということで、1960年代の熱気と狂気が詰まったような写真となっていました。私はこの時代には生まれていないので当時の様子は分かりませんが、今と当時ではだいぶ価値観も変わってきているような感じもしました。写真自体も非常に訴求力があって面白いので、六本木に行く機会があったらここに立ち寄ってみるのもよろしいかと思います。(無料です)
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