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肉筆浮世絵と江戸のファッション(前期) 【ニューオータニ美術館】

先日の記事でご紹介したサントリー美術館に行く前に、永田町・赤坂見附近くのニューオータニ美術館(ホテルの中にあります)で「肉筆浮世絵と江戸のファッション(前期)」を観ていました。今回もぐるっとパスを使ったので入場券は買わずに済みました。
余談ですが、赤坂見附から六本木・乃木坂は地下鉄などでは直接いけませんが、20分おきに走っている100円のコミュニティバスを利用すると便利で、まとめて巡る際に重宝します。
 参考1:ホテルニューオータニ
 参考2:ぐるっとパス
 参考3:みなとコミュニティバス「ちぃばす」

P1080520.jpg P1080530.jpg


【展覧名】
 肉筆浮世絵と江戸のファッション

【公式サイト】
 http://www.newotani.co.jp/group/museum/exhibition/200910_ukiyoe/index.html

【会場】ニューオータニ美術館
【最寄】東京メトロ 赤坂見附駅・永田町駅
 

【会期】
  前期:2009年10月03日~2009年10月25日
  後期:2009年10月27日~2009年11月23日
 ※前後期で大幅な展示替えを行うようです。
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。


【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間45分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日16時頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
どうやら前期と後期で大きな入れ替えがあるようですが、前期・後期って一長一短だよな…。この規模の美術館は頻繁に来るわけではないので会期をわけるくらいなら詰め込んで欲しいw 私が行ったのは前期で、もうすぐ後期に入ってしまいますがせっかくなのでご紹介します。
この展覧会の主役はなんと言っても江戸のファッションです。絵画作品も当時の流行や先端の様式が分かるような内容でした。

不明 「舞踊図」  ★こちらで観られます
タイトルどおり小袖を着た女性が踊っている姿を描いた6枚セットの美人画です。多分、全部同じ人を描いてます。それぞれの小袖が違っていて、左から順に、孔雀、鳳凰、琴柱、龍、とんぼ、、郡鶴と幾何学模様 といった感じでした。また、踊りの仕草もそれぞれ違っていて面白いです。ちょっと保存状態が微妙なのが残念ですが艶やかな雰囲気のある作品でした。

宮川長亀 「遊君禿図」
振袖を着た遊女とお供(禿)を描いています。遊女の振袖は帯を境に上半身は桜、下半身は松葉の模様をしています、肩がめくれて中の赤い衣が見えていて、遊女は振り返ったポーズをしています。これぞ美人画!という作品でした。色鮮やかで好みです。

不明 「黒麻地蛇籠桜花文字模様帷子」
芳野川を読んだ歌を題材にした小袖です。簡略化された川の流れに半円状のカゴが置かれている様子が表現されています。一面に桜が描かれ背中の部分には金色の文字で何か書いてありました。(読めないけど漢字5文字かな。歌の内容?) 煌びやかで豪華な小袖でした。

伝 古山師政 「美人ほととぎす図」
これも遊女と禿を描いた美人画です。2人で画面外の左上の空を見上げています。画面の外に何があるのか分かりませんが、それが気になって絵の中に世界が広がっているような感覚を覚えます。月かな?と思いましたが月は頭上にあって、鳥(これがほととぎす?)も描かれていました。また、当時の着物の美しさもよく伝わってくる作品で、作品の前にある解説には雛形(小袖の見本本)の写しも展示されていました。

「袖」
水色の振袖で、袖から下半身の部分にかけて紫のかきつばたが描かれています。かきつばたは川の中にあるようで、根元あたりで白い渦を巻いていて、涼やかな川の流れを感じます。背中には金や赤の葉が描かれていました。 全体的に爽やかで風流な雰囲気の着物でした。

勝川春章 「立姿美人図」
白い衣に紫の小袖を着た美女が、裾の上に乗っかってきた白黒の猫を見おろしています、猫は裾を押さえてじゃれているようで、美人のあれっ?って顔が面白かったです。 ほかに目が行ったのが髪飾りだったのですが、昔は豪華なものが使われていた様子が分かります。

歌川国長 「美人立姿図」 ★こちらで観られます
大きな絵で、等身大かな。黒い着物の女性が振り返っている姿が描かれ、右手で裾をもち左手はチェック模様の帯に隠れています。つりあがった目で少し口をあけて後ろの人と何か話しているのかも? 唇がちょっと青いのは化粧でしょうか。 生き生きとした姿で当時の人の生活を垣間見れるような作品でした。

染分縮緬地唐松模様振袖
18世紀前半から腰から下しか模様のない「腰模様」という小袖が生まれたそうで、さらに年代が進むと裾しか模様がない「裾模様」というのが流行ったようです。これも裾と褄だけにしか模様がない小袖で、そこにオレンジの花が描かれている以外は鮮やかな紫色一色となっていました。シンプルな感じですが粋な心意気を感じます。そんな流行廃りがあったのも知らなかったので参考になりました。

伝 古山師政 「遊楽図」
広い家屋の中を描いた作品で呉服屋かな?と思ったのですが、実際のところはわかりません。中央に赤い着物を着た女性がいて、左隣の女性と話している様子です。中央の女性の着物は非常に明るい赤で派手な美しさがあります。また、右の方で蒔絵を持ってくる女性も描かれていて、その女性は茶色い着物を着ています。これは尾形光琳の描いた菊をモチーフにした「光琳模様」の着物らしいです。光琳模様は享保から元文にかけて大ブームになったらしく、相当の人気だったそうです。こうして何気なく作品の中にまで描かれているということは、かなり浸透していた流行だったのが伺えます。


懐月堂度辰 「美人図」 ★こちらで観られます
青地に菊丸模様の小袖を上着に、下着に紅白の染め分け地に蔓模様の小袖を着た美人です。非常にカラフルで友禅模様というらしいです。かんざしを直そうとして両手をあげる仕草や、輪郭の太さ、流れるような曲線など、優雅な雰囲気が漂っていました。これと全く同じ構図で着物だけ違う作品を観た記憶があるので、着物を主役に描いた作品なのかも?

黄雲 「合せ鏡図」
小袖を着た美人画です。小袖は水色地に真っ白な6羽の鶴が舞飛ぶ姿を描いています。女性はこちらに背中を向けて立っているのですが、手に持つ鏡で品の良い顔を観ることができます。肩から真っ赤な地に笹の葉みたいな模様の下の衣が見えていました。また、画面の右側には鏡台が置かれていたのでこれが合わせ鏡ってことかな。女性の身支度の様子が身近で、可愛らしい清純な感じでした。


また、これ以外にもサントリー美術館の記事でもご紹介した、小袖の「雛形」も10冊ほど展示されていました。細かく描かれていて、こんなの作れるの??ってのもありました。


という感じで、空いていたのでゆっくりと楽しむことができました。特に当時の流行や嗜好が分かったりしたのは面白かったです。(さらにこの後行ったサントリー美術館でも雛形や小袖を見ましたw) 予告やパンフレットを観る感じ、後期の方が面白そうな気がしますので後期に行ってみるのも手だと思います。

おまけ:赤坂見附からホテルニューオータニ最寄の出口に向かう途中、地下通路がプラネタリウムのようになっていました。(むしろカラオケボックス的な?w)
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