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片山東熊 【迎賓館赤坂離宮】(外観の写真 2018年9月)

今回は写真多めです。この記事で当ブログも2000回を迎えました。特にこれといってお祝いする訳でもないですが、今日はちょっと豪華に迎賓館赤坂離宮の写真をご紹介していこうと思います。

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 公式サイト:https://www.geihinkan.go.jp/akasaka/

さて、この迎賓館赤坂離宮は四ツ谷駅からほど近い所にある外国人の要人を迎える施設として有名だと思いますが、その前は紀州徳川家の江戸中屋敷があった場所で、明治の頃に皇室に献上されて仮皇居があった場所でもあります。そしてこの建物は元々は東宮御所(皇太子時代の大正天皇)としてジョサイア・コンドルの弟子である片山東熊が総力をあげて設計し建てられたのですが、豪華すぎる建物となった結果、質素倹約を旨とする明治天皇に「贅沢過ぎる」とバッサリ言われてしまったという過去がありますw その為、東宮御所としてはあまり活躍する機会がなく、大正天皇の時代には離宮となりました。(豪華すぎて住みづらいというのもあったようです) 皇太子時代の昭和天皇も数年間は住んでいたそうですが、戦後にそこに移り住むように提案を受けた際にはやはり贅沢だと拒否されていますw 一応、今上陛下も1945年から半年程度住んでいたようですが、戦後は空襲の被害や迷彩による汚損など結構ボロボロの状態で、天井からは雨漏りして壁や美術品も荒れ果てていたそうです。そして戦後はしばらくの間、国立国会図書館・裁判官弾劾裁判所・内閣憲法調査会・東京オリンピック組織委員会など様々な公館として使われてきました。ではその間はどこが迎賓館だったかと言うと、現在の東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)で、手狭になってきたことから1962年にようやく現在の建物を迎賓館にしようという閣議が決まりました。そして1968年からの大改修(村野藤吾が改修設計を担当)を経て1974年に迎賓館として生まれ変わり、その年の11月にアメリカのフォード大統領を最初の国賓として迎い入れました。ということで、明治時代からあるのに迎賓館になったのは結構最近だったりします。2009年には国宝指定され、期間限定で一般公開もされていたのですがハガキによる応募→抽選という中々高いハードルがあって、何度も落選した苦い記憶がありますw しかし2016年からは予約無しで期間も通年となったことで一気に見学しやすくなったので、今回初めて足を運んでみました。 残念ながら内観は撮影できませんが、外観は撮影可能でしたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。なお、私が行ったのは2018/9/22(土)で、この日だけ特別なプログラムもあったので、常設されていないものも当記事には含まれています。
 参考記事:建物公開 旧朝香宮邸物語 & 鹿島茂コレクション フランス絵本の世界 (東京都庭園美術館)

まず、この迎賓館は有名な表門が見学者用の入口ではなく、右側面の門から入っていきます。敷地内の首都高速4号線の地下高速道路を渡った辺りに検査所兼チケット売り場があり、チケットを買う前に手荷物検査とボディチェックを受けました。そこはちょっと撮影しませんでしたが、1人1人空港のようなチェックを受けます。チケット売り場の辺りにはトイレもありますが、プレハブのあまり綺麗ではないトイレで、迎賓館の中にはトイレは無いので、予め他で済ませてくるのが無難だと思います。

こちらは迎賓館の館内への入口。トンネルの先でチケットを渡します。
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内部は撮影禁止となっています。迎賓館は毎日公開している訳ではなく、公務で使われる日は勿論入ることができません。公式サイトで日程表を確認できるので、日程調べてから行くことをオススメします。また、和風別館というのも見学可能なのですが、そちらは予約必須です。
 参考リンク:参観ご希望の方へ

内部については次回 写真を使わずにご紹介しようと思いますので、今日はひたすら外観です。

先程の内部への入口から、まずは裏手の主庭に向かいました。これは側面から観た建物。
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ネオバロック様式の華美な建物となっています。この辺に生えてる松も非常に立派なので、そちらも見所。

こちらは裏手から観た様子。
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柱が何本も並ぶ様子からジョサイア・コンドルの旧岩崎邸のベランダを思い出しました。あれはコロニアル様式ですが、何となく趣味が似ている気がします。
 参考記事:旧岩崎邸の写真 その1

主庭の様子。
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大きな噴水があるのが特徴です。

花壇の花も綺麗に咲いていました。
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この季節だけ咲くのかな? 割とシンプルな庭で他に花はあまり無さそうでした。

真裏から見た様子。
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ここから観るとバロック建築のヴェルサイユ宮殿にも通じるものがあるかな。階段部分はちょっとフォンテーヌブロー宮殿を思い出しました。
 参考記事:
  【番外編 フランス旅行】 ヴェルサイユ宮殿
  【番外編 フランス旅行】 バルビゾン村とフォンテーヌブロー宮殿

前の写真の場所を振り返ると噴水があります。創建当時のままで、国宝指定を受けています。
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ちょっと分かりづらいですが、シャチや亀、下段にはグリフォンの姿が見えています。ここだけヨーロッパの宮殿が出現した感が凄いw

ぐるっと回って裏手の全体像をもう一度。
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まあヨーロッパの宮殿に比べるとそれほど大きくはないのですが、整然として心地よいリズム感があって観ていて飽きない設計です。

こんな感じで主庭を見て回った後、前庭へと向かいました。

そしてこちらが迎賓館赤坂離宮の正面!
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やはり表の顔のほうが華やかさがあります。屋上の左右に球体の彫刻があり、こちらも特徴となっています。

屋上のアップ。星のついた球体を鳳凰のような鳥が4羽で囲んでいます。
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この鳥は鸞(らん)という架空の鳥で、中国の伝説で国が平和な時に現れるとされます。内部には彩鸞の間という部屋もあり、迎賓館に何羽の鸞がいるか探してみるのも面白いかもしれません。

正面玄関のアップ。右は中央の扉のアップ。
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この建物で特に美しいのはこの扉と玄関だったように思います。幾何学文様と色彩が非常に優美。中央の扉だけ菊の御紋となっています。

この日、前庭の一角に屋台カーが集まってオープンカフェのようになっていました。
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この日は夜間ライトアップが行われたこともあって、屋台がいたようです(いつもいるのかは分かりません)

せっかくなので、寄ってお茶をしました。
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簡易的なパフェと飲み物。私はここには写っていないレモネードにしました。この日は暑かったのでアイスが一層美味しく感じられましたw 他にもアフタヌーンティーセットなんかをやっている屋台なんかもいました。(それもいつもいるかは分かりません)

帰りは正面から出ていくことになります。
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こちらの内門も立派で洒落た色合いです。

途中、道の左右に衛舎があります。
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こちらは昔は衛士が詰所にしていた所で、これも国宝です。外から観ても分かりませんが地下もあるのだとか。

振り返ると離宮の全体像が見えました。
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この左手辺りに和風別館がありますが、そちらは見えませんでした。

こちらは門牆。フランスの宮殿に倣ったものです。右は門のアップ。
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空の青に映える白さでした。中央上部にはしっかり菊の御紋もあります。左脇の小さな門が出口です。

最後に外から撮った門牆。
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昔はここから観る程度でしたが、今回ようやく念願が叶いました。


ということで、非常に見応えのある建物となっていました。この日は夜にライトアップもあったのですが、予定があってそれは観られず残念。(この記事を書いた2018/9/24(月)までライトアップするそうなので、もし機会がある方はそちらもどうぞ。) 
 参考リンク:ライトアップの情報

勿論、中も観覧してきて「没後100年 渡辺省亭特別展」も観てきましたので、次回はそれについてご紹介していこうと思います。

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