京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ 【東京国立博物館 平成館】
前回ご紹介した展示を観る前に、東京国立博物館 平成館で京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけを観てきました。

【展覧名】
京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ
【公式サイト】
https://artexhibition.jp/kaikei-jokei2018/
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1914
【会場】東京国立博物館 平成館
【最寄】上野駅
【会期】2018年10月2日(火) ~ 2018年12月9日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
金曜日ということもあって、それほど混むこともなく概ね自分のペースで観ることができました。
さて、この展示は京都の北野天満宮の近くにある大報恩寺の仏像がずらりと並ぶ展示です。平成館の半分のスペースで開催しているので点数自体はそれほどないのですが、快慶、定慶、行快といった慶派の作品ばかりの贅沢な内容です。大報恩寺は釈迦如来像を本尊とするお寺で、1220年に夢のお告げを受けた義空上人によって開山されました。弟子の澄空は徒然草にも取り上げられる等 当時から知られていたようで、現在では本堂が国宝となっているようです。展示は3章構成となっていましたので、詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
<大報恩寺の歴史と寺宝-大報恩寺と北野経王堂>
まずは慶派以外の大報恩寺の宝のコーナーです。大報恩寺は現在は廃絶してしまった北野経王堂の一切経や仏像・書画なども所有しているようで、そうした作品も並んでいました。
17 「千手観音菩薩立像」
恐らく40本+2本の腕を持つ千手観音です。(手の数を正確に数えた訳ではないですが、40本の手がそれぞれ25の世界を救うので合計1000の世界を救います) それぞれの手には蓮の花や水瓶、法具などを持ち、胸の前で合掌しています。頭の上には10体の化仏が乗っていて、顔はやや微笑むような表情に見えるかな。少し細めの体つきで、衣の膝下のヒダは翻波式衣文という平安前期の様式となっているそうです。大報恩寺の創建より古い品のようなので、このお寺の為に作ったわけではなさそうです。穏やかで優美な雰囲気の仏像でした。
この先は北野経王堂のコーナーで、「北野経王堂一切経」(★こちらで観られます)や「経王堂扁額」という額縁など ゆかりの品が並んでいました。当時の北野経王堂は洛中きっての巨大建造物だったそうで、狩野松栄らの絵で当時の様子を伺うこともできました。
16 院隆 「傅大士坐像および二童子立像(普成立像、普建立像)」 ★こちらで観られます
こちらは長い髭の傅大士(ぶたいし)という中国の人物の座像と、両脇で立つ2人の童子の像のセットです。この傅大士は輪蔵(八角形の書庫で、お経を入れて回すと読んだのと同じ功徳を得られる)を初めて作った人物だそうで、北野経王堂にも大きな輪蔵があったそうです。傅大士よりも両脇の童子の方が目を引いたのですが、2人ともめっちゃ笑顔で手を差し出す様子が迎え入れてくれるような感じに観えて、生き生きしていました。ちなみに北野経王堂の輪蔵は現在でも愛知県に移されて残っているのだとか。
<聖地の創出―釈迦信仰の隆盛>
続いては釈迦如来像を中心とした十大弟子などの仏像が並ぶコーナーで、今回の見どころです。大報恩寺が建立された13世紀は末法の世を強く実感させるような荒廃した時代だったそうで、戦乱や災害が絶えなかったようです。こうした時代を背景に、釈迦の教えに立ち戻るべく釈迦信仰が隆盛したそうで、義空は法華経の教えに基づいて大報恩寺を創建しました。そして大報恩寺には釈迦の他に文殊菩薩、弥勒菩薩、十大弟子も安置されたそうで、これは法華経序品に書かれる霊鷲山釈迦説法(りょうじゅせん)を表しているそうです。ここにはそうした意図で作られた仏像が並んでいました。
5 「誕生釈迦仏立像」
こちらは釈迦が誕生した時の様子を表した立像で、右手は天を指差し左手は地を指して「天上天下唯我独尊」と唱えたシーンとなります。生まれたてとは思えないくらいスラッとした体型で、髪は螺髪ではなく渦巻くような髪となっているのが珍しいかも。解説によると、これは釈迦本来の姿を意識しているとのことです。なお、このスタイルの釈迦像は灌仏会の際には頭から甘茶をかけるので、これもそのように使われたようでした。
そして次の部屋に進むと行快の「釈迦如来坐像」を中心に快慶(と工房)の十大弟子像がずらっと並んでいます。十大弟子はそれぞれ○○第一という特徴が付けられていて、序列は弟子入りした順番となっているようですが イケメンの阿難陀(あなんだ)以外はこれと言って外見に関する記述が無いので、仏師たちの想像で作られるようです。
2-2 快慶 「目犍連立像」 ★こちらで観られます
こちらは神通第一という超能力者の目犍連(もっけんれん) 左手を前に差し出すような感じで立ち、やや屈むような姿勢かな。目が玉眼となっていて、眼の前の人を見上げるような表情にも観えます。写実的で、特に皺の表現が見事です。痩せている割に がっしりしていて、快慶ならではの滑らかさを感じさせる肉付きとなっていました。
1 行快 「釈迦如来坐像」 ★こちらで観られます
こちらは快慶の高弟である行快による釈迦如来の坐像です。右手を挙げ左手を差し出す姿で表されていて、金で彩色されています。やや釣り上がった目が強い印象ですが、体つきは丸みがあるので威厳と柔らかさの両方を感じます。解説によると、釈迦如来像は普通は文殊菩薩と普賢菩薩を伴うのですがこの像は普賢菩薩の代わりに弥勒菩薩を伴った三尊となっているそうで、これは法華経序品によるものとのことでした。
この辺で音声解説が面白いことを教えてくれました。仏師の個性は仏像の耳の形に特徴が出るそうで、この釈迦如来を例にしていました。今後の鑑賞の際はそこもチェックしないとw
2-9 快慶 「羅睺羅立像」 ★こちらで観られます
こちらは釈迦の息子のラーフラ(らごら)で正しい修行の密行第一とされます。左手に巻き物を持って右手を出し、口を開いて眉を広めるような顔をしています。よく観ると口の中に歯までしっかり作られていて驚きです。また、体には切金による彩色の跡が残っていて当時の姿をしのばせました。(十大弟子全てに彩色していたみたいです)
2-3 快慶 「大迦葉立像」 ★こちらで観られます
錫杖?を持ち、左手を差し出して立つ姿の頭陀第一(托鉢。清貧)の大迦葉の像です。口を開けて歯が欠けてるのが老人っぽさを醸し出しています。眉をひそめているような表情ですが、怖いというよりは親しみやすく感じるかな。なお、この大迦葉立像には不思議なエピソードが残っていて、義空が大報恩寺の大黒柱の材木を探していた際、材木問屋の夢の中に「材木を譲って欲しい。寺の刻印をつけておこう」と言う老人が出てきたそうです。その翌朝に材木を確認すると刻印があったそうで、大報恩寺を訪ねたら 夢に出てきたのは正にこの大迦葉立像だったのだとか。快慶の仏像だけに魂がこもっているのでしょうか? 中々面白い話でした。
他の弟子もみんな個性的で面白かったです。「阿難陀立像」もちゃんとイケメン姿で表されていますw 阿難陀の体の中には経巻が入っていたようで、それも近くで展示していました。
この先には仏後壁画という仏像の後ろの壁画に関するパネル紹介がありました。痛みが激しくて分かりづらいですが、赤外線写真によって霊鷲山釈迦説法を題材にして描かれているのが分かるようでした。
<六観音菩薩像と肥後定慶>
最後は肥後定慶による榧の木で出来た六観音菩薩像のコーナーです。大報恩寺には1224年に肥後定慶が作った六観音像が伝わっていて、光背・台座も含めて全て当時のままという奇跡的な品となっています。六観音はそれぞれ六道の人々を救ってくれるそうで、展覧会場の右から順に
如意輪観音:天道
准胝観音:人道
十一面観音:修羅道
馬頭観音:畜生道
千手観音:餓鬼道
聖観音:地獄道
を救済しているそうです。ここにはずらっと6体すべてが勢揃いしていました。なお、展示会期の前期では光背あり、後期は光背なし で展示しているようで、私が観た時は光背ありとなっていました。
6-6 肥後定慶 「如意輪観音菩薩坐像」 ★こちらで観られます
片膝をついて座る6本の腕を持つ如意輪観音で、頬に手をあてて物思いに耽るような表情をしています。玉眼が光っていて見通すような顔にも見えるかな。そのポーズと共に衣のヒダの表現なども優美で、静かな印象を受けました。
6-5 肥後定慶 「准胝観音菩薩立像」 ★こちらで観られます
こちらは18本の腕を持つ准胝(じゅんてい)観音で、中に定慶のサインがあったそうです。ふっくらした体つきをしていて、それぞれの手は蓮の花や法輪、法具などを持っています。解説によると、髪型が流れるようで、衣文の装飾性などが定慶の特徴が出ているとのことでした。
馬頭観音の怒ったような表情なども見応えありました。そして最後の聖観音だけは撮影可能となっていました。
6-1 肥後定慶 「聖観音菩薩立像」 ★こちらで観られます

せっかくなので各方向から撮ってみました。やや厳しい表情に見えるのは地獄担当だからでしょうか。地獄に落ちたら救ってほしい…
ということで、十大弟子と六観音のコンプリートに驚かされる展示でした。この秋は仏像の展示も充実していますが、やはり慶派は特に見応えがあるので仏像好きの方は必見の内容ではないかと思います。今年の秋の上野は非常に熱いラインナップです。

【展覧名】
京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ
【公式サイト】
https://artexhibition.jp/kaikei-jokei2018/
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1914
【会場】東京国立博物館 平成館
【最寄】上野駅
【会期】2018年10月2日(火) ~ 2018年12月9日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
金曜日ということもあって、それほど混むこともなく概ね自分のペースで観ることができました。
さて、この展示は京都の北野天満宮の近くにある大報恩寺の仏像がずらりと並ぶ展示です。平成館の半分のスペースで開催しているので点数自体はそれほどないのですが、快慶、定慶、行快といった慶派の作品ばかりの贅沢な内容です。大報恩寺は釈迦如来像を本尊とするお寺で、1220年に夢のお告げを受けた義空上人によって開山されました。弟子の澄空は徒然草にも取り上げられる等 当時から知られていたようで、現在では本堂が国宝となっているようです。展示は3章構成となっていましたので、詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
<大報恩寺の歴史と寺宝-大報恩寺と北野経王堂>
まずは慶派以外の大報恩寺の宝のコーナーです。大報恩寺は現在は廃絶してしまった北野経王堂の一切経や仏像・書画なども所有しているようで、そうした作品も並んでいました。
17 「千手観音菩薩立像」
恐らく40本+2本の腕を持つ千手観音です。(手の数を正確に数えた訳ではないですが、40本の手がそれぞれ25の世界を救うので合計1000の世界を救います) それぞれの手には蓮の花や水瓶、法具などを持ち、胸の前で合掌しています。頭の上には10体の化仏が乗っていて、顔はやや微笑むような表情に見えるかな。少し細めの体つきで、衣の膝下のヒダは翻波式衣文という平安前期の様式となっているそうです。大報恩寺の創建より古い品のようなので、このお寺の為に作ったわけではなさそうです。穏やかで優美な雰囲気の仏像でした。
この先は北野経王堂のコーナーで、「北野経王堂一切経」(★こちらで観られます)や「経王堂扁額」という額縁など ゆかりの品が並んでいました。当時の北野経王堂は洛中きっての巨大建造物だったそうで、狩野松栄らの絵で当時の様子を伺うこともできました。
16 院隆 「傅大士坐像および二童子立像(普成立像、普建立像)」 ★こちらで観られます
こちらは長い髭の傅大士(ぶたいし)という中国の人物の座像と、両脇で立つ2人の童子の像のセットです。この傅大士は輪蔵(八角形の書庫で、お経を入れて回すと読んだのと同じ功徳を得られる)を初めて作った人物だそうで、北野経王堂にも大きな輪蔵があったそうです。傅大士よりも両脇の童子の方が目を引いたのですが、2人ともめっちゃ笑顔で手を差し出す様子が迎え入れてくれるような感じに観えて、生き生きしていました。ちなみに北野経王堂の輪蔵は現在でも愛知県に移されて残っているのだとか。
<聖地の創出―釈迦信仰の隆盛>
続いては釈迦如来像を中心とした十大弟子などの仏像が並ぶコーナーで、今回の見どころです。大報恩寺が建立された13世紀は末法の世を強く実感させるような荒廃した時代だったそうで、戦乱や災害が絶えなかったようです。こうした時代を背景に、釈迦の教えに立ち戻るべく釈迦信仰が隆盛したそうで、義空は法華経の教えに基づいて大報恩寺を創建しました。そして大報恩寺には釈迦の他に文殊菩薩、弥勒菩薩、十大弟子も安置されたそうで、これは法華経序品に書かれる霊鷲山釈迦説法(りょうじゅせん)を表しているそうです。ここにはそうした意図で作られた仏像が並んでいました。
5 「誕生釈迦仏立像」
こちらは釈迦が誕生した時の様子を表した立像で、右手は天を指差し左手は地を指して「天上天下唯我独尊」と唱えたシーンとなります。生まれたてとは思えないくらいスラッとした体型で、髪は螺髪ではなく渦巻くような髪となっているのが珍しいかも。解説によると、これは釈迦本来の姿を意識しているとのことです。なお、このスタイルの釈迦像は灌仏会の際には頭から甘茶をかけるので、これもそのように使われたようでした。
そして次の部屋に進むと行快の「釈迦如来坐像」を中心に快慶(と工房)の十大弟子像がずらっと並んでいます。十大弟子はそれぞれ○○第一という特徴が付けられていて、序列は弟子入りした順番となっているようですが イケメンの阿難陀(あなんだ)以外はこれと言って外見に関する記述が無いので、仏師たちの想像で作られるようです。
2-2 快慶 「目犍連立像」 ★こちらで観られます
こちらは神通第一という超能力者の目犍連(もっけんれん) 左手を前に差し出すような感じで立ち、やや屈むような姿勢かな。目が玉眼となっていて、眼の前の人を見上げるような表情にも観えます。写実的で、特に皺の表現が見事です。痩せている割に がっしりしていて、快慶ならではの滑らかさを感じさせる肉付きとなっていました。
1 行快 「釈迦如来坐像」 ★こちらで観られます
こちらは快慶の高弟である行快による釈迦如来の坐像です。右手を挙げ左手を差し出す姿で表されていて、金で彩色されています。やや釣り上がった目が強い印象ですが、体つきは丸みがあるので威厳と柔らかさの両方を感じます。解説によると、釈迦如来像は普通は文殊菩薩と普賢菩薩を伴うのですがこの像は普賢菩薩の代わりに弥勒菩薩を伴った三尊となっているそうで、これは法華経序品によるものとのことでした。
この辺で音声解説が面白いことを教えてくれました。仏師の個性は仏像の耳の形に特徴が出るそうで、この釈迦如来を例にしていました。今後の鑑賞の際はそこもチェックしないとw
2-9 快慶 「羅睺羅立像」 ★こちらで観られます
こちらは釈迦の息子のラーフラ(らごら)で正しい修行の密行第一とされます。左手に巻き物を持って右手を出し、口を開いて眉を広めるような顔をしています。よく観ると口の中に歯までしっかり作られていて驚きです。また、体には切金による彩色の跡が残っていて当時の姿をしのばせました。(十大弟子全てに彩色していたみたいです)
2-3 快慶 「大迦葉立像」 ★こちらで観られます
錫杖?を持ち、左手を差し出して立つ姿の頭陀第一(托鉢。清貧)の大迦葉の像です。口を開けて歯が欠けてるのが老人っぽさを醸し出しています。眉をひそめているような表情ですが、怖いというよりは親しみやすく感じるかな。なお、この大迦葉立像には不思議なエピソードが残っていて、義空が大報恩寺の大黒柱の材木を探していた際、材木問屋の夢の中に「材木を譲って欲しい。寺の刻印をつけておこう」と言う老人が出てきたそうです。その翌朝に材木を確認すると刻印があったそうで、大報恩寺を訪ねたら 夢に出てきたのは正にこの大迦葉立像だったのだとか。快慶の仏像だけに魂がこもっているのでしょうか? 中々面白い話でした。
他の弟子もみんな個性的で面白かったです。「阿難陀立像」もちゃんとイケメン姿で表されていますw 阿難陀の体の中には経巻が入っていたようで、それも近くで展示していました。
この先には仏後壁画という仏像の後ろの壁画に関するパネル紹介がありました。痛みが激しくて分かりづらいですが、赤外線写真によって霊鷲山釈迦説法を題材にして描かれているのが分かるようでした。
<六観音菩薩像と肥後定慶>
最後は肥後定慶による榧の木で出来た六観音菩薩像のコーナーです。大報恩寺には1224年に肥後定慶が作った六観音像が伝わっていて、光背・台座も含めて全て当時のままという奇跡的な品となっています。六観音はそれぞれ六道の人々を救ってくれるそうで、展覧会場の右から順に
如意輪観音:天道
准胝観音:人道
十一面観音:修羅道
馬頭観音:畜生道
千手観音:餓鬼道
聖観音:地獄道
を救済しているそうです。ここにはずらっと6体すべてが勢揃いしていました。なお、展示会期の前期では光背あり、後期は光背なし で展示しているようで、私が観た時は光背ありとなっていました。
6-6 肥後定慶 「如意輪観音菩薩坐像」 ★こちらで観られます
片膝をついて座る6本の腕を持つ如意輪観音で、頬に手をあてて物思いに耽るような表情をしています。玉眼が光っていて見通すような顔にも見えるかな。そのポーズと共に衣のヒダの表現なども優美で、静かな印象を受けました。
6-5 肥後定慶 「准胝観音菩薩立像」 ★こちらで観られます
こちらは18本の腕を持つ准胝(じゅんてい)観音で、中に定慶のサインがあったそうです。ふっくらした体つきをしていて、それぞれの手は蓮の花や法輪、法具などを持っています。解説によると、髪型が流れるようで、衣文の装飾性などが定慶の特徴が出ているとのことでした。
馬頭観音の怒ったような表情なども見応えありました。そして最後の聖観音だけは撮影可能となっていました。
6-1 肥後定慶 「聖観音菩薩立像」 ★こちらで観られます



せっかくなので各方向から撮ってみました。やや厳しい表情に見えるのは地獄担当だからでしょうか。地獄に落ちたら救ってほしい…
ということで、十大弟子と六観音のコンプリートに驚かされる展示でした。この秋は仏像の展示も充実していますが、やはり慶派は特に見応えがあるので仏像好きの方は必見の内容ではないかと思います。今年の秋の上野は非常に熱いラインナップです。
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