阿部展也―あくなき越境者 【埼玉県立近代美術館】
2週間ほど前の日曜日に埼玉県立近代美術館で「阿部展也―あくなき越境者」を観てきました。

【展覧名】
阿部展也―あくなき越境者
【公式サイト】
http://www.pref.spec.ed.jp/momas/?page_id=384
【会場】埼玉県立近代美術館
【最寄】北浦和駅
【会期】2018年9月15日 (土) ~ 11月4日 (日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。
さて、この展示はキュビスム、シュルレアリスム、アンフォルメルなど様々な画風を変遷した近現代の日本人アーティスト阿部展也(あべのぶや 元の名前は芳文)の個展となります。阿部展也は日本のみならずアメリカ、インド、東欧、そしてイタリアのローマなどでも活躍し、日本に最新の美術動向を紹介し日本の美術界にも大きな影響を与えたようです。今回の展示は初期から晩年までの主要作品や資料など全230点も集めた充実の内容で、時系列で5章構成となっていました。詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
<第1章 出発─〈妖精の距離〉と前衛写真 1932-1941>
まずは活動を開始した頃のコーナーです。阿部芳文(展也)は独学で絵画を学び 19歳にして第二回独立展に入選し、その翌年の1933年には末永胤生・砂川美知子と共に「一九四〇年協会」を結成して1935年まで4回の展覧会を開催し作品を発表しました。当初はピカソから影響を受けたキュビスム風だったようですが、次第に有機的なシュルレアリスム風へと変化したようです。こうした造形の探求は瀧口修造との詩画集『妖精の距離』に結実し、瀧口修造の詩と共に名声を高めていきました。そして1939年には福沢一郎の美術文化協会にも参加する一方で、写真でも才能を発揮して1938年には瀧口修造の前衛写真協会にも参加しています。また、1939年からは大陸に渡り異文化へと関心を寄せていったようで、ここには戦前戦中頃の作品が並んでいました。なお、この時期に作品の多くは戦災で焼失してしまったのだとか。
1-2 画:阿部芳文(展也)/詩:瀧口修造 「詩画集『妖精の距離』12点組 」 ★こちらで観られます
こちらが名声を高めた詩画集で、瀧口修造の詩と共に有機的で半分具象のような抽象のような絵が12点並んでいました。植物のようでもありアメーバのようでもあって、何となく生物っぽいフォルムに見えるかな。ちょっとイヴ・タンギーにも似た不思議さです。 瀧口修造の詩も謎めいていて、シュールな雰囲気となっていました。
1-1 阿部芳文(展也) 「風景」
こちらは現存で最も早い時期の作品で、海の岩を描いています。ざらついてゴツゴツしたマチエールの具象で、後の作品とはだいぶ趣きが異なりました。最初は具象だったんですね。
この辺には阿部展也の絵が表紙を飾った雑誌『みづゑ』や『妖精の距離』の広告などもありました。
1-S4 阿部芳文(展也) 『フォトタイムス』
こちらは雑誌『フォトタイムス』の記事に載った阿部展也の写真作品で、戸外の椅子の肘掛けに手袋を置いている写真や、街角の眼の看板などを撮った写真が並んでいます。いずれも現実の光景ではあるのですが、超現実的な雰囲気があり、特に眼の看板は切り出し方の巧みさが光る作品でした。写真家としても相当に才能があったと思わせる作品でした。
この辺には中国の雲崗石窟を撮った写真など、アジアでの活動を示す品もありました。
<第2章 フィリピン従軍と戦後の再出発 1941-1947>
続いては終戦前後のコーナーです。阿部展也は1941年に写真家として宣伝班に徴用されてフィリピンに赴任したそうで、1943年にはフィリピン人の女優と結婚し翌年には娘をもうけています。そんな順調だったフィリピンでの生活ですが、日本軍が劣勢となり1945年3月にマニラが陥落すると家族と離散を余儀なくされ、阿部展也は収容所に抑留となりました。抑留は1年くらいあったようですが、何とそこでも制作して作品を残しています。そして1946年12月に復員すると、阿部芳文から阿部展也と名前を改めて日本画壇に復帰しました。そしてフィリピン時代の英語を駆使しGHQ将校たちとも親交を深め、再び世界を見据えて活動を開始したようです。ここにはそうした時代の作品が並んでいました。
7~30 阿部芳文(展也) 「フィリピン時代のスケッチ(24点)」
こちらはフィリピンでのスケッチが24点並んでいました。街の様子などを描いているのですが、たまに壊れた建物や鉄条網など戦争を感じさせる写真もあります。これらは写実的に描かれていて、風景画とも報道画とも言えるような感じでした。
この近くにはフィリピン時代の写真もありました。修道院や軍の活動の様子など現地の様子がよく伝わる写真で、どれも写っている人は笑顔です。また、フィリピンのカトリック信者向けの雑誌『みちしるべ』の表紙を飾った絵( ★こちらで観られます)もあり、道の上に指差す手が描かれたシュールなようで意味ありげな作品となっていました。
2~4 阿部芳文(展也) 「Jail Song」
こちらは収容所時代に鉛筆で描いた作品です。柔らかい有機的な感じのシュールな抽象画が復活しているように見えて、具象も混ざっているものの謎めいた作風となっていました。ちょっと意味までは分からず。
<第3章 人間像の変容─下落合のアトリエにて 1948-1957>
続いては戦後のコーナーです。1948年に第一回モダンアート展への出品にあたり阿部展也を名乗った その年に、新宿区下落合に転居しモダンなアトリエを構えたそうで、若い画家や文化人が集まったようです。そして1951年には戦後初の個展を開催し、油彩5点と『妖精の距離』などを出品しました。また、阿部展也は写真に対して関心を持ち続けていたようで、1950年には大辻清司と協働し雑誌『camera』のためのヌードモデルを組み合わせた作品などを制作しています。そして1953年には日本美術家連盟の代表としてインドに7ヶ月滞在し、そこでも多くの写真を撮影してきたようです。ここにはそうした時代の多彩な作品が並んでいました。
24 阿部展也 「作品」
こちらは頭にリンゴを乗せた人物というかETみたいな顔の半抽象画です。赤い肌をしていて宇宙人にしか見えませんが、有機的な文様のようなものもあります。この時期は人体を有機的なフォルムで表すような作風が多いらしく、これもそのうちの1点のようでした。
22 阿部展也 「飢え」 ★こちらで観られます
こちらは砂漠のようなところで飢えてガリガリになった3人の人物が描かれた具象です。1人は砂に埋まるようにうつ伏せで、1人は膝を立てて仰向け、もう1人は座ってうつむいています。背景には無数のドクロが積み重なっているなど、強く死を感じさせ悲惨な光景となっていました。恐らく身をもって戦争を経験したのがここに表れているんじゃないかな。超現実的な表現にも思えますが、非情な現実を描いているように思えました。
この他にも痛ましい感じの作品がいくつかありました。
28 阿部展也 「花子」
こちらは冒頭のポスターにもなっている作品で、オレンジの球体に目鼻がついて顔のようになっている半具象・半抽象の作品です。色面を組み合わせていて、軽快さを感じると共に顔にマスコット的な愛嬌があるように思えます。タイトルも花子と可愛らしいしw
この隣には「太郎」という作品(★こちらで観られます)もありました。タイトルのおかげで岡本太郎みたいな画風にも思えるw
36 阿部展也 「二人(男と女)」
こちらはかなりキュビスム風の抽象画で、確かに人らしき形が2つ並んでいます。ステンドグラスのように四角や三角を使って表現していて、色彩感覚が独特な淡さとなっていました。この辺からまた画風が変わっているように思えます。
この近くにはインドでの写真のスライドが流れていました。カラーで現地の暮らしや風景を撮っています。また、スケッチもありました。
79 撮影:大辻清司/演出:阿部展也 「オブジェ、阿部展也のアトリエにて」
こちらはオールヌードの女性の頭にテーブルクロスのようなものを被せた写真で、その上には針金のようなもので幾何学的な模様が八方に広がっています。こちらも現実の光景でありながらコラージュ的なシュールさがあり、エロティックな雰囲気もありました。
40 阿部展也 「人物」
こちらは真っ赤な画面に黒い輪郭と白い目玉で人の顔のようなものを描いた作品です。目が無ければ人とは思えないくらい抽象的で、これまでの有機的な作風とも異なる四角を多用したような画風となっていました。またこの頃から画風が変化していったのかも。結構よく変わりますw
<第4章 技法の探求か 「かたち」回帰へ─エンコースティックを中心に1957-1967>
続いては抽象画を突き詰めてから「かたち」へと回帰する時期のコーナーです。阿部展也は1957年にアドリア海のドゥブロヴニクでの国際造形芸術連盟総会への出席をきっかけに初めて欧州を訪れ、その後1年続いた欧州旅行では自在に越境していたようです。さらに1958~61年の半分以上を海外で過ごすなど活発に海外に出向き、ミラノ、ローマ、バルセロナ、パリ、ニューヨーク、ユーゴスラビアなどを巡ったようです。そうした越境の日々で作風も変化したようで、1959年以降は具象的なモチーフは姿を消し、材質自体が語りかける抽象画へと移行していきました。しかし1964年からは主役が「かたち」へと回帰して行き、円が溢れんばかりの大きさで画面を埋め尽くすようになったようです。ここにはそうした画風の変化が分かる作品が並んでいました。
17 阿部展也 「Flowing Stone」
これは絵というよりは岩肌みたいな作品ですw ゴツゴツしていて凹凸が感じられるのですが、シミのような模様なのか?って部分もあります。解説によると、これは蜜蝋や油絵の具を調合してバーナーや金属ゴテで定着させているようで、もはや具象性は全くありませんでした。アンフォルメルとかタシスムが流行っていた時期なので、それに影響を受けたのかな?
この辺にはユーゴスラビアの写真やスケッチもありました。スケッチは色付きでかなり写実的に街の様子などを描いています。
29 阿部展也 「マスプロダクション」
こちらは0と書かれた円形のコルクが整然と並べられた作品です。たまにズレていますが升目状にぎしり並んでいて、コルクの0の上にはひっかき傷のような線もあります。まったく意味が分かりませんが、如何にも何かの意味を込めていそうな…w 中々難解ですが、現代アートっぽさが一気に増して来た感がありましたw
他にも格子状の板にガラス玉をはめ込んだ作品や絵に色々貼り付けるような作品などもありました。この辺が難易度マックスですw
46 阿部展也 「R-12」 ★こちらで観られます
こちらはいきなり画風がシンプルになった作品で、円がありその周りにメッシュ状の有機的な形が囲い、更にその周りに別の色の円が囲うという抽象画です。何とも形容しがたいですが、強いて言えば受精卵をイメージするかな。色の対比で円の中心が目を引きました。
この部屋にはこのR-12に似た画風の作品が無数にありました。急に画風が変わり過ぎて驚きですw
<幕間 ─Interlude─>
続いてのコーナーは阿部展也の友人たちの作品のコーナーです。みんな抽象的!w 特にルーチョ・フォンタナの「空間概念」やギュンター・ユッカーの「LIGHT RELIEF」なんかを観ていると、阿部展也が材質的な画面を作った時期の画風とよく似ていました。
<第5章 未完の「越境」1968-1971>
最後は晩年のコーナーです。4章までで幾何学的な抽象画に移行した阿部展也ですが、この章ではアクリル絵の具で彩色する技法の作品が並んでいます。アクリルは1960年代にアメリカで普及した画材で、1966年のグッゲンハイム美術館で行われた「システミック・ペインティング」展で平面的な形態と色彩をシャープな輪郭で処理した作品が発表されると、阿部展也も敏感に反応しました。それにより、それまでの制作の手間がかかる技法から切り替えたので、色と形の研究に多くの時間が割けるようになったようです。そんな新たな境地となった1971年にはイタリアに関する執筆や国内の招待出品などイタリアの業績が日本で評価されはじめてきたようですが、ローマで脳出血で倒れ58歳で亡くなってしまいました。ここにはそうした最後の時代の作品が並んでいました。
11 阿部展也 「R-29」
こちらは文章では表現し難い有機的な楕円状の形を描いたもので、中央はオレンジ、その周りは水色、その周りは再びオレンジ…というカラフルな色彩で、明暗が付けられて立体感まで感じられます。これまでの内省的な雰囲気から一気にポップで力強い作風へと変わっていて驚きです。フランク・ステラの作風に似ているようにも見えるかな。
この辺には同様の色彩を強く感じる抽象画が並んでいて、意味は分かりませんが明るく爽やかな作風となっています。
9 阿部展也 「R-2」
こちらは中央に右下が斜めに欠けた水色の四角、その周りを左上が斜めに欠けた赤が囲っていて、さらに水色の線が外枠に細く描かれています。これも幾何学的なモチーフですが、色の対比が強烈で深い意味は分からなくても面白さが伝わってくるようでした。
17 阿部展也 「R-50」
こちらも中から順に水色・ピンク・緑・ピンク・オレンジとなっている縞模様を描いたアクリル作品で、縞模様に陰影で折り目らしきものがついた玉ねぎの断面図のような抽象です。色が強すぎて目がチカチカするのはオプアートの要素も入れたか?と勘ぐりたくなるくらいですw 晩年とは思えないくらい力強い色彩でした。
ということで、画風がどんどん変わっていくアーティストとなっていました。これだけ変わるとどれが代表的な作風か分からないし、難解なところもありましたが、1人のアーティストの変遷を観られるのは面白かったです。ちょっとコアな美術ファン向けの内容だと思いますが、近現代の日本の美術界に興味がある方は是非どうぞ。ぐるっとパスなら提示するだけで観られます。

【展覧名】
阿部展也―あくなき越境者
【公式サイト】
http://www.pref.spec.ed.jp/momas/?page_id=384
【会場】埼玉県立近代美術館
【最寄】北浦和駅
【会期】2018年9月15日 (土) ~ 11月4日 (日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_③_4_5_満足
【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。
さて、この展示はキュビスム、シュルレアリスム、アンフォルメルなど様々な画風を変遷した近現代の日本人アーティスト阿部展也(あべのぶや 元の名前は芳文)の個展となります。阿部展也は日本のみならずアメリカ、インド、東欧、そしてイタリアのローマなどでも活躍し、日本に最新の美術動向を紹介し日本の美術界にも大きな影響を与えたようです。今回の展示は初期から晩年までの主要作品や資料など全230点も集めた充実の内容で、時系列で5章構成となっていました。詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
<第1章 出発─〈妖精の距離〉と前衛写真 1932-1941>
まずは活動を開始した頃のコーナーです。阿部芳文(展也)は独学で絵画を学び 19歳にして第二回独立展に入選し、その翌年の1933年には末永胤生・砂川美知子と共に「一九四〇年協会」を結成して1935年まで4回の展覧会を開催し作品を発表しました。当初はピカソから影響を受けたキュビスム風だったようですが、次第に有機的なシュルレアリスム風へと変化したようです。こうした造形の探求は瀧口修造との詩画集『妖精の距離』に結実し、瀧口修造の詩と共に名声を高めていきました。そして1939年には福沢一郎の美術文化協会にも参加する一方で、写真でも才能を発揮して1938年には瀧口修造の前衛写真協会にも参加しています。また、1939年からは大陸に渡り異文化へと関心を寄せていったようで、ここには戦前戦中頃の作品が並んでいました。なお、この時期に作品の多くは戦災で焼失してしまったのだとか。
1-2 画:阿部芳文(展也)/詩:瀧口修造 「詩画集『妖精の距離』12点組 」 ★こちらで観られます
こちらが名声を高めた詩画集で、瀧口修造の詩と共に有機的で半分具象のような抽象のような絵が12点並んでいました。植物のようでもありアメーバのようでもあって、何となく生物っぽいフォルムに見えるかな。ちょっとイヴ・タンギーにも似た不思議さです。 瀧口修造の詩も謎めいていて、シュールな雰囲気となっていました。
1-1 阿部芳文(展也) 「風景」
こちらは現存で最も早い時期の作品で、海の岩を描いています。ざらついてゴツゴツしたマチエールの具象で、後の作品とはだいぶ趣きが異なりました。最初は具象だったんですね。
この辺には阿部展也の絵が表紙を飾った雑誌『みづゑ』や『妖精の距離』の広告などもありました。
1-S4 阿部芳文(展也) 『フォトタイムス』
こちらは雑誌『フォトタイムス』の記事に載った阿部展也の写真作品で、戸外の椅子の肘掛けに手袋を置いている写真や、街角の眼の看板などを撮った写真が並んでいます。いずれも現実の光景ではあるのですが、超現実的な雰囲気があり、特に眼の看板は切り出し方の巧みさが光る作品でした。写真家としても相当に才能があったと思わせる作品でした。
この辺には中国の雲崗石窟を撮った写真など、アジアでの活動を示す品もありました。
<第2章 フィリピン従軍と戦後の再出発 1941-1947>
続いては終戦前後のコーナーです。阿部展也は1941年に写真家として宣伝班に徴用されてフィリピンに赴任したそうで、1943年にはフィリピン人の女優と結婚し翌年には娘をもうけています。そんな順調だったフィリピンでの生活ですが、日本軍が劣勢となり1945年3月にマニラが陥落すると家族と離散を余儀なくされ、阿部展也は収容所に抑留となりました。抑留は1年くらいあったようですが、何とそこでも制作して作品を残しています。そして1946年12月に復員すると、阿部芳文から阿部展也と名前を改めて日本画壇に復帰しました。そしてフィリピン時代の英語を駆使しGHQ将校たちとも親交を深め、再び世界を見据えて活動を開始したようです。ここにはそうした時代の作品が並んでいました。
7~30 阿部芳文(展也) 「フィリピン時代のスケッチ(24点)」
こちらはフィリピンでのスケッチが24点並んでいました。街の様子などを描いているのですが、たまに壊れた建物や鉄条網など戦争を感じさせる写真もあります。これらは写実的に描かれていて、風景画とも報道画とも言えるような感じでした。
この近くにはフィリピン時代の写真もありました。修道院や軍の活動の様子など現地の様子がよく伝わる写真で、どれも写っている人は笑顔です。また、フィリピンのカトリック信者向けの雑誌『みちしるべ』の表紙を飾った絵( ★こちらで観られます)もあり、道の上に指差す手が描かれたシュールなようで意味ありげな作品となっていました。
2~4 阿部芳文(展也) 「Jail Song」
こちらは収容所時代に鉛筆で描いた作品です。柔らかい有機的な感じのシュールな抽象画が復活しているように見えて、具象も混ざっているものの謎めいた作風となっていました。ちょっと意味までは分からず。
<第3章 人間像の変容─下落合のアトリエにて 1948-1957>
続いては戦後のコーナーです。1948年に第一回モダンアート展への出品にあたり阿部展也を名乗った その年に、新宿区下落合に転居しモダンなアトリエを構えたそうで、若い画家や文化人が集まったようです。そして1951年には戦後初の個展を開催し、油彩5点と『妖精の距離』などを出品しました。また、阿部展也は写真に対して関心を持ち続けていたようで、1950年には大辻清司と協働し雑誌『camera』のためのヌードモデルを組み合わせた作品などを制作しています。そして1953年には日本美術家連盟の代表としてインドに7ヶ月滞在し、そこでも多くの写真を撮影してきたようです。ここにはそうした時代の多彩な作品が並んでいました。
24 阿部展也 「作品」
こちらは頭にリンゴを乗せた人物というかETみたいな顔の半抽象画です。赤い肌をしていて宇宙人にしか見えませんが、有機的な文様のようなものもあります。この時期は人体を有機的なフォルムで表すような作風が多いらしく、これもそのうちの1点のようでした。
22 阿部展也 「飢え」 ★こちらで観られます
こちらは砂漠のようなところで飢えてガリガリになった3人の人物が描かれた具象です。1人は砂に埋まるようにうつ伏せで、1人は膝を立てて仰向け、もう1人は座ってうつむいています。背景には無数のドクロが積み重なっているなど、強く死を感じさせ悲惨な光景となっていました。恐らく身をもって戦争を経験したのがここに表れているんじゃないかな。超現実的な表現にも思えますが、非情な現実を描いているように思えました。
この他にも痛ましい感じの作品がいくつかありました。
28 阿部展也 「花子」
こちらは冒頭のポスターにもなっている作品で、オレンジの球体に目鼻がついて顔のようになっている半具象・半抽象の作品です。色面を組み合わせていて、軽快さを感じると共に顔にマスコット的な愛嬌があるように思えます。タイトルも花子と可愛らしいしw
この隣には「太郎」という作品(★こちらで観られます)もありました。タイトルのおかげで岡本太郎みたいな画風にも思えるw
36 阿部展也 「二人(男と女)」
こちらはかなりキュビスム風の抽象画で、確かに人らしき形が2つ並んでいます。ステンドグラスのように四角や三角を使って表現していて、色彩感覚が独特な淡さとなっていました。この辺からまた画風が変わっているように思えます。
この近くにはインドでの写真のスライドが流れていました。カラーで現地の暮らしや風景を撮っています。また、スケッチもありました。
79 撮影:大辻清司/演出:阿部展也 「オブジェ、阿部展也のアトリエにて」
こちらはオールヌードの女性の頭にテーブルクロスのようなものを被せた写真で、その上には針金のようなもので幾何学的な模様が八方に広がっています。こちらも現実の光景でありながらコラージュ的なシュールさがあり、エロティックな雰囲気もありました。
40 阿部展也 「人物」
こちらは真っ赤な画面に黒い輪郭と白い目玉で人の顔のようなものを描いた作品です。目が無ければ人とは思えないくらい抽象的で、これまでの有機的な作風とも異なる四角を多用したような画風となっていました。またこの頃から画風が変化していったのかも。結構よく変わりますw
<第4章 技法の探求か 「かたち」回帰へ─エンコースティックを中心に1957-1967>
続いては抽象画を突き詰めてから「かたち」へと回帰する時期のコーナーです。阿部展也は1957年にアドリア海のドゥブロヴニクでの国際造形芸術連盟総会への出席をきっかけに初めて欧州を訪れ、その後1年続いた欧州旅行では自在に越境していたようです。さらに1958~61年の半分以上を海外で過ごすなど活発に海外に出向き、ミラノ、ローマ、バルセロナ、パリ、ニューヨーク、ユーゴスラビアなどを巡ったようです。そうした越境の日々で作風も変化したようで、1959年以降は具象的なモチーフは姿を消し、材質自体が語りかける抽象画へと移行していきました。しかし1964年からは主役が「かたち」へと回帰して行き、円が溢れんばかりの大きさで画面を埋め尽くすようになったようです。ここにはそうした画風の変化が分かる作品が並んでいました。
17 阿部展也 「Flowing Stone」
これは絵というよりは岩肌みたいな作品ですw ゴツゴツしていて凹凸が感じられるのですが、シミのような模様なのか?って部分もあります。解説によると、これは蜜蝋や油絵の具を調合してバーナーや金属ゴテで定着させているようで、もはや具象性は全くありませんでした。アンフォルメルとかタシスムが流行っていた時期なので、それに影響を受けたのかな?
この辺にはユーゴスラビアの写真やスケッチもありました。スケッチは色付きでかなり写実的に街の様子などを描いています。
29 阿部展也 「マスプロダクション」
こちらは0と書かれた円形のコルクが整然と並べられた作品です。たまにズレていますが升目状にぎしり並んでいて、コルクの0の上にはひっかき傷のような線もあります。まったく意味が分かりませんが、如何にも何かの意味を込めていそうな…w 中々難解ですが、現代アートっぽさが一気に増して来た感がありましたw
他にも格子状の板にガラス玉をはめ込んだ作品や絵に色々貼り付けるような作品などもありました。この辺が難易度マックスですw
46 阿部展也 「R-12」 ★こちらで観られます
こちらはいきなり画風がシンプルになった作品で、円がありその周りにメッシュ状の有機的な形が囲い、更にその周りに別の色の円が囲うという抽象画です。何とも形容しがたいですが、強いて言えば受精卵をイメージするかな。色の対比で円の中心が目を引きました。
この部屋にはこのR-12に似た画風の作品が無数にありました。急に画風が変わり過ぎて驚きですw
<幕間 ─Interlude─>
続いてのコーナーは阿部展也の友人たちの作品のコーナーです。みんな抽象的!w 特にルーチョ・フォンタナの「空間概念」やギュンター・ユッカーの「LIGHT RELIEF」なんかを観ていると、阿部展也が材質的な画面を作った時期の画風とよく似ていました。
<第5章 未完の「越境」1968-1971>
最後は晩年のコーナーです。4章までで幾何学的な抽象画に移行した阿部展也ですが、この章ではアクリル絵の具で彩色する技法の作品が並んでいます。アクリルは1960年代にアメリカで普及した画材で、1966年のグッゲンハイム美術館で行われた「システミック・ペインティング」展で平面的な形態と色彩をシャープな輪郭で処理した作品が発表されると、阿部展也も敏感に反応しました。それにより、それまでの制作の手間がかかる技法から切り替えたので、色と形の研究に多くの時間が割けるようになったようです。そんな新たな境地となった1971年にはイタリアに関する執筆や国内の招待出品などイタリアの業績が日本で評価されはじめてきたようですが、ローマで脳出血で倒れ58歳で亡くなってしまいました。ここにはそうした最後の時代の作品が並んでいました。
11 阿部展也 「R-29」
こちらは文章では表現し難い有機的な楕円状の形を描いたもので、中央はオレンジ、その周りは水色、その周りは再びオレンジ…というカラフルな色彩で、明暗が付けられて立体感まで感じられます。これまでの内省的な雰囲気から一気にポップで力強い作風へと変わっていて驚きです。フランク・ステラの作風に似ているようにも見えるかな。
この辺には同様の色彩を強く感じる抽象画が並んでいて、意味は分かりませんが明るく爽やかな作風となっています。
9 阿部展也 「R-2」
こちらは中央に右下が斜めに欠けた水色の四角、その周りを左上が斜めに欠けた赤が囲っていて、さらに水色の線が外枠に細く描かれています。これも幾何学的なモチーフですが、色の対比が強烈で深い意味は分からなくても面白さが伝わってくるようでした。
17 阿部展也 「R-50」
こちらも中から順に水色・ピンク・緑・ピンク・オレンジとなっている縞模様を描いたアクリル作品で、縞模様に陰影で折り目らしきものがついた玉ねぎの断面図のような抽象です。色が強すぎて目がチカチカするのはオプアートの要素も入れたか?と勘ぐりたくなるくらいですw 晩年とは思えないくらい力強い色彩でした。
ということで、画風がどんどん変わっていくアーティストとなっていました。これだけ変わるとどれが代表的な作風か分からないし、難解なところもありましたが、1人のアーティストの変遷を観られるのは面白かったです。ちょっとコアな美術ファン向けの内容だと思いますが、近現代の日本の美術界に興味がある方は是非どうぞ。ぐるっとパスなら提示するだけで観られます。
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