ムンク展―共鳴する魂の叫び (感想前編)【東京都美術館】
日付が変わって昨日となりましたが、土曜日に東京都美術館で開催初日の「ムンク展―共鳴する魂の叫び」を観てきました。非常に注目度の高い展示で内容も充実していましたので前編・後編に分けてご紹介していこうと思います。

【展覧名】
ムンク展―共鳴する魂の叫び
【公式サイト】
https://munch2018.jp/
https://www.tobikan.jp/exhibition/2018_munch.html
【会場】東京都美術館
【最寄】上野駅
【会期】2018年10月27日(土)~2019年1月20日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間20分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
結構混んでいて、チケットを買うのに10分くらい並びました。中に入ってもずっと列を組んでいる感じで、特に「叫び」の前はかなりの人だかりでした。それでもまだ特に入場規制はなかったですが、会期が進むに連れて混む傾向があるので注意です。ツイッターで混雑状況なども呟いているようなのでお出かけ前にチェックしてみるとよろしいかと思います。
参考リンク:公式ツイッター「さけびクン@ムンク展」
さて、この展示は「叫び」で有名なムンクの大規模な回顧展で、初期から晩年まで油彩60点+版画など40点という圧倒的な質・量となっています。2007年にも国立西洋美術館でも大きな回顧展があった(当時はブログ未開設)ので実に11年ぶりのムンク展となりますが、今回は何と言っても誰もが知る「叫び」の中の1点が初来日していることが大きな話題となっています(叫びは4つのバージョンがあり、これはその内の1つ) 展覧会に行く前に2007年の図録を引っ張り出して振り返ってから観に行ったのですが、「生命のダンス」や「吸血鬼」「マドンナ」の連作などの代表作は再来日している一方で、前回は観られなかった作品がかなり多く、多くの方にとって初のお目見えが沢山あると思います。展覧会は9章に分かれていて、時系列というよりは主題ごとに章分けされている感じでした。詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
<1章 ムンクとは誰か>
まずは自画像のコーナーです。ムンクは19歳に描いた自画像から始まり 亡くなるまで80点を超える自画像を描いているそうです。また、39歳の頃に購入したコダックのカメラを使って自らを撮影した写真も残っているようで、そうした写真を元に自画像を描いていたこともあるようです。ここには様々な時代の自画像が並んでいました。
2 エドヴァルド・ムンク 「地獄の自画像」 ★こちらで観られます
こちらは自ら裸体の写真を撮ってそれを元に描いた自画像で、中央で顔だけこちらを向いている裸体姿となっていて 表情はタッチが粗くて判然としないかな。背後には黒い影が大きく立ち上っていて、周りは赤い炎が燃え盛っているような光景となっています。体はその光に照らされているのか黄色く明るい色となっているのに対して、顔は暗い色調で不穏な雰囲気です。解説によると、これはアルコールに溺れていた40代の頃の作品だそうで、タイトルの通り地獄の中にいるような印象を受けました。粗い筆跡の残るムンクならではの作風も見て取れました。
3 エドヴァルド・ムンク 「青空を背にした自画像」
こちらは横長の画面の中央に真正面を向いている自画像で、黄色いシャツに緑のジャケットを羽織っています。背景には青空が広がっているのですが、色彩の爽やかさとは裏腹に うねるような筆跡が観ていて不安定な気分になりますw 対比的で明るい色調なのに何故か陰を感じると言うか…。まだ若い顔つきですが、この自画像を描いた年に神経衰弱で入院しているらしく やや神経質っぽい顔つきに思えました。
他にもいくつか自画像があり、自画像は他のコーナーにもありました。 また、この先はムンクの撮った写真が並んでいて、自撮りしている感じが出ていました。
9 エドヴァルド・ムンク 「マラー風のセルフポートレート、ヤコブソン博士の診療所にて コペンハーゲン」
こちらはジャック=ルイ・ダヴィッドの「マラーの死」(フランス革命の頃のジャコバン派の指導者ジャン=ポール・マラーが風呂で湯に浸かっている時に刺殺されたのを題材にした作品)に着想を得て撮ったセルフポートレート写真で、半裸で浴槽に横たわっている様子が撮られています。こっちを向いてカメラに手を伸ばしているのは現代のセルフィーによく似ているかもw ちなみにムンクは「マラーの死」に関心が深かったようで、この先にも着想を得て描いた絵画などもありました。
参考記事:ルーヴル美術館展 肖像芸術-人は人をどう表現してきたか 感想前編(国立新美術館)
<2章 家族─死と喪失>
続いてはムンクの絵画の方向性を決定付けたと言える 家族とその死に関するコーナーです。エドヴァルド・ムンクは1863年に軍医の父クリスチャンとその妻ラウラの間に生まれ、5歳にして母を結核で亡くしています。さらにエドヴァルド・ムンクが14歳の時に仲の良かった姉のソフィエも結核で亡くしていて、幼いうちから家族の喪失を2度も経験していました。こうした経験から家族の死から着想を得た作品も残しています。その後、敬虔で厳格な父に育てられ17歳で画家となる決意をしたのですが、20代になると革命的思想家ハンス・イェーゲルを中心としたボヘミアン・グループや世紀末を代表する文学者・芸術家に大いに影響を受けたようです。厳しい躾の反動と言うか…w そして因習の破棄や自由恋愛を標榜する彼らとの接触によって、ムンクの死のテーマと双璧となる愛のテーマに取り組む契機となったようです。ここにはそうした家族の死や世紀末の芸術家たちとの付き合いを伺わせる作品が並んでいました。
14 エドヴァルド・ムンク 「ソファに座るクリスチャン・ムンク」
こちらはソファに座って新聞を読む父の横向きの姿を描いた作品です。左手で顎を触って厳格な雰囲気の漂う父親かな。結構写実的で丁寧に描かれている感じがします。父は軍医なのに給料は安かったらしくムンクの家は貧しかったのだとか。
この近くには画家を目指し始めた頃の自画像や母の肖像などもありました。母が死んだ後は叔母(母の妹)が母の代わりを務めてくれたそうで、ムンクの絵の道にも理解を示してくれたようです。その叔母を情感込めて描いた肖像も展示されていました。いずれも写実的な画風です。
17 エドヴァルド・ムンク 「死と春」 ★こちらで観られます
こちらはベッドで寝ているような女性が描かれた作品で、背景の窓の外は麗らかな春の陽気の林が描かれています。しかし安らかな顔に見えてもこの女性は死んでいるそうで、言われてみれば顔は青ざめていて血の気が無いかな。解説によると、この女性と春の風景の取り合わせは 死が現世と来世を分かつというキリスト教的な死生観と 転生的な生の概念を対比しているのではないかとのことでした。
20-22 エドヴァルド・ムンク 「病める子」「病める子1」「病める子1」 ★こちらで観られます
こちらは似た作品が3点ほど並んでいて、いずれも病んだ子供の横顔が描かれています。1枚だけ傍らで看病している母親がうなだれている姿があって絶望感があるように見えるかな。解説によるとこれは姉のソフィエの死の経験を描いているようで、病める子は悟ったような顔をしているとのことですが 確かに遠くを見つめるような目で呆然として何かを考えているような表情です。髪はボサボサで痩せこけていて、死が迫っている人をつぶさに描いているように思えました。
参考記事:エドヴァルド・ムンク版画展 (国立西洋美術館)
28 エドヴァルド・ムンク 「ブローチ、エヴァ・ムドッチ」 ★こちらで観られます
こちらはイギリスのヴァイオリニストの女性で、ムンクはパリでこの女性と出会って魅力にとりつかれたようです。やや首を斜めにして微笑むような表情は優しく女神のような美しさです。周りの黒髪が画面中に広がるようで艶っぽさもありますが、ムンクが得意としたファム・ファタール的な破滅の陰はあまり感じず清らかな印象かな。ムンクは彼女に憧れを持っていたのではないかと思わせる作品でした。(しかし他の作品ではこの女性を悪女のサロメに見立てた作品も描いているのだとか。ムンクの女性への屈折した考えの一端かもしれませんw)
この近くには「クリスチャニアのボヘミアンたち」や「ハンス・イェーゲル」といったムンクに影響を与えた人たちの肖像などもありました。
<3章 夏の夜─孤独と憂鬱>
続いては浜辺を題材にした作品のコーナーです。ムンクは故郷のノルウェーやパリ・ベルリンなどを行き来しながら制作をしていたのですが、26歳の時にオスロフィヨルドを望む漁村オースゴールストランに小屋を借りて、そこで夏を過ごす生活を続けるようになったそうです。白夜に月光が照らし出すフィヨルドや森が描かれ、象徴主義的な表現が推し進められたようで、ここにはそうした作品が並んでいました。
30 エドヴァルド・ムンク 「メランコリー」
こちらは浜辺で頬杖をついてぼんやり考え込んでいる男性を描いたもので、浜辺は紫色で背景の桟橋には2人の人物の姿もあります。しかし浜辺はぐにゃぐにゃしていたり、縞模様のような空が不安定な雰囲気を出していて、男性の心情を表しているように思えます。なお、この絵を描いた頃にはゴッホやゴーギャンの絵を目にしていたらしく、ゴーギャンの画風に似た雰囲気があるように思えました。
34 エドヴァルド・ムンク 「夏の夜、人魚」 ★こちらで観られます
こちらは丸い石が沢山転がっている浜辺に裸婦が座ってぼんやりこちらを観ている様子が描かれた作品です。背景にも2人の裸婦もいて、水面にはiの字を逆さにしたような月光の反射も映っています。(この表現はムンクの頻出の光の反射の表現です) やや性的な雰囲気もあるようにも思えますが、シュールと言うか神秘的と言うか、ちょっと不思議な光景です。ムンクの女性への複雑な思いも込められているように思えました。
35 エドヴァルド・ムンク 「赤と白」 ★こちらで観られます
こちらは浜辺の森に立つ赤い(オレンジ)服を着た正面を向く女性と、海に向かってやや後ろを向いた白い服の女性を描いた作品です。暗い森やぐにゃぐにゃした浜辺などムンクならではの陰を感じさせますが、何と言っても2人の色彩の対比が目を引きます。解説によると赤は成熟、白は無垢と純粋を表すそうなので、中身も対比的な感じでしょうか。象徴的な意味合いと共に色彩を引き立てているのが面白い作品でした。
この近くには版画が8点ほどありました。ムンクは版画制作に熱心で、版画は油彩などより多くの人に伝えることが出来ると考えていたようです。同じ絵でも色が違う作品も並べて展示しているのが面白かったです。
<4章 魂の叫び─不安と絶望>
そして1階に上がるとついに「叫び」のあるコーナーです。「叫び」は「生命のフリーズ」のシリーズの一環として作成された作品で、1892年の「絶望」を元にして1893年にクレヨン版とテンペラ・クレヨン版、1895年にパステルとリトグラフを制作しているようです。今回の出品作は1893年のテンペラ・クレヨン版の売却を機に制作した後年の作と思われるようで、テンペラ・油彩のバージョンとなってます。
ちなみに「絶望」や「叫び」が描かれた頃の1892年にはベルリン芸術家協会の招きでムンクの個展が開かれ国際的なデビューを果たしています。しかしこの頃は印象派すら浸透していない時代だったこともあり、筆跡を残す大胆なムンクの絵は理解されず観客の怒りや誹謗中傷を招いたそうで、下手くそな画家と批判されたようです。その結果、個展は1週間で打ち切られ「ムンク事件」として知られることとなり、これが却って新しい芸術を求める画家や知識層に名が広まっていったようです。
46 エドヴァルド・ムンク 「叫び」 ★こちらで観られます
あまり絵画を知らない方でも この絵なら知っているという位有名な作品で、橋の上で耳を塞いで苦悶の表情を浮かべている人物を描いています。背景はフィヨルドや赤と黄色が縞模様のようになった空が広がっていて、非常に観ていて不安を覚える色彩となっています。解説によるとこの光景はムンクが妹の入院する精神病院に訪れた際に、疲れ切って夕日の光景を観たら自然が貫く叫けびが聞こえたという原体験を絵にしているようです。(つまり この人物が叫んでる訳ではなく、自然の叫びに耳を塞いでいますw) この観る者の心までえぐるような絵は一度観たら忘れられないくらいのインパクトですが、近くで観ると色ムラやうねり、色の対比などが相まってそうした雰囲気が出ているように思えました。やたら強調された遠近感とかもそう感じさせる要素の1つかな。一生に一度は直に観ておきたい作品です。
この隣には「不安」の版画版もありました。2007年の展示では油彩が来ていましたが、あれも傑作です。
47 エドヴァルド・ムンク 「絶望」 ★こちらで観られます
こちらは叫びの元となった作品で、橋の上で横向きの人物が目を閉じた物憂げな人物が描かれています。背景の風景や空の色は叫びによく似ていますが、2つを比べると叫びの方がぐにゃぐにゃした描写になっているのが分かります。また、こちらは割と黒い輪郭が強めで、クロワゾニスムのような感じにも思えました。絶望とのことですが、諦念のような静かな雰囲気が漂う作品でした。
ということで、展覧会の中盤あたりで念願の「叫び」を観ることが出来ました。人間の負の感情や死といったネガティブな題材が多い画家ですが、それを粗いタッチで力強く訴えてくるので、観ている方も心を揺さぶられるのではないかと思います。後半も代表的な作品が並び見どころが多かったので、次回は残りの5~9章をご紹介していこうと思います。
→ 後編はこちら

【展覧名】
ムンク展―共鳴する魂の叫び
【公式サイト】
https://munch2018.jp/
https://www.tobikan.jp/exhibition/2018_munch.html
【会場】東京都美術館
【最寄】上野駅
【会期】2018年10月27日(土)~2019年1月20日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間20分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
結構混んでいて、チケットを買うのに10分くらい並びました。中に入ってもずっと列を組んでいる感じで、特に「叫び」の前はかなりの人だかりでした。それでもまだ特に入場規制はなかったですが、会期が進むに連れて混む傾向があるので注意です。ツイッターで混雑状況なども呟いているようなのでお出かけ前にチェックしてみるとよろしいかと思います。
参考リンク:公式ツイッター「さけびクン@ムンク展」
さて、この展示は「叫び」で有名なムンクの大規模な回顧展で、初期から晩年まで油彩60点+版画など40点という圧倒的な質・量となっています。2007年にも国立西洋美術館でも大きな回顧展があった(当時はブログ未開設)ので実に11年ぶりのムンク展となりますが、今回は何と言っても誰もが知る「叫び」の中の1点が初来日していることが大きな話題となっています(叫びは4つのバージョンがあり、これはその内の1つ) 展覧会に行く前に2007年の図録を引っ張り出して振り返ってから観に行ったのですが、「生命のダンス」や「吸血鬼」「マドンナ」の連作などの代表作は再来日している一方で、前回は観られなかった作品がかなり多く、多くの方にとって初のお目見えが沢山あると思います。展覧会は9章に分かれていて、時系列というよりは主題ごとに章分けされている感じでした。詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
<1章 ムンクとは誰か>
まずは自画像のコーナーです。ムンクは19歳に描いた自画像から始まり 亡くなるまで80点を超える自画像を描いているそうです。また、39歳の頃に購入したコダックのカメラを使って自らを撮影した写真も残っているようで、そうした写真を元に自画像を描いていたこともあるようです。ここには様々な時代の自画像が並んでいました。
2 エドヴァルド・ムンク 「地獄の自画像」 ★こちらで観られます
こちらは自ら裸体の写真を撮ってそれを元に描いた自画像で、中央で顔だけこちらを向いている裸体姿となっていて 表情はタッチが粗くて判然としないかな。背後には黒い影が大きく立ち上っていて、周りは赤い炎が燃え盛っているような光景となっています。体はその光に照らされているのか黄色く明るい色となっているのに対して、顔は暗い色調で不穏な雰囲気です。解説によると、これはアルコールに溺れていた40代の頃の作品だそうで、タイトルの通り地獄の中にいるような印象を受けました。粗い筆跡の残るムンクならではの作風も見て取れました。
3 エドヴァルド・ムンク 「青空を背にした自画像」
こちらは横長の画面の中央に真正面を向いている自画像で、黄色いシャツに緑のジャケットを羽織っています。背景には青空が広がっているのですが、色彩の爽やかさとは裏腹に うねるような筆跡が観ていて不安定な気分になりますw 対比的で明るい色調なのに何故か陰を感じると言うか…。まだ若い顔つきですが、この自画像を描いた年に神経衰弱で入院しているらしく やや神経質っぽい顔つきに思えました。
他にもいくつか自画像があり、自画像は他のコーナーにもありました。 また、この先はムンクの撮った写真が並んでいて、自撮りしている感じが出ていました。
9 エドヴァルド・ムンク 「マラー風のセルフポートレート、ヤコブソン博士の診療所にて コペンハーゲン」
こちらはジャック=ルイ・ダヴィッドの「マラーの死」(フランス革命の頃のジャコバン派の指導者ジャン=ポール・マラーが風呂で湯に浸かっている時に刺殺されたのを題材にした作品)に着想を得て撮ったセルフポートレート写真で、半裸で浴槽に横たわっている様子が撮られています。こっちを向いてカメラに手を伸ばしているのは現代のセルフィーによく似ているかもw ちなみにムンクは「マラーの死」に関心が深かったようで、この先にも着想を得て描いた絵画などもありました。
参考記事:ルーヴル美術館展 肖像芸術-人は人をどう表現してきたか 感想前編(国立新美術館)
<2章 家族─死と喪失>
続いてはムンクの絵画の方向性を決定付けたと言える 家族とその死に関するコーナーです。エドヴァルド・ムンクは1863年に軍医の父クリスチャンとその妻ラウラの間に生まれ、5歳にして母を結核で亡くしています。さらにエドヴァルド・ムンクが14歳の時に仲の良かった姉のソフィエも結核で亡くしていて、幼いうちから家族の喪失を2度も経験していました。こうした経験から家族の死から着想を得た作品も残しています。その後、敬虔で厳格な父に育てられ17歳で画家となる決意をしたのですが、20代になると革命的思想家ハンス・イェーゲルを中心としたボヘミアン・グループや世紀末を代表する文学者・芸術家に大いに影響を受けたようです。厳しい躾の反動と言うか…w そして因習の破棄や自由恋愛を標榜する彼らとの接触によって、ムンクの死のテーマと双璧となる愛のテーマに取り組む契機となったようです。ここにはそうした家族の死や世紀末の芸術家たちとの付き合いを伺わせる作品が並んでいました。
14 エドヴァルド・ムンク 「ソファに座るクリスチャン・ムンク」
こちらはソファに座って新聞を読む父の横向きの姿を描いた作品です。左手で顎を触って厳格な雰囲気の漂う父親かな。結構写実的で丁寧に描かれている感じがします。父は軍医なのに給料は安かったらしくムンクの家は貧しかったのだとか。
この近くには画家を目指し始めた頃の自画像や母の肖像などもありました。母が死んだ後は叔母(母の妹)が母の代わりを務めてくれたそうで、ムンクの絵の道にも理解を示してくれたようです。その叔母を情感込めて描いた肖像も展示されていました。いずれも写実的な画風です。
17 エドヴァルド・ムンク 「死と春」 ★こちらで観られます
こちらはベッドで寝ているような女性が描かれた作品で、背景の窓の外は麗らかな春の陽気の林が描かれています。しかし安らかな顔に見えてもこの女性は死んでいるそうで、言われてみれば顔は青ざめていて血の気が無いかな。解説によると、この女性と春の風景の取り合わせは 死が現世と来世を分かつというキリスト教的な死生観と 転生的な生の概念を対比しているのではないかとのことでした。
20-22 エドヴァルド・ムンク 「病める子」「病める子1」「病める子1」 ★こちらで観られます
こちらは似た作品が3点ほど並んでいて、いずれも病んだ子供の横顔が描かれています。1枚だけ傍らで看病している母親がうなだれている姿があって絶望感があるように見えるかな。解説によるとこれは姉のソフィエの死の経験を描いているようで、病める子は悟ったような顔をしているとのことですが 確かに遠くを見つめるような目で呆然として何かを考えているような表情です。髪はボサボサで痩せこけていて、死が迫っている人をつぶさに描いているように思えました。
参考記事:エドヴァルド・ムンク版画展 (国立西洋美術館)
28 エドヴァルド・ムンク 「ブローチ、エヴァ・ムドッチ」 ★こちらで観られます
こちらはイギリスのヴァイオリニストの女性で、ムンクはパリでこの女性と出会って魅力にとりつかれたようです。やや首を斜めにして微笑むような表情は優しく女神のような美しさです。周りの黒髪が画面中に広がるようで艶っぽさもありますが、ムンクが得意としたファム・ファタール的な破滅の陰はあまり感じず清らかな印象かな。ムンクは彼女に憧れを持っていたのではないかと思わせる作品でした。(しかし他の作品ではこの女性を悪女のサロメに見立てた作品も描いているのだとか。ムンクの女性への屈折した考えの一端かもしれませんw)
この近くには「クリスチャニアのボヘミアンたち」や「ハンス・イェーゲル」といったムンクに影響を与えた人たちの肖像などもありました。
<3章 夏の夜─孤独と憂鬱>
続いては浜辺を題材にした作品のコーナーです。ムンクは故郷のノルウェーやパリ・ベルリンなどを行き来しながら制作をしていたのですが、26歳の時にオスロフィヨルドを望む漁村オースゴールストランに小屋を借りて、そこで夏を過ごす生活を続けるようになったそうです。白夜に月光が照らし出すフィヨルドや森が描かれ、象徴主義的な表現が推し進められたようで、ここにはそうした作品が並んでいました。
30 エドヴァルド・ムンク 「メランコリー」
こちらは浜辺で頬杖をついてぼんやり考え込んでいる男性を描いたもので、浜辺は紫色で背景の桟橋には2人の人物の姿もあります。しかし浜辺はぐにゃぐにゃしていたり、縞模様のような空が不安定な雰囲気を出していて、男性の心情を表しているように思えます。なお、この絵を描いた頃にはゴッホやゴーギャンの絵を目にしていたらしく、ゴーギャンの画風に似た雰囲気があるように思えました。
34 エドヴァルド・ムンク 「夏の夜、人魚」 ★こちらで観られます
こちらは丸い石が沢山転がっている浜辺に裸婦が座ってぼんやりこちらを観ている様子が描かれた作品です。背景にも2人の裸婦もいて、水面にはiの字を逆さにしたような月光の反射も映っています。(この表現はムンクの頻出の光の反射の表現です) やや性的な雰囲気もあるようにも思えますが、シュールと言うか神秘的と言うか、ちょっと不思議な光景です。ムンクの女性への複雑な思いも込められているように思えました。
35 エドヴァルド・ムンク 「赤と白」 ★こちらで観られます
こちらは浜辺の森に立つ赤い(オレンジ)服を着た正面を向く女性と、海に向かってやや後ろを向いた白い服の女性を描いた作品です。暗い森やぐにゃぐにゃした浜辺などムンクならではの陰を感じさせますが、何と言っても2人の色彩の対比が目を引きます。解説によると赤は成熟、白は無垢と純粋を表すそうなので、中身も対比的な感じでしょうか。象徴的な意味合いと共に色彩を引き立てているのが面白い作品でした。
この近くには版画が8点ほどありました。ムンクは版画制作に熱心で、版画は油彩などより多くの人に伝えることが出来ると考えていたようです。同じ絵でも色が違う作品も並べて展示しているのが面白かったです。
<4章 魂の叫び─不安と絶望>
そして1階に上がるとついに「叫び」のあるコーナーです。「叫び」は「生命のフリーズ」のシリーズの一環として作成された作品で、1892年の「絶望」を元にして1893年にクレヨン版とテンペラ・クレヨン版、1895年にパステルとリトグラフを制作しているようです。今回の出品作は1893年のテンペラ・クレヨン版の売却を機に制作した後年の作と思われるようで、テンペラ・油彩のバージョンとなってます。
ちなみに「絶望」や「叫び」が描かれた頃の1892年にはベルリン芸術家協会の招きでムンクの個展が開かれ国際的なデビューを果たしています。しかしこの頃は印象派すら浸透していない時代だったこともあり、筆跡を残す大胆なムンクの絵は理解されず観客の怒りや誹謗中傷を招いたそうで、下手くそな画家と批判されたようです。その結果、個展は1週間で打ち切られ「ムンク事件」として知られることとなり、これが却って新しい芸術を求める画家や知識層に名が広まっていったようです。
46 エドヴァルド・ムンク 「叫び」 ★こちらで観られます
あまり絵画を知らない方でも この絵なら知っているという位有名な作品で、橋の上で耳を塞いで苦悶の表情を浮かべている人物を描いています。背景はフィヨルドや赤と黄色が縞模様のようになった空が広がっていて、非常に観ていて不安を覚える色彩となっています。解説によるとこの光景はムンクが妹の入院する精神病院に訪れた際に、疲れ切って夕日の光景を観たら自然が貫く叫けびが聞こえたという原体験を絵にしているようです。(つまり この人物が叫んでる訳ではなく、自然の叫びに耳を塞いでいますw) この観る者の心までえぐるような絵は一度観たら忘れられないくらいのインパクトですが、近くで観ると色ムラやうねり、色の対比などが相まってそうした雰囲気が出ているように思えました。やたら強調された遠近感とかもそう感じさせる要素の1つかな。一生に一度は直に観ておきたい作品です。
この隣には「不安」の版画版もありました。2007年の展示では油彩が来ていましたが、あれも傑作です。
47 エドヴァルド・ムンク 「絶望」 ★こちらで観られます
こちらは叫びの元となった作品で、橋の上で横向きの人物が目を閉じた物憂げな人物が描かれています。背景の風景や空の色は叫びによく似ていますが、2つを比べると叫びの方がぐにゃぐにゃした描写になっているのが分かります。また、こちらは割と黒い輪郭が強めで、クロワゾニスムのような感じにも思えました。絶望とのことですが、諦念のような静かな雰囲気が漂う作品でした。
ということで、展覧会の中盤あたりで念願の「叫び」を観ることが出来ました。人間の負の感情や死といったネガティブな題材が多い画家ですが、それを粗いタッチで力強く訴えてくるので、観ている方も心を揺さぶられるのではないかと思います。後半も代表的な作品が並び見どころが多かったので、次回は残りの5~9章をご紹介していこうと思います。
→ 後編はこちら
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