関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

【国立西洋美術館】の案内 (常設 2018年10月)

前回ご紹介した展示を観た後、国立西洋美術館の常設も観てきました。今回は最近増えたコレクションはいくつかしか見当たらなかったのですが、今までご紹介していない作品と共に撮影してきたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

公式サイト:
 http://collection.nmwa.go.jp/artizeweb/search_5_area.do

 ※常設展はフラッシュ禁止などのルールを守れば撮影可能です。(中には撮ってはいけない作品もあります。)
  掲載等に問題があったらすぐに削除しますのでお知らせください。

参考記事
 国立西洋美術館の案内 (常設 2018年03月)
 国立西洋美術館の案内 (常設 2017年11月)
 国立西洋美術館の案内 (常設 2011年10月)
 国立西洋美術館の案内 (常設 2011年07月)
 国立西洋美術館の案内 (常設 2010年10月 絵画編)
 国立西洋美術館の案内 (常設 2010年10月 彫刻編)
 国立西洋美術館の案内 (常設 2010年06月)
 国立西洋美術館の案内 (常設 2010年02月)
 国立西洋美術館の案内 (常設 2010年01月)
 国立西洋美術館の案内 (常設 2009年10月)
 国立西洋美術館の案内 (常設 2009年04月)

17世紀(バロック美術など)のコーナー。


ルカス・クラーナハ(父) 「ホロフェルネスの首を持つユディト」
DSC06231.jpg
ドイツルネサンスの巨匠のクラーナハ(父)が得意としたユディトを描いた作品。一昨年に大規模な回顧展が西洋美術館で行われた際にも同名の作品がありましたが、それとは異なる新収蔵品のようです。(当時はブログ休止中でした) 何処と無く妖艶な魅力とロリっぽい雰囲気のあるクラーナハらしい女性像じゃないかなw 非常に見事なコレクションで驚きでした。

バルトロメオ・マンフレーディ 「キリスト捕縛」
DSC06237.jpg
こちらは1610年頃のイタリアの画家で、カラヴァッジョの形式を若手画家に伝えた指導的存在だったそうです。ユダがキリストに裏切りの接吻を交わすシーンで、劇的で明るい色彩がカラヴァッジョスキとしての研究成果を感じさせました。キリストは受け入れるような顔をしてるのが印象的です。

今回、「リヒター|クールベ」という特集をしていて、3点ほど並んでいました。現代画家のゲルハルト・リヒターはクールベの風景画をダイニングに飾っているそうで、2人の作品を一緒に並べています。

ギュスターヴ・クールベ 「狩猟者のいる風景」
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主題やモチーフはクールベがよく描いたものですが、こんなに色が明るいクールベは珍しいかも。予期せず面白い作品が観られました。

ゲルハルト・リヒター 「抽象絵画(ラヴィーン)」
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ゲルハルト・リヒターは具象と抽象が1枚ずつでした。多分これは去年 六本木のワコウ・ワークス・オブ・アートで行われた個展「Painting 1992-2017」にも出品されていた作品ではないかと思います。何を意図しているのかは分かりませんが…w 

「ラテン語詩篇集断片 暦:8月の労働/麦刈り」 フランドル(ブルッヘ)
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こちらは一昨年に寄贈された内藤祐司 氏のゴシック期を中心とした彩飾写本のコレクション。フォントも含めて華麗な雰囲気が漂っています。他にもいくつかのページが展示されていました。

フアン・バン・デル・アメン 「果物籠と猟鳥のある静物」
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こちらは17世紀スペインの「ボデゴン」と呼ばれる静物画。この画面を埋め尽くすようなモチーフの構図がこの画家の特徴なのだとか。艷やかで質感溢れると共に、劇的な陰影でスポットライトに当たっているかのようでした。

ヘーラルト・ダウ 「シャボン玉を吹く少年と静物」
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こちらは肖像のようで「ヴァニタス」と呼ばれる17世紀オランダで流行った静物画のようです。ヴァニタスと言えばその名の通り虚しさを表すモチーフが多く描かれるのですが、ここではシャボン玉とドクロがあって死を連想します。しかも少年には羽が生えてるってことは…。他にも籠とか色々と謎解きの鍵となりそうなのに意図が分からないモチーフが沢山ありますねw

ヤーコプ・ファン・ロイスダール 「樫の森の道」
DSC06272.jpg
フェルメール展が行われると大体セットで観ることができるのがこのロイスダール。17世紀オランダの風景画家で叙情的な光景が得意です。人の大きさと比べると樫の木が立派ですね。明暗も相まってちょっと神々しさすら感じます。

ダフィット・テニールス(子) 「聖アントニウスの誘惑」
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ルーベンスと同じ17世紀アントウェルペンで活躍した画家ですが、ややルーベンスより後の時代の人です。悪魔の舞う幻覚を描いた作品で、西洋画によく出てくる主題となっています。意外と長閑な感じもしますが、聖アントニウスはしっかり祭壇に向かって誘惑と戦っている様子となっています。

フランチェスコ・フォンテバッソ 「羊飼いの礼拝」
DSC06279.jpg
こちらは18世紀のヴェネツィアの画家の作品。陰影が劇的でやや粗目のタッチとなっているのが特徴に思えます。あまり大きくないので何かの下絵なのかな??

ジョルジュ・ルオー 「道化師」
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ルオーが特に好んだモチーフである道化師。ここでも何処か哀愁を感じさせる表情となっていました。ルオーはマチエールに特徴があるので、是非 本物を間近で観てほしい画家です。

シャイム・スーティン 「心を病む女(狂女)」
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スーティンの肖像は激しいタッチとモデルの強烈な個性を醸し出す画風が面白い。そもそも普通この人をモデルにするか?って感じですが、貧しさや抑圧を描くのがスーティンらしい所かも。

今回、版画室ではルーベンス展と同時開催で「ローマの景観―そのイメージとメディアの変遷」を開催していました。
DSC06296.jpg
【展覧名】ローマの景観―そのイメージとメディアの変遷
【公式サイト】http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2018roma.html
【会期】2018年10月16日(火)~2019年1月20日(日)
今回は撮影禁止でメモも取らなかったので記事にはしませんが、ローマを描いた油彩・版画・写真など35点が並んでいて、ローマのイメージがどのように表され伝わったかという内容でした。


ということで、今回も常設も楽しんできました。この西洋美術館のコレクションは非常に貴重なものばかりですので、特別展に行く機会があったら是非どうぞ。(特別展の半券で入ることができます)


おまけ:
常設展にはヨハネス・フェルメールに帰属の「聖プラクセディス」も展示されています。これは撮影禁止ですが、西洋美術館の前に看板がありました。(上野の森美術館のフェルメール展に合わせて出したのかもw)
DSC06223.jpg
これはフェルメールがフェリーチェ・フィケレッリの同名作品を模写した若い頃の作品ではないか?とされているものです。真筆とは断定できないようですが、フェルメール初期の宗教画に似た雰囲気があるので、私は恐らく本物ではないかと思って観ています。本物と断定されたらえらいことになるんじゃないかなあw

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