関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

東京国立博物館の案内 【2018年10月】

今回も写真多めです。前回ご紹介した東京国立博物館の展示を観た後、引き続き本館で常設を観てきました。写真も撮ってきましたのでそれをいくつかご紹介しようと思います。

 ※ここの常設はルールさえ守れば写真が撮れます。(撮影禁止の作品もあります)
 ※当サイトからの転載は画像・文章ともに一切禁止させていただいております。


今回も閉館まで40分ちょっとという絶望的なくらいに時間が無い状態だったので、1階は明治の絵画のコーナーくらいで、2階を中心に観てきました。それでも素晴らしい品が目白押しでしたので、早速写真を使ってご紹介していこうと思います(時代の順番がめちゃくちゃですが、観た順ですw)

今尾景年 「松間朧月」
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明治に活躍した今尾景年は花鳥画を得意としてシカゴ万国博覧会でも受賞した実力の持ち主のようです。朧月の柔らかな表現が見事です。

横山大観 「五浦の月」
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横山大観は朦朧体と揶揄されて仲間と共に茨城県の五浦に都落ちしていた時期があったのですが、こちらは昭和の頃に描いたものなので想い出でしょうか。五浦というよりは仙境みたいな叙情性があります。
 参考記事:
  生誕150年 横山大観展 感想前編(東京国立近代美術館)
  生誕150年 横山大観展 感想後編(東京国立近代美術館)

七大錦光山宗兵衛 「色絵金襴手双鳳文飾壺」
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見るからに絢爛豪華な壺。この盛りまくりの装飾は輸出用でしょうね。鳳凰が軽やかに舞っています。

橋本雅邦 「臨済一喝(画稿)」
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クリムゾン・キングの宮殿のジャケかな?w 一喝する口と目に試行錯誤が観られます。

葛飾北斎 「冨嶽三十六景・武州玉川」
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非常に摺りと状態が良く、「ベロ藍」ことベルリンブルーが美しい逸品。構図もリズムがあってこのシリーズでも好きな作品です。

「埴輪 猿」 伝茨城県行方市大日塚古墳
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珍しい猿の埴輪! しかも背中には小猿を背負っていた痕跡があるようです。簡潔ながらも猿と分かる面白い品です。

続いて国宝室

「虚空蔵菩薩像」 平安時代12世紀
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虚空蔵菩薩の中で現存で最も古く最も美しいとされる国宝です。切金を使った細密な装飾は近くで観ても驚くほどでした。

「阿弥陀如来坐像」 鎌倉時代12~13世紀
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こちらは来迎印を結ぶ阿弥陀如来坐像。運慶周辺の仏師の作とみられるとのことで、どっしりとした存在感がありました。

「愛染明王像」 南北朝時代14世紀
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非常に迫力があって力強い愛染明王。色も鮮やかで、燃え盛るような光背も含めてカッコいい。

岳翁蔵丘 「山水図」
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室町時代15世紀頃の禅僧の画家による作品で、周文の弟子とされるそうで 周文そのものにしか思えません。題材も含めて室町時代の山水画の典型じゃないかな。

可翁仁賀 「蜆子和尚図」
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14世紀前半に活躍したと考えられる人物によるもの。薄く太めの輪郭線で緩やかな雰囲気となっています。蜆子和尚は唐末の禅僧で、エビやシジミを食べてたので蜆(しじみ)和尚と呼ばれるようです。画題も画風も禅画っぽいので、作者は禅に通じた人だったのかな?

「大井戸茶碗 有楽井戸」 朝鮮16世紀
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こちらは高麗茶碗。かつて織田有楽斎(信長の弟)が持っていたらしく名前にも有楽と入っています。素朴ながらひび割れたような表面が面白い。関西を代表する藤田香雪(伝三郎)も所持した時代があったようですが、藤田美術館でなく東博にあるんですね。
 参考記事:【番外編】有楽苑と犬山城の写真

江戸時代の絵画のコーナーは季節に合わせてか鶉をテーマにした作品が多かったです。

土佐光起 「粟穂鶉図屏風」
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軽やかなススキの連続や舞い飛ぶ鶉が何とも優美。ススキに描かれている鶉も丸々して可愛いw

俵屋宗雪 「秋草図屏風」
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俵屋宗達の後継者で、後の琳派に先駆けた画風となっています。この草花の配置がリズミカルで流れるような印象を受けました。
非常に好み。

「松竹梅鶴蒔絵料紙硯箱」
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こちらは湯島聖堂の儀式に使われた品だそうで、分かりやすい吉祥紋ですねw デフォルメぶりが雅な雰囲気です。

俵屋宗達・烏丸光広(賛)「関屋図屏風」
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こちらは源氏物語の「関屋」の帖に取材した作品。空間の使い方が非常に大胆で、右のほうにモチーフが多くて左は余白が多いのが面白い。見切れるくらいなら中央に寄せたくなるのが私のような凡人の性ですが…w さらさらっと書かれた賛も流麗な雰囲気です。

土佐光起 「野菊鶉図」
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土佐光起の鶉が再びいました。羽はかなり細かく描かれていて、質感が出ています。秋の気配漂う野菊も風情がありますね。

土佐光成 「秋草鶉図」
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こちらは土佐光起の息子の光成(みつなり/みつしげ) 父親の画風によく似ていて、鶉も先程のに劣らない腕前です。

岩佐勝重 「猿猴芦雁図」
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岩佐又兵衛の息子による2幅対の作品。右幅の構図と左幅の雁の首の曲線が呼応するように思えました。猿がゆるキャラみたいで可愛いw

山本梅逸 「秋汀白鷺図」
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円山四条派や中国の古画から影響を受けた画家だけに、写実的で色合いとかは中国風に感じるかな。山本梅逸はもっと人気が出そうな気がするんですけどね。

渡辺始興 「帰牧図屏風」
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尾形光琳に学び琳派の1人とみなされる渡辺始興による屏風。牛や背景の草花なんかは琳派風に見えるかな。のんびりして心休まる作品でした。

この辺で時間切れになったので、最後に扇などのコーナー。

尾形光琳 「仕丁図扇面」
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大げさな身振り手振りをして楽しげな人々。右から三番目の人とか踊っているように観えますw デフォルメぶりが面白く、輪郭線に動きを感じます。

尾形乾山 「芙蓉図扇面」
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芙蓉の花を描いた作品。兄の尾形光琳のデザイン的な画風とはまた違った、素朴ながらも情趣溢れる表現で親しみが湧きます。非常に生き生きした雰囲気でした。

佐脇嵩之 「秋海棠図扇面」
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こちらは銀地に秋海棠という落ち着いた雰囲気の扇面。銀地は豪華さと静けさが同居して良い味出しますね。

この他にも狩野派の扇面なども素晴らしい品が並んでいました。

住吉如慶・愛宕通福(詞)「伊勢物語絵巻 巻第五」
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こちらは住吉如慶の代表作。典雅で軽やかな画風です。


ということで、今回も短時間ながら東博の常設を楽しんできました。ここの常設は特別展と変わらないくらいの見どころなので、東博に行く際には十分に時間を取って常設もゆっくり観ることをお勧めします。今回はダッシュで観ても回りきれなかった…w


 参考記事:
   東京国立博物館の案内 【建物編】
   東京国立博物館の案内 【常設・仏教編】
   東京国立博物館の案内 【常設・美術編】
   東京国立博物館の案内 【2009年08月】
   東京国立博物館の案内 【2009年10月】
   東京国立博物館の案内 【2009年11月】
   東京国立博物館の案内 【秋の庭園解放】
   東京国立博物館の案内 【2009年12月】
   東京国立博物館の案内 【2009年12月】 その2
   東京国立博物館の案内 【2010年02月】
   東京国立博物館の案内 【2010年06月】
   東京国立博物館の案内 【2010年11月】
   博物館に初もうで (東京国立博物館 本館)
   本館リニューアル記念 特別公開 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館の案内 【2011年02月】
   東京国立博物館の案内 【2011年07月】
   東京国立博物館の案内 【2011年11月】
   博物館に初もうで 2012年 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館140周年 新年特別公開 (東京国立博物館 本館)
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   東京国立博物館の案内 【秋の庭園解放 2012】
   東京国立博物館の案内 【2012年11月】
   博物館に初もうで 2013年 (東京国立博物館 本館)
   東洋館リニューアルオープン (東京国立博物館 東洋館)
   東京国立博物館の案内 【2013年04月】
   東京国立博物館 平成25年度 秋の特別公開 (東京国立博物館)
   東京国立博物館の案内 【2013年12月】
   博物館に初もうで 2014年 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館の案内 【2017年08月】
   東京国立博物館の案内 【2017年09月】
   マジカル・アジア(前編)【東京国立博物館 東洋館】
   マジカル・アジア(後編)【東京国立博物館 東洋館】
   博物館に初もうで 2018年 犬と迎える新年 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館の案内 【法隆寺宝物館 2018年01月】
   東京国立博物館の案内 【2018年02月】
   東京国立博物館の案内 【2018年07月】
   東京国立博物館の案内 【2018年10月】
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