【東京国立近代美術館】の案内 (2018年11月)
今回は写真多めです。前回ご紹介した東京国立近代美術館の展示を観た前に、本館所蔵品ギャラリーで常設作品も観てきました。ここの常設は期間が設けられているので、まずは概要についてです。
【展覧名】
所蔵作品展 MOMAT コレクション
【公式サイト】
http://www.momat.go.jp/am/exhibition/permanent20181006/
【会場】
東京国立近代美術館 本館所蔵品ギャラリー
【最寄】
東京メトロ東西線 竹橋駅
【会期】2018年10月6日(土)~ 2019年1月20日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【感想】
この日は空いていて快適に鑑賞することができました。今回も気に入った作品の中から今までご紹介していないものを写真で並べていこうと思います。
※ここの常設はルールさえ守れば写真が撮れますが、撮影禁止の作品もあります。
※当サイトからの転載は画像・文章ともに一切禁止させていただいております。
参考記事:
東京国立近代美術館の案内 (2018年06月)
東京国立近代美術館の案内 (2018年05月)
東京国立近代美術館の案内 (2017年12月前編)
東京国立近代美術館の案内 (2017年12月後編)
東京国立近代美術館の案内 (2017年09月)
東京国立近代美術館の案内 (2014年01月)
東京国立近代美術館の案内 (2013年09月)
東京国立近代美術館の案内 (2013年03月)
東京国立近代美術館の案内 (2012年02月)
東京国立近代美術館の案内 (2011年12月)
東京国立近代美術館の案内 (2011年06月)
東京国立近代美術館の案内 (2010年12月)
東京国立近代美術館の案内 (2010年09月)
東京国立近代美術館の案内 (2010年05月)
東京国立近代美術館の案内 (2010年04月)
東京国立近代美術館の案内 (2010年02月)
東京国立近代美術館の案内 (2009年12月)
菱田春草 「王昭君」

こちらは元帝の時代に後宮から匈奴の王へ女性を差し出すシーン。肖像画で一番醜い女性を選んだつもりが、絵師に賄賂を送らなかった王昭君という美しい女性が選ばれてしまったという話です。本人よりも周りの方が悲嘆にくれてるようにも見えるかな。横から観た構図が面白く、それぞれの心情も比較できるように思えました。
川合玉堂 「彩雨」

こちらは川合玉堂が得意とした水車を題材にした作品。霧に烟る秋の農家が何とも叙情的です。
参考記事:没後60年記念 川合玉堂 ―四季・人々・自然― (山種美術館)
中川八郎 「北国の冬」

写実的な雪国の光景。輝くような雪の表現に臨場感があります。なんか足跡らしきものがあって気になるw
小杉放菴(未醒) 「水郷」

観た瞬間にシャヴァンヌの「貧しき漁夫」を思い起こしました。ポーズと題材がよく似ています。何処と無く内省的な雰囲気があって静けさが漂っていました。
参考記事:
国立西洋美術館の案内 (常設 2010年06月)
シャヴァンヌ展 感想前編(Bunkamuraザ・ミュージアム)
坂本繁二郎 「馬」

坂本繁二郎といえば馬ですw こちらは繋がれて前掻きしてるのかな。ややほっそりした馬で、遠くを見るような視線が気になりました。
萬鉄五郎 「羅布かづく人」

萬鉄五郎による白黒の対比が明確な力強い版画。ちょっとカクついた感じとか とってもプリミティブ
この辺には新版画の良い作品が多くて見ごたえがあります。山村豊成(耕花)による「十三世守田勘弥のジャン・バルジャン」もありました。
伊藤久三郎 「燕」

写実と幻想が混じったようなシュルレアリスム的な作品。コウモリ天井のような緑の連なりがツバメの軌道のようにも観ました。色彩と共に夢の中の世界のようです。
和田三造 「興亜曼荼羅」

何かの神話の場面かと思ったら、大東亜共栄圏の理想を図案化した作品らしく中央の大理石の像が日本なのだとか。プロパガンダ的で時代を感じさせます。それにしても何で日本なのに西洋風な馬車なんだろかw
この辺は「彩管報国」(絵で国に報いる)をテーマにした戦時の作品が並んでいまいた。1942年の軍用機献納作品展に出品された作品は三越に買い上げられ、代価20万円(現在の5億円)は陸海軍に収められたそうです。
畠山錦成 「菖蒲」

こちらは1942年の軍用機献納作品展に出された品の1つ。特にテーマは決まってなかったようですが、日本の伝統的なモチーフとなっています。琳派的な雰囲気もあるかな。
中村大三郎 「春雨」

こちらも軍用機献納作品展の出品作。色合いが鏑木清方みたいに見えましたが京都の画家です。こんな清廉な女性を描いた作品も戦争に使われた時代があったんですね…。
山口華楊 「基地に於ける整備作業」

こちらは完全に戦地の様子を描いた作品。南方の島でしょうか。意気揚々といった感じに見えました。
続いては戦後のコーナー。
川島猛 「1968-N.Y.203」

一見すると家紋のように見えるけど、よくよく見ると工業製品みたいなものが描かれた作品。インスピレーションの源は高度成長期の団地だそうで、作者は航空機科と機械科で学んでいたらしいので、そういうデザインも加味されているのかも。近くでみると色がチカチカしましたw
ハンネ・ダルボーヴェン 「世界劇場79」

壁一面に同じような絵がずらっと並んでいて何じゃこりゃ?と驚きました。1日1枚365日描いたらしく、きっかり365枚あります。
世界劇場79のアップ。1枚1枚絵柄が違っています

この絵は19世紀末にコーヒーのパッケージに入っていたオマケの図像らしく、左側の幕は舞台を表しているようです。…と、ちょっと深い意味は分からないですが、これだけ数が集まると目を引きますねw
この近くには私の好きな河口龍夫の天文写真をモチーフにした作品もありました。そして、今回の写真の部屋は北井一夫の「村へ」を取り上げていました。
北井一夫 「[村へ]より 夜 宮崎県石巻市」

面を被った人がひょっこり出てくる様子。子供が観たらめっちゃトラウマになりそうw 村の持つ土着のフォークロア的なものを感じます。
他にも結婚式などの風俗を撮った写真もあり、面白いコーナーでした。
その先は横山操と盟友の加山又造の作品が数点並んでいました。
参考記事:
横山操展 ~アトリエより~ (三鷹市美術ギャラリー)
Re 又造 MATAZO KAYAMA|加山又造アート展 (EBiS303 イベントホール)
横山操 「塔」

こちらは台東区谷中にあった五重塔が焼け落ちた際の様子を描いたもの。トリミングで黒焦げになった部分がクローズアップされているようで、廃墟となってもそびえ立つ雰囲気がありました。何とも力強い廃墟です。
加山又造 「月と犀」

日本画なのにシュルレアリスム的な雰囲気の作品。ややキュビスム的な要素もあるかな。日本画とは何か?を問い、新しいものを造ろうとする意思が強く現れているように思えます。
加山又造 「悲しき鹿」

こちらは敗戦後の不安を表した作品。この頃、ジョアン・ミロの強い色彩対比に惹かれていたそうで、日本画の極度の様式性と装飾性にそれを応用しているそうです。 線が流れるようで、彫刻の彫り跡を思わせるかな。斬新で面白い作品です。
横山操 「ウォール街」

こちらも日本画らしくないモチーフですが、質感や構図が圧巻の作品。周りの廃墟のようなビルと対比的に中央の真っ青な空が何とも爽やか。
横山操 「カラガンダの印象」

こちらは油彩画。重厚で単純化された山が非常に強い存在感となっています。セザンヌっぽい雰囲気もあるように思えるかな。色も強くてかなり好みの作品でした。
竹内栖鳳 「禁城翠色」

皇居のお堀を描いた作品。淡い色彩を背景に松だけが水墨のようでダイナミックに描かれています。滲みもあるし、繊細さと豪快さが同居した感じでした。
下村観山 「東都名所より 日本橋」

こちらは日本美術院の同人達が描いた全22面からなる作品の1つ。街頭が灯り霞む様子が何とも幻想的。当時のモダンな様子も伺えるのも好みでした。
今回、2階は「遠くへ行きたい」というタイトルの部屋となっていて、遠くを想う様子や異世界的な雰囲気の作品が並んでいました。
中村宏 「円環列車・B-飛行する蒸気機関車」

「銀河鉄道の夜」というか「銀河鉄道999」を思い起こしましたが、1969年作なのでこちらのほうが999より古いようです。セーラー服の女性も奇妙な感じだし、シュールな世界観が面白い作品でした。
三岸好太郎 「雲の上を飛ぶ蝶」

モチーフ自体は写実的だけど、ありえない光景が超現実的な作品。ルドンや速水御舟も蝶を描いていましたが、蝶が集まると儚く幻想的に見えますよね。
遠藤彰子 「遠い日」

どこか懐かしくもあり、奇妙でもある光景。遠近感や立体がありえない感じですが、心惹かれるものがあります。螺旋で中央に目が行くと、そこには青空があり、何か希望を感じさせました。
大岩オスカール 「ガーデニング(平和への道)」

廃墟らしき建物を背景に白い花のようなものが舞っている作品。淡い色彩で不思議な柔らかさを感じました。
最後に2階の奥の部屋。
ジョセフ・クーデルカ 「亡命者たち より」

巨大な船を見つめる背中が哀愁漂う作品。周りに何もないのでシュールな雰囲気すらあります。タイトルから察するに亡命者でしょうか。ジョセフ・クーデルカは本当に良い写真が多いです。
参考記事:
ジョセフ・クーデルカ展 感想前編(東京国立近代美術館)
ジョセフ・クーデルカ 「プラハ1968」 (東京都写真美術館)
フランシス・ベーコン 「スフィンクス-ミュリエル・ベルチャーの肖像」

ちょっとキモさもあって生きる痛みのようなものを感じるベーコンの肖像。背景が鮮やかだけに色が不穏に見えますw 余談ですが、最近AIが描いた肖像画が話題になりましたが、ベーコンみたい…と思ったのは私だけじゃないはずw
参考記事:フランシス・ベーコン展 感想前編(東京国立近代美術館)
参考リンク:AI(人工知能)が描いた裸婦画が世界的な芸術賞でグランプリを獲得
ということで、今回も見どころたっぷりの常設となっていました。ここは常設と言っても中々お目にかけない作品も多いので、特別展と同じくらい楽しめる内容です。東近美に行く機会があったら、是非こちらも合わせてみることをオススメします。
【展覧名】
所蔵作品展 MOMAT コレクション
【公式サイト】
http://www.momat.go.jp/am/exhibition/permanent20181006/
【会場】
東京国立近代美術館 本館所蔵品ギャラリー
【最寄】
東京メトロ東西線 竹橋駅
【会期】2018年10月6日(土)~ 2019年1月20日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【感想】
この日は空いていて快適に鑑賞することができました。今回も気に入った作品の中から今までご紹介していないものを写真で並べていこうと思います。
※ここの常設はルールさえ守れば写真が撮れますが、撮影禁止の作品もあります。
※当サイトからの転載は画像・文章ともに一切禁止させていただいております。
参考記事:
東京国立近代美術館の案内 (2018年06月)
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菱田春草 「王昭君」

こちらは元帝の時代に後宮から匈奴の王へ女性を差し出すシーン。肖像画で一番醜い女性を選んだつもりが、絵師に賄賂を送らなかった王昭君という美しい女性が選ばれてしまったという話です。本人よりも周りの方が悲嘆にくれてるようにも見えるかな。横から観た構図が面白く、それぞれの心情も比較できるように思えました。
川合玉堂 「彩雨」

こちらは川合玉堂が得意とした水車を題材にした作品。霧に烟る秋の農家が何とも叙情的です。
参考記事:没後60年記念 川合玉堂 ―四季・人々・自然― (山種美術館)
中川八郎 「北国の冬」

写実的な雪国の光景。輝くような雪の表現に臨場感があります。なんか足跡らしきものがあって気になるw
小杉放菴(未醒) 「水郷」

観た瞬間にシャヴァンヌの「貧しき漁夫」を思い起こしました。ポーズと題材がよく似ています。何処と無く内省的な雰囲気があって静けさが漂っていました。
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シャヴァンヌ展 感想前編(Bunkamuraザ・ミュージアム)
坂本繁二郎 「馬」

坂本繁二郎といえば馬ですw こちらは繋がれて前掻きしてるのかな。ややほっそりした馬で、遠くを見るような視線が気になりました。
萬鉄五郎 「羅布かづく人」

萬鉄五郎による白黒の対比が明確な力強い版画。ちょっとカクついた感じとか とってもプリミティブ
この辺には新版画の良い作品が多くて見ごたえがあります。山村豊成(耕花)による「十三世守田勘弥のジャン・バルジャン」もありました。
伊藤久三郎 「燕」

写実と幻想が混じったようなシュルレアリスム的な作品。コウモリ天井のような緑の連なりがツバメの軌道のようにも観ました。色彩と共に夢の中の世界のようです。
和田三造 「興亜曼荼羅」

何かの神話の場面かと思ったら、大東亜共栄圏の理想を図案化した作品らしく中央の大理石の像が日本なのだとか。プロパガンダ的で時代を感じさせます。それにしても何で日本なのに西洋風な馬車なんだろかw
この辺は「彩管報国」(絵で国に報いる)をテーマにした戦時の作品が並んでいまいた。1942年の軍用機献納作品展に出品された作品は三越に買い上げられ、代価20万円(現在の5億円)は陸海軍に収められたそうです。
畠山錦成 「菖蒲」

こちらは1942年の軍用機献納作品展に出された品の1つ。特にテーマは決まってなかったようですが、日本の伝統的なモチーフとなっています。琳派的な雰囲気もあるかな。
中村大三郎 「春雨」

こちらも軍用機献納作品展の出品作。色合いが鏑木清方みたいに見えましたが京都の画家です。こんな清廉な女性を描いた作品も戦争に使われた時代があったんですね…。
山口華楊 「基地に於ける整備作業」

こちらは完全に戦地の様子を描いた作品。南方の島でしょうか。意気揚々といった感じに見えました。
続いては戦後のコーナー。
川島猛 「1968-N.Y.203」

一見すると家紋のように見えるけど、よくよく見ると工業製品みたいなものが描かれた作品。インスピレーションの源は高度成長期の団地だそうで、作者は航空機科と機械科で学んでいたらしいので、そういうデザインも加味されているのかも。近くでみると色がチカチカしましたw
ハンネ・ダルボーヴェン 「世界劇場79」

壁一面に同じような絵がずらっと並んでいて何じゃこりゃ?と驚きました。1日1枚365日描いたらしく、きっかり365枚あります。
世界劇場79のアップ。1枚1枚絵柄が違っています

この絵は19世紀末にコーヒーのパッケージに入っていたオマケの図像らしく、左側の幕は舞台を表しているようです。…と、ちょっと深い意味は分からないですが、これだけ数が集まると目を引きますねw
この近くには私の好きな河口龍夫の天文写真をモチーフにした作品もありました。そして、今回の写真の部屋は北井一夫の「村へ」を取り上げていました。
北井一夫 「[村へ]より 夜 宮崎県石巻市」

面を被った人がひょっこり出てくる様子。子供が観たらめっちゃトラウマになりそうw 村の持つ土着のフォークロア的なものを感じます。
他にも結婚式などの風俗を撮った写真もあり、面白いコーナーでした。
その先は横山操と盟友の加山又造の作品が数点並んでいました。
参考記事:
横山操展 ~アトリエより~ (三鷹市美術ギャラリー)
Re 又造 MATAZO KAYAMA|加山又造アート展 (EBiS303 イベントホール)
横山操 「塔」

こちらは台東区谷中にあった五重塔が焼け落ちた際の様子を描いたもの。トリミングで黒焦げになった部分がクローズアップされているようで、廃墟となってもそびえ立つ雰囲気がありました。何とも力強い廃墟です。
加山又造 「月と犀」

日本画なのにシュルレアリスム的な雰囲気の作品。ややキュビスム的な要素もあるかな。日本画とは何か?を問い、新しいものを造ろうとする意思が強く現れているように思えます。
加山又造 「悲しき鹿」

こちらは敗戦後の不安を表した作品。この頃、ジョアン・ミロの強い色彩対比に惹かれていたそうで、日本画の極度の様式性と装飾性にそれを応用しているそうです。 線が流れるようで、彫刻の彫り跡を思わせるかな。斬新で面白い作品です。
横山操 「ウォール街」

こちらも日本画らしくないモチーフですが、質感や構図が圧巻の作品。周りの廃墟のようなビルと対比的に中央の真っ青な空が何とも爽やか。
横山操 「カラガンダの印象」

こちらは油彩画。重厚で単純化された山が非常に強い存在感となっています。セザンヌっぽい雰囲気もあるように思えるかな。色も強くてかなり好みの作品でした。
竹内栖鳳 「禁城翠色」

皇居のお堀を描いた作品。淡い色彩を背景に松だけが水墨のようでダイナミックに描かれています。滲みもあるし、繊細さと豪快さが同居した感じでした。
下村観山 「東都名所より 日本橋」

こちらは日本美術院の同人達が描いた全22面からなる作品の1つ。街頭が灯り霞む様子が何とも幻想的。当時のモダンな様子も伺えるのも好みでした。
今回、2階は「遠くへ行きたい」というタイトルの部屋となっていて、遠くを想う様子や異世界的な雰囲気の作品が並んでいました。
中村宏 「円環列車・B-飛行する蒸気機関車」

「銀河鉄道の夜」というか「銀河鉄道999」を思い起こしましたが、1969年作なのでこちらのほうが999より古いようです。セーラー服の女性も奇妙な感じだし、シュールな世界観が面白い作品でした。
三岸好太郎 「雲の上を飛ぶ蝶」

モチーフ自体は写実的だけど、ありえない光景が超現実的な作品。ルドンや速水御舟も蝶を描いていましたが、蝶が集まると儚く幻想的に見えますよね。
遠藤彰子 「遠い日」

どこか懐かしくもあり、奇妙でもある光景。遠近感や立体がありえない感じですが、心惹かれるものがあります。螺旋で中央に目が行くと、そこには青空があり、何か希望を感じさせました。
大岩オスカール 「ガーデニング(平和への道)」

廃墟らしき建物を背景に白い花のようなものが舞っている作品。淡い色彩で不思議な柔らかさを感じました。
最後に2階の奥の部屋。
ジョセフ・クーデルカ 「亡命者たち より」

巨大な船を見つめる背中が哀愁漂う作品。周りに何もないのでシュールな雰囲気すらあります。タイトルから察するに亡命者でしょうか。ジョセフ・クーデルカは本当に良い写真が多いです。
参考記事:
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ジョセフ・クーデルカ 「プラハ1968」 (東京都写真美術館)
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ちょっとキモさもあって生きる痛みのようなものを感じるベーコンの肖像。背景が鮮やかだけに色が不穏に見えますw 余談ですが、最近AIが描いた肖像画が話題になりましたが、ベーコンみたい…と思ったのは私だけじゃないはずw
参考記事:フランシス・ベーコン展 感想前編(東京国立近代美術館)
参考リンク:AI(人工知能)が描いた裸婦画が世界的な芸術賞でグランプリを獲得
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