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田根 剛|未来の記憶 Archaeology of the Future―Search & Research 【TOTOギャラリー・間】

今日は写真多めです。2週間ほど前の土曜日に乃木坂のTOTOギャラリー・間(TOTO GALLERY・MA)で「田根 剛|未来の記憶 Archaeology of the Future―Search & Research」を観てきました。この展示は撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

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【展覧名】
 田根 剛|未来の記憶 Archaeology of the Future―Search & Research

【公式サイト】
 https://jp.toto.com/gallerma/ex181018/index.htm

【会場】TOTOギャラリー・間(TOTO GALLERY・MA)
【最寄】千代田線乃木坂駅/日比谷線・大江戸線 六本木駅など

【会期】2018年10月18日(木)~12月23日(日・祝)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間40分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
思った以上に賑わっていて場所によっては人だかりができる位でしたが、概ね自分のペースで観ることができました。

さて、この展示は現在注目を集めている建築家の田根剛 氏のこれまでの仕事を紹介する内容となっています。と、趣旨もタイトルも前回ご紹介した東京オペラシティアートギャラリーとほぼ同じと言えそうです。(しかも同時期に開催) 東京オペラシティアートギャラリーの展示と比べるとこちらは小型の模型が中心で種類が多い一方、説明が少なめかな。田根剛 氏については前回の記事を参照頂ければと思いますが、若くして国際的な名声を得た建築家で、ロケーションに合わせてその歴史を調べて建築に活かすのを特徴にしています。この展示でもそれが分かるようになっていましたので、詳しくは写真を使ってご紹介していこうと思います。
 参考記事:田根 剛|未来の記憶 Archaeology of the Future ─ Digging & Building (東京オペラシティアートギャラリー)


田根剛 「デンマーク自然科学博物館」
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こちらはデンマークの博物館のデザイン案。自然科学の博物館らしく屋上に木々が立ち並んでいます。一部の木は地下にまで通じているようで、面白い。

田根剛 「エストニア国立博物館」
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こちらは前回も取り上げた田根剛 氏の名前を世に知らしめた26歳の時の出世作。滑走路に接続する細長い博物館で、旧ソ連時代の負の遺産の歴史を忘れないという点が評価されました。ちなみに、この写真に写っているように会場には沢山の資料が貼り付けてあります。こういう資料でその土地土地の歴史や文化を深掘りしているようです。

エストニア国立博物館のアップ
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人の模型があると大きさがよく分かります。2016年に出来たらしく、この展示でも実物の映像を上階で観ることができました。

田根剛 「(仮称)弘前市芸術文化施設」
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こちらも前回の展示にもありましたが、レンガ倉庫を美術館にするプロジェクト。進行中のプロジェクトなので、完成が楽しみな建物です。

田根剛 「カイタック・ツインタワー」
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こちらは香港の複合施設の選考案。九龍城や高層ビル群などをイメージしているようです。九龍城は魔境みたいなイメージですが、ロマンがありますよねw これもワクワクさせてくれます。

田根剛 「新国立競技場」
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こちらはザハ・ハディド氏が選ばれた時の「新国立競技場」の案で、ファイナリストまで進んだもの。古墳を模した「古墳スタジアム」で、名声を更に高めた作品です。

古墳スタジアムをデザインするにあたって作られた模型や資料など。
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枠だけ観るとコロッセオ的にも見えるかも。

田根剛 「Todoroki House in Valley」
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こちらは木々に囲まれた等々力渓谷の近くの家。森と共生するような佇まいで、洗練されているのにどこか懐かしくもあって、楽しそうな家です。

田根剛 「10 Kyoto」
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こちらは京都に計画しているプロジェクト。オペラシティの展示の模型とちょっと形が違って見えたけど、写真の角度のせいかな?w 木材は古材となるようです。

ピラミッドの表側。
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木も建築の一部のようになっているので、大胆な形でも古都と共存できそう。これも出来たら実物を見たい建物です。

田根剛 「フォンテーヌブロー週末住宅」
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こちらも進行中のフランスの案件。建物と森が一体化するような造りになっているのが驚きです。

フォンテーヌブロー週末住宅の中のアップ。
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巨大なワンルームとなっているようです。窓も広いし開放感ありそうだけど、ここに住むのは無理かもw

フォンテーヌブロー週末住宅の他の模型。
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こっちは実際の生活ができそうな間取りになっています。こちらの模型にもちゃんと大広間みたいなのもありますね。

この作品を作るにあたっても色々調べているようです。
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フォンテーヌブローの森はフランスの絵画でもよく出てくる所だけに歴史も深そうです。

田根剛 「LIGHT is TIME シチズン、ミラノサローネ」
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こちらは2014年にミラノのシチズンに作られたインスタレーションのデザイン。トンネルみたいなw

こちらもミラノのインスタレーション。時計の地板を8万枚・ワイヤー4000本以上使っているようです。
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なんとこのインスタレーションを2018/12/7~12/16南青山のシチズンで観ることもできるようです。私も行きたいですが既に各種イベントが満席なので行けるかどうか…。
 参考リンク:CITIZEN“We Celebrate Time”100周年展
  → 行ってきました 参考記事:CITIZEN“We Celebrate Time”100周年展 (スパイラルガーデン)

外にも数多くの模型が並んでいました。
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外はオペラシティには無い建物の模型が大半でした。

田根剛 「(仮称)横浜マーケットプロジェクト」
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横浜で進行中の商業施設のデザイン。レンガの町横浜で世界各国の港町の地図に基づいて、各階の床と壁全面をタイルで覆い尽くす計画のようです。またお洒落な名所の誕生になりそうですねw

田根剛 「渋谷デパートメントストア」
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こちらは2015年の複合施設の選考案。これはどのような計画だったのか分かりませんが、幾何学的なパターンの繰り返しが美しくて好み。

田根剛 「京町家ホテル 四季十楽」
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こちらは町家をリノベーションしたホテル。実際に泊まることもできるようで、複数の部屋を組み合わせたデザインになっています。内装の写真とか観ると、インテリアなどにもこだわりが感じられます。
 参考リンク:じゃらん「京町家ホテル 四季十楽」

田根剛 「リュクサンブールのアパルトマン」
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こちらはパリで進行中のインテリアデザイン。オスマン様式の建物の内部の改装のプロジェクトのようで、伝統的な石や木、漆喰を使って現代的な空間へ転化を試みているようです。歴史を重んじる方だけに新築だけでなくリノベーションも得意そうですね。

田根剛 「クキオのヴィラ」
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こちらはハワイの住宅の設計案。って、火山かな??w SFの秘密基地みたいでかなり大胆なデザインです。

田根剛 「「A House fro Oiso」
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これはオペラシティの展示でも観た住宅の模型。高床式と町家の要素が強めに思えます。

近くにはパリの とらや の模型もありました。

田根剛 「アルチュール・ランボー美術館」
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こちらはフランスの美術館の設計案で優秀案を受賞した作品。詩人のアルチュール・ランボーにまつまる建築として美術館と劇場の統合を試みているそうです。アルチュール・ランボーの故郷の風車小屋の中身を解体し、展示室と劇場にする計画だったようです。

今回、上の階は映像でこちらは撮影不可でした。実際に建てられた建築の内部の映像などを観ることができます。映像そのものも美しくて結構見入って長居してきました。

ということで、東京オペラシティアートギャラリーの展示と被っている部分もありますが、こちらの方が模型の種類は多かったと思います。どちらも面白い展示ですが、オペラシティのほうが説明が多いので、そちらで観てからTOTOに行く方が理解しやすそうです(私は逆でしたw) こちらは無料で観られますので、これから注目の建築家を今のうちに知っておくのに打って付けの機会だと思います。
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