扇の国、日本 【サントリー美術館】
先週の土曜日に六本木ミッドタウンのサントリー美術館で「扇の国、日本」を観てきました。

【展覧名】
扇の国、日本
【公式サイト】
https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2018_5/
【会場】サントリー美術館
【最寄】六本木駅
【会期】2018年11月28日(水)~2019年1月20日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間20分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
結構お客さんはいましたが、快適に鑑賞することができました。
さて、この展示は日本で生まれ発展した扇を主題にしたもので、その歴史と共に多様な美術表現を紹介する内容となっています。扇は日本で発祥したのは分かっているものの その起源の詳細は不明のようですが、10世紀末には中国や朝鮮半島に日本の特産品と渡っていることが明らかになっているようです。扇は宗教・祭祀・日常用としての役割もありつつ身近な美術品であり、コミュニケーションツールとしても使われていたようです。その為、扇は日本人の求めた美のエッセンスが凝縮されているとも言えるようで、この展示ではその様子をテーマごとに章分けしていました。詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
<序章 ここは扇の国>
まずは明治11年(1878年)にパリで行われた万国博覧会に出品された扇が並ぶコーナーです。この頃、欧米ではジャポニスムが流行していて、それをさらに加速させたこの万博には幅広い時代と流派を網羅した100本の扇が出品されたようです。ここにはそのうちの数点が展示されていました。
1-6 長沢芦雪 「雀図扇面」
こちらは金地に墨で描かれた扇で、岩にとまってこちらを振り向く雀が描かれた作品です。雀はキョトンとした顔をして可愛らしい!w 一方、岩には滲みを使った濃淡で表現していて、それが苔むしたように見えるのが風情がありました。
1-3 狩野探幽 「山水図扇面」
こちらは遠くに雲間の山を望み、手前に楼閣やその周りの様子が描かれた扇です。こちらも金地に墨の濃淡で表され、優美な雰囲気があります。伝統的な山水のようでもあり、扇でも見応えのある作品でした。
<第1章 扇の呪力>
続いては祭祀に関するコーナーです。扇は大きく分けて2種類あり、1つは奈良時代に生まれた薄い板を綴じ重ねた「檜扇」で、もう1つはやや遅れて平安時代に生まれた骨に紙や絹を張った「紙扇」です。平安時代半ばには檜扇は冬扇、紙扇は夏扇とされたようですが、季節を問わず重要な装いには檜扇が正式とされたようです。ここでは神事などで使われた扇が並んでいました。
2 「彩絵檜扇」 ★こちら観られます
こちらは伝わった扇では最も古い品で、檜に彩色して楓や草花を表しています。かなりボロボロになっていますが、群青と緑青のぼかしなどもあって華やかな印象を受けます。解説によると、こちらは糸を通す穴がないので、実用ではなく広げて御神体として使われたとのことでした。扇って御神体にもなるんですね。
この隣には扇箱もありました。なお、10世紀末の『往生要集』には扇は願主が臨終の際に地獄に落ちるのを食い止める道具の1つとして書かれているようです。風を起こして熱地獄を払うと考えていたとのことでした。
17 九条兼孝 「後月輪殿扇次第」
こちらは月の満ち欠けの絵や細かい文字がびっしり書かれた扇です。何やら走り書きみたいに見えるのですが、これは儀式の進行を裏表に書いておいたカンペみたいなもので、当時の扇はメモ帳としての役割もあったようです。割と目立つので片面にしておけばバレなそうなのに…w やってることはパワポのアンチョコと同じですねw ちなみに、檜扇は笏や木簡を介して誕生したと考えられるようです。木簡を並べて束にして紐を通せば扇っぽくなりそうなので、確かにルーツになのかも。
<第2章 流れゆく扇>
続いては扇面散らしを題材にした美術品が並ぶコーナーです。扇面流しは京都の渡月橋から流して楽しんだのが発祥だそうで、多くの画家によって描かれたモチーフとなっています。ここには古今の扇流しを描いた作品が展示されていました。
26 27 狩野杢之助 「扇面流図(名古屋城御湯殿書院一之間北側襖絵)」
こちらは将軍専用の浴室の襖に描かれた襖絵で、川を流れる扇が描かれています。広がっていたり閉じていたりして、扇に描かれている画中画も楼閣、草花、鳥、月花など様々です。散らされた扇が雅な雰囲気で、お風呂を観ながら水に因んだ作品を楽しんだのかな? ロケーションに合わせた主題が面白い作品でした。
23 伝本阿弥光悦 「扇面流図屏風」
こちらは六曲一隻の屏風で、川を流れる扇面が描かれ、下の方には蛇籠なども見受けられます。この作品でも扇は開いていたり 半開きだったり 閉じていたりするかな。扇は料紙に和歌や漢詩が描かれていて、寛永の三筆の1人である本阿弥光悦の達筆も楽しめます。(伝なので本人であると確定しているわけではないですが) また、琳派の祖である俵屋宗達と交流を持っていた為か草花は宗達っぽさもありました。絵も凄いんですね…。
34 「舞踊図」 ★こちら観られます
こちらは三面から成る作品で、それぞれ扇を持って踊る女性像が描かれています。頭の上や横に手を伸ばして扇を広げていて、動きを感じるかな。扇面と着物も美しく、扇は一瞬の美しさを強調する役割があるようです。儚さの美意識とも重ねているとのことで、まさに日本的な美を表している作品と言えそうです。
<第3章 扇の流通>
続いては扇の流通や広がりについてのコーナーです。10世紀末には日本の特産品として大陸にも送られるようになり、日明貿易の頃には主要な輸出品になっていったようです。また、扇は季節の贈答品や日常に身につけるアクセサリー的な役割もあったようで、国内外の大量消費が扇の量産を促し美術と商業が結びつく嚆矢となったようです。ここにはそうした当時の様子が伺える品も並んでいました。
48 「扇屋軒先図」 ★こちら観られます
こちらは二曲一隻の屏風で、軒先で扇を作っている工房の様子が描かれています。京都が生産拠点で、紙を折ったり骨を通したり糊を運んでいたりと分業で大量生産しているようです。中には子供らしき姿もあって、結構忙しそうです。庶民の扇はマニュファクチュア的な感じで作ってたんですねえ。
この近くには1562年頃に中国に渡った相国寺の僧が扇1本で百科事典のセットと交換したというエピソードが書かれた日記もありました。国内外で大人気だったようです。
60 狩野派ほか 「扇面貼交屏風」
こちらは南禅寺に伝わる六曲八隻の屏風に240面の扇面を貼り付けたもののうち、1隻が展示されていました。金地に様々な主題の扇が貼り付けられていて、実際に使われた痕跡もあるようです。中国の故事や花鳥などをモチーフに画風も様々で、贈った相手の名前なんかもあるようです。まあ、今で言うところのコレクションシートみたいなものかなw リサイクルの美術とも言えるようですが、こういう収集癖はすごく身近な感じがします。 私もCDジャケットを部屋に並べたりしてましたので…w
この隣にも60面の画帳などもありました。作者の名前もあって、正しいコレクターぶりですw 他にも掛け軸に張ったものなど、扇を美術品にリサイクルするのは割とよく行われていたのかも。
なお、扇は今の価値でいうと3000円~10万円くらいだったようで、結構幅広い価格帯です。さらに特注品なんかもあったので、コレクションしたくなる気持ちも分かりますね。
この辺で上階は終わりです。階段を降りると垂れ幕に扇が舞い落ちる映像が流れていました。
<第4章 扇と文芸>
続いては扇と文芸、特に源氏物語などについてです。扇は各場面を端的に表わしているので、いくつかの場面を集めるとストーリー全体を楽しめるようにもなるようで、ここにはそうした作品が並んでいました。
70 「酒呑童子絵扇面」
こちらは酒呑童子と源頼光の一行の戦いのクライマックスを描いた扇です。既に酒呑童子の首が撥ねられているのですが、首だけになっても襲いかかってきているようで恐ろしげな場面です。扇の形にモチーフが配置されているのが特徴で、物語を分かりやすく伝えるような構成となっていました。
73 「源平合戦扇面貼交屏風」
こちらは元々は六曲一双の屏風で1曲に5枚の扇面が並んでいるので合計60枚の扇面となるようですが、1隻のみの展示(30面)となっていました。それだけ揃うと物語のストーリーも見えてきて、ダイジェスト版のような印象を受けるかな。特に戦うシーンが多く、結構細かい描写となっていました。1つ1つがわかりやすい構成の絵が集まると絵物語みたいになるんですね。セリフがあったら漫画になりそうw
71 「源氏物語絵扇面散屏風」 ★こちら観られます
こちらも六曲一双のうちの1隻で、5×6で30枚の扇面が散らされています。扇は実際に使用されたもので、源氏物語の名場面をまとめて屏風にしているようで、ほぼ全編が揃っているようです。しかし普通は右から左へとストーリーになるはずですが、ここでは春夏秋冬の順で並んでいるとのことでした。絵柄は似ているので元々同じシリーズの扇だったのかな? 雅で見栄えのする屏風でした。
この近くには扇絵の人物が分からなくなって占いで判定する「花鳥風月物語絵巻断簡」という物語もありました。当時からこれ誰だ?となるのはよくあったそうで、花鳥風月物語では源氏物語の光源氏と伊勢物語の在原業平の区別がつかないで占ったようです。当時の人はむしろ謎解きを楽しんでいたようで、色々楽しみ方があったんですね。
<第5章 花ひらく扇>
続いては扇の名品などが並ぶコーナーです。ここには豪華な顔ぶれの作品が並んでいました。
86 鳥居清広 「ぢがみうり 中村富十郎」
こちらは扇型の容器を背負って売り歩く 女性のように白い肌の男性を描いた浮世絵です。この人物は「地紙売り」という扇を売り歩く人だそうで、イケメンが多かったことから浮世絵でも色男として描かれることが多いようです。そのせいか八頭身くらいあるスラッとしたスタイルで、粋な雰囲気の人物でした。
近くには地紙売りを美人に置き換えた作品もありました。
96 宗達派 「扇面貼交屏風」
こちらは六曲一隻の扇面を貼った屏風で、金地に56の扇が開いたり閉じたりしています。折り跡がないので元々貼るために作られたようですが、物語や武士の姿など緻密に描かれています。ちょっと劣化が進んでいるのが残念な感じもするかな。解説によると、これらの絵は保元物語が多めとのことでした。
この隣にも琳派風の扇面散らしもありました。また、本阿弥光悦の「扇面鳥兜螺鈿蒔絵料紙箱」も見事です。
101 尾形光琳 「達磨慧可図」
こちらは水墨の扇で、背中を向けた達磨と、弟子入りしようとしている慧可の姿が描かれてます。この慧可は弟子入りするために自ら左手を切り落として差し出すのですが、そのエピソードのためか静かながらも緊迫した雰囲気が漂っています。簡素に描いているものの、尾形光琳らしい雅さもあって正に名品といった感じでした。
126 酒井抱一 「雷神図」
こちらは俵屋宗達をはじめ琳派が模倣していった風神雷神図のうちの雷神を描いた扇です。勿論、風神もあるようですが今回は展示していませんでした。やや色合いが薄めですが、滲みを使っていたり洒脱さもあって酒井抱一らしさを感じました。
<終章 ひろがる扇>
最後は扇以外の扇をモチーフにした作品のコーナーです。
まずは扇型の釘隠し、刀の鍔、目貫などがあり、扇の形そのものも愛好されていた様子が伺えました。扇って形だけでも何故か優美な印象を受けますね…。
166 海北友雪 「一の谷合戦図屏風」 ★こちら観られます
こちらは六曲一双の屏風で、右隻は青い背景に金の扇の画中画に熊谷直実、左隻は金の背景に青い扇の画中画に平敦盛が描かれています。その色の対比が非常に強く、わざわざ扇の形にしている点も面白いです。解説によると、屏風を折りたたむのを扇を折りたたむのに見立てているとのことで、その発想にも驚きの作品でした。
141 「織部扇面形蓋物」 ★こちら観られます
こちらは扇型の蓋付きの織部で、蓋の表面には竹骨を表したような凹凸まで付けられています。模様は幾何学的で先進性も感じるかな。先述のように扇は邪気を払うものという考えもあって、この形にしたのだとか。今回の展示でこの辺の考え方を知ることが出来たのは大きな収穫だったと思います。
この辺には同様の扇形の陶器がいくつかありました。尾形乾山の作品もあります。他には扇が描かれた小袖なんかもあって、扇そのものがモチーフとして広く使われていることが伺えました。そして最後にシーボルトによる本があり、そこには出島は扇のような形と書いてあるとのことでした。外国にとって日本はまさに扇の国だったということでしょうねw
ということで、普段よく観ているけれど意外と知らなかった話も多くて楽しめました。今後の美術鑑賞にも役立つと思いますので、特に日本美術に興味がある方は是非どうぞ。

【展覧名】
扇の国、日本
【公式サイト】
https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2018_5/
【会場】サントリー美術館
【最寄】六本木駅
【会期】2018年11月28日(水)~2019年1月20日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間20分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
結構お客さんはいましたが、快適に鑑賞することができました。
さて、この展示は日本で生まれ発展した扇を主題にしたもので、その歴史と共に多様な美術表現を紹介する内容となっています。扇は日本で発祥したのは分かっているものの その起源の詳細は不明のようですが、10世紀末には中国や朝鮮半島に日本の特産品と渡っていることが明らかになっているようです。扇は宗教・祭祀・日常用としての役割もありつつ身近な美術品であり、コミュニケーションツールとしても使われていたようです。その為、扇は日本人の求めた美のエッセンスが凝縮されているとも言えるようで、この展示ではその様子をテーマごとに章分けしていました。詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
<序章 ここは扇の国>
まずは明治11年(1878年)にパリで行われた万国博覧会に出品された扇が並ぶコーナーです。この頃、欧米ではジャポニスムが流行していて、それをさらに加速させたこの万博には幅広い時代と流派を網羅した100本の扇が出品されたようです。ここにはそのうちの数点が展示されていました。
1-6 長沢芦雪 「雀図扇面」
こちらは金地に墨で描かれた扇で、岩にとまってこちらを振り向く雀が描かれた作品です。雀はキョトンとした顔をして可愛らしい!w 一方、岩には滲みを使った濃淡で表現していて、それが苔むしたように見えるのが風情がありました。
1-3 狩野探幽 「山水図扇面」
こちらは遠くに雲間の山を望み、手前に楼閣やその周りの様子が描かれた扇です。こちらも金地に墨の濃淡で表され、優美な雰囲気があります。伝統的な山水のようでもあり、扇でも見応えのある作品でした。
<第1章 扇の呪力>
続いては祭祀に関するコーナーです。扇は大きく分けて2種類あり、1つは奈良時代に生まれた薄い板を綴じ重ねた「檜扇」で、もう1つはやや遅れて平安時代に生まれた骨に紙や絹を張った「紙扇」です。平安時代半ばには檜扇は冬扇、紙扇は夏扇とされたようですが、季節を問わず重要な装いには檜扇が正式とされたようです。ここでは神事などで使われた扇が並んでいました。
2 「彩絵檜扇」 ★こちら観られます
こちらは伝わった扇では最も古い品で、檜に彩色して楓や草花を表しています。かなりボロボロになっていますが、群青と緑青のぼかしなどもあって華やかな印象を受けます。解説によると、こちらは糸を通す穴がないので、実用ではなく広げて御神体として使われたとのことでした。扇って御神体にもなるんですね。
この隣には扇箱もありました。なお、10世紀末の『往生要集』には扇は願主が臨終の際に地獄に落ちるのを食い止める道具の1つとして書かれているようです。風を起こして熱地獄を払うと考えていたとのことでした。
17 九条兼孝 「後月輪殿扇次第」
こちらは月の満ち欠けの絵や細かい文字がびっしり書かれた扇です。何やら走り書きみたいに見えるのですが、これは儀式の進行を裏表に書いておいたカンペみたいなもので、当時の扇はメモ帳としての役割もあったようです。割と目立つので片面にしておけばバレなそうなのに…w やってることはパワポのアンチョコと同じですねw ちなみに、檜扇は笏や木簡を介して誕生したと考えられるようです。木簡を並べて束にして紐を通せば扇っぽくなりそうなので、確かにルーツになのかも。
<第2章 流れゆく扇>
続いては扇面散らしを題材にした美術品が並ぶコーナーです。扇面流しは京都の渡月橋から流して楽しんだのが発祥だそうで、多くの画家によって描かれたモチーフとなっています。ここには古今の扇流しを描いた作品が展示されていました。
26 27 狩野杢之助 「扇面流図(名古屋城御湯殿書院一之間北側襖絵)」
こちらは将軍専用の浴室の襖に描かれた襖絵で、川を流れる扇が描かれています。広がっていたり閉じていたりして、扇に描かれている画中画も楼閣、草花、鳥、月花など様々です。散らされた扇が雅な雰囲気で、お風呂を観ながら水に因んだ作品を楽しんだのかな? ロケーションに合わせた主題が面白い作品でした。
23 伝本阿弥光悦 「扇面流図屏風」
こちらは六曲一隻の屏風で、川を流れる扇面が描かれ、下の方には蛇籠なども見受けられます。この作品でも扇は開いていたり 半開きだったり 閉じていたりするかな。扇は料紙に和歌や漢詩が描かれていて、寛永の三筆の1人である本阿弥光悦の達筆も楽しめます。(伝なので本人であると確定しているわけではないですが) また、琳派の祖である俵屋宗達と交流を持っていた為か草花は宗達っぽさもありました。絵も凄いんですね…。
34 「舞踊図」 ★こちら観られます
こちらは三面から成る作品で、それぞれ扇を持って踊る女性像が描かれています。頭の上や横に手を伸ばして扇を広げていて、動きを感じるかな。扇面と着物も美しく、扇は一瞬の美しさを強調する役割があるようです。儚さの美意識とも重ねているとのことで、まさに日本的な美を表している作品と言えそうです。
<第3章 扇の流通>
続いては扇の流通や広がりについてのコーナーです。10世紀末には日本の特産品として大陸にも送られるようになり、日明貿易の頃には主要な輸出品になっていったようです。また、扇は季節の贈答品や日常に身につけるアクセサリー的な役割もあったようで、国内外の大量消費が扇の量産を促し美術と商業が結びつく嚆矢となったようです。ここにはそうした当時の様子が伺える品も並んでいました。
48 「扇屋軒先図」 ★こちら観られます
こちらは二曲一隻の屏風で、軒先で扇を作っている工房の様子が描かれています。京都が生産拠点で、紙を折ったり骨を通したり糊を運んでいたりと分業で大量生産しているようです。中には子供らしき姿もあって、結構忙しそうです。庶民の扇はマニュファクチュア的な感じで作ってたんですねえ。
この近くには1562年頃に中国に渡った相国寺の僧が扇1本で百科事典のセットと交換したというエピソードが書かれた日記もありました。国内外で大人気だったようです。
60 狩野派ほか 「扇面貼交屏風」
こちらは南禅寺に伝わる六曲八隻の屏風に240面の扇面を貼り付けたもののうち、1隻が展示されていました。金地に様々な主題の扇が貼り付けられていて、実際に使われた痕跡もあるようです。中国の故事や花鳥などをモチーフに画風も様々で、贈った相手の名前なんかもあるようです。まあ、今で言うところのコレクションシートみたいなものかなw リサイクルの美術とも言えるようですが、こういう収集癖はすごく身近な感じがします。 私もCDジャケットを部屋に並べたりしてましたので…w
この隣にも60面の画帳などもありました。作者の名前もあって、正しいコレクターぶりですw 他にも掛け軸に張ったものなど、扇を美術品にリサイクルするのは割とよく行われていたのかも。
なお、扇は今の価値でいうと3000円~10万円くらいだったようで、結構幅広い価格帯です。さらに特注品なんかもあったので、コレクションしたくなる気持ちも分かりますね。
この辺で上階は終わりです。階段を降りると垂れ幕に扇が舞い落ちる映像が流れていました。
<第4章 扇と文芸>
続いては扇と文芸、特に源氏物語などについてです。扇は各場面を端的に表わしているので、いくつかの場面を集めるとストーリー全体を楽しめるようにもなるようで、ここにはそうした作品が並んでいました。
70 「酒呑童子絵扇面」
こちらは酒呑童子と源頼光の一行の戦いのクライマックスを描いた扇です。既に酒呑童子の首が撥ねられているのですが、首だけになっても襲いかかってきているようで恐ろしげな場面です。扇の形にモチーフが配置されているのが特徴で、物語を分かりやすく伝えるような構成となっていました。
73 「源平合戦扇面貼交屏風」
こちらは元々は六曲一双の屏風で1曲に5枚の扇面が並んでいるので合計60枚の扇面となるようですが、1隻のみの展示(30面)となっていました。それだけ揃うと物語のストーリーも見えてきて、ダイジェスト版のような印象を受けるかな。特に戦うシーンが多く、結構細かい描写となっていました。1つ1つがわかりやすい構成の絵が集まると絵物語みたいになるんですね。セリフがあったら漫画になりそうw
71 「源氏物語絵扇面散屏風」 ★こちら観られます
こちらも六曲一双のうちの1隻で、5×6で30枚の扇面が散らされています。扇は実際に使用されたもので、源氏物語の名場面をまとめて屏風にしているようで、ほぼ全編が揃っているようです。しかし普通は右から左へとストーリーになるはずですが、ここでは春夏秋冬の順で並んでいるとのことでした。絵柄は似ているので元々同じシリーズの扇だったのかな? 雅で見栄えのする屏風でした。
この近くには扇絵の人物が分からなくなって占いで判定する「花鳥風月物語絵巻断簡」という物語もありました。当時からこれ誰だ?となるのはよくあったそうで、花鳥風月物語では源氏物語の光源氏と伊勢物語の在原業平の区別がつかないで占ったようです。当時の人はむしろ謎解きを楽しんでいたようで、色々楽しみ方があったんですね。
<第5章 花ひらく扇>
続いては扇の名品などが並ぶコーナーです。ここには豪華な顔ぶれの作品が並んでいました。
86 鳥居清広 「ぢがみうり 中村富十郎」
こちらは扇型の容器を背負って売り歩く 女性のように白い肌の男性を描いた浮世絵です。この人物は「地紙売り」という扇を売り歩く人だそうで、イケメンが多かったことから浮世絵でも色男として描かれることが多いようです。そのせいか八頭身くらいあるスラッとしたスタイルで、粋な雰囲気の人物でした。
近くには地紙売りを美人に置き換えた作品もありました。
96 宗達派 「扇面貼交屏風」
こちらは六曲一隻の扇面を貼った屏風で、金地に56の扇が開いたり閉じたりしています。折り跡がないので元々貼るために作られたようですが、物語や武士の姿など緻密に描かれています。ちょっと劣化が進んでいるのが残念な感じもするかな。解説によると、これらの絵は保元物語が多めとのことでした。
この隣にも琳派風の扇面散らしもありました。また、本阿弥光悦の「扇面鳥兜螺鈿蒔絵料紙箱」も見事です。
101 尾形光琳 「達磨慧可図」
こちらは水墨の扇で、背中を向けた達磨と、弟子入りしようとしている慧可の姿が描かれてます。この慧可は弟子入りするために自ら左手を切り落として差し出すのですが、そのエピソードのためか静かながらも緊迫した雰囲気が漂っています。簡素に描いているものの、尾形光琳らしい雅さもあって正に名品といった感じでした。
126 酒井抱一 「雷神図」
こちらは俵屋宗達をはじめ琳派が模倣していった風神雷神図のうちの雷神を描いた扇です。勿論、風神もあるようですが今回は展示していませんでした。やや色合いが薄めですが、滲みを使っていたり洒脱さもあって酒井抱一らしさを感じました。
<終章 ひろがる扇>
最後は扇以外の扇をモチーフにした作品のコーナーです。
まずは扇型の釘隠し、刀の鍔、目貫などがあり、扇の形そのものも愛好されていた様子が伺えました。扇って形だけでも何故か優美な印象を受けますね…。
166 海北友雪 「一の谷合戦図屏風」 ★こちら観られます
こちらは六曲一双の屏風で、右隻は青い背景に金の扇の画中画に熊谷直実、左隻は金の背景に青い扇の画中画に平敦盛が描かれています。その色の対比が非常に強く、わざわざ扇の形にしている点も面白いです。解説によると、屏風を折りたたむのを扇を折りたたむのに見立てているとのことで、その発想にも驚きの作品でした。
141 「織部扇面形蓋物」 ★こちら観られます
こちらは扇型の蓋付きの織部で、蓋の表面には竹骨を表したような凹凸まで付けられています。模様は幾何学的で先進性も感じるかな。先述のように扇は邪気を払うものという考えもあって、この形にしたのだとか。今回の展示でこの辺の考え方を知ることが出来たのは大きな収穫だったと思います。
この辺には同様の扇形の陶器がいくつかありました。尾形乾山の作品もあります。他には扇が描かれた小袖なんかもあって、扇そのものがモチーフとして広く使われていることが伺えました。そして最後にシーボルトによる本があり、そこには出島は扇のような形と書いてあるとのことでした。外国にとって日本はまさに扇の国だったということでしょうねw
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