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函館建物めぐり 後編 【函館編】

今日も写真多めです。前回に引き続き今年のお盆に行ってきた函館の写真で、今日は元町周辺の歴史的建築郡についてです。いずれも前回ご紹介した旧イギリス領事館のすぐ近くの建物となります。

まずは路面電車の十文字駅のすぐ近くにあるこちらの建物。1923年(大正12年)に丸井今井呉服店函館支店として建てられたそうで、路面電車からよく見えます。
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今は函館市地域交流まちづくりセンターとして多目的ホールなどを備えているようです。東北・北海道では最古のエレベーターが今でも稼働中とのことでした。
 参考リンク:函館市地域交流まちづくりセンター

函館市地域交流まちづくりセンターの隣の通りの大三坂という急坂を登ると、カトリック元町教会があります。
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1859年からこの場所にあるようですが、例によって2回の大火で以前の建物は燃えてしまったそうで、こちらは1923年(大正12年)に建てられたものです。ゴシック様式の本格的な西洋建築で、大聖堂の祭壇は法王から贈られたものとなっているなど格式ある教会のようです。
 参考リンク:函館市公式観光情報はこぶら カトリック元町教会

この教会は実際に中でミサをやっていました。自由に入ることは出来ますが、今でも信者の方々が祈りを捧げているので 静かに観るのがマナーです。撮影も禁止となっていました。
ちなみに このカトリック元町教会の近くは石畳の道で、お店も古い建物だったりして函館の中でも特に風情がある場所です。建物好きはこの辺をうろうろするだけで楽しめると思います。

カトリック教会のすぐ近くには「チャチャ登り」という変わった名前の坂があります。こちらは一段と急坂でかなりキツイですw
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チャチャはアイヌ語で「お爺さん」の意味らしく、急勾配で腰を曲げて登るのがお爺さんに見えるのが由来のようです。こう見えて真っ直ぐ歩くのが大変なくらいでした。

こちらはチャチャ登りの途中にある函館聖ヨハネ教会。こちらは聖公会(英国国教会)の教会のようです。
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私が行った時は改修中でしたが、非常に独特の形の建物で目を引きました。こちらも何度も大火で燃えて、この聖堂は1979年に完成したそうです。通りで近代的かつ斬新なデザインですねw
 参考リンク:函館市公式観光情報はこぶら 函館聖ヨハネ教会

先程の2つの教会の近くにはもう1つ目を引く教会があり、こちらはギリシア正教の函館ハリストス正教会。こちらも以前の建物は燃えて、1916年(大正5年)に建て直されています。
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ロシアのビザンティン様式となっていて、アーチ状の窓枠がなどが特徴的です。中に入ることもできて、右の写真の入口から聖堂を観ることができました。(中は撮影不可) イコンとかある点に正教会っぽさが感じられたかな。鐘の音がよく聞こえて来るので、ガンガン寺なんて愛称もあるのだとか。
 参考リンク:函館ハリストス正教会

一口にキリスト教と言っても宗派の異なる各国の教会が立ち並んでいて、いずれも現役というのが素晴らしかったです。ここから前回ご紹介した旧イギリス領事館の方向に歩いて行きました。

こちらは1913年(大正2年)に建てられた遺愛幼稚園。
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有名なクラーク博士とも関係のある米国人宣教師M.C.ハリスによって開かれたそうです。シンプルかつ幾何学的で、アメリカっぽさも感じるかな。こちらは中には入れませんでした。(現役の幼稚園らしいです)
 参考リンク:函館市公式観光情報はこぶら 遺愛幼稚園

教会郡の辺りは建物だけでなく、景観も見どころとなっています。こちらは海から一直線となっている人気の「八幡坂」という急坂
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写真には写っていませんが、この辺は多くの観光客が集まって写真を撮っています。遠くに先日ご紹介した摩周丸の姿が見えていて、坂の下には路面電車が横切ります。運が良ければレトロ車両が通る所を撮影できるかも??

ついでにこの辺の町並みも撮ってみました。
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何気なくこういうレトロな建物が並んでいて、大正ロマンの世界にタイムスリップしたような雰囲気となっています。この辺を歩いているだけでテンションが上がってきましたw 食べ物屋さんも結構あるので、散策にぴったりです。

そして本日のハイライトはこの旧函館区公会堂。前回の旧イギリス領事館のすぐ近くで、坂の上辺りにあります。
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こちらは1910年(明治43年)に建てられたコロニアル様式の建物で、その翌年には皇太子時代の大正天皇が宿舎としても使ったようです。なお、2018年9月の地震の影響があった為か、大規模な耐震補強の工事を行っているようで、2018年10月1日~2021年4月頃(予定)は休館しているようです。
 参考リンク:旧函館区公会堂

こちらが正面。ブルーに黄色という日本の公会堂とは思えないくらい洋風な雰囲気となっています。
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コロニアル様式はベランダが特徴的です。旧岩崎邸や旧イギリス大使館などを思い起こす様式となっていました。
 参考記事:
  旧岩崎邸の写真 その1
  旧英国大使館別荘 【日光編】

ここも元々あった建物が大火で燃えてしまったのですが、函館の豪商 相馬哲平が自分の会社も被災したにも関わらず多額の寄付をして立て直したそうです。相馬株式会社は函館に行く際に覚えておくべき存在ですね。

この記事を書いている時点では休館中で中に入れませんが、再開すれば中に入れるようになると思います。私は2018年のお盆に行ったのでギリギリ中を撮ることができました。
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廊下まで撮ってきましたw 特に右の写真の廊下は左右対称でシンプルながらも美しさを感じます。

こちらは商業会議所事務室。
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椅子までこだわった感じで、模様が統一されていました。

こちらは商業会議所の応接室だったかな。
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カーテンのドレープがあると一層に気品を感じますw 花のような形のライトも可愛い。

続いて2階へと進みます。

こちらは御寝所。皇太子時代の大正天皇が宿泊した部屋で、大正11年(1922年)には摂政宮時代の昭和天皇もこの部屋を使ったようです。
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ここは壁紙に至るまで装飾があって他の部屋より重厚な印象を受けました。平成元年には今上天皇もここで休憩されたということで、三代に渡って使われたことになります。

こちらは御座所。やはり行啓の際に御宿所として使われた部屋です。
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天井は格天井みたいになっていて、びっしりと文様が埋まっています。一際格式の高い部屋となっていました。

続いてこちらは大広間。照明が反射するほどピカピカの床となっています。
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ここでは音楽会や舞踏会、美術展なども催されているようです。確かに奥が舞台みたいになっていてピアノが置かれていました。

大広間を奥から入口方向を観た様子。
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結構な広さおなっていて、多目的に使えそうです。こちらもシンプルかつ優美な印象を受けます。

大広間からはベランダに出ることができました。こちらはベランダからの眺め。
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快晴の夏空の下、函館の港を望むことができました。手前の公園ではイベントを開催していたようで幟が立っています。

再び1階へと戻っていきました。来た方向とは逆側にも階段があります。

こちらはレンタル衣装の部屋。
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中に入るのは遠慮しておきましたが、20分1000円で 公会堂に合わせてドレスアップできるようでした。再開後もこのサービスは残るのかな??

この部屋の近くに、1階にも客用の寝室などがありました。

こちらは記念撮影のコーナー。元は球戯室です。
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人力車なんかも置かれて、当時の風情を感じさせます。

この隣の部屋は入口の部屋となっていて、この公会堂の歴史なんかをパネルなどで紹介していました。

最後に裏手の通路。
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ちょっと学校を思い出すw 狭い通路ですが、ガラス張りで採光性が良かったです。


ということで、前編・後編で元町を中心に函館の建物を紹介してきましたが 函館にはまだまだ沢山の歴史的建造物があり紹介しきれないほどですw 中に入ることが出来る施設も結構あるので、カメラを持って行くと延々と時間の経つのを忘れて楽しめました。さらに元町の近くからは函館の代名詞的な夜景が観られる函館山へのロープウェイもあるので、ワンセットで訪れるのがベストだと思います。次回は函館山からの写真などをご紹介しようと思います。

函館編
 五稜郭周辺の写真 【函館編】
 函館東部と函館駅周辺の写真 【函館編】
 函館建物めぐり 前編 【函館編】
 函館建物めぐり 後編 【函館編】
 函館山の夜景 【函館編】
 函館のカフェ・グルメ 【函館編】
 函館の鉄道 【函館編】
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