建築 × 写真 ここのみに在る光 【東京都写真美術館】
この間の休みに恵比寿の東京都写真美術館で「建築 × 写真 ここのみに在る光」を観てきました。

【展覧名】
建築 × 写真 ここのみに在る光
【公式サイト】
https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3108.html
【会場】東京都写真美術館 3階
【最寄】恵比寿駅
【会期】2018年11月10日(土)~2019年1月27日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
結構お客さんが多かったですが、特に混雑するほどでもなく快適に鑑賞することができました。
さて、この展示は「建築」の写真をテーマにしたもので、様々な建築物を撮った古今の写真コレクションが並んでいました。建物写真は写真の黎明期からあるようで、昔は動くものの撮影が困難だったことからも建築は格好の被写体だったようです。展覧会は2章構成で、1章がそうした黎明期などの写真、2章が日本人写真家11人による作品となっていました。詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
<第1章 建築写真の歴史 ~東京都写真美術館コレクションより~>
まず1章は東京都写真美術館のコレクションのうち建築を撮った作品が並ぶコーナーです。現存する世界最古の建物写真は1827年頃にジョセフ・ニセフォール・ニエプスによって撮影された、窓から見える「たてもの」の一角だったそうですが、この章では1840年代くらいからの作品が並んでいました(この章は白黒写真のみ)
02 シャルル=イジドール・ショワズラ&スタニスラス・ラテル 「旧フロールの館とチュイルリー公園」
こちらは1845年頃のパリのチュイルリー公園(ルーヴル美術館の隣あたり)を撮った写真です。離れて観ると見づらいくらい暗めの画面となっているところに歴史を感じます。しかし建物自体は今も面影を残しているように思えるのが面白かったです。
06 ジャン=ルイ・アンリ・ル・セック 「パリ、ノートルダム寺院」
こちらはセーヌ川河畔のノートルダム聖堂を撮った写真で、かなり高い位置からの眺めとなっていて、どこから撮ったのかちょっと気になります。尖塔の像なども見えつつ下を流れる川が遠く見える構図が面白く、早くも単なる風景写真ではなく構図の妙を感じる作品となっているように思えました。
この隣にはルーヴルの窓や破風の彫刻を撮った写真などもありました。割とフランスの建物多めです。
09 フェリーチェ・ベアト 「愛宕山から見た江戸のパノラマ」
こちらは日本の江戸時代末期の頃の写真で、愛宕山から見下ろすパノラマが横長5枚続きにくっつけられています。見える風景には低層の瓦屋根の屋敷が整然と並んでいて、非常に秩序だった美しさを感じます。かつての江戸の町並みってこんなに美しかったのかと思うと共に、当時の貴重な写真がこうした形で残っていて良かったと思えました。
20 ベレニス・アボット 「ウエスト・ストリート 変わりゆくニューヨーク」
こちらは1938年頃の写真で、看板の掛かった建物が立ち並ぶ道が撮られています。手前には沢山の自動車がいて、こちらも当時のクラシックなアメ車のデザインで風情があります。ゴミゴミした都会っぽさとニューヨークの活気が感じられて、建物だけでなく街そのものを捉えているように思えました。
この辺はアメリカの1930年代の写真が並んでいました。「変わりゆくニューヨーク」のシリーズはいずれも良かったです。
29 ベルント&ヒラ・ベッヒャー 「9つの戦後の家」
こちらは綺麗な三角屋根を持つ3~4階建ての家を撮った写真(野球のホームベースをひっくり返したような形の家)が3×3で9枚並んでいる作品です。1つ1つの家の写真は個性的に思えるのですが、驚くほどに全体の形が似ているので、9つも並ぶと無個性に感じられます。暗にそうした皮肉も込められているのではないか?と勘ぐりたくなる作品でしたw
<第2章 建築写真の多様性 ~11人の写真家たち~>
続いては日本の11人の写真家による建物の写真のコーナーです。ここは1人1テーマずつ紹介されていて、全員方向性は異なりますが建物好きなら面白いと思え作品ばかりでした。11人全員、どのような作品郡だったか簡単にご紹介。
[渡辺義雄]
この人は伊勢神宮をテーマにした作品が並んでいて、いくつか見覚えがありました。「内宮東宝殿」という作品(★こちらで観られます)では立派な茅葺き屋根に丸太を並べたような装飾と、アンテナのように伸びた棟など独特の建築様式となっている様子がよく分かります。伊勢神宮の威容を感じさせる作品でした。他にも視点の面白さを感じる作品などもあります。
参考記事:日本の美 伊勢神宮-写真 渡辺義雄- (FUJIFILM SQUARE フジフイルム スクエア)
[二川幸夫]
今回はこの人の写真が観たくてこの展示に行ったと言っても過言ではないw 以前に観た展示を今でも思い出せるくらい気に入ったので、久々に観る機会ができて嬉しかったです。
参考記事:二川幸夫・建築写真の原点 日本の民家一九五五年 (パナソニック 汐留ミュージアム)
特に面白いのは「四国路 愛媛県南宇和郡西海町、外泊集落」という写真で、段々に並ぶ瓦屋根の家々を撮ったもので、石垣に囲まれた低層の建物の堅牢さと自然との戦いの厳しさを感じさせます。それ以外にも日本各地の風土や特産品に合わせて作った民家の写真が並んでいて、少数ながらも楽しめました。
[村井修]
この方は建築家の丹下健三が設計した写真が並ぶコーナーでした。「山梨文化会館」などは円筒の柱が目を引き、手前のいかにも昭和の大衆食堂といった感じの建物と対比すると近未来的でどっしりとした迫力があります。「メタボリズム」という建築運動の作品なのですが、ちょっと異様さもって独特の魅力があります。
参考記事:メタボリズムの未来都市展 (森美術館)
[石元泰博]
この方は桂離宮を撮った写真がならんでいました。「中書院東庭から楽器の間ごしに新御殿を望む」(★こちらで観られます)という屋外の様子や、「伝い廊下南から北方を望む」という屋内の写真などが並び、いずれも縦・横・斜めに直線が連なり複雑な幾何学模様を作り上げています。それが何ともリズミカルで、落ち着きと気品を生んでいるように思えました。やはり日本人の美意識は桂離宮に極まるのかも。
[原直久] ★こちらで観られます
この方はイタリア山岳丘状都市を撮った写真が並んでいました。山と建物が一体化したような光景となっていて、軍事的な要塞の役割やマラリアなどの疫病から守る為にそうした造りとなったようです。「クラーコ、イタリア、1990」という作品では丘の上に家々がひしめいていて、丘の下にはオリーブの木々が並ぶというイタリアならではの風景で、こちらも密集具合が面白かったです。
[北井一夫]
この方はドイツ表現派の建物の写真が並んでいました。ドイツ表現派は20世紀初頭の建築様式で、主観的・有機的なデザインを基調とし、ガラスやコンクリートなどの素材の特徴を活かすという様式となっています。有名なところではブルーノ・タウトなんかが属していたようです。ここで気に入ったのは「円形教会 西ドイツ、エッセン」という写真で、まるでデコレーションケーキかUFOのように同心円状に段々に積み上がった教会となっています。上の方は全面ガラス張りで格子状に並ぶ様子などは確かにドイツ表現派の美学に沿っているように思えました。有機的と言うよりかはカッチリしてる気はしますがw
参考記事:東京国立近代美術館の案内 (2018年11月)
[奈良原一高]
この方は軍艦島の写真が並んでいました。「緑なき島-軍艦島:軍艦島全景」という作品は軍艦島を横から眺めた全景となっていて、本当に軍艦が浮かんでいるようなシルエットとなっています。他にも軍艦島の当時の生活の様子の写真が結構あって、子どもたちが遊ぶ様子など 今では観ることの出来ない光景も多めでした。軍艦島のイメージとのギャップも含めて魅力的な題材です。
[宮本隆司] ★こちらで観られます
この方はかつて香港にあった九龍城の写真が並んでいました。砦のような異様な圧迫感のある外観や、めちゃくちゃに建物がくっつきあっている様子、中の人たちの生活、複雑に絡み合う配線や無数に立つアンテナなどなど 九龍城のカオスな世界が眼の前に広がってきました。この無秩序っぷりが異世界っぽくて心引かれるんですよねw
参考記事:東京スケイプ Into the City (世田谷美術館)
[細江英公]
この方はアントニオ・ガウディのグエル公園やサグラダファミリア、カサ・ミラなどを撮った写真が並んでいました。特に「サグラダ・ファミリア #179」(★こちらで観られます)は正面から見上げる構図となっていて、複雑な装飾と共に荘厳かつ圧倒的な雰囲気となっています。…これはラスボスがいるダンジョンに違いないw 一方でカサ・ミラは柔らかい雰囲気で、抽象絵画のようにトリミングした写真が並んでいました。いずれも一度はバルセロナで実物が観てみたいです。
[柴田敏雄]
この方はカラー写真で、ローラン・ネイ(現代の建築家。2012年には日本の事務所もできた)の作品を撮ったものが並んでいました。植物や昆虫を思わせるようなフォルムの建物が多いかな。そのデザインも面白いのですが、写真もそうした建物をトリミングしたり リズムを感じさせるような部分を撮っていたりして視点が楽しめました。いずれも近未来的で洗練されたデザインです。
[瀧本幹也]
この方もカラー写真があって、ル・コルビュジエの建築を撮っていました。色とりどりで建物の一部をトリミングして撮った感じなので一見すると抽象絵画のようにも思えるかな。他にもグリッド状の窓ごしに見えるぼやけた風景など、こちらも普通の人では思いもつかないような視点が面白かったです。
ということで、様々な建築様式と写真家の感性の両方が楽しめる内容でした。点数は結構あるのですが、もっと観たいと思わせる写真ばかりで満足度高めです。この後、地下のマイケル・ケンナ展も観たのですが、そちらもかなり良かったのでセットで観るのが良いかも。ぐるっとパスなら提示で観られるのもお得でした。

【展覧名】
建築 × 写真 ここのみに在る光
【公式サイト】
https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3108.html
【会場】東京都写真美術館 3階
【最寄】恵比寿駅
【会期】2018年11月10日(土)~2019年1月27日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_④_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
結構お客さんが多かったですが、特に混雑するほどでもなく快適に鑑賞することができました。
さて、この展示は「建築」の写真をテーマにしたもので、様々な建築物を撮った古今の写真コレクションが並んでいました。建物写真は写真の黎明期からあるようで、昔は動くものの撮影が困難だったことからも建築は格好の被写体だったようです。展覧会は2章構成で、1章がそうした黎明期などの写真、2章が日本人写真家11人による作品となっていました。詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
<第1章 建築写真の歴史 ~東京都写真美術館コレクションより~>
まず1章は東京都写真美術館のコレクションのうち建築を撮った作品が並ぶコーナーです。現存する世界最古の建物写真は1827年頃にジョセフ・ニセフォール・ニエプスによって撮影された、窓から見える「たてもの」の一角だったそうですが、この章では1840年代くらいからの作品が並んでいました(この章は白黒写真のみ)
02 シャルル=イジドール・ショワズラ&スタニスラス・ラテル 「旧フロールの館とチュイルリー公園」
こちらは1845年頃のパリのチュイルリー公園(ルーヴル美術館の隣あたり)を撮った写真です。離れて観ると見づらいくらい暗めの画面となっているところに歴史を感じます。しかし建物自体は今も面影を残しているように思えるのが面白かったです。
06 ジャン=ルイ・アンリ・ル・セック 「パリ、ノートルダム寺院」
こちらはセーヌ川河畔のノートルダム聖堂を撮った写真で、かなり高い位置からの眺めとなっていて、どこから撮ったのかちょっと気になります。尖塔の像なども見えつつ下を流れる川が遠く見える構図が面白く、早くも単なる風景写真ではなく構図の妙を感じる作品となっているように思えました。
この隣にはルーヴルの窓や破風の彫刻を撮った写真などもありました。割とフランスの建物多めです。
09 フェリーチェ・ベアト 「愛宕山から見た江戸のパノラマ」
こちらは日本の江戸時代末期の頃の写真で、愛宕山から見下ろすパノラマが横長5枚続きにくっつけられています。見える風景には低層の瓦屋根の屋敷が整然と並んでいて、非常に秩序だった美しさを感じます。かつての江戸の町並みってこんなに美しかったのかと思うと共に、当時の貴重な写真がこうした形で残っていて良かったと思えました。
20 ベレニス・アボット 「ウエスト・ストリート 変わりゆくニューヨーク」
こちらは1938年頃の写真で、看板の掛かった建物が立ち並ぶ道が撮られています。手前には沢山の自動車がいて、こちらも当時のクラシックなアメ車のデザインで風情があります。ゴミゴミした都会っぽさとニューヨークの活気が感じられて、建物だけでなく街そのものを捉えているように思えました。
この辺はアメリカの1930年代の写真が並んでいました。「変わりゆくニューヨーク」のシリーズはいずれも良かったです。
29 ベルント&ヒラ・ベッヒャー 「9つの戦後の家」
こちらは綺麗な三角屋根を持つ3~4階建ての家を撮った写真(野球のホームベースをひっくり返したような形の家)が3×3で9枚並んでいる作品です。1つ1つの家の写真は個性的に思えるのですが、驚くほどに全体の形が似ているので、9つも並ぶと無個性に感じられます。暗にそうした皮肉も込められているのではないか?と勘ぐりたくなる作品でしたw
<第2章 建築写真の多様性 ~11人の写真家たち~>
続いては日本の11人の写真家による建物の写真のコーナーです。ここは1人1テーマずつ紹介されていて、全員方向性は異なりますが建物好きなら面白いと思え作品ばかりでした。11人全員、どのような作品郡だったか簡単にご紹介。
[渡辺義雄]
この人は伊勢神宮をテーマにした作品が並んでいて、いくつか見覚えがありました。「内宮東宝殿」という作品(★こちらで観られます)では立派な茅葺き屋根に丸太を並べたような装飾と、アンテナのように伸びた棟など独特の建築様式となっている様子がよく分かります。伊勢神宮の威容を感じさせる作品でした。他にも視点の面白さを感じる作品などもあります。
参考記事:日本の美 伊勢神宮-写真 渡辺義雄- (FUJIFILM SQUARE フジフイルム スクエア)
[二川幸夫]
今回はこの人の写真が観たくてこの展示に行ったと言っても過言ではないw 以前に観た展示を今でも思い出せるくらい気に入ったので、久々に観る機会ができて嬉しかったです。
参考記事:二川幸夫・建築写真の原点 日本の民家一九五五年 (パナソニック 汐留ミュージアム)
特に面白いのは「四国路 愛媛県南宇和郡西海町、外泊集落」という写真で、段々に並ぶ瓦屋根の家々を撮ったもので、石垣に囲まれた低層の建物の堅牢さと自然との戦いの厳しさを感じさせます。それ以外にも日本各地の風土や特産品に合わせて作った民家の写真が並んでいて、少数ながらも楽しめました。
[村井修]
この方は建築家の丹下健三が設計した写真が並ぶコーナーでした。「山梨文化会館」などは円筒の柱が目を引き、手前のいかにも昭和の大衆食堂といった感じの建物と対比すると近未来的でどっしりとした迫力があります。「メタボリズム」という建築運動の作品なのですが、ちょっと異様さもって独特の魅力があります。
参考記事:メタボリズムの未来都市展 (森美術館)
[石元泰博]
この方は桂離宮を撮った写真がならんでいました。「中書院東庭から楽器の間ごしに新御殿を望む」(★こちらで観られます)という屋外の様子や、「伝い廊下南から北方を望む」という屋内の写真などが並び、いずれも縦・横・斜めに直線が連なり複雑な幾何学模様を作り上げています。それが何ともリズミカルで、落ち着きと気品を生んでいるように思えました。やはり日本人の美意識は桂離宮に極まるのかも。
[原直久] ★こちらで観られます
この方はイタリア山岳丘状都市を撮った写真が並んでいました。山と建物が一体化したような光景となっていて、軍事的な要塞の役割やマラリアなどの疫病から守る為にそうした造りとなったようです。「クラーコ、イタリア、1990」という作品では丘の上に家々がひしめいていて、丘の下にはオリーブの木々が並ぶというイタリアならではの風景で、こちらも密集具合が面白かったです。
[北井一夫]
この方はドイツ表現派の建物の写真が並んでいました。ドイツ表現派は20世紀初頭の建築様式で、主観的・有機的なデザインを基調とし、ガラスやコンクリートなどの素材の特徴を活かすという様式となっています。有名なところではブルーノ・タウトなんかが属していたようです。ここで気に入ったのは「円形教会 西ドイツ、エッセン」という写真で、まるでデコレーションケーキかUFOのように同心円状に段々に積み上がった教会となっています。上の方は全面ガラス張りで格子状に並ぶ様子などは確かにドイツ表現派の美学に沿っているように思えました。有機的と言うよりかはカッチリしてる気はしますがw
参考記事:東京国立近代美術館の案内 (2018年11月)
[奈良原一高]
この方は軍艦島の写真が並んでいました。「緑なき島-軍艦島:軍艦島全景」という作品は軍艦島を横から眺めた全景となっていて、本当に軍艦が浮かんでいるようなシルエットとなっています。他にも軍艦島の当時の生活の様子の写真が結構あって、子どもたちが遊ぶ様子など 今では観ることの出来ない光景も多めでした。軍艦島のイメージとのギャップも含めて魅力的な題材です。
[宮本隆司] ★こちらで観られます
この方はかつて香港にあった九龍城の写真が並んでいました。砦のような異様な圧迫感のある外観や、めちゃくちゃに建物がくっつきあっている様子、中の人たちの生活、複雑に絡み合う配線や無数に立つアンテナなどなど 九龍城のカオスな世界が眼の前に広がってきました。この無秩序っぷりが異世界っぽくて心引かれるんですよねw
参考記事:東京スケイプ Into the City (世田谷美術館)
[細江英公]
この方はアントニオ・ガウディのグエル公園やサグラダファミリア、カサ・ミラなどを撮った写真が並んでいました。特に「サグラダ・ファミリア #179」(★こちらで観られます)は正面から見上げる構図となっていて、複雑な装飾と共に荘厳かつ圧倒的な雰囲気となっています。…これはラスボスがいるダンジョンに違いないw 一方でカサ・ミラは柔らかい雰囲気で、抽象絵画のようにトリミングした写真が並んでいました。いずれも一度はバルセロナで実物が観てみたいです。
[柴田敏雄]
この方はカラー写真で、ローラン・ネイ(現代の建築家。2012年には日本の事務所もできた)の作品を撮ったものが並んでいました。植物や昆虫を思わせるようなフォルムの建物が多いかな。そのデザインも面白いのですが、写真もそうした建物をトリミングしたり リズムを感じさせるような部分を撮っていたりして視点が楽しめました。いずれも近未来的で洗練されたデザインです。
[瀧本幹也]
この方もカラー写真があって、ル・コルビュジエの建築を撮っていました。色とりどりで建物の一部をトリミングして撮った感じなので一見すると抽象絵画のようにも思えるかな。他にもグリッド状の窓ごしに見えるぼやけた風景など、こちらも普通の人では思いもつかないような視点が面白かったです。
ということで、様々な建築様式と写真家の感性の両方が楽しめる内容でした。点数は結構あるのですが、もっと観たいと思わせる写真ばかりで満足度高めです。この後、地下のマイケル・ケンナ展も観たのですが、そちらもかなり良かったのでセットで観るのが良いかも。ぐるっとパスなら提示で観られるのもお得でした。
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