国宝 雪松図と動物アート 【三井記念美術館】
先週の土曜日に三越前の三井記念美術館で「国宝 雪松図と動物アート」を観てきました。

【展覧名】
国宝 雪松図と動物アート
【公式サイト】
http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html
【会場】三井記念美術館
【最寄】三越前駅
【会期】2018年12月13日(木)~2019年1月31日(木)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
お客さんは結構いましたが快適に鑑賞することができました。
さて、この展示は毎年恒例の円山応挙の国宝「雪松図屏風」と共に、三井記念美術館のコレクションの中から動物をテーマにした作品がセレクトされた内容となっています。絵画・工芸・茶道具などに様々な動物が表されていて、巨匠たちの作品も多数ありました。詳しくは部屋ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
<展示室1>
まず最初の部屋には動物をモチーフにした工芸品が並んでいました。
1-4 野々村仁清 「色絵鶏香合」
こちらは野々村仁清による鶏型の香合。彩色されていて色とりどりの華やかさがあり、ふっくらしたフォルムが可愛らしい作品です。仁清の同様の作品は結構観ますが、こちらも遊び心溢れていて良い品でした。
近くには鹿や狐の香合などもありました。他にも水指、堆朱、釜などに動物が表されていて、特に龍が多かった気がします。
1-15 惺斎 「竹置筒花入 銘白象」
こちらは竹でできた花入れで、どこにも象の姿はありません。しかし花入れの下の方に粒状の突起やシミのようなものがあり、この表面が象の足の肌を想起させ、竹の形も足っぽく見えてきます。背面には「白象」の号が入っていて、絶妙な銘名となっていました。
<展示室2>
続いての部屋は1点のみの展示です。
2-1 野々村仁清 「信楽写兎耳付水指」 ★こちらで観られます
こちらは蓋の方が胴より広い円筒形の水指で、側面に兎の顔が付いています。この兎の耳が非常に長くて、2又になって蓋を支えてる感じかな。解説によると、円形の口を付き、器全体を臼と見なすと「月に兎」の意匠となるようです。さらに側面の凹凸を波状文と見れば謡曲「竹生島」の寓意にもつながるのだとか。ユーモアや機知に富んだ作品となっていました。
展示室3は茶室で、動物にまつわる品は特に無かったかな。国宝の「志野茶碗 銘卯花墻 」が展示されています。
<展示室4>
続いては今回のタイトルになっている円山応挙の「雪松図屏風」を含め、屏風や掛け軸が並ぶコーナーです。
4-1 沈南蘋 「花鳥動物図」 ★こちらで観られます
こちらは全11幅のうち6幅が展示されていました。そのうちの「藤花独猫」は藤・牡丹・タンポポなどが咲く中に猫の姿があります。花は写実的なのに猫はぐにゃっとして妙な素朴さがあるかなw 他の幅にはリス、馬、猿、虎、鹿、鶴などの姿があり丹念に描かれていました。沈南蘋は円山応挙や伊藤若冲に影響を与えた中国の画家なのですが、その影響力も観ることができたように思えます。
4-3 円山応挙 「蓬莱山・竹鶏図」
こちらは3幅対で、中央に松にとまる鶴、右幅には雄鶏、左幅には雌鶏となっていて、左右の幅の竹も中央に向かって伸びて対になっている構図となっています。また、雄鶏は立派な尻尾を持っていて厳しい表情をして緊張感があるのですが、雌鶏は白く淡い色彩で優しい印象を受けました。中央には松の鶴意外にもダイナミックな渓流や舞い飛ぶ鶴もいて雄大な風景です。お正月らしいお目出度いモチーフに溢れた作品でした。
この他に応挙は亀を描いたものと龍を描いたものもありました。そして、今回の目玉の「雪松図屏風」(★こちらで観られます)もあります。この作品については何度もご紹介しているので、今回は割愛。今回もじっくり鑑賞できました。
4-8 山口素絢 「雪中松に鹿図屏風」 ★こちらで観られます
こちらは元々は一双の屏風のうちの右隻で、金地を背景に雪の中に2頭の鹿が歩いている様子が描かれています。毛並みを1本1本書いていて、写実的な一方で現代的な感性も感じるかな。足元にいくつかのヤブコウジという植物があり、その赤い実が白い中でアクセントとなっているようでした。
4-6 長沢芦雪 「白象黒牛図屏風」 ★こちらで観られます
こちらは六曲一双の屏風で、右隻に白い象、左隻に黒っぽい牛が共にうつ伏せになっている様子が描かれています。お互いに向き合って白黒の対比になっているようで、象の背中には黒いカラス、牛のお腹の辺りに白い犬と言った感じで、こちらも対になった色合いです。画面一杯に描かれた2頭はボリューム感があって、優しげな顔と共に大らかな雰囲気となっていました。それにしても牛の傍らの白い子犬のトボけた表情と足を崩す姿勢が何とも可愛いw マスコットになりそうなくらいの愛らしさでした。
なお、こちらと同様の作品はこれを含めて3点確認されているそうで、複数の注文に応じたと考えられているのだとか。
近くには森狙仙が得意とした猿を描いた「岩上群猿図屏風」(★こちらで観られます)なんかもありました。こちらも動物画の名手なので見どころと言えそうです。
4-10 酒井抱一 「秋草に兎図屏風」
こちらはヘギというものを貼って木目を出した地に描いた作品で、ススキやクズの葉っぱが傾いでいるのと共に、木目が強風に見えるという面白い趣向です。薄っすらと右上に浮かぶ月と、左で逃げるような姿勢の兎もいて、静と動が同居しているような画題となっていました。流石は酒井抱一と言った感じのアイディア溢れる作品です。
<展示室5>
続いては小さい絵画や工芸などのコーナーです。
5-1 円山応挙 「梅花双鶴図小襖」
こちらは小さな襖で、紅白の梅を背景に2羽の鶴が寄り添うように描かれています。解説によると、手前が丹頂鶴で奥は真鶴だそうで、小さめですがお目出度い雰囲気となっています。鶴の羽根は1本1本浮き上がるような感じで描かれているのも驚異的でした。
この近くには応挙の絵を蒔絵にしたものや盃なんかもありました。
5-10 永樂和全 「交趾写銭亀香合」
こちらは小さな亀の形の香合です。黄色い甲羅で丸っこい意匠が何とも面白いw 他にも獅子や龍、鹿、カニなど様々な香合があり それぞれ個性的でした。
5-23 円山応挙 「昆虫・魚写生図」
こちらは掛け軸にびっしりと虫や魚が細かく描かれ、その傍らに名前が添えられているスケッチブックみたいな作品です。カマキリ、コオロギ、バッタ、イナゴ、ハエ、カタツムリ、ゴリ、カマツカ、オイカワ、コアユなどで、実物大くらいのもあるかな。写実的で鱗なども1つ1つ描かれていて応挙の観察力も伺えました。
5-24 高瀬好山 「昆虫自在置物」
こちらは金属で出来た昆虫型の置物です。蝶、トンボ、蜂、カブトムシ、蝉、カミキリなどが並び、中でもクワガタムシは本物そっくりに見えるクオリティです。さらにこれは自在置物なので関節などが動くんですよね…。まさに明治の超絶技巧のリボルテック!w 隣には伊勢海老など大きめの自在置物もあって、一度動くところを実際に観てみたいものです。
この近くには源琦の「東都手遊図」なんかもありました。お目出度い雰囲気の玩具が並ぶ作品です。
<展示室6>
この部屋は小部屋で、動物をモチーフにした切手が並んでいました。日本の明治の頃の古い切手からモンゴルやルワンダといった馴染みの無い国のコレクションまで実に様々な切手が所狭しと並びます。その中でちょっと懐かしかったのが1988年のパンダの切手シリーズとか年賀状の干支のお年玉郵便切手などで、自然保護シリーズというのも見覚えありました。子供の頃、はがきを貰ってはお湯で糊を剥がして集めたものですが、今ではハガキ自体出さないですね…。
<展示室7>
最後は巻物や蒔絵、能衣裳などのコーナーです。
7-12 「百馬図巻」
こちらは沢山の馬が群れている様子を描いた巻物で、それぞれ色や模様が違う馬が並びます。毛色などが漢字名とカタカナの和訓が記されているのですが、こんなに種類あるの?ってくらいあります(若干無理やりな気がしますが) それぞれの馬のポーズや表情も豊かで、競馬好きとしては目を引く作品でした。
7-16 象彦・戸嶌光孚 「遊鯉蒔絵額」 ★こちらで観られます
こちらは一際大きな高蒔絵で描いた作品で、錦鯉が餌に群れている様子が表されています。近づいてみると凹凸もあって、実際に立体的な感じです。それもあって蒔絵とは思えないほどの迫力があり、うねりのような動きも感じられました。
7-1 「十二類合戦絵巻」 ★こちらで観られます
こちらは十二支と狸の戦いを描いた絵巻です。場面ごとに分かれているのですが、あらすじとしては 鹿の代わりに歌の判者となった狸が罵倒され、それを恨んで狼・熊・狐・トビなどを仲間に入れて十二支に戦いを挑み、敗れるという話です。最初は歌合の様子、その後に戦いの様子があり擬人化された十二支や狸たちが甲冑を着て入り乱れています。最後は敗北した狸が出家して腹鼓みをしながら念仏をする様子もあるのですが、やはり歌への思いが残っているようで草庵で歌を詠む姿で終わっていました。ちょっと哀れさもあって憎めないやつですね…。この作品もお正月にぴったりの画題でした。
最後に狂言や能の動物の面が並んでいました。
ということで、様々な表現による様々な動物を観ることができました。特に応挙の作品が多めとなっていた絵画作品はどれも名品で良かったです。お正月に即した作品も結構あったので、この機会に三井記念美術館の誇る国宝と共に楽しんでみるのも良いのではないかと思います。

【展覧名】
国宝 雪松図と動物アート
【公式サイト】
http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html
【会場】三井記念美術館
【最寄】三越前駅
【会期】2018年12月13日(木)~2019年1月31日(木)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
お客さんは結構いましたが快適に鑑賞することができました。
さて、この展示は毎年恒例の円山応挙の国宝「雪松図屏風」と共に、三井記念美術館のコレクションの中から動物をテーマにした作品がセレクトされた内容となっています。絵画・工芸・茶道具などに様々な動物が表されていて、巨匠たちの作品も多数ありました。詳しくは部屋ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
<展示室1>
まず最初の部屋には動物をモチーフにした工芸品が並んでいました。
1-4 野々村仁清 「色絵鶏香合」
こちらは野々村仁清による鶏型の香合。彩色されていて色とりどりの華やかさがあり、ふっくらしたフォルムが可愛らしい作品です。仁清の同様の作品は結構観ますが、こちらも遊び心溢れていて良い品でした。
近くには鹿や狐の香合などもありました。他にも水指、堆朱、釜などに動物が表されていて、特に龍が多かった気がします。
1-15 惺斎 「竹置筒花入 銘白象」
こちらは竹でできた花入れで、どこにも象の姿はありません。しかし花入れの下の方に粒状の突起やシミのようなものがあり、この表面が象の足の肌を想起させ、竹の形も足っぽく見えてきます。背面には「白象」の号が入っていて、絶妙な銘名となっていました。
<展示室2>
続いての部屋は1点のみの展示です。
2-1 野々村仁清 「信楽写兎耳付水指」 ★こちらで観られます
こちらは蓋の方が胴より広い円筒形の水指で、側面に兎の顔が付いています。この兎の耳が非常に長くて、2又になって蓋を支えてる感じかな。解説によると、円形の口を付き、器全体を臼と見なすと「月に兎」の意匠となるようです。さらに側面の凹凸を波状文と見れば謡曲「竹生島」の寓意にもつながるのだとか。ユーモアや機知に富んだ作品となっていました。
展示室3は茶室で、動物にまつわる品は特に無かったかな。国宝の「志野茶碗 銘卯花墻 」が展示されています。
<展示室4>
続いては今回のタイトルになっている円山応挙の「雪松図屏風」を含め、屏風や掛け軸が並ぶコーナーです。
4-1 沈南蘋 「花鳥動物図」 ★こちらで観られます
こちらは全11幅のうち6幅が展示されていました。そのうちの「藤花独猫」は藤・牡丹・タンポポなどが咲く中に猫の姿があります。花は写実的なのに猫はぐにゃっとして妙な素朴さがあるかなw 他の幅にはリス、馬、猿、虎、鹿、鶴などの姿があり丹念に描かれていました。沈南蘋は円山応挙や伊藤若冲に影響を与えた中国の画家なのですが、その影響力も観ることができたように思えます。
4-3 円山応挙 「蓬莱山・竹鶏図」
こちらは3幅対で、中央に松にとまる鶴、右幅には雄鶏、左幅には雌鶏となっていて、左右の幅の竹も中央に向かって伸びて対になっている構図となっています。また、雄鶏は立派な尻尾を持っていて厳しい表情をして緊張感があるのですが、雌鶏は白く淡い色彩で優しい印象を受けました。中央には松の鶴意外にもダイナミックな渓流や舞い飛ぶ鶴もいて雄大な風景です。お正月らしいお目出度いモチーフに溢れた作品でした。
この他に応挙は亀を描いたものと龍を描いたものもありました。そして、今回の目玉の「雪松図屏風」(★こちらで観られます)もあります。この作品については何度もご紹介しているので、今回は割愛。今回もじっくり鑑賞できました。
4-8 山口素絢 「雪中松に鹿図屏風」 ★こちらで観られます
こちらは元々は一双の屏風のうちの右隻で、金地を背景に雪の中に2頭の鹿が歩いている様子が描かれています。毛並みを1本1本書いていて、写実的な一方で現代的な感性も感じるかな。足元にいくつかのヤブコウジという植物があり、その赤い実が白い中でアクセントとなっているようでした。
4-6 長沢芦雪 「白象黒牛図屏風」 ★こちらで観られます
こちらは六曲一双の屏風で、右隻に白い象、左隻に黒っぽい牛が共にうつ伏せになっている様子が描かれています。お互いに向き合って白黒の対比になっているようで、象の背中には黒いカラス、牛のお腹の辺りに白い犬と言った感じで、こちらも対になった色合いです。画面一杯に描かれた2頭はボリューム感があって、優しげな顔と共に大らかな雰囲気となっていました。それにしても牛の傍らの白い子犬のトボけた表情と足を崩す姿勢が何とも可愛いw マスコットになりそうなくらいの愛らしさでした。
なお、こちらと同様の作品はこれを含めて3点確認されているそうで、複数の注文に応じたと考えられているのだとか。
近くには森狙仙が得意とした猿を描いた「岩上群猿図屏風」(★こちらで観られます)なんかもありました。こちらも動物画の名手なので見どころと言えそうです。
4-10 酒井抱一 「秋草に兎図屏風」
こちらはヘギというものを貼って木目を出した地に描いた作品で、ススキやクズの葉っぱが傾いでいるのと共に、木目が強風に見えるという面白い趣向です。薄っすらと右上に浮かぶ月と、左で逃げるような姿勢の兎もいて、静と動が同居しているような画題となっていました。流石は酒井抱一と言った感じのアイディア溢れる作品です。
<展示室5>
続いては小さい絵画や工芸などのコーナーです。
5-1 円山応挙 「梅花双鶴図小襖」
こちらは小さな襖で、紅白の梅を背景に2羽の鶴が寄り添うように描かれています。解説によると、手前が丹頂鶴で奥は真鶴だそうで、小さめですがお目出度い雰囲気となっています。鶴の羽根は1本1本浮き上がるような感じで描かれているのも驚異的でした。
この近くには応挙の絵を蒔絵にしたものや盃なんかもありました。
5-10 永樂和全 「交趾写銭亀香合」
こちらは小さな亀の形の香合です。黄色い甲羅で丸っこい意匠が何とも面白いw 他にも獅子や龍、鹿、カニなど様々な香合があり それぞれ個性的でした。
5-23 円山応挙 「昆虫・魚写生図」
こちらは掛け軸にびっしりと虫や魚が細かく描かれ、その傍らに名前が添えられているスケッチブックみたいな作品です。カマキリ、コオロギ、バッタ、イナゴ、ハエ、カタツムリ、ゴリ、カマツカ、オイカワ、コアユなどで、実物大くらいのもあるかな。写実的で鱗なども1つ1つ描かれていて応挙の観察力も伺えました。
5-24 高瀬好山 「昆虫自在置物」
こちらは金属で出来た昆虫型の置物です。蝶、トンボ、蜂、カブトムシ、蝉、カミキリなどが並び、中でもクワガタムシは本物そっくりに見えるクオリティです。さらにこれは自在置物なので関節などが動くんですよね…。まさに明治の超絶技巧のリボルテック!w 隣には伊勢海老など大きめの自在置物もあって、一度動くところを実際に観てみたいものです。
この近くには源琦の「東都手遊図」なんかもありました。お目出度い雰囲気の玩具が並ぶ作品です。
<展示室6>
この部屋は小部屋で、動物をモチーフにした切手が並んでいました。日本の明治の頃の古い切手からモンゴルやルワンダといった馴染みの無い国のコレクションまで実に様々な切手が所狭しと並びます。その中でちょっと懐かしかったのが1988年のパンダの切手シリーズとか年賀状の干支のお年玉郵便切手などで、自然保護シリーズというのも見覚えありました。子供の頃、はがきを貰ってはお湯で糊を剥がして集めたものですが、今ではハガキ自体出さないですね…。
<展示室7>
最後は巻物や蒔絵、能衣裳などのコーナーです。
7-12 「百馬図巻」
こちらは沢山の馬が群れている様子を描いた巻物で、それぞれ色や模様が違う馬が並びます。毛色などが漢字名とカタカナの和訓が記されているのですが、こんなに種類あるの?ってくらいあります(若干無理やりな気がしますが) それぞれの馬のポーズや表情も豊かで、競馬好きとしては目を引く作品でした。
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こちらは一際大きな高蒔絵で描いた作品で、錦鯉が餌に群れている様子が表されています。近づいてみると凹凸もあって、実際に立体的な感じです。それもあって蒔絵とは思えないほどの迫力があり、うねりのような動きも感じられました。
7-1 「十二類合戦絵巻」 ★こちらで観られます
こちらは十二支と狸の戦いを描いた絵巻です。場面ごとに分かれているのですが、あらすじとしては 鹿の代わりに歌の判者となった狸が罵倒され、それを恨んで狼・熊・狐・トビなどを仲間に入れて十二支に戦いを挑み、敗れるという話です。最初は歌合の様子、その後に戦いの様子があり擬人化された十二支や狸たちが甲冑を着て入り乱れています。最後は敗北した狸が出家して腹鼓みをしながら念仏をする様子もあるのですが、やはり歌への思いが残っているようで草庵で歌を詠む姿で終わっていました。ちょっと哀れさもあって憎めないやつですね…。この作品もお正月にぴったりの画題でした。
最後に狂言や能の動物の面が並んでいました。
ということで、様々な表現による様々な動物を観ることができました。特に応挙の作品が多めとなっていた絵画作品はどれも名品で良かったです。お正月に即した作品も結構あったので、この機会に三井記念美術館の誇る国宝と共に楽しんでみるのも良いのではないかと思います。
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