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明治150年記念 NIPPON 鉄道の夜明け 【旧新橋停車場 鉄道歴史展示室】

前回ご紹介した展示を観た後、新橋の旧新橋停車場 鉄道歴史展示室で「明治150年記念 NIPPON 鉄道の夜明け」を観てきました。

DSC00648.jpg

【展覧名】
 明治150年記念 NIPPON 鉄道の夜明け

【公式サイト】
 http://www.ejrcf.or.jp/shinbashi/

【会場】旧新橋停車場 鉄道歴史展示室
【最寄】新橋駅

【会期】2018年12月18日(火)~2019年3月3日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_①_2_3_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は2018年が明治150年に当たるのを記念して企画されたもので、日本の鉄道の歴史の中で特に黎明期についてパネルなどで紹介する内容となっています。日本は明治維新の後にイギリスの援助を受けてエドモンド・モレル等お雇い外国人を招聘し、その指導の元に鉄道が敷設されるわけですが、この展示ではそれ以前の歴史から紹介されていて、意外なエピソードなどもありました。3章構成となっていましたので、簡単に各章ごとにその様子を振り返ってみようと思います。


<1章 夜明け前>
まずは鉄道敷設以前のコーナーです。ここには「別段風説書」という出島のオランダ商館長から提出された書物のコピーがあり、パナマ地峡やエジプトに鉄道を敷設するという記事が乗っています。まだ時代は江戸幕府ですが、鎖国中でもオランダを仲介して割と世界情勢について幕府の上層部は知っていたらしく、その中に鉄道も含まれているようです。(読んでも鉄道って何だ?ってなりそうな気がしますが)

さらに1853年にロシアの軍艦が来た際、蒸気機関車の鉄道を載せていたらしく佐賀藩がそれを実見したそうです。そして佐賀藩はその模型を自力で作ったようで、当時の再現模型の写真のコピーが展示されていました。模型と言ってもNゲージみたいなものではなく 縁日で子供を載せる機関車くらいあるやつで、仕組みを知ったとしてもそれを再現できるとは驚きでした。また、実はペリーも蒸気機関車を持ってきていたそうで、人を乗せて走っている様子を描いた絵のコピーも展示されていました。いずれも こんなものがあったとは意外です。

その先にはジョン万次郎から伝え聞いた「漂客談奇」の一部から鉄道についての記事のコピーが抜粋されていました。「レイロウ(レイルロード)」について語っているのですが、絵は無く分かりづらそうです。一方、同じく浜田彦蔵が漂流してアメリカの船で助けられた漂流記が並んでいて、こちらは下手だけどアメリカの汽車が描かれていました。テイストとしてはUFO目撃談のイラストみたいな感じですw まあ、当時の日本人にとっての鉄道は現在のUFOみたいなもんでしょうね。

そして章の最後には伊藤博文ら5人組がイギリスに密航した話が紹介されていて、中でも井上勝は鉱山と鉄道を学び 後に初代鉄道頭となっています。ここはその解説と写真くらいだったかな。


<2章 鉄道の夜明け>
続いてはよく知られる鉄道開業の頃のコーナーです。エドモンド・モレルら外国人技師を招聘した話があり、モレルの写真とか工部省の関連資料の写真、当時の辞令とか鉄道開業のイラストなんかもあります。(コピーばかりです) 烏帽子姿の明治天皇が横浜駅で汽車から降りている様子もあり、当時いかに大イベントだったのかが伝わってきました。

さらにここには開業の頃の錦絵のコピーもあり、横浜近くの海の上の専用線路を走っている様子が多かったように思います。他には当時の横浜駅の駅舎や新橋駅の写真などもありました。


<3章 日本の鉄道のその後>
最後はその後の鉄道史を一気に紹介するコーナーです。

昭和の頃の機関車や、ボンネット型のこだま号、戦前の燕号、0系ひかり、東北上越新幹線の開業などの写真が並んでいます。また、1号機関車というイギリスに発注した機関車の写真と模型があって、1880年に神戸に転属した旨などが紹介されていました。


ということで、大半はコピーによるパネル展示となっていましたが、特に夜明け前の1章の内容は知らなかったことが多かったので楽しめました。ここは無料で展示を観ることができるので、新橋やパナソニック 汐留ミュージアムに行く機会があったらついでに寄ってみるのもよろしいかと思います。

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