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【川越市立博物館】の案内(2019年02月)

今日も写真多めです。前回ご紹介した川越市立博物館の企画展を観た後、常設展も観てきました。こちらも撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

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【公式サイト】
 http://museum.city.kawagoe.saitama.jp/ippan/joten.html

【会場】川越市立博物館
【最寄】本川越駅・川越市駅・川越駅

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【感想】
こちらも空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この川越市立博物館はその名の通り川越に関する歴史的な品々を常設しています。川越は室町時代に太田道灌によって川越城が築かれ、江戸時代には川越藩の中心として栄えて小江戸と称されるなど歴史ある町なので、その展示内容も多岐に渡っていました。構成はいくつかの章に分かれていたのですが、どういう訳か時代順に周るのは難しい配置だったので、観てきた順にご紹介していこうと思います。


<近世 小江戸 川越>
まずは譜代大名・親藩大名が統治し小江戸として栄えた頃のコーナーです。

こちらは幕末頃の川越の1/500の模型
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精巧に作られていて、かなり大きな町だったことが伺えます。しかし明治の頃に大火が出てかなり燃えたようで、その後に蔵の町として蘇った歴史もあります。

こちらは紺糸威二枚胴具足
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二枚胴というのは胴を前後に分けたものです。黒漆が施されて渋くてカッコいい。中級武士の甲冑なのだとか。

こちらは「三芳野天神縁起」という絵巻
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川越の三芳野神社(みよしのじんじゃ)の縁起を描いたもので、本多忠勝によって再建されたそうです。さらに童謡の「通りゃんせ」が歌っている天神様はこの神社のことなのだとか。色々凄い神社なのに全国区ではない不思議。

こちらも川越の喜多院に関するもので、「木造天海僧正坐像」
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喜多院を再興したのが天海とのことで、玉眼までして非常にリアル。江戸時代初期の有名人のオンパレードですね。

こちらは川越藩工の藤枝英義という人物が鍛えた脇差。
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相州伝の古作に倣ったものということで正宗なんかに似てるんじゃないかな。ちょっと分かりづらいですが刃紋が特に特徴的で見事でした。


<近・現代 近代都市川越の発展>
続いては近現代のコーナーです。

展示室風景はこんな感じ。部屋の中に蔵の町がありますw
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前述の通り、明治の頃に大火で燃えたのですが、今度は燃えないようにと防火性の高い蔵が作られて蔵の町となりました。

こちらは明治35年頃の町並みの様子。(大火の9年後)
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大火があったとは思えないほどに復興していて家がぎっしりです。一部はまだ残っているし、現在の川越に繋がっている感じがしますね。

こちらは明治31年に出された特許図面から復元した「高林式茶葉粗揉機」
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粗揉は茶葉を柔らかくして水分を取る工程です。川越はお茶も有名なのかな?と思っていたら、後の方の展示で有名な狭山茶の元は河越茶であると書いてありました(室町時代のコーナーにありました) 川越はかつてお茶も名産だったんですね。

こちらは川越の米穀市に関するコーナー。
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昭和10年頃まで月9回ほど市が開かれて周辺の農家がこうした荷車で米を運んできたのだとか。むちゃくちゃ重そうだけど馬とか牛に引かせるのかな??


<民俗 川越の職人とまつり>
続いては川越の職人と祭についてのコーナーです。

唐突に石焼き芋の屋台がありました。川越の名物といえばサツマイモですw
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昭和40年代頃に青森から出稼ぎに来ていた人のリアカーだそうです。私は石焼き芋屋さんを見つけるとついつい買ってしまいます…w

こちらは芋せんべいを作る道具一式。
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これは知りませんでしたが、日露戦争の頃には川越で知られていたせんべいなのだとか。そんな昔から川越は芋好きだったとは驚き。

こちらは蔵を建てる様子と構造を紹介する展示。
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鳶職・大工・左官を中心にした職人たちが30以上の工程で3年ほどかけて作るそうで、ここには「地形」「建前」「木舞からノロかけ」という3つの工程の再現がありました。川越の蔵への愛を感じる展示ですw

こちらは川越まつり で使われる面のコーナー。
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毎年10月の第3土曜日・日曜日の開催らしく、1648年から370年くらい続いているというのも驚きです。


<原始・古代 川越のあけぼの>
続いて一気に時代が戻って原始・古代のコーナー。

こちらは長すぎて写真に入りきっていませんが、丸木舟
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川越の出土で、縄文後期の品のようです。川越って縄文の頃から人が住んでいたんですね… 本当に歴史の古い町ですw

こちらも縄文の頃の品。
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川越の辺りは自然のめぐみが豊かだったようで、古くから栄えていたようです。近くには弥生時代の品や古墳時代の埴輪なんかもありました。


<中世 武士の活躍と川越>
最後に中世の頃のコーナーがありました。

こちらは板碑という鎌倉から室町時代にかけて追善や供養の目的で建てられた石製の塔婆
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死後の安楽を願う気持ちが込められていると同時に、当時の社会や文化を知る貴重な資料にもなるようです。

こちらは太田道灌の像の複製。
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太田道灌は入間郡越生町の辺りに砦を築いたそうで、川越にもゆかりのある人物です。川越と江戸に城を築いたので、川越が小江戸と呼ばれるのも納得ですね。

こちらは明治8年頃の上・下新河岸と牛子河岸という河岸場。
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陸路と水路の荷物を取り扱った河岸問屋がたくさん集まっていたようです。川幅もあるし船着き場も結構大きいように思えます。


ということで、川越の町の歴史にフォーカスした展示となっていました。川越は観光地としてのポテンシャルがかなりあるはずなのに いまいち知られていないのが不思議なくらいです。歴史を知るとさらなる驚きもあったので、川越に観光に行かれる際などに寄ってみると楽しいかと思います。

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