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荒木悠展 : LE SOUVENIR DU JAPON ニッポンノミヤゲ 【資生堂ギャラリー】

今日は写真多めです。前回ご紹介した展示を観た後、銀座の資生堂ギャラリーで「荒木悠展 : LE SOUVENIR DU JAPON ニッポンノミヤゲ」という展示を観てきました。この展示は撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

DSC04248_20190421001220d3c.jpg DSC04245_20190421001218269.jpg

【展覧名】
 荒木悠展 : LE SOUVENIR DU JAPON ニッポンノミヤゲ

【公式サイト】
 https://www.shiseidogroup.jp/gallery/exhibition/

【会場】資生堂ギャラリー
【最寄】銀座駅 新橋駅など

【会期】2019年4月3日(水)~6月23日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間15分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_②_3_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は1985年生まれの気鋭のアーティストである荒木悠 氏の個展となっています。国際的に評価されている映像作家であり、世界各地で滞在制作し文化の伝播と誤訳、その過程で生じる差異や類似などに着目して社会・歴史を背景にした映像作品を制作していうそうです。一方、タイトルにある「 LE SOUVENIR DU JAPON」はフランス語で「日本のお土産」という意味のようで、今回の展示では明治18年に日本の鹿鳴館の舞踏会に参加し、その様子を紀行文に書いたフランスのピエール・ロティという作家をテーマにした作品が展示されています。ピエール・ロティは『秋の日本』という著作で日本の自然や美意識を著し、鹿鳴館での舞踏会は「江戸の舞踏会」という章で紹介されているようです。そしてその著作を参考にして、芥川龍之介が1920年に『舞踏会』を書いたそうで、そちらもモチーフとして使われていました。 冒頭に書いたように撮影可能となっていましたので、詳しくは写真と共にご紹介していこうと思います。

こちらは入り口にあった「Product Placement II シャンデリア」「Product Placement IV赤い絨毯 」「Product Placement III 鏡」
DSC04249.jpg
メビウスの輪のようなシャンデリアが鏡に写っているという作品。キャプションもないのでちょっと意図は分かりませんが、舞踏会と関係があるのかな?

今回のメインホールは「The Last Ball」という2画面から成る映像作品となっていました。
DSC04254_20190421001223222.jpg
片方はピエール・ロティが紀行文で書いた視点と芥川龍之介の『舞踏会』のヒロインである明子の視点が混じったような映像、もう片方は3種類の映像となっていました。

大型の画面はこんな感じ。ちょっとシュールw ヨハン・シュトラウス2世の「美しく青きダニューブ(ドナウ)」が流れます
DSC04260.jpg
舞踏会の2人はお互いにiphoneを持っていて、お互いを撮りあうようにクルクル回っていました。

相手を撮ろうとするけど自分は撮られないようにしているのか、まるで追っかけっこしてるようで可笑しいw 右側の映像がちょっと色味が変わってると思ったら2人の瞳の色の違いで見え方が違うのを表しているようです。明子はグリーン、ロティはマゼンダの色彩設定にしているのだとか。
DSC04263.jpg
たまに映像が重なるように見えます。片方はドキュメンタリー、片方はフィクションの存在であり、相対するものが一致するような面白さがありました。

続いては小ホール。

こちらは階段箪笥
DSC04266.jpg
これも突拍子もなく置いてありましたが、やはり紀行文と関係があるのかな?

壁際には3種類の映像作品が並んでいました。
DSC04271_20190421001228ac1.jpg
それぞれ東京、日光、京都の現代の様子と、ピエール・ロティの『秋の日本』を訳した(原作には忠実ではない戯訳とのこと)字幕がセットになっています。

こちらは日光の様子
DSC04273.jpg
ちょっと字幕を撮り忘れましたが、現代でも外国人に人気のところですね。

東京はこの会場のすぐ近くも写していました。
DSC04275.jpg
ここ以外も様々な場所が出てきます

当時は鉄道馬車だったんでしょうか。
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今は地下鉄ですw 130年の隔たりが感じられて面白い映像でした。

京都の辺りはそれほど変わっていないように思えました。
DSC04283_20190421001416798.jpg

最後にこちらは資生堂の創業者であり写真家でもあった福原信三による「ヘルン旧居(松江風景)より」
DSC04280.jpg
小泉八雲の旧居を取ったものらしく、西洋から帰った後に日本の風景 しかも日本国籍を取った小泉八雲の家を撮ったこの写真が今回の展示のテーマと深い繋がりがあるようでした。


ということで、恐らく私は半分も理解できていないと思いますが、現在と過去、史実とフィクションといったものが混ざり合う映像が面白く感じられました。今後ますます活躍が期待される方だと思いますので、映像系の作品がお好きな方は是非どうぞ。無料で観ることができます。

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