関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

ジョサイア・コンドル 「旧島津公爵邸」(2019年04月)

今日は写真多めです。先週、東五反田の清泉女子大学構内にあるジョサイア・コンドル設計「旧島津公爵邸」を見学してきました。

DSC05192_2019042400102974f.jpg

【公式サイト】
 https://www.seisen-u.ac.jp/shimadzu/

【会場】旧島津公爵邸
【最寄】五反田駅、品川駅、高輪台駅、大崎駅など
 ※営業時間・公開日・地図などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間】
 0時間20分程度

【感想】
この建物は大学の敷地内にあるので普段は見学できませんが、年に何回か見学ツアーや公開日が設けられていてそのタイミングで見学することができました。見学ツアーには事前予約が必要で、抽選も行われます。また、見学・訪問方法にはルールがあり撮影については許可が必要な場合もありますので、もし訪れたいと考えている方はweb等で事前に条件・内容を十分に確認しておくことをオススメします。
 参考リンク:見学ツアー

さて、この建物は1915年(大正4年)にジョサイア・コンドルの設計で建てられたもので、島津公爵の邸宅として使われていました。(それ以前はこの地は仙台藩伊達家の下屋敷だったそうで、この洋館が建てられる前は伊達家の日本家屋をそのまま使用していたそうです。) 戦時中の1944年に日本銀行に売却された後、戦後の1946年にはGHQに接収され将校クラブとして使用されています。そして1954年に接収が解除されると日本銀行の所有に戻りますが、清泉女子大学が1961年に建物を購入し今に至ります。清泉女子大学ではこの建物を実際に校舎として活用していて、2009年には耐震補修工事を行うなど、この歴史的な価値の高い建物を大切にしているようです。

ちなみにジョサイア・コンドル設計の主な現存建物は現在こんな感じ。
 旧岩崎邸:見学可能 (訪問済み)
 旧古河庭園:見学可能 (訪問済み)
 岩崎弥之助家廟:見学可能 (訪問済み)
 ニコライ堂:見学可能 (訪問済み)
 三菱一号館:レプリカ再建 (訪問済み)
 旧岩崎家高輪別邸:一般公開無し
 綱町三井倶楽部:一般公開無し
 六華苑:三重県
私は関東にあるジョサイア・コンドルの建築で見学可能な所はほぼ制覇していたので、この旧島津公爵邸の見学は悲願でしたw

ジョサイア・コンドルについては何度も取り上げているので詳しくは下記の記事などを参考にして頂ければと思いますが、お雇い外国人として日本の近代建築の基礎を築き、その弟子には東京駅を作った辰野金吾や現在の迎賓館を作った片山東熊などがいます。お雇いの契約期間が終わっても日本に滞在し、河鍋暁斎に弟子入りして日本画を学んだり、日本舞踊家の奥さんを貰うなど日本を愛した人でした。1920年に亡くなるまで貴族の屋敷などを手がけていて、この島津公爵邸は1915年なのでなので晩年の作と言えそうです。

 参考記事:
  旧岩崎邸の写真 2010年10月
  旧岩崎邸の写真 その2
  旧岩崎邸の写真 その1
  旧古河庭園 外観の写真
  旧古河庭園 内部見学
  ニコライ堂と神田明神の写真
  三菱一号館竣工記念「一丁倫敦と丸の内スタイル展」 (三菱一号館美術館)
  静嘉堂文庫美術館の建物と庭園
  山のホテルと箱根神社の写真 (箱根編)
  旧英国大使館別荘 日光編
  河鍋暁斎 その手に描けぬものなし 感想後編(サントリー美術館)
  片山東熊 (迎賓館赤坂離宮)(外観の写真 2018年9月)

前置きが長くなったので、ここからは写真を使って行きます。

こちらが外観。堅牢な印象を受けます。当時の玄関はここですが、ここから入ることはできません。
DSC05156.jpg
この建物自体が急坂の上にあって、建物自体も高いので当時は2階から品川の海も見えたそうです。この大学の周りは急坂が多いので4年通ったら足腰が丈夫になりそうw

庭に面した外観。ルネサンス様式を基調としていて岩崎邸と似た雰囲気です。
DSC05188.jpg
バルコニーが特に美しく、中央部分が円形にせり出しているのが特徴かな。1階は公式空間、2階がプライベート空間となっていたようです。

こちらは先程の庭から入ってすぐにある泉の間(元応接室)
DSC05186_20190424001030087.jpg
人がいたので角度が妙な感じで撮ってますが、ここには大型の鏡があって、部屋を広く見せる効果があるようです。白壁に気品があり、天井や暖炉にバラの紋様が多用されていました。内装には黒田清輝が関わっているそうで、薩摩の生まれだけに島津公爵とは縁が深そうですね。

泉の間には模型もありました。
DSC05164.jpg
第30代当主 島津忠重 公が主でした。忠重 公は篤姫の甥で平成の今上天皇の大叔父にあたる血筋です。

この隣は立派な聖堂がありますが、聖堂は撮影禁止でした。元々は食堂だったそうで、壁の横に配膳室に繋がる窓があります。この仕掛けは旧古河邸と同じだと思います。

聖堂の脇から玄関方面の廊下を撮ったもの。
DSC05165_201904240010336b4.jpg
右側に写っている応接室・会議室(元書斎)は今回入れませんでした。カーペットなども改修時に張り替えたらしく非常に綺麗です。

玄関の手前の扉にステンドグラスがありました。
DSC05167.jpg
格子の隅にイチョウのような形の紋様が並ぶ面白い形式です。

こちらは玄関。隣にクロークと待合室もありますが、入れませんでした。
DSC05168_20190424001036db5.jpg
十字があるのはミッション系の大学だから… ではなく、丸に十字は島津家の家紋です。幾何学性・装飾性が合わさって優美な雰囲気。

こちらも玄関脇のステンドグラス。
DSC05170_20190424001038483.jpg
リズミカルな紋様となっていて、シンプルでも飽きません。

こちらは1階ホールにある階段。光っている部分はステンドグラスで、明るすぎて真っ白になってしまったw
DSC05175.jpg
階段は同じくジョサイア・コンドルが設計した鹿鳴館に似ていたそうです。手すりの下の柵まで彫刻が施されています。

踊り場から1階ホールを観た様子。
DSC05176_20190424011403693.jpg
右側に奥の棟に行けそうな通路がありますが、見学は出来なそうでした。広いホールなので暖炉が二箇所あります。この先の2階ホールも1階ホールに似てました。

こちらは階段のステンドグラス。
DSC05177.jpg
ステンドグラスは当時のもので、こちらは特に大型です。こちらも幾何学模様が美しく、階段から見上げた時が最も豪華に見えました。

最後に2階の通路。奥は大学の隣の棟と繋がっていました。
DSC05181.jpg
この左側は浴室・公爵居室・夫人居室・子供部屋・バルコニー等がありますが、この日は入れませんでした。居室は今は教室になってるそうです。

また、庭も撮影しませんでしたが、ここは古くからツツジの名所だったそうで、庭のツツジが満開で非常に美しかったです。この時期に見学ツアーが組まれているのもツツジが見頃だからかな?


ということで、念願かなってジョサイア・コンドル設計の建物を観ることができました。 大学の教室として現役で使われているだけに他に比べて見学のハードルは高めですが、他のジョサイア・コンドルの設計との共通点なんかも見つけることができて満足でした。観られなかった部屋もあるので、いずれまた再訪できればと考えています。

関連記事


記事が参考になったらブログランキングをポチポチっとお願いします(><) これがモチベーションの源です。

 

更新情報や美術関連の小ネタをtwitterで呟いています。
更新通知用twitter



コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

21世紀のxxx者

Author:21世紀のxxx者
 
多分、年に70~100回くらい美術館に行ってると思うのでブログにしました。写真も趣味なのでアップしていきます。

関東の方には休日のガイドやデートスポット探し、関東以外の方には東京観光のサイトとしてご覧頂ければと思います。

画像を大きめにしているので、解像度は1280×1024以上が推奨です。

↓ブログランキングです。ぽちっと押して頂けると嬉しいです。





【トラックバック・リンク】
基本的にどちらも大歓迎です。アダルトサイト・商材紹介のみのサイトの方はご遠慮ください。
※TB・コメントは公序良俗を判断した上で断り無く削除することがあります。
※相互リンクに関しては一定以上のお付き合いの上で判断させて頂いております。

【記事・画像について】
当ブログコンテンツからの転載は一切お断り致します。(RSSは問題ありません)

更新情報や美術関連の小ネタをtwitterで呟いています。
更新通知用twitter

ピックアップ
オランジュリー美術館展
 前編 後編

コートールド美術館展
 前編 後編

バスキア展
 前編 後編

ゴッホ展
 前編 後編
展覧スケジュール
現時点で分かる限り、大きな展示のスケジュールを一覧にしました。

展展会年間スケジュール (1都3県)
検索フォーム
ブログ内検索です。
【○○美術館】 というように館名には【】をつけて検索するとみつかりやすいです。
全記事リスト

全記事の一覧リンク

カテゴリ
リンク
このブログをリンクに追加する

日ごろ参考にしているブログです。こちらにも訪れてみてください。

<美術系サイト>
弐代目・青い日記帳
いづつやの文化記号
あるYoginiの日常
影とシルエットのアート
建築学科生のブログ
彫刻パラダイス
ギャラリークニャ
「 10秒美術館 」 ~元画商がほんのり捧げる3行コメント~ 
だまけん文化センター
横浜を好きになる100の方法
美術品オークション

<読者サイト>
アスカリーナのいちご日記
Gogorit Mogorit Diary
青い海(沖縄ブログ)
なつの天然生活
月の囁き
桜から四季の花まで、江戸東京散歩日記
うさみさんのお出かけメモ (u_u)
森の家ーイラストのある生活
Croquis
ラクダにひかれてダマスカス

<友人のサイト>
男性に着て欲しいメンズファッション集
Androidタブレット比較
キャンペーン情報をまとめるブログ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
メディア掲載
■2012/1/27
NHK BSプレミアム 熱中スタジアム「博物館ナイト」の収録に参加してきました
  → 詳細

■2011/11/21
海の見える杜美術館の公式紹介サイトに掲載されました
  → 詳細

■2011/9/29
「週刊文春 10月6日号」に掲載されました
  → 詳細

■2009/10/28
Yahoo!カテゴリーに登録されました
  → 絵画
  → 関東 > 絵画

記事の共有
この記事をツイートする
美術鑑賞のお供
細かい美術品を見るのに非常に重宝しています。
愛機紹介
このブログの写真を撮ってます。上は気合入れてる時のカメラ、下は普段使いのカメラです。
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
19位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
デザイン・アート
2位
アクセスランキングを見る>>
twitter
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

※できるだけコメント欄にお願い致します。(管理人だけに表示機能を活用ください) メールは法人の方で、会社・部署・ドメインなどを確認できる場合のみ返信致します。